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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の投与により骨髄抑制があらわれるので、頻回に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。,
HIV感染症
通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ジドブジンとして1日量500~600mgを2~6回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜減量する。
投与しないこと。好中球数、ヘモグロビン値が更に減少することがある。,
,
好中球数、ヘモグロビン値が更に減少することがある。
貧血が発現するおそれがある。
高い血中濃度が持続するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はヒト胎盤を通過する。出生児の血漿中ジドブジン濃度は、分娩時の母親の血漿中濃度と同じであることが報告されている5)(外国人データ)。本剤が胎児臍帯血白血球のDNAに取り込まれたという報告がある6)(外国人データ)。ラットの受胎能及び一般生殖能試験(50、150、450mg/kg/日、1日2回投与)では、中及び高用量群に胎児吸収率の増加、高用量群に胎児平均体重の減少がみられた。サルを用いた試験で、胎児にミトコンドリア障害(心筋及び骨格筋におけるミトコンドリアミオパシー)が認められたとの報告がある7)。ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性の血清乳酸値の上昇が報告されている。非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。本剤を投与された妊婦より出生した児に貧血があらわれることがある。定期的に検査を行うなど児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
授乳を避けさせること。経口投与されたジドブジン(200mg、単回投与)は、ヒト乳汁中に排泄され、血清中の濃度と同じであることが報告されている(外国人データ)。ジドブジンの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.4~3.2であることが報告されている(外国人データ)。乳児の血清中のジドブジン濃度は24ng/mLであったとの報告がある8)(外国人データ)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は、主として肝臓で代謝され腎臓から排泄されるが、肝機能又は腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
イブプロフェン(ブルフェン)
血友病患者において出血傾向が増強することがある。
機序は不明である。
ペンタミジンイセチオン酸塩、ピリメタミン(国内未発売)、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、フルシトシン、ガンシクロビル、インターフェロン、ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩
本剤の毒性作用が増強されることがある。
機序は不明であるが、ともに腎毒性又は骨髄毒性を有するためと考えられている。
プロベネシド
本剤の全身クリアランスが約1/3に減少し、半減期が約1.5倍延長したとの報告があるので、投与間隔を適宜あけること。
本剤のグルクロン酸抱合が競合的に阻害される。また、本剤のグルクロン酸抱合体の腎排泄が抑制されることが考えられている。
フルコナゾール、ホスフルコナゾール
本剤の最高血中濃度が84%上昇するとの報告がある9)。
本剤のグルクロン酸抱合が競合的に阻害されることが考えられている。
リトナビル
本剤の最高血中濃度が27%減少し、AUCが25%減少するとの報告がある10)。
本剤のグルクロン酸抱合が促進されることが考えられている。
リファンピシン
本剤の全身クリアランスが約2.5倍増加し、AUCが約1/2減少するとの報告がある11)。
フェニトイン
血中フェニトイン濃度が約1/2に減少するとの報告がある12)。また、上昇するとも報告されているので、血中フェニトイン濃度を注意深く観察すること。
サニルブジン
細胞内におけるサニルブジン三リン酸化体が減少し、サニルブジンの効果が減弱するとの報告があるので、本剤とサニルブジンとの併用療法は避けることが望ましい。
本剤が細胞内におけるサニルブジンのリン酸化を抑制することが考えられている。
リバビリン
In vitroにおいてリバビリンとの併用により本剤の効果が減弱するとの報告があるので、本剤とリバビリンの併用療法は避けることが望ましい。
本剤の細胞内におけるリン酸化が競合的に阻害されることが考えられている。
アトバコン
本剤のAUCが33%上昇し、グルクロン酸抱合体の最高血中濃度が19%低下した。ジドブジン500又は600mg/日を3週間投与した場合では、本剤の血中濃度の上昇により、副作用の発現頻度が上昇する可能性は低いと考えられるが、アトバコンをより長期に投与する場合には、十分注意すること。
本剤のグルクロン酸抱合が阻害されることが考えられている。
再生不良性貧血、赤芽球癆、汎血球減少(いずれも頻度不明)、貧血(24.84%)、白血球減少(17.83%)、好中球減少(8.28%)、血小板減少(5.10%),,
乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。本剤を含むNRTIの単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)及び肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されている。
5%以上
0.1%~5%未満
頻度不明
血液
リンパ節腫脹
消化器
食欲不振(6.37%)、腹痛(6.37%)、嘔気(12.10%)
下痢、嘔吐、便秘、鼓腸
消化不良、嚥下困難、口唇浮腫、舌浮腫、噯気、歯肉出血、直腸出血、口内潰瘍、胃炎
全身症状
頭痛(5.73%)
発熱、倦怠感
無力症、悪寒、感冒症状、背痛、胸痛、疲労感、体脂肪の再分布/蓄積(胸部、体幹部の脂肪増加、末梢部、顔面の脂肪減少、野牛肩、血清脂質増加、血糖増加)、全身痛、インフルエンザ様疾患
肝臓
肝機能検査値異常(AST、ALT等の上昇)
腎臓
頻尿、排尿障害、腎不全
無尿、多尿
筋骨格
筋肉痛、ミオパシー、関節痛
精神神経系
眩暈、傾眠
不眠症、手足のしびれ感、不安感、錯感覚、錯乱、筋痙攣、振戦、攣縮、痛覚過敏、うつ状態、情緒不安、神経過敏症、失神、健忘症、見当識障害、嗄声、ストレス反応、空間の広がり感
循環器
血管拡張、心筋症
呼吸器
呼吸困難、咳、鼻出血、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎
過敏症
発疹、そう痒感、じん麻疹
痤瘡
皮膚
発汗、体臭変化、爪・皮膚・口腔粘膜の色素沈着
その他
羞明
味覚倒錯、弱視、難聴、霧視、女性化乳房、高乳酸塩血症
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
HIV感染症患者6例に対し、ジドブジン100mg1日4回注)とラミブジン150mg1日2回を25日間以上連続経口投与した時のジドブジン、ラミブジンの血漿中薬物濃度の推移を図-1に、薬物動態パラメータを表-1に示した。ジドブジンは投与後0.8時間で最高血漿中濃度(Cmax)が平均0.55±0.26μg/mLに達し、半減期は平均1.1時間であった17)。
Cmax(μg/mL)
Tmax(h)
t1/2(h)
AUC0-6(μg・h/mL)
AUC0-12(μg・h/mL)
ジドブジン
0.549±0.261
0.8±0.3
1.1±0.1
0.858±0.266
―
ラミブジン
1.547±0.302
1.3±0.6
2.3±0.6
5.089±1.692
6.165±2.312
平均値±標準偏差、6例
成人HIV感染症患者にジドブジンを反復経口投与後のCmax及びAUCは、2mg/kgを8時間毎~10mg/kgを4時間毎注)の投与量範囲で投与量に比例して増加し、0.5~1.5時間で最高濃度に達し、半減期約1時間(0.78~1.93時間)で消失した(外国人データ)。HIV陽性患者にジドブジン1回300mgを1日2回反復経口投与時の血漿中濃度は、投与1時間後に最高濃度2.59±0.52μmol/Lを示し、投与後12時間でほぼ消失した。同時に測定した細胞内三リン酸化体(AZTTP)は、投与後2~4時間で最高濃度を示し、投与後12時間では最高濃度のおよそ1/2の濃度であった18)(外国人データ)。
ジドブジンを静脈内投与注)した場合、投与量1~5mg/kgの範囲で線形の薬物動態を示し、半減期は平均1.1時間(0.48~2.86時間)であった。全身クリアランス(CL)は1900mL/min/70kg、みかけの分布容積(Vd)は1.6L/kgであった19)(外国人データ)。
参考までに、総説にまとめられた薬物動態パラメータを表-2に示す20)。
CL(L/h/kg)
1.3±0.3
Vd/F(L/kg)
3.0±0.6
Vdss(L/kg)
1.6±0.6
t1/2z(h)
1.1±0.2
F(%)
63±13
Ka(h-1)
6.3±2.7
Cmaxa(μmol/L)
2.0
Cmina(μmol/L)
0.2
平均値±標準偏差Vd/F:見かけの分布容積Vdss:定常状態での分布容積t1/2z:終末相における消失半減期F:生物学的利用率a:100mg単回経口投与時
成人HIV感染症患者にジドブジン250~1250mg注)を4時間毎に経口投与した場合の生物学的利用率は平均65%(52~75%)であった19)(外国人データ)。
ヒトにジドブジンを投与したとき髄液中への移行が認められ、2mg/kg注)経口投与1.8時間後におけるジドブジンの髄液中/血漿中濃度比は0.15であり、2.5及び5.0mg/kg静脈内投与注)2~4時間後の髄液中/血漿中濃度比はそれぞれ0.20及び0.64であった19)(外国人データ)。
In vitroにおけるジドブジンの血漿蛋白結合率は34~38%であった19)。
In vitroにおけるジドブジンの結合蛋白はアルブミンと同定された23)。
ジドブジンは吸収後、主にUDP-glucuronosyl transferaseによってグルクロン酸抱合をうけ、主代謝物3'-azido-3'-deoxy-5'-O-β-D-glucopyranuronosylthymidine(GZDV)に速やかに代謝される。また、副代謝経路として3'-amino-3'-deoxy-thymidine(AMT)及びそのグルクロン酸抱合体(GAMT)に代謝される経路も存在する20)。静脈内投与後のGZDVのAUCは未変化体のAUCの約3倍であり、AMTのAUCは未変化体のAUCの1/5であった。
HIV感染症患者にジドブジンを経口投与後の未変化体及びGZDVの尿中排泄率はそれぞれ14.3%及び75.2%であった。ジドブジンの腎クリアランスは400mL/min/70kgと算出され、糸球体濾過及び能動的尿細管分泌による排泄機構が示唆される19)(外国人データ)。
腎機能障害を有する成人HIV感染症患者(平均クレアチニンクリアランス(Ccr)18±2mL/min)に、ジドブジン200mgを単回経口投与した時、腎機能が正常な患者での半減期が1.0時間であったのに対し、腎機能障害患者では1.4時間であり、AUCは正常患者の約2倍であった。また、GZDVの半減期は正常患者で0.9時間であったのに対して8.0時間に延長し、AUCは17倍であった19)(外国人データ)。
生後6ヵ月~12歳の小児HIV感染症患者に80~160mg/m2を6時間毎に静脈内投与注)した時、ジドブジンは二相性に消失し、終末相の平均半減期及び全身クリアランスは1.5時間及び30.9mL/min/kgであった。これらは該当する成人での成績とほぼ同じであった(1.1時間、27.1mL/min/kg)19)(外国人データ)。
アスピリン、インドメタシン等のグルクロン酸抱合により代謝される薬剤が本剤のグルクロン酸抱合を阻害したとの報告がある24)。注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ジドブジンとして1日量500~600mgを2~6回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜減量する。」である。
欧米で行われた4つの無作為化、二重盲検比較試験についてmeta-analysisを行った。ジドブジン1回200mg1日3回にラミブジン1回150mg又は300mg1日2回を併用投与した群(ラミブジン併用群)における症例数は569例、ジドブジン1回200mg1日3回の単独投与又はジドブジンにザルシタビンを併用投与した群(比較対照群)は316例で、両群の患者背景には差を認めなかった。試験期間中、CDC分類のB/Cあるいは新たなB/C症状に進展した患者数は計118例、また、Cへの進展は計28例に認められた。meta-analysisの結果、ラミブジン併用群は比較対照群に比し、CDC分類のB/Cへの進展は49%減少し(p<0.0001)、CDC分類Cへの進展は66%減少した(p=0.003)25)。
ジドブジン治療経験の無いCD4リンパ球数50/mm3以上のエイズ患者並びに350/mm3以下の症候性、無症候性HIV感染症患者2124例を対象とした無作為化、二重盲検比較試験において、ジドブジン1回200mg1日3回を単独(ジドブジン単独群700例)、ジドブジンにジダノシン1回200mg1日2回を併用(ジダノシン併用群718例)、又は、ジドブジンにザルシタビン1回0.75mg1日3回を併用(ザルシタビン併用群706例)で、30ヵ月間(中間値)投与した。ジダノシン併用群及びザルシタビン併用群の死亡率はそれぞれ42%、32%でジドブジン単独群に比較して有意に低かった(p<0.0001,p=0.003)。ジドブジン治療歴が少なくとも3ヵ月以上の患者1083例においては、ジドブジン単独群(355例)とジダノシン併用群(362例)若しくはザルシタビン併用群(366例)の死亡率には有意差は認められなかったが(p=0.14)、ジドブジン治療歴の有無に関わらず、全症例を対象に解析した結果、ジダノシン併用群及びザルシタビン併用群の死亡率はそれぞれ33%、21%であり、ジドブジン単独群に比較して有意に低かった(p<0.001,p=0.008)26)。ジドブジン単独群に比較して、ジダノシンの併用又はザルシタビンの併用による新たな副作用の発現は認められなかった。
エイズ患者及び進行性ARC患者320例を対象とした二重盲検比較試験において、ジドブジン1回300mgを1日2回12時間毎(2回投与群162例)又は1回100mgを1日6回4時間毎(6回投与群158例)で48週間投与した。死亡症例数及び日和見感染症発症例数等について、両群間に差は認められなかった(表-1)。
2回投与群(n=162)
6回投与群(n=158)
死亡症例数
5
日和見感染症発症例数
33
29
平均体重増加量(第20週)(kg)
1.9
3.2
CD4リンパ球増加量(/mm3)
22(最高値、第4週)注1)
29(最高値、第8週)注1)
注1)両群共に16-24週の間にベースラインまで減少し、以降更に減少した。
副作用発現頻度について、両群間に差は認められなかった(表-2)。
貧血
Hgb<8.0g/dL
14%
16%
好中球減少
<1000/mm3
42%
嘔気
15%
18%
頭痛
12%
11%
無力症
6%
5%
筋肉痛
1%
嘔吐
4%
エイズ患者524例を対象とした無作為化、非盲検比較試験において、ジドブジン1回250mgを1日6回注)4時間毎(高用量群262例)又は1回200mgを1日6回注)4時間毎で4週間、その後1回100mgを1日6回4時間毎(低用量群262例)8.3ヵ月間(中間値)投与した。追跡調査を行った32.5ヵ月間における死亡症例数は高用量群188例、低用量群169例、また、推定生存率は高用量群52%(18ヵ月)、27%(24ヵ月)、低用量群63%(18ヵ月)、34%(24ヵ月)であり、低用量群においても有効性を認めた27)。低用量群ではジドブジンによる副作用のため投与中止した症例は77例と少なかった。貧血及び好中球減少の発現率は、低用量群は29%(77/262)、37%(96/262)で高用量群の39%(101/262)、51%(134/262)に比べ低かったが、頭痛の発現率は高用量群の68%(177/262)に比べ低用量群78%(205/262)で高かった。その他の副作用発現率に両群間で差は認められなかった。
無症候性HIV感染症患者(投与前CD4リンパ球数500/mm3以下)1338例を対象とした無作為化、二重盲検比較試験(ジドブジン500mg/日群453例、同1500mg/日群注)457例、プラセボ群428例)において、ジドブジン1回100mg又は300mg、又はプラセボを1日5回4時間毎(夜間を除く)41~52週投与した。その結果、両ジドブジン群において重症ARC又はエイズへの進行率(ジドブジン500mg/日群、同1500mg/日群、プラセボ群:3.8% vs 4.2% vs 8.9%)に有効性を認め、またCD4リンパ球数及び血清中p24抗原量にも効果がみられた28)。貧血及び好中球減少の発現率はそれぞれジドブジン500mg/日群1.1%(5/453)、1.8%(8/453)、同1500mg/日群6.4%(29/457)、6.4%(29/457)、プラセボ群0.2%(1/428)、1.6%(7/428)であった。ジドブジンを投与した群において、有意に発現率の高い副作用は無力症、頭痛、倦怠感、食欲不振、便秘、嘔気、嘔吐、めまいであった。注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ジドブジンとして1日量500~600mgを2~6回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜減量する。」である。
ジドブジンはHIV感染細胞内でリン酸化され、活性型の三リン酸化体となる29)。ジドブジン三リン酸化体はデオキシチミジン三リン酸の代わりにウイルスDNA鎖に取り込まれて、DNA鎖伸長を停止させることによりHIVの複製を阻害する29)。また、HIV逆転写酵素を競合的に阻害する29)。ジドブジン三リン酸化体のHIV逆転写酵素に対する親和性は、正常細胞のDNAポリメラーゼに比べて約100倍高く、選択性の高い抗ウイルス作用を示す(ヒトリンパ球系H9細胞増殖に対するin vitroでのIC50値は267μg/mL(1000μM))29)。
ジドブジンのHIVに対するin vitroにおけるIC50値は、CD4リンパ球系細胞を用いた系では0.13μg/mL(0.49μM)以下であった30)。In vitroでジドブジンとアバカビル、ラミブジン、ジダノシン等の抗HIV薬あるいはインターフェロンαとの相加又は相乗作用が認められた。マウスにマウスレトロウイルス(Rauscherマウス白血病ウイルス)を接種し、接種4時間目より、ジドブジンを1.0mg/mLの割合で飲用水に混入して投与することにより、平均脾臓重量、脾臓細胞感染率、及び血中ウイルス力価が対照群に比し著しく低下した。また感染後生存日数も延長した31)。
ジドブジンを含むチミジンアナログに対する耐性は、HIV逆転写酵素の41、67、70、210、215及び219番目のアミノ酸の変異によって生じ、これらのうち41番目と215番目の変異あるいは4個以上の変異によってウイルスは表現型として耐性を示す32),33)。なお、これらチミジンアナログの変異を有するウイルスは高度の交差耐性を示さない34)。また、62、75、77、116及び151番目のアミノ酸の変異、並びに69番目のアミノ酸のスレオニンからセリンへの変異とそれに加えて同じ個所への6塩基対の挿入により、ウイルスはジドブジンを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤に対し多剤耐性を示す35),36),37)。なお、in vitroにおいて、ジドブジン耐性臨床分離株にラミブジン耐性変異を導入すると、ジドブジンに対する感受性は回復することが確認されている。また、抗HIV薬の治療経験のない患者にジドブジンとラミブジンを併用することによりジドブジン耐性ウイルスの出現が遅延する38)。
ジドブジン(Zidovudine)
3'-Azido-3'-deoxythymidine
C10H13N5O4
267.24
白色~微黄白色の粉末。エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水にやや溶けにくい。光によって分解する。
約124℃
アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて遮光して保存すること。
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
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