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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人には、ペミガチニブとして1日1回13.5mgを14日間経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
通常、成人には、ペミガチニブとして1日1回13.5mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
減量レベル
投与量
がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌
FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍
通常投与量
13.5mg
1段階減量
9mg
2段階減量
4.5mg
3段階減量
投与中止
原則投与中止注1)
副作用
程度注2)
処置
網膜剥離
―
高リン血症
血清リン濃度5.5mg/dL超~7mg/dL以下
血清リン濃度7mg/dL超~10mg/dL以下
血清リン濃度10mg/dL超
上記以外の副作用
Grade3
Grade4
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量未満に相当する用量で胎児骨格異常の発生が報告されている1)。,,
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。,
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。
これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
強い又は中程度のCYP3A阻害剤
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
網膜色素上皮剥離、網膜剥離等があらわれることがある。飛蚊症、視野欠損、光視症、視力低下等が認められた場合には、眼科検査を実施し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。,
,
10%以上
10%未満5%以上
5%未満
*血液及びリンパ系障害
貧血
血小板数減少、白血球数減少、好中球数減少、血中クレアチニン増加
*眼障害
ドライアイ(33.8%)、睫毛乱生、角膜障害、結膜炎
霧視
眼痛、羞明
*胃腸障害
下痢(42.6%)、口内炎(45.3%)、口内乾燥(35.1%)、悪心、便秘、腹痛
嘔吐
腹部膨満、消化不良、胃食道逆流性疾患、嚥下障害
*一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労(36.5%)、体重減少
末梢性浮腫
*肝胆道系障害
ALP増加
高ビリルビン血症、ALT増加、AST増加、トランスアミナーゼ上昇
*感染症及び寄生虫症
爪真菌症、尿路感染
代謝及び栄養障害
食欲減退、低リン血症
高カルシウム血症、ビタミンD減少
脱水、低ナトリウム血症
*筋骨格系及び結合組織障害
関節痛、四肢痛
筋肉痛
背部痛、筋痙縮、筋骨格痛、筋力低下
*神経系障害
味覚障害(39.2%)
浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、頭痛
錯感覚、記憶障害
*腎及び尿路障害
急性腎障害、排尿困難
*呼吸器、胸郭及び縦隔障害
鼻出血、鼻乾燥
口腔咽頭痛、呼吸困難、鼻閉
*皮膚及び皮下組織障害
脱毛症(56.8%)、爪の障害(49.3%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚乾燥
発疹、爪囲炎、紅斑
ざ瘡様皮膚炎、そう痒症、毛髪成長異常、陥入爪、皮膚潰瘍
*その他
血中副甲状腺ホルモン減少
本剤の反復投与毒性試験において、骨端軟骨及び軟骨異形成(ラット及びカニクイザル)並びに切歯異形成(ラット)等の変化が臨床曝露量未満に相当する用量で認められた2)。
日本人進行固形癌患者に本剤9、13.5又は18mg注3)を空腹時に単回経口投与、及び1日1回14日間反復経口投与したときのペミガチニブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUCは18mgまでの範囲で概ね用量に比例した増加を示した。
投与量(症例数)
Cmax(nM)
Tmax(h)
AUC0-24(h・nM)
9mg(n=3)
110 (32.1)
1.90(0.783, 3.95)
1120 (12.2)
13.5mg(n=36)
216 (77.0)
1.43(0.50, 6.00)
1880(41.2)
18mg(n=5)
344(96.7)
1.02(0.467, 6.02)
3310(33.7)
値は幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmaxは中央値(範囲)で示した。
Cmax,ss(nM)
Cmin,ss(nM)
CLss/F(L/h)
Vz/F(L)
AUCss,0-24(h・nM)
t1/2(h)
127(89.9)
0.967(0.917, 1.00)
60.4(92.9)
8.99(91.0)
209(48.1)
2050(91.0)
16.1(43.6)
13.5mg(n=33)
195(77.8)
1.02(0.75, 24.0)
56.0(61.0)
10.2(55.5)
201(76.9)
2720(55.5)
13.6(49.2)
18mg(n=3)
385(81.1)
0.83(0.00, 1.00)
199.0(24.7)
5.63(43.8)
154(116)
6560(43.8)
18.9(54.3)
進行固形癌患者12例に本剤13.5mgを食後(高脂肪食、高カロリー食)単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるペミガチニブのCmax及びAUC0-24hの幾何平均値の比はそれぞれ0.817及び1.11であった(外国人データ)4)。
ペミガチニブのヒト血漿タンパク結合率は88.8%であり、主にヒト血清アルブミンと結合していた(in vitro)5)。
ペミガチニブは主にCYP3A4によって代謝される(in vitro)6)。健康成人7例に14C標識体を含む本剤13mg注3)を単回経口投与したとき、投与24時間後までの血漿中に主に未変化体が検出された(血漿中総放射能に対する割合は、64.5%)(外国人データ)7)。
健康成人7例に14C標識体を含む本剤13mg注3)を単回経口投与したとき、投与240時間後までに投与した放射能の82.4及び12.6%が糞中及び尿中に排泄された。また、投与144時間後までに投与した放射能の1.4%が糞中に、及び投与48時間後までに投与した放射能の1.0%が尿中に、それぞれ未変化体として排泄された(外国人データ)7)。
本剤9mg注3)を単回経口投与したとき、腎機能が正常な被験者(8例)に対する重度(推算糸球体濾過量(eGFR)が30mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害患者(8例)のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.646及び1.59であった。腎機能が正常な被験者(7例)に対する血液透析を受けている末期腎不全患者のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、本剤を血液透析の実施4時間前に投与した患者(7例)においてはそれぞれ0.775及び0.768であり、また、血液透析の実施1時間後に投与した患者(7例)においてはそれぞれ0.900及び0.913であった(外国人データ)8)。
本剤9mg注3)を単回経口投与したとき、肝機能が正常な被験者(8例)に対する中等度(Child-Pugh分類 B)の肝機能障害患者(8例)のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.967及び1.46であった。肝機能が正常な被験者(7例)に対する重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者(7例)のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.942及び1.74であった(外国人データ)9)。
健康成人18例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回9日間反復経口投与し、本剤13.5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.38及び0.149であった(外国人データ)10)。
健康成人18例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回8日間反復経口投与し、本剤4.5mg注3)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.17及び1.88であった(外国人データ)10)。
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(13.5mgを単回投与)単独投与時に対するエリスロマイシン(中程度のCYP3A阻害剤)(500mgを1日2回投与)併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.16及び1.66と推定された。また、本剤(13.5mgを単回投与)単独投与時に対するジルチアゼム(中程度のCYP3A阻害剤)(60mgを1日3回投与)併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.13及び1.51と推定された11)。
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(13.5mgを単回投与)単独投与時に対するエファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)(600mgを1日1回投与)併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.758及び0.482と推定された11)。
化学療法歴のあるFGFR2融合遺伝子陽性注4)の治癒切除不能な胆管癌患者を対象としたコホートにおいて、107例(うち日本人患者2例)に本剤13.5mgを1日1回14日間経口投与後、7日間休薬を1サイクルとして投与を継続した。主要評価項目であるRECIST ver.1.1に基づく独立評価判定による奏効率(%)は、35.5(95%信頼区間(CI):26.5-45.4)であった14)。
本剤が投与された107例中101例(94.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、脱毛症60例(56.1%)、高リン血症54例(50.5%)、味覚異常47例(43.9%)、下痢44例(41.1%)等であった。
FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍注5),注6)を有する患者41例(うち日本人患者2例)に本剤13.5mgを経口で1日1回連日投与又は間欠投与注7)した。主要評価項目である治験担当医師判定による完全奏効率(%)は、62.5(95%CI:45.8-77.3)(25/40例)であった。連日投与が行われた集団(27例)における完全奏効率(%)は66.7(95%CI:46.0-83.5)(18/27例)であった(2021年6月30日データカットオフ)15)。
本剤が投与された41例中40例(97.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、高リン血症が29例(70.7%)、脱毛症が23例(56.1%)、下痢が18例(43.9%)及び口内炎が18例(43.9%)等であった。
ペミガチニブは、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のチロシンキナーゼ活性を阻害する低分子化合物である。ペミガチニブは、FGFR融合タンパク等のリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている16)。
ペミガチニブは、FGFR融合タンパクを発現する胆管癌患者由来CTG-0997腫瘍組織片を皮下移植したヌードマウス及びFGFR融合タンパクを発現するヒト急性骨髄性白血病由来KG-1細胞株を皮下移植したインターロイキン2受容体γ鎖の欠損を有する非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した17)。
ペミガチニブ(Pemigatinib)(JAN)
3-(2,6-difluoro-3,5-dimethoxyphenyl)-1-ethyl-8-(morpholin-4-ylmethyl)-1,3,4,7-tetrahydro-2H-pyrrolo[3',2':5,6]pyrido[4,3-d]pyrimidin-2-one
C24H27F2N5O4
487.5
白色の固体である。
284.3℃.
42錠[14錠(PTP)×3]14錠[14錠(PTP)×1]
1) 社内資料:生殖発生毒性(2021年3月23日承認、CTD 2.6.6.6)
2) 社内資料:反復投与毒性試験(2021年3月23日承認、CTD 2.6.6.3)
3) 社内資料:進行性悪性腫瘍を有する日本人患者を対象とする第1相、用量漸増及び用量拡大試験(INCB 54828-102試験)(2023年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.1.2)
4) 社内資料:食事の影響に関する試験(2021年3月23日承認、CTD 2.7.2.2.6.1.2)
5) 社内資料:タンパク結合(2021年3月23日承認、CTD 2.6.4.4.3)
6) 社内資料:代謝In vitro試験(2021年3月23日承認、CTD 2.6.4.5.1)
7) 社内資料:ヒトでの吸収、代謝及び排泄試験(2021年3月23日承認、CTD 2.7.2.2.2)
8) 社内資料:腎機能障害患者における試験(2021年3月23日承認、CTD 2.7.2.2.5.2)
9) 社内資料:肝機能障害患者における試験(2021年3月23日承認、CTD 2.7.2.2.5.1)
10) 社内資料:CYP3A4を介した薬物相互作用試験(2021年3月23日承認、CTD 2.7.2.2.3.1)
11) 社内資料:モデルの適用(2021年3月23日承認、CTD2.7.2.2.4.2)
12) 社内資料:胃pH調整剤を介した薬物相互作用試験(2021年3月23日承認、CTD 2.7.2.2.3.2)
13) 社内資料:吸収In vitro試験(2021年3月23日承認、CTD 2.6.4.3.1)
14) Abou-Alfa GK, et al.:Lancet Oncol.2020 May 01.21(5):671-684
15) *社内資料:INCB 54828-203試験(2023年3月27日承認、CTD 2.7.6.2)
16) 社内資料:In vitro薬理試験(2021年3月23日承認、CTD 2.6.2.2.2)
17) 社内資料:In vivo薬理試験(2021年3月23日承認、CTD 2.6.2.2.3)
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