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処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ホモ接合体家族性高コレステロール血症
HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分又は忍容性が不良な場合に本剤投与の要否を検討すること。
通常、エビナクマブ(遺伝子組換え)として15mg/kgを4週に1回、60分以上かけて点滴静注する。
HMG-CoA還元酵素阻害剤等による治療が適さない場合を除き、他の脂質低下療法と併用すること。
投与中は血中脂質値を定期的に検査し、本剤に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後少なくとも5ヵ月間は、適切な避妊法を用いるように指導すること。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ウサギを用いた生殖発生毒性試験において胎児の奇形が認められており、母動物の血中脂質濃度の減少に起因した影響と考えられている。なお、妊娠中のウサギでは本剤の薬理作用に対して感受性が高く、当該所見のヒトへの外挿性は低いと考えられる。ヒトIgGは胎盤を通過することが知られている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明である。ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。
新生児、乳児、5歳未満又は体重15kg未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
アナフィラキシー、注入部位そう痒感を含むinfusion reactionがあらわれることがあるので、異常が認められた場合には、注入速度の減速、投与の中断又は中止し、適切な処置を行うこと。
1~10%未満
頻度不明
感染症および寄生虫症
上咽頭炎
神経系障害
浮動性めまい
呼吸器、胸郭および縦隔障害
鼻漏
胃腸障害
悪心、腹痛、便秘
筋骨格系および結合組織障害
背部痛
一般・全身障害および投与部位の状態
インフルエンザ様疾患
12歳以上のホモ接合体家族性高コレステロール血症(以下、「HoFH」)患者を対象とした国際共同第III相長期投与試験において、1.7%(2/116例)に本剤に対する抗薬物抗体が認められた。5歳以上11歳以下のHoFH患者を対象とした海外第Ib/III相試験において、5%(1/20例)に本剤に対する抗薬物抗体が認められた。
妊娠ウサギに妊娠7日目から19日目まで本剤を1、5、10、30mg/kgの用量で3日に1回皮下投与した。すべての用量で流産・血中脂質濃度の減少等の母動物毒性が認められ、胚胎児の生存率低下・胎児の外表及び軟組織の奇形等の胎仔の所見は最低用量(1mg/kg)を除くすべての用量で認められた。ウサギに本剤1mg/kgを投与した曝露量の平均は、ヒトでの最高推奨用量である本剤15mg/kgを4週に1回投与した場合の2.0×10-5倍であった。脂質プロファイルはウサギとヒトで大幅に異なる(特に妊娠期間中)ため、これらの結果の臨床的関連性は不明である1) 。,
TG高値(150mg/dL以上450mg/dL以下)及び/又はLDL-C高値(100mg/dL以上)の成人に本剤5~20mg/kg注1) を単回静脈内投与(投与時間は60分)したときの本剤の薬物動態パラメータ及び血清中濃度推移は下表及び下図のとおりであった(外国人データ)。また、母集団薬物動態解析により、成人HoFH患者に本剤15mg/kgを単回静脈内投与(投与時間は60分)したときのCmaxの推定値は453±96.7mg/L(平均値±標準偏差)であった2) 。
投与量(mg/kg)
例数
Cmax(mg/L)
AUC0-last(mg・day/L)
CLtot(L/day/kg)
5
10
177±23.0
1093±170
0.00466±0.000620
9
313±43.0
3261±775
0.00320±0.000774
20
11
591±71.9
7706±1512
0.00259±0.000448a
平均値±標準偏差a:10例
母集団薬物動態解析により、成人HoFH患者に本剤15mg/kgを4週間に1回反復静脈内投与(投与時間は60分)したときの薬物動態パラメータは下表のとおりであった。定常状態には4回の投与後に到達し、定常状態におけるCmaxは初回投与時の約2倍であった3) 。
Cmin(mg/L)
Cavg(mg/L)
AUCtau(mg・day/L)
15
84
266±120
718±183
401±139
11222±3887
平均値±標準偏差
母集団薬物動態解析により推定した定常状態の分布容積は成人患者で約4.7Lであり、本剤は主に血管系に分布すると考えられる。
本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、内因性IgGと同様に、異化経路を介してペプチド及びアミノ酸に分解されると考えられる。
本剤は線形及び非線形経路の双方により消失する。高濃度では、本剤は主に非飽和性の異化経路を介して消失し、低濃度では主に標的(ANGPTL3)との非線形の飽和性結合を介して消失する。母集団薬物動態解析により、本剤15mg/kgを4週に1回反復静脈内投与し、定常状態に到達した後、最終投与時から本剤の濃度が検出下限(78ng/mL)未満に低下するまでの平均期間は約21週間と推測された。
軽度(eGFR60mL/分/1.73m2以上~90mL/分/1.73m2未満)及び中等度(eGFR30mL/分/1.73m2以上~60mL/分/1.73m2未満)の腎機能障害患者と腎機能が正常な被験者との間で、本剤15mg/kgを4週に1回反復静脈内投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は同等であった4) (外国人データ)。
*母集団薬物動態解析及び母集団薬物動態/薬力学解析の結果、12歳以上17歳以下のHoFH患者(14例)に本剤15mg/kgを4週に1回反復静脈内投与したときの定常状態におけるトラフ濃度及びベースラインからのLDL-Cの低下の程度は成人HoFH患者と大きく異ならないと推定された。また、5歳以上11歳以下のHoFH患者(20例)に本剤15mg/kgを4週に1回反復静脈内投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は成人HoFH患者よりも低いと推定されたが、ベースラインからのLDL-Cの低下の程度は成人HoFH患者よりも大きいと推定された5) 。生後6ヵ月以上5歳未満のHoFH患者に本剤15mg/kgを4週に1回反復静脈内投与したときの曝露量及び薬力学的作用を、5歳以上のHoFH患者の臨床データを用いて構築した母集団薬物動態解析及び母集団薬物動態/薬力学解析により推定した。その結果、生後6ヵ月以上5歳未満のHoFH患者の定常状態における曝露量は、概ね5歳以上のHoFH患者で観察された範囲内であり、ベースラインからのLDL-Cの低下の程度は、5歳以上のHoFH患者と大きく異ならないと推定された6) 。
最大耐用量注2) の脂質低下療法を受けている12歳以上のHoFH患者注3) 65例(日本人10例を含む)を対象に、無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。本試験は、24週間の二重盲検投与期間と24週間の非盲検投与期間で構成された。二重盲検投与期間では、本剤15mg/kg又はプラセボを4週に1回静脈内投与した。有効性について、主要評価項目とされた投与24週後のLDL-Cのベースラインからの変化率は下表のとおりであった7)。
プラセボ群
本剤群
ベースライン 測定値(mg/dL)a
22例246.5±153.71
43例259.5±172.40
投与24週後 測定値(mg/dL)a 変化率(%)b
21例227.9±150.951.9±6.5
43例122.6±79.65-47.1±4.6
変化率(%)のプラセボ群との差b[95%CI]
−
-49.0[-65.0, -33.1]
p値
p<0.0001
a:平均値±標準偏差、−:該当せずb:最小二乗平均値±標準誤差(投与群、無作為化時の層別因子(LDLアフェレシスの実施の有無、及び地域(日本/日本以外))、評価時点、投与群と評価時点の交互作用、無作為化時の層別因子と評価時点の交互作用を固定効果、ベースラインのLDL-C、ベースラインのLDL-Cと評価時点の交互作用を共変量としたMMRM。被験者内効果の分散共分散行列にはUnstructuredを用いた。)
二重盲検投与期間終了後、非盲検投与期間に移行した64例に、本剤15mg/kgを4週に1回、静脈内投与した。二重盲検投与期間の投与48週後までのベースラインからのLDL-Cの変化率の推移は下図のとおりであった。
LDLRの遺伝子型が本剤の有効性に及ぼす影響を検討した結果は、下表のとおりであった。
ヌル/ヌル型変異a又はネガティブ/ネガティブ型変異b
いずれかを有する
いずれも有さない
プラセボ群(9例)
本剤群(17例)
プラセボ群(13例)
本剤群(26例)
ベースライン値(mg/dL)
289.0±167.18
317.0±153.93
217.2±142.9
221.9±176.2
投与24週後(mg/dL)変化率(%)c
291.7±169.3015.4±10.2
159.2±84.75-42.8±7.5
180.1±121.51-7.8±8.6
98.7±67.50-50.1±6.0
変化率(%)のプラセボ群との差c[95%CI]
-58.2[-82.8, -33.6]
-42.2[-63.0, -21.5]
平均値±標準偏差、−:該当せずa:LDLR又はLDLRAP遺伝子の変異の結果、LDLR活性が最低限(15%以下)であるものb:未成熟終止コドン、フレームシフト、スプライス部位の変化、大小の挿入/欠失、及びコピー数異常(CNV)等のLDLR又はLDLRAP1遺伝子の変異の結果、LDLR対立遺伝子双方の機能欠損(LOF)に至ると予測されるものc:最小二乗平均値±標準誤差(投与群、無作為化時の層別因子(LDLアフェレシスの実施の有無、及び地域(日本/日本以外))、LDLR遺伝子変異型(いずれかを有する/いずれも有さない)、評価時点、投与群と評価時点の交互作用、無作為化時の層別因子と評価時点の交互作用、LDLR遺伝子変異型と評価時点の交互作用、投与群とLDLR遺伝子変異型の交互作用を固定効果、ベースラインのLDL-C、ベースラインのLDL-Cと評価時点の交互作用を共変量としたMMRM。)
二重盲検投与期間における有害事象の発現割合は、本剤群で65.9%(29/44例)、プラセボ群で81.0%(17/21例)であった。本剤群の5%以上に報告され、プラセボ群と比較して高い頻度で発現した有害事象は、インフルエンザ様疾患11.4%(5/44例)、鼻漏6.8%(3/44例)であった。非盲検投与期間における有害事象の発現割合は、全体で73.4%(47/64例)、二重盲検投与期間の本剤群からの移行例で79.5%(35/44例)、二重盲検投与期間のプラセボ群からの移行例で60.0%(12/20例)であった。主な有害事象の発現割合は、上咽頭炎及び頭痛でそれぞれ9.4%(6/64例)、二重盲検投与期間の本剤群からの移行例でそれぞれ11.4%(5/44例)、二重盲検投与期間のプラセボ群からの移行例でそれぞれ5.0%(1/20例)であった。
5歳以上11歳以下のHoFH患者を対象に、非盲検非対照試験を実施した。本試験はパートA~Cで構成され、パートA又はBを完了した患者はパートCに移行することが可能とされた。パートA(6例)は本剤15mg/kgを単回静脈内投与、パートB(14例)は本剤15mg/kgを4週に1回24週間静脈内投与、パートC(20例:パートAからの移行例6例、パートBからの移行例14例)は本剤15mg/kgを4週に1回48週間静脈内投与した。有効性について、パートBの主要評価項目とされた投与24週後のLDL-Cのベースラインからの変化率は、下表のとおりであった8)。
パートB(14例)
263.7±90.97
投与24週後(mg/dL)
131.8±109.83
変化率[95%CI]a
-48.3[-68.8~-27.8]
平均値±標準偏差a:LDL-Cの欠測値は、治療期間中の被験者の欠測にはMARを仮定、治療を中止した被験者の欠測にはLDL-Cのベースラインを仮定した多重代入法(pattern-mixture model)により補完することとされた。補完後の100個のデータセットに対して、投与24週後のLDL-Cのベースラインからの変化率の平均値を算出して、得られた結果をRubinの方法により併合した。なお、投与24週後のLDL-C値に欠測は認められなかった。
安全性について、パートB及びCの併合解析における有害事象の発現割合は、95.0%(19/20例)であった。主な有害事象は、COVID-19 75.0%(15/20例)、発熱25.0%(5/20例)であった。
ANGPTL3は主に肝臓に発現するアンジオポエチン様タンパク質ファミリーの1つであり、リポタンパクリパーゼ及び内皮リパーゼを阻害することにより脂質代謝の調節に重要な役割を果たす。ヒトを対象とした遺伝子研究において、ANGPTL3に機能喪失変異のある者は、これらの変異がない者と比較してLDL-C、HDL-C及びTGの値が低く、冠動脈疾患のリスクが低いことが報告されている9) 。本剤は、ANGPTL3に特異的に結合して阻害する遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体であり、ANGPTL3の阻害によりリポタンパクリパーゼ及び内皮リパーゼを活性化し、LDL形成の上流に位置する超低比重リポタンパクのクリアランスを促進することにより10) 、LDL受容体の有無と関係なくLDL-C値を低下させる。
In vitro試験において、エビナクマブは、組換え型ヒトANGPTL3に選択的に結合し(平衡解離定数(Kd値)は0.3~1.3n mol/L)、ANGPTL3により阻害されたリポタンパクリパーゼ及び内皮リパーゼの酵素活性を上昇させた。Ldlr-/-マウスにおいて、エビナクマブの単回投与による血清中LDL-C濃度の低下が認められた。
エビナクマブ(遺伝子組換え)(JAN)Evinacumab(genetical recombination)
エビナクマブは、ヒトアンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)に対する遺伝子組換えヒトIgG4モノクローナル抗体であり、H鎖234番目のアミノ酸残基がProに置換されている。エビナクマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。エビナクマブは、453個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ4鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。
2.3mL×1バイアル
1) 社内資料:生殖発生毒性試験(CTD 2.6.6.6.2.3)
2) 社内資料:母集団PK試験報告書(CTD 2.7.2.2.4.2)
3) 社内資料:母集団PK試験報告書(CTD 2.7.2.2.4.1)
4) 社内資料:母集団PK試験報告書(CTD 2.7.2.3.1.6.6)
5) 社内資料:母集団PK試験報告書(CTD 2.7.2.2.4.2)
6) *社内資料:母集団PK/PDシミュレーション報告書
7) 社内資料:R1500-CL-1629試験/国際共同第III相試験(CTD 2.7.6.2.6)
8) 社内資料:R1500-CL-17100試験/海外第Ib/III相試験(CTD 2.7.6.2.10)
9) 社内資料:Cardiovascular Risk and Other Clinical Phenotypes in People with Loss-of-Function Genetic Variants in ANGPTL3
10) 社内資料:LDL-C低下作用の評価(CTD 2.6.2.3.2.3)
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