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日本薬局方
タカルシトール軟膏
劇薬
処方箋医薬品注)
タカルシトールローション
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
尋常性乾癬
通常1日1回適量を患部に塗布する。
,,,
血清カルシウム値を上昇させる可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
使用が過度にならないよう注意すること。一般に生理機能が低下している。
サイアザイド系利尿剤
血清カルシウム値が上昇する可能性がある。その場合には直ちに本剤の塗布を中止し、経過を観察すること。
サイアザイド系利尿剤は尿中カルシウムの排泄を減少させ、血清カルシウム値を上昇させる可能性がある。
カルシウム含有製剤
本剤は腸管でのカルシウム吸収を促進させる。
ビタミンD及びその誘導体
相加作用
シクロスポリン
シクロスポリンによる腎機能の低下により、血清カルシウム値を上昇させる可能性がある。
高カルシウム血症及び高カルシウム血症によると考えられる臨床症状(倦怠感、食欲不振等)があらわれることがある。異常が認められた場合には、使用を中止し、血清カルシウム値、尿中カルシウム値等の生化学的検査を行い、必要に応じて輸液等の処置を行うこと。,,
1%以上
1%未満
頻度不明
精神神経系
頭痛
皮膚
刺激感、そう痒、ヒリヒリ感、発赤
腫脹、色素沈着、接触皮膚炎
肝臓
ALT上昇
AST上昇、LDH上昇、ALP上昇
電解質
尿中カルシウム上昇
血清カルシウム上昇、血清リンの低下
内分泌
intact PTH低下
腎臓
尿たん白陽性、血清クレアチニン上昇
血液
白血球の増多
本剤を1日10g(タカルシトールとして200μg/日)を超えて塗布することにより高カルシウム血症があらわれる可能性がある。高カルシウム血症の主な症状は倦怠感、脱力感、食欲不振、嘔気、嘔吐、腹部膨満感、腹痛、頭痛、めまい、筋肉痛、筋力低下等である。,
直ちに使用を中止すること。血清カルシウム、尿中カルシウム等の生化学的検査を行い、必要に応じて輸液等の処置を行うこと。
健康成人男子に軟膏(8~24μg/g)をタカルシトールとして120、160及び200μg/日を単回及び5日間反復塗布したとき(単回18例、反復6例)、血清中の未変化体濃度はすべて定量限界注1)未満であった1)。
尋常性乾癬患者に軟膏(20μg/g)をタカルシトールとして140及び200μg/日を28日間反復塗布したとき、7例中5例及び7例中4例で塗布後4時間に血清中に未変化体が検出されたが、いずれの投与量も塗布後24時間で定量限界注2)値または定量限界注2)未満であった2)。尋常性乾癬患者に軟膏(20μg/g)又はローション(20μg/g)をタカルシトールとして200μg/日、8日間反復塗布し、両剤の血中移行性について比較検討を行った。ローションでは、8例中1例で塗布後12時間の血清中に未変化体が検出され、軟膏では、7例中4例で塗布後4時間に、あるいは塗布後4及び12時間に検出された。なお、塗布開始日及び塗布8日目における塗布後24時間の血清中未変化体濃度はローション及び軟膏ともに定量限界注3)未満であった3)。
ラットに主薬を3H標識した軟膏を経皮投与(24時間塗布)したとき、投与部位の皮膚中に未変化体が高濃度に認められた。また、肝臓、小腸組織に比較的高い放射能濃度が認められた4)。
ラット及びイヌに3H標識したタカルシトール水和物を皮下投与、又はラットに主薬を3H標識した軟膏を経皮投与(24時間塗布)したとき、血漿中には未変化体及び代謝物1α,24(R),25-(OH)3D3が認められた4),6),7)。また、ラットに主薬を3H標識した軟膏(タカルシトール水和物として2~40μg/g)を経皮投与したとき、各製剤間で代謝に差異はみられなかった5)。
健康成人男子に軟膏(8~24μg/g)をタカルシトールとして120、160及び200μg/日を単回及び5日間反復塗布したとき(単回18例、反復6例)、尿中の未変化体濃度はすべて定量限界注4)未満であった1)。
尋常性乾癬患者に軟膏(20μg/g)をタカルシトールとして140及び200μg/日を28日間反復塗布したとき、尿中未変化体濃度はすべて定量限界注5)未満であった2)。
ラット及びイヌに3H標識したタカルシトール水和物を皮下投与したとき、それぞれ10日及び11日までに約15%は尿中に、約80%は糞中に排泄された6),7)。また、ラットに主薬を3H標識した軟膏を単回(24時間塗布)及び7日間反復経皮投与したとき、それぞれ単回塗布後11日及び最終塗布終了後6日までの尿糞中への排泄は約30%であり、皮下投与と同様に糞中排泄が主であった4)。
ボンアルファ軟膏2μg/gを4週間投与しても十分な効果が得られなかった尋常性乾癬の難治性皮疹を対象に、34施設で実施したボンアルファ軟膏2μg/gとボンアルファハイ軟膏20μg/gの比較試験において、全般改善度が「かなり軽快」以上を有効とした場合の有効率は86.4%(51例/59例)であった8)。本試験における安全性解析対象59例中、局所性副作用、全身性副作用及び本剤との関連性が否定できない臨床検査値の異常変動は認められなかった。
ステロイド外用剤を3週間投与しても十分な効果が得られなかった尋常性乾癬の難治性皮疹を対象に31施設で実施したステロイド難治部位に対する臨床試験において、有効率は88.9%(48例/54例)であった9)。本試験における安全性解析対象80例中、局所性副作用は3例(3.8%)5件で認められ、その内訳はそう痒及び刺激感各2件、発赤1件であった。全身性副作用の発現は認められなかった。また、本剤との関連性が否定できない臨床検査値の異常変動は尿たん白陽性1例(1.3%)1件であった。
他の外用療法を4週間実施しても十分な効果が得られなかった尋常性乾癬の難治性皮疹あるいは、過去の治療歴、皮疹の程度等から尋常性乾癬の難治性皮疹と判断された皮疹を対象に、30施設で実施したボンアルファハイローション20μg/gとボンアルファハイ軟膏20μg/gとの比較試験において、全般改善度が「かなり軽快」以上を有効とした場合の有効率はそれぞれ71.9%(41例/57例)及び73.0%(46例/63例)であり、両剤の有効性は同程度であった10)。安全性については、ローション(20μg/g)は安全性解析対象68例中、局所性副作用は6例(8.8%)7件で認められ、その内訳は刺激感及びヒリヒリ感各2件、そう痒、発赤及び色素沈着各1件であった。一方、軟膏(20μg/g)は安全性解析対象70例中、局所性副作用は5例(7.1%)6件で認められ、その内訳はヒリヒリ感4件、そう痒及び発赤各1件であった。両剤とも局所性副作用を除く副作用及び副作用とされた臨床検査値の変動はなかった。
治療歴、皮疹の程度等から尋常性乾癬の非難治性皮疹と判断された皮疹を対象に9施設で実施したボンアルファハイ軟膏20μg/g一般臨床試験において、有効率は91.2%(62例/68例)であった11)。本試験における安全性解析対象72例中、副作用は認められなかった。また、本剤との関連性が否定できない臨床検査値の異常変動は、無機リン低下1例(1.4%)1件であった。
表皮細胞の1α,25-(OH)2D3に特異的なたん白受容体(レセプター)を介し、皮膚における抗炎症作用、表皮細胞に対する増殖抑制作用・分化誘導作用により効果を発揮する。
培養ヒト表皮細胞を用いた検討において、タカルシトールは炎症性サイトカインであるIL-8の産生を濃度依存的に抑制した12)。TPA(12-O-テトラデカノイルフォルボール-13-アセテート)塗布により炎症を惹起したヘアレスマウス皮膚において、タカルシトールはミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性を指標とした好中球浸潤を抑制した13)。軟膏(タカルシトールとして20μg/g)も同様の作用を示した14)。ヘアレスマウスにおいて、軟膏(タカルシトールとして20μg/g)は、TPA塗布により惹起される皮膚の炎症性変化を有意に改善した14)。
マウス培養表皮細胞及び正常あるいは乾癬病巣部由来のヒト培養表皮細胞において、タカルシトールはDNA合成及び細胞増殖を抑制した15),16)。TPA塗布により細胞増殖を刺激したヘアレスマウス表皮において、タカルシトールは細胞増殖の指標であるオルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)活性を抑制した。軟膏(タカルシトールとして20μg/g)も同様の作用を示した14)。なお、ODC活性の抑制作用において軟膏とローションは同等であった17)。また、乾癬患者にボンアルファ軟膏2μg/gを4週間塗布することにより、DNA合成及び細胞分裂が抑制され、S期細胞が減少し、表皮細胞の増殖が抑制された18)。
マウス培養表皮細胞において、タカルシトールは角化に必要な細胞内不溶性膜(コーニファイドエンベロウプ)の形成を促進し、トランスグルタミナーゼ(TGase)活性を上昇させた15)。正常ヒト培養表皮細胞において、タカルシトールは細胞内不溶性膜の前駆たん白質インボルクリンの合成を促進した19)。ヘアレスマウスの表皮において、軟膏(タカルシトールとして20μg/g)はTGase活性を上昇させた14)。また、ボンアルファ軟膏2μg/gを塗布後の乾癬患者病巣部皮膚の電子顕微鏡所見において、角質層のケラチンパターンの形成及びケラトヒヤリンを有する顆粒層の形成など角化を正常化する傾向が認められた20)。
マウス及び正常ヒト表皮細胞中のレセプターに対して、タカルシトールは強い親和性を示した15),16)。
タカルシトール水和物(Tacalcitol Hydrate)
(1S,3R,5Z,7E,24R)-9,10-Secocholesta-5,7,10(19)-triene-1,3,24-triol monohydrate
C27H44O3・H2O
434.65
白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、水にほとんど溶けない。光によって分解する。
約100℃
プラスチック容器入り包装において、外箱開封後は遮光して保存すること。
10g×1、10g×10(アルミチューブ入り)
10g×1、10g×10(プラスチック容器入り)
1) 社内報告: 安全性確認試験(健康成人). 2001.(2002年7月5日承認、申請資料概要ヘ.3.(1)、ヘ.3.(2)、ト.1.(2)、ト.1.(3))
2) 高濃度TV-02軟膏乾癬研究会.: 西日本皮膚科. 2002; 64(2): 237-52.
3) 社内報告: 薬物動態(尋常性乾癬患者). 2005.
4) 太田知裕ほか.: 薬物動態. 1990; 5(1): 39-52.
5) 社内報告: 血中濃度推移(ラット). 2002.(2002年7月5日承認、申請資料概要ヘ.2.(1))
6) 太田知裕ほか.: 薬物動態. 1990; 5(1): 3-23.
7) 太田知裕ほか.: 薬物動態. 1990; 5(1): 63-9.
8) 高濃度TV-02軟膏乾癬研究会.: 西日本皮膚科. 2002; 64(1): 105-19.
9) 高濃度TV-02軟膏乾癬研究会.: Eur J Dermatol. 2002; 12(6): 553-7.
10) 高濃度TV-02ローション乾癬研究会.: 西日本皮膚科. 2006; 68(4): 426-44.
11) 社内報告: 一般臨床試験(尋常性乾癬患者). 2007.
12) 社内報告: IL-8産生に対する作用(正常ヒト表皮細胞). 1999.(2002年7月5日承認、申請資料概要ホ.1.(2).1))
13) 社内報告: 抗炎症作用(TPA塗布ヘアレスマウス). 2000.(2002年7月5日承認、申請資料概要ホ.1.(2).1))
14) Sato H, et al.: J Dermatol. 2003; 30(7): 510-24.
15) Matsunaga T, et al.: J Dermatol. 1990; 17(3): 135-42.
16) Matsumoto K, et al.: J Dermatol. 1990; 17(2): 97-103.
17) 社内報告: 表皮細胞増殖抑制作用(TPA塗布ヘアレスマウス). 2003.
18) 川原 繁ほか.: 日本皮膚科学会雑誌. 1989; 99(13): 1407-8.
19) Kobayashi T, et al.: J Dermatol. 1990; 17(11): 707-9.
20) 上田恵一ほか.: 皮膚科紀要. 1989; 84(3): 341-58.
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