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処方箋医薬品注)
本剤の成分並びに他のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
適応菌種:アミカシンに感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)適応症:マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性抗酸菌症
通常、成人にはアミカシンとして590mg(力価)を1日1回ネブライザを用いて吸入投与する。
第8脳神経障害が発現又は増悪するおそれがある。
本剤は神経筋遮断作用を有するため、呼吸抑制があらわれることがある。
腎機能障害患者では高い血中濃度が持続し、腎障害の悪化及び第8脳神経障害の副作用が強くあらわれるおそれがある。腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤吸入投与によるヒト母乳中への移行は不明であるが、アミカシンを筋肉内投与した場合、ヒト母乳中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能が低下しているため、高い血中濃度が持続し、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。
ループ利尿剤エタクリン酸フロセミドアゾセミド等
腎障害及び聴力障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。
機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。
腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤バンコマイシンエンビオマイシン白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)等
腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。
両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明。
神経筋遮断剤麻酔剤筋弛緩剤ツボクラリンパンクロニウム臭化物ベクロニウム臭化物トルペリゾンA型ボツリヌス毒素製剤等
呼吸抑制があらわれるおそれがある。呼吸抑制があらわれた場合には必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。
両薬剤とも神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。
腎毒性を有する薬剤シクロスポリンアムホテリシンB等
腎障害が発現、悪化するおそれがある。
両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
めまい、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがある。
5%以上
1%以上5%未満
1%未満
血液及びリンパ系
白血球減少
心臓障害
動悸
耳及び迷路
耳鳴
耳の不快感難聴
耳痛めまい
眼障害
流涙低下
胃腸障害
口内乾燥悪心下痢
腹痛舌炎舌変色嘔吐
全身障害及び投与部位の状態
疲労
胸部不快感
悪寒発熱無力症
感染症及び寄生虫症
気管支炎喉頭炎口腔カンジダ症
臨床検査
体重減少
呼吸音異常
代謝及び栄養障害
食欲減退
筋骨格系及び結合組織障害
関節痛
胸筋骨格痛筋肉痛
神経系障害
失声めまい味覚不全頭痛
錯感覚平衡障害
精神障害
不眠症
腎及び尿路障害
血尿
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
咳嗽発声障害呼吸困難喀血口腔咽頭痛
喀痰を伴う咳嗽鼻漏唾液増加喉の炎症喘鳴慢性閉塞性肺疾患
咽頭紅斑ラ音鼻詰まり声帯炎症
皮膚及び皮下組織障害
寝汗掻痒発疹
皮膚乾燥多汗症
アミカシンの除去には血液透析が有用であるとの報告がある。
ラミラネブライザシステムの使用方法を患者に十分に指導すること。
本剤は使用前に室温20~25℃に戻してから使用すること。使用時にはバイアルを少なくとも10~15秒間激しく振り混ぜ、内容物が均一でよく混ざるようになるまで本剤を調製する。
肺MAC症患者に対する本剤の1日1回の吸入において、吸入後1~4時間の喀痰濃度は、それぞれ、1、3、6ヵ月でそれぞれ1720、884、1300µg/gで、アミカシン濃度の高い変動を認めた(CV%>100%)。吸入48~72時間後、アミカシン喀痰濃度は吸入1~4時間後の濃度の約5%に低下した1)。
肺MAC症患者(53例、日本人28例を含む)に本剤590mg 1日1回吸入反復投与したときの血清中アミカシン濃度データ(53例、418点)及び尿中アミカシン濃度データ(14例、23点)を用いて母集団薬物動態解析を行った結果、平均血清AUC0-24は20.4µg・hr/mL(範囲:4.3~55.6µg・hr/mL)、平均血清Cmaxは2.27µg/mL(範囲:0.48~6.87µg/mL)、平均血清Cminは0.16µg/mL(範囲:0.02~0.84µg/mL)であり、平均血清消失半減期は5.70時間(範囲:3.29~14.0)であった。
本剤のバイオアベイラビリティは、主に吸入送達効率の個人差及び患者の気道病変状態の違いにより異なることが予想される。
アミカシンは血清タンパク質に10%以下で結合している2)。本剤投与後の平均の総見かけ分布容積は約5.0L/kgである1)。
アミカシンは著しい代謝を受けない。
本剤投与後、全身に吸収されたアミカシンは、主に糸球体ろ過により排泄される。肺MAC症患者に本剤590mg1日1回反復吸入投与した時の投与終了後24時間までの累積尿中未変化体排泄率の平均値(14例)は7.42%(範囲:0.72~22.6%)であった。
多剤併用療法(2剤以上の抗菌薬)で最低6ヵ月連続して治療しても喀痰培養でMAC菌陽性が確認される肺MAC症患者(336例、日本人48例を含む)を対象に、多剤併用標準治療法を対照とした無作為化オープンラベル並行群間比較試験(国際共同試験)を実施し、本剤590mg1日1回吸入投与を多剤併用標準治療に上乗せして最長16ヵ月投与(投与した最初の時点から6ヵ月までに培養陰性化となり、その後に再発/再燃しなかった被験者は、培養陰性化を示した最初の時点から12ヵ月間まで本剤の投与を継続した)及び投与終了12ヵ月後までの有効性及び安全性を検討した。本剤上乗せ群及び多剤併用治療群の治療6ヵ月目までの喀痰培養陰性化達成率は、それぞれ29.0%(65/224例)及び8.9%(10/112例)であり、統計学的に有意な差が認められた(p<0.0001,Cochran-Mantel-Haenszel検定)。本剤+多剤併用療法群223例のうち、185例(83.0%)で本剤との因果関係を否定できない有害事象が発生した。主な副作用は、発声障害(44.4%)、咳嗽(33.2%)、呼吸困難(17.0%)、喀血(11.2%)、疲労(9.0%)、口腔咽頭痛(8.5%)、頭痛(6.7%)、耳鳴(6.7%)、下痢(5.8%)、悪心(5.4%)であった3)。
国際共同第Ⅲ相試験で喀痰培養陰性化が達成できなかった肺MAC症患者(試験開始6ヵ月目までに培養陰性化を達成しなかった被験者又は試験開始6ヵ月目までに再発又は再燃が認められた被験者)を対象に非対照非盲検試験を実施し、本剤590mg1日1回吸入投与を多剤併用標準治療に上乗せして最長12ヵ月投与までの安全性及び忍容性を検討した。163例(先の試験で本剤上乗せ群73例、先の試験で多剤併用治療群90例)うち日本人被験者30例(同17例、13例)が対象となった。本試験開始から投与6ヵ月目及び12ヵ月目までの喀痰培養陰性化達成割合は、投与6ヵ月目までに19.0%(31/163例)[先の試験で本剤上乗せ群9.6%(7/73例)、先の試験で多剤併用治療群26.7%(24/90例)]、投与12ヵ月目までに24.5%(40/163例)[先の試験で本剤上乗せ群13.7%(10/73例)、先の試験で多剤併用治療群33.3%(30/90例)]であった。105例(64.4%)[先の試験で本剤上乗せ群31例(42.5%)、先の試験で他剤併用治療群74例(82.2%)]で本剤との因果関係を否定できない有害事象が発生した。主な副作用は、発声障害(26.4%)、咳嗽(19.6%)、呼吸困難(9.8%)、喀血(5.5%)であった4)。
アミカシンは、ポリカチオン性、半合成アミノグリコシド系抗生物質であり、タンパク質合成を阻害することにより抗菌活性を示す。リポソーム化製剤である本剤はヒトの喀痰を透過し、バイオフィルムに浸透することができる。培養ヒトマクロファージにおいて、本剤は、アミカシンのマクロファージへの取り込みを増加させ、遊離アミカシンよりも本剤による細胞内マイコバクテリアの死滅数が多かった5)。
マイコバクテリアのアミカシンに対する耐性のメカニズムは、16S rRNAのrrs遺伝子の変異に関連している。臨床試験では、ベースライン後に64µg/mLを超えるアミカシンMIC(最小発育阻止濃度)を発現するMAC分離株が、多剤併用標準治療法のみで治療された被験者よりも高い割合で本剤上乗せで治療された被験者で観察された。
アミカシン硫酸塩(Amikacin sulfate)
3-Amino-3-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→6)-[6-amino-6-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)]-1-N-[(2S)-4-amino-2-hydroxybutanoyl]-2-deoxy-D-streptamine disulfate
C22H43N5O13•2H2SO4
781.76
アミカシン硫酸塩は白色~黄白色の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノールにはほとんど溶けない。
凍結を避け、冷蔵庫に保管(2℃-8℃)。アリケイスは、最大25℃の室温で最大4週間保存が可能である。一旦室温で保存された場合、未使用の薬剤は4週間で廃棄する必要がある。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
アリケイス吸入液 590mg:7バイアル
1) 社内資料: 臨床薬理試験(ICPD-00494-2試験)(2021年3月23日承認、CTD 2.7.2)
2) Germovsek et al., 2017 Arch Dis Child Educ Pract Ed 2017;102:89–9
3) 社内資料: 国際共同第Ⅲ相試験(INS-212試験)(2021年3月23日承認、CTD 2.7.6.12)
4) 社内資料: 国際共同第Ⅲ相長期投与試験(INS-312試験)(2021年3月23日承認、CTD 2.7.6.13)
5) Meers et al., J Antimicrob Chemother. 2008;61(4):859–868, Rose et al., PLoS One. 2014 Sep 29;9(9):e108703
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