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劇薬
処方箋医薬品注)
アトピー性皮膚炎
ステロイド外用剤等の既存療法では効果が不十分又は副作用によりこれらの投与ができないなど、本剤による治療がより適切と考えられる場合に使用する。
通常、成人には1日1~2回、適量を患部に塗布する。なお、1回あたりの塗布量は5gまでとする。
高カリウム血症が増悪する可能性がある。
経皮吸収が高く、広範囲の使用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
皮膚感染症が増悪するおそれがある。
使用しないこと。腎障害が増悪する可能性がある。
腎障害が増悪する可能性がある。
薬物代謝能が低下し、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。動物実験(ウサギ、経口投与)で催奇形作用、胎児毒性が認められたとの報告がある1) 。ヒト(経口投与)で胎盤を通過することが報告されている2) 。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで母乳中へ移行する可能性がある3) 。
使用しないこと。低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
より低濃度の0.03%製剤を使用し、本剤は使用しないこと。血中濃度の上昇により副作用が発現する可能性がある。
一般に生理機能が低下している。
本剤使用中にPUVA療法等の紫外線療法を行わないこと。,
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
適用部位の皮膚刺激感注1)
熱感(灼熱感、ほてり感等)(44.3%)、疼痛(ヒリヒリ感、しみる等)(23.6%)、そう痒感
皮膚感染症注2)
細菌性感染症(毛嚢炎、伝染性膿痂疹等)
ウイルス性感染症(単純疱疹、カポジ水痘様発疹症等)、真菌性感染症(白癬等)
その他の皮膚症状
ざ瘡、ざ瘡様皮疹、皮膚乾燥、丘疹、接触皮膚炎
紅斑、酒さ様皮膚炎、適用部位浮腫
皮膚以外の症状
頭痛、頭重感、皮膚以外の感染症(上気道炎、リンパ節炎等)注3)
皮膚以外の部位(粘膜等)及び外陰部には使用しないこと。また、眼の周囲に使用する場合には眼に入らないように注意すること。万一、眼に入った場合には刺激感を認めることがあるので直ちに水で洗い流すこと。また、洗い流した後にも刺激感が持続する場合は、医療機関を受診し治療を受けるよう指導すること。
長期的な発がんリスクを評価するために、海外で小児アトピー性皮膚炎患者を対象とした疫学研究(10年間の前向きコホート研究)が実施された。延べ観察期間44,629人・年において悪性腫瘍が6例に報告され、年齢及び性別の合致する集団における予測発生率5.95例に対する標準化罹患比は1.01(95%信頼区間0.37-2.20)であった4) 。
成人アトピー性皮膚炎患者各3例に0.1%タクロリムス軟膏をそれぞれ1.25g、5g、10g注1)単回塗布し、72時間後まで経時的に血中濃度を測定したところ、いずれも塗布後6時間までに最高血中濃度に達し、その平均値はそれぞれ0.4、1.0及び7.5ng/mLであった5) 。
成人アトピー性皮膚炎患者5例に0.1%タクロリムス軟膏1回5gを1日2回、7日間反復塗布したところ、2日後に中止した1例を除き、血中濃度は塗布開始3日後の0.93~4.4ng/mLを最高に、その後は低下した。また、成人アトピー性皮膚炎患者3例に0.1%タクロリムス軟膏1回10g注1)を1日2回、7日間反復塗布したところ、1例で塗布開始翌日に20ng/mLの血中濃度を検出したが、以後漸減し、塗布開始7日後には3.9ng/mLとなった。他の2例ではいずれも塗布開始3日後の0.97~4.7ng/mLを最高に、その後は低下した5) 。
成人アトピー性皮膚炎患者568例に0.1%タクロリムス軟膏を1回最大10g注1) 、1日1~2回塗布し52週後まで血中濃度を測定したところ次のとおりであった6) 。
測定時期
測定例数
血中濃度(ng/mL)
平均値±標準偏差
最小値~最大値
3日後
131
1.85±2.62
N.D.~14.0
1週間後
501
0.72±1.13
N.D.~7.4
2週間後
496
0.56±0.93
N.D.~7.1
26週間後
337
0.30±0.93
N.D.~12.0
52週間後
70
0.38±0.87
N.D.~5.4
N.D.:定量限界(0.50ng/mL)以下
ラットの角質層を除去した損傷皮膚に0.5%14C-タクロリムス軟膏320mg/kgを密封法で単回塗布したときの組織中放射能は投与30分後で、肺及び副腎、褐色脂肪、心臓、甲状腺、腎臓、肝臓及び脾臓、血漿、膀胱及び眼球、大脳及び睾丸の順で高く認められた7) 。ヒト血漿蛋白との結合率は、1.0及び10ng/mLの濃度において、それぞれ>98.5%及び99.0±0.2%(平均値±標準偏差)であった8) (in vitro 、平衡透析法)。
0.1%タクロリムス軟膏は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される9) (in vitro)。 外国人肝移植患者での血中、尿中代謝物は主として脱メチル体であったが、胆汁中代謝物は主として水酸化体であった10) (外国人データ)。
ラットの健常皮膚及び角質層を除去した損傷皮膚に0.5%14C-タクロリムス軟膏320mg/kgを密封法で単回塗布したときの168時間までの尿及び糞中への放射能排泄率は、健常皮膚で各々0.4%、4.2%、損傷皮膚で各々2.4%、53.6%であった。また、ラット健常皮膚への単純塗布法では各々0.5%、5.1%であった7) 。
タクロリムス軟膏0.1%「イワキ」とプロトピック軟膏0.1%を健康な成人男性8例の背部皮膚に適用した時の皮膚薬物動態学的試験を実施し、両剤の生物学的同等性を検証した。予試験により決定された適用時間である4時間適用における角層中薬物量の平均値の差の90%信頼区間はlog(0.85)~log(0.98)であり、生物学的同等性の判定基準[log(0.80)~log(1.25)]を満たしており、タクロリムス軟膏0.1%「イワキ」とプロトピック軟膏0.1%の生物学的同等性が確認された。また、安全性に問題となる事例は認められなかった11) 。
添加物変更後のタクロリムス軟膏0.1%「イワキ」は「局所皮膚適用製剤(半固形製剤及び貼付剤)の処方変更のための生物学的同等性試験ガイドライン」(薬食審査発1101第1号、平成22年11月1日)に従い、放出試験及び動物の皮膚を用いた透過試験を実施し、添加物変更前のタクロリムス軟膏0.1%「イワキ」との生物学的同等性が確認された 。
タクロリムス軟膏0.1%「イワキ」及びプロトピック軟膏0.1%をウサギ損傷皮膚に24時間経皮投与した時のAUCtはそれぞれ986±178ng・h/mL及び930±122ng・h/mLを示した。タクロリムス軟膏0.1%「イワキ」及びプロトピック軟膏0.1%のAUCtの平均値の差の90%信頼区間の上限はlog(1.20)で、判定基準[log(1.25)以下]を満たしており、タクロリムス軟膏0.1%「イワキ」の暴露量はプロトピック軟膏0.1%と比較して『同等以下』であると判定された12) 。
成人アトピー性皮膚炎患者を対象に、0.1%タクロリムス軟膏又はステロイド外用剤を躯幹・四肢に1日2回3週間単純塗布した比較試験13) において、最終全般改善度評価の「中等度改善」以上の改善率は93.6%(73/78例)であった。0.1%タクロリムス軟膏群の副作用は、塗布部位の刺激感(ほてり感、ヒリヒリ感、そう痒感等)59.1%(52/88例)、感染症5.7%(5/88例)であった。
成人アトピー性皮膚炎患者を対象に、0.1%タクロリムス軟膏又はステロイド外用剤を顔面・頸部に1日2回1週間単純塗布した比較試験14) において、最終全般改善度評価の「中等度改善」以上の改善率は97.3%(71/73例)であった。0.1%タクロリムス軟膏群の主な副作用は、塗布部位の刺激感(ほてり感、ヒリヒリ感、そう痒感等)80%(60/75例)、ざ瘡4.0%(3/75例)であった。
0.03%製剤で、長期使用例における悪性腫瘍の発現状況を検討するために、小児アトピー性皮膚炎患者を対象とした3つの長期観察調査(長期特別調査、治験症例の追跡調査及び小児科追跡調査;観察期間10年間)を実施した結果、対象症例2,337例、延べ観察期間12,060人・年において、悪性腫瘍の報告はなかった15) 。
ヒト・ヘルパーT細胞によるIL-2、IL-3、IL-4、IL-5、インターフェロンγ、GM-CSF等のサイトカインの産生をステロイドと同等もしくはより強く抑制する16) (in vitro)。
抗IgE抗体刺激によるヒト肥満細胞からのヒスタミン遊離をステロイドより強く抑制する17),18) (in vitro)。
ヒト皮膚ランゲルハンス細胞をタクロリムスで前処理することにより、ランゲルハンス細胞を抗原提示細胞とする混合リンパ球反応を抑制する19) (in vitro)。
タクロリムス水和物(Tacrolimus Hydrate)
(3S,4R,5S,8R,9E,12S,14S,15R,16S,18R,19R,26aS)-5,19-Dihydroxy-3-{(1E)-2-[(1R,3R,4R)-4-hydroxy-3-methoxycyclohexyl]-1-methylethenyl}-14,16-dimethoxy-4,10,12,18-tetramethyl-8-(prop-2-en-1-yl)-15,19-epoxy-5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a-hexadecahydro-3H-pyrido[2,1-c][1,4]oxaazacyclotricosine-1,7,20,21(4H,23H)-tetrone monohydrate
C44H69NO12・H2O
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品はメタノール又はエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド又はエタノール(95)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
10本[5g(チューブ)×10]50本[5g(チューブ)×50]
1) Saegusa T., et al.:基礎と臨床 1992; 26(3): 969-981
2) Zheng S., et al.:Br. J. Clin. Pharmacol. 2013; 76(6): 988-996
3) Jain A., et al.:Transplantation 1997; 64(4): 559-565
4) Paller A.S., et al.:J. Am. Acad. Dermatol. 2020; 83(2): 375-381
5) 川島 眞ら: 臨床医薬 1997; 13(6): 1483-1492
6) FK506軟膏研究会:臨床医薬 1998; 14(13): 2405-2432
7) Iwasaki K., et al.:薬物動態 1999; 14(1): 1-10
8) Iwasaki K., et al.:Res. Commun. Mol. Pathol. Pharmacol. 1996; 94(3): 251-257
9) Shiraga T., et al.:Biochem. Pharmacol. 1994; 47(4): 727-735
10) Christians U., et al.:Transplant. Proc. 1991; 23(6): 2741-2744
11) 岩城製薬株式会社 社内資料(生物学的同等性試験)
12) 岩城製薬株式会社 社内資料(暴露量試験)
13) FK506軟膏研究会:西日本皮膚科 1997; 59(6): 870-879
14) FK506軟膏研究会:皮膚科紀要 1997; 92(3): 277-288
15) 製造販売後調査結果概要(プロトピック軟膏0.03%小児用:2021年12月8日承認、再審査報告書)
16) Sakuma S., et al.:Int. Immunopharmacol. 2001; 1(6): 1219-1226
17) de Paulis A., et al.:J. Invest. Dermatol. 1992; 99(6): 723-728
18) Cohan V.L., et al.:Am. Rev. Respir. Dis. 1989; 140: 951-954
19) Panhans-Groß A., et al.:J. Allergy Clin. Immunol. 2001; 107(2): 345-352
20) 藤井康友ら:基礎と臨床 1997; 31(8): 2693-2700
21) Hiroi J., et al.:Jpn. J. Pharmacol. 1998; 76(2): 175-183
22) 仙石隆則ら:日本薬理学雑誌 1998; 112(3): 221-232
23) Meingassner J.G., et al.:Int. Arch. Allergy Immunol. 1992; 99(2-4): 486-489
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