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劇薬
処方箋医薬品注)
脳動脈瘤によるくも膜下出血術後の脳血管攣縮、及びこれに伴う脳梗塞及び脳虚血症状の発症抑制
通常成人には、クラゾセンタンとして300mg(12mL)を生理食塩液500mLに加え、容量型の持続注入ポンプを用いて、17mL/時の速度で静脈内に持続投与する(クラゾセンタンとして10mg/時)。くも膜下出血術後早期に本剤の投与を開始し、くも膜下出血発症15日目まで投与する。なお、肝機能、併用薬に応じて適宜減量する。
本剤の投与開始前及び投与中に心電図を測定すること。QT間隔延長が起こるおそれ、又は悪化するおそれがある。,,
本剤投与による有益性と危険性を考慮した上で、投与の可否を慎重に検討すること。脳浮腫が発現又は悪化するおそれがある。,
本剤投与による有益性と危険性を考慮した上で、投与の可否を慎重に検討すること。肺水腫又は胸水が悪化する可能性がある。,
患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。出血を助長する可能性がある。,
投与しないこと。血漿中濃度が上昇するおそれがある。,
肝機能検査を行い、臨床的に顕著に肝酵素(AST、ALT)が上昇した場合、総ビリルビン値が基準値上限の2倍を超える場合、又は黄疸などの肝障害の徴候を伴う場合は、本剤の投与を中止すること。血漿中濃度が上昇するおそれがある。,
妊娠可能な患者では、妊娠していないことを確認した後、本剤の投与を開始するとともに、本剤の投与終了後一定期間は避妊するよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある患者に対しては投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)において、エンドセリン受容体拮抗作用に基づく胚毒性及び催奇形性が認められた。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤はBCRPの基質であるため、乳汁移行の可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。くも膜下出血術後患者を対象とした国内臨床試験において、肺水腫の発現割合が高かった。
血圧低下が増強される可能性がある。また、出血傾向の増強をきたすおそれがある。併用する場合には、血圧及び出血の徴候を観察するなど注意すること。
ともに血管拡張作用を有することから、血圧及び出血傾向に影響を及ぼす可能性がある。
血圧低下が増強される可能性があるので、血圧を観察するなど注意すること。
本剤及びこれらの薬剤は血管拡張作用を有することから、血圧に影響を及ぼす可能性がある。
出血傾向の増強をきたすおそれがある。併用する場合には、出血の徴候を観察するなど注意すること。
本剤は血管拡張作用を有することから、出血を助長する可能性がある。
OATP1B1/1B3の阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。
OATP1B1/1B3の阻害作用により、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
OATP1B1/1B3の阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、減量を考慮し、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
これらの薬剤のOATP1B1/1B3の阻害作用により、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
QT間隔延長、心室性不整脈(TdPを含む)等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
本剤及びこれらの薬剤は、いずれもQT間隔を延長させる可能性があるため、併用により作用が増強するおそれがある。
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3%以上
1~3%未満
頻度不明
感染症
肺炎
血液
貧血
出血(硝子体出血、網膜出血等)
代謝
低ナトリウム血症
循環器
低血圧
心不全
呼吸器
鼻閉
肺うっ血
肝臓
肝機能異常
全身障害
顔面浮腫、浮腫
胃腸
腹水
過量投与の最初の徴候は、急激に発現する頭痛であり、悪心及び嘔吐を伴うことがある。
本剤は保存剤を含まないため、希釈後速やかに使用すること。また、バイアル中の残液は廃棄すること。
ラット、イヌ及びミニブタを用いた4週間までの反復毒性試験では、エンドセリン受容体拮抗薬の薬理作用に起因する精細管拡張が認められた。
健康成人に本剤1mg/時注2) を4時間、5mg/時注2) を4時間、15mg/時注2) を4時間の順に静脈内持続投与した時の、血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであった。クラゾセンタンの薬物動態は、検討した用量範囲で用量比例性を認めた1) 。
薬物動態パラメータ(n=12)
AUC0-4(ng・h/mL)
115(104, 128)
AUC4-8(ng・h/mL)
580(528, 638)
AUC8-12(ng・h/mL)
1507(1345, 1689)
AUC0-∞(ng・h/mL)
2366(2133, 2623)
t1/2(h)
2.4(2.2, 2.6)
CL(L/h)
35.5(32.0, 39.4)
Vss(L)
9.9(7.5, 13.0)
幾何平均値(95%信頼区間)
脳動脈瘤破裂に伴うくも膜下出血のクリッピング術後患者に、本剤を5mg/時注2) 及び10mg/時で静脈内持続投与した時の、くも膜下出血発症後9日目±2日の血漿中クラゾセンタン濃度は下記のとおりであった。血漿中クラゾセンタン濃度は、用量依存的に増加した2) 。
5mg/時(n=30)
10mg/時(n=33)
幾何平均値(ng/mL)
148.2
317.0
クラゾセンタンのヒト血漿タンパク結合率は97.6%であり、主にアルブミンに結合した3) 。
健康成人男性4例に14C-クラゾセンタンを0.2mg/kg/時注2) で3時間静脈内持続投与した時、血漿中放射能の93.4%が未変化体であった。尿及び糞中に排泄された放射能の大部分が未変化体であり、投与放射能の5%を超える代謝物は認められなかった4) (外国人データ)。ヒトにおける主な代謝経路はCYP2C9によるピリジン環のメチル基の水酸化であった5),6) (in vitro)。
健康成人男性4例に14C-クラゾセンタンを0.2mg/kg/時注2) で3時間静脈内投与した時、投与終了後192時間までにほとんどが未変化体として排泄され、投与放射能の80.9%が糞中、15.0%が尿中に排泄された4) (外国人データ)。
健康成人8例及び重度腎障害患者8例にクラゾセンタンを1mg/時注2) で6時間静脈内持続投与した時、健康成人に対する重度腎障害患者におけるクラゾセンタンのCss及びAUC0-∞の幾何平均値の比はそれぞれ1.08及び1.08倍であった7) (外国人データ)。
健康成人8例及び軽度肝障害患者8例(Child-Pugh分類クラスA:A群)、中等度肝障害患者8例(Child-Pugh分類クラスB:B群)にクラゾセンタンを1mg/時注2) で、重度肝障害患者8例(Child-Pugh分類クラスC:C群)に0.5mg/時注2) で6時間静脈内持続投与した時、投与量で補正した健康成人に対するA群、B群及びC群におけるクラゾセンタンのCssの幾何平均値の比はそれぞれ1.35、2.10及び3.20倍であり、AUC0-∞の幾何平均値の比はそれぞれ1.41、2.37及び3.79倍であった8) (外国人データ)。,,,
クラゾセンタンはOATP1B1、OATP1B3及びBCRPの基質である。
健康成人男性13例にリファンピシン(OATP1B1及びOATP1B3の阻害薬)600mgを30分かけて静脈内持続投与し、その直後にクラゾセンタンを15mg/時注2) で3時間静脈内持続投与した時、クラゾセンタン単独投与時に対する併用投与時のクラゾセンタンのCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比は3.13及び3.88であった9) (外国人データ)。,
脳動脈瘤破裂に伴うくも膜下出血のコイリング術後患者を対象に、くも膜下出血発症後48時間以内にクラゾセンタンの投与を開始し、本剤10mg/時又はプラセボを最大15日間静脈内持続投与した。対象は術前のWFNS分類I~IV及びFisher分類3の患者とした。また、術後に血管領域の1/3以上を侵す広範囲な脳梗塞を認めた患者は除外した。最初の主要評価項目は、脳血管攣縮に関連した新規脳梗塞、脳血管攣縮に関連した遅発性虚血性神経脱落症状及び原因を問わない死亡を一つ以上発現した割合とした。この発現割合は、プラセボ群が28.8%(32/111例)及び本剤10mg/時群が13.6%(14/103例)であり、本剤10mg/時群において統計的に有意な低下を認めた(プラセボ群vs.本剤10mg/時群:p=0.0055)。最初の主要評価項目を達成したことから、あらゆる理由による新規脳梗塞、遅発性虚血性神経脱落症状及び死亡(二つ目の主要評価項目)を一つ以上発現した割合を評価した。この発現割合は、プラセボ群が41.4%(46/111例)及び本剤10mg/時群が33.0%(34/103例)であった(プラセボ群vs.本剤10mg/時群:p=0.1871)。中等度以上の脳血管攣縮の発現割合は、プラセボ群が49.5%(55/111例)及び本剤10mg/時群が28.4%(31/109例)であった。副作用の発現頻度は、プラセボ群が18.0%(20/111例)及び本剤10mg/時群が36.7%(40/109例)であった。本剤10mg/時群で10%以上発現した副作用は、胸水13.8%(15/109例)及び肺水腫11.9%(13/109例)であった10) 。,
脳動脈瘤破裂に伴うくも膜下出血のクリッピング術後患者を対象に、くも膜下出血発症後48時間以内にクラゾセンタンの投与を開始し、本剤10mg/時又はプラセボを最大15日間静脈内持続投与した。対象は術前のWFNS分類I~IV及びFisher分類3の患者とした。また、術後に血管領域の1/3以上を侵す広範囲な脳梗塞を認めた患者は除外した。最初の主要評価項目は、脳血管攣縮に関連した新規脳梗塞、脳血管攣縮に関連した遅発性虚血性神経脱落症状及び原因を問わない死亡を一つ以上発現した割合とした。この発現割合は、プラセボ群が39.6%(42/106例)及び本剤10mg/時群が16.2%(17/105例)であり、本剤10mg/時群において統計的に有意な低下を認めた(プラセボ群vs.本剤10mg/時群:p=0.0001)。最初の主要評価項目を達成したことから、あらゆる理由による新規脳梗塞、遅発性虚血性神経脱落症状及び死亡(二つ目の主要評価項目)を一つ以上発現した割合を評価した。この発現割合は、プラセボ群が57.5%(61/106例)及び本剤10mg/時群が45.7%(48/105例)であった(プラセボ群vs.本剤10mg/時群:p=0.0880)。中等度以上の脳血管攣縮の発現割合は、プラセボ群が55.0%(61/111例)及び本剤10mg/時群が24.8%(27/109例)であった。副作用の発現頻度は、プラセボ群が12.6%(14/111例)及び本剤10mg/時群は33.9%(37/109例)であった。本剤10mg/時群で10%以上発現した副作用は、胸水12.8%(14/109例)及び肺水腫10.1%(11/109例)であった11) 。,
健康成人35例にクラゾセンタンを20mg/時注3) で3時間静脈内持続投与した後、続いてクラゾセンタンを60mg/時注3) で3時間静脈内持続投与し、QT間隔に及ぼす影響を検討した。結果、QTcFのベースラインからの変化量に対するプラセボ投与時との差の90%信頼区間の上限値は、20mg/時及び60mg/時でそれぞれ最大7.6msec(投与2.5時間後)及び14.8msec(投与10時間後)であった12) (外国人データ)。,,
クラゾセンタンはETA受容体に対して選択的な拮抗作用を示し、125I-ET-1結合に対するKi値は0.13~1.7nMであった13) 。
クラゾセンタンはラットから摘出した大動脈のET-1刺激誘発収縮(ETA受容体介在性)及び気管のサラフォトキシンS6c刺激誘発収縮(ETB受容体介在性)を阻害し、そのpA2値はそれぞれ9.5及び6.4であり、ETB受容体と比較してETA受容体に対して1000倍以上の選択性を示した13) 。
ニューロペプチドであるET-1は、ETA受容体を介して強力な血管収縮作用を示し、脳動脈瘤によるくも膜下出血患者の脳血管攣縮とそれに続く遅発性虚血性神経脱落症状及び脳梗塞の病態生理に関与している14) 。クラゾセンタンはイヌ及びウサギのくも膜下出血モデルにおいて脳血管攣縮を抑制した13),15) 。
クラゾセンタンナトリウム(JAN)Clazosentan Sodium
Disodium{6-(2-hydroxyethoxy)-5-(2-methoxyphenoxy)-2-[2-(1H-tetrazol-1-id-5-yl)pyridine-4-yl]pyrimidin-4-yl}(5-methylpyridine-2-ylsulfonyl)azanide
C25H21N9Na2O6S
621.54
白色~淡黄色の結晶性の粉末である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
6mLバイアル×10本
1) 社内資料:健康成人を対象とした第I相試験(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.2.6)
2) 社内資料:脳動脈瘤によるくも膜下出血患者を対象とした第II相試験(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.2.14)
3) 社内資料:血漿蛋白結合及び血球移行性試験(in vitro)(2022年1月20日承認、CTD2.6.4.4.2.1)
4) 社内資料:健康成人を対象としたマスバランス試験(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.2.3)
5) 社内資料:代謝物同定試験(in vitro)(2022年1月20日承認、CTD2.6.4.5.5)
6) 社内資料:酵素特性解析試験(in vitro)(2022年1月20日承認、CTD2.6.4.5.4)
7) 社内資料:腎機能障害患者を対象とした臨床薬理試験(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.2.4)
8) 社内資料:肝機能障害患者を対象とした臨床薬理試験(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.2.5)
9) 社内資料:健康成人を対象とした薬物相互作用試験(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.2.8)
10) 社内資料:脳動脈瘤によるくも膜下出血のコイリング術後患者を対象とした第III相試験(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.2.17)
11) 社内資料:脳動脈瘤によるくも膜下出血のクリッピング術後患者を対象とした第III相試験(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.2.18)
12) 社内資料:健康成人を対象としたThorough QT試験(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.2.11)
13) Roux S, et al. J Pharmacol Exp Ther. 1997;283(3):1110-1118
14) Nishizawa, et al. Acta Neurochir(Wien)(2000)142:1409-1415
15) 社内資料:薬効薬理試験(2022年1月20日承認、CTD2.6.2.2.2.2.2)
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