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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制
臨床試験に組み入れられた患者の罹病期間、ALS重症度、呼吸機能等の背景及び試験結果を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
通常、成人には、メコバラミンとして50mgを1日1回、週2回、筋肉内に注射する。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
血圧降下、呼吸困難等のアナフィラキシーを起こすことがある。
1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
血液
白血球数増加
その他
注射部位反応
頭痛
発熱感、発汗
組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
光の影響を防ぐために、薬剤バイアルは外箱に入れ遮光した状態で保管すること。
本剤の投与により、赤色の着色尿があらわれることがある。[本剤及び代謝物の尿中排泄による。]
日本人健康成人男子にメコバラミン25mg注3) 及び50mgを単回筋肉内投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである1) 。
投与量(mg)
例数
Cmax(ng/mL)
tmaxa)(hr)
AUC(0-inf)(ng・hr/mL)
t1/2(hr)
25mg注3)
6
834±133
2.00.8、2.0
4270±531
3.1±1.0
50mg
1660±309
1.00.8、2.0
8450±1070
2.8±0.4
平均値±標準偏差、a)上段:中央値、下段:最小値、最大値
日本人健康成人男子にメコバラミン25mg注3) 及び50mgを1日1回7日間筋肉内投与したときの7日目の薬物動態パラメータは下記のとおりである2) 。
投与量(mg/日)
AUC(0-24hr)(ng・hr/mL)
934±196
4320±519
2.6±0.6
1580±257
8840±653
2.8±0.3
メコバラミン(30~3000ng/mL)のヒト血漿タンパク結合率は、25.0~35.8%であった3) (in vitro)。
メコバラミンはほとんど代謝されない。
メコバラミンは主に未変化体として尿中に排泄される。日本人健康成人男子にメコバラミン25~75mg注3) を単回筋肉内投与したとき、投与後72時間までの尿中未変化体総排泄量は、投与量の93%以上であった1) 。
ALS患者8例の腎機能を血清中シスタチンC濃度で補正した糸球体濾過量によって、正常(≥90mL/min/1.73m2)、軽度腎機能障害(60~89mL/min/1.73m2)及び中等度腎機能障害(30~59mL/min/1.73m2)に分類した。メコバラミン50mgを1日1回、週2回筋肉内投与を長期継続した際の薬物動態パラメータは下記のとおりである4) 。
正常(1例)
軽度(4例)
中等度(3例)
50
1440
1830±616
2160±879
2.0
1.50.5、2.0
2.01.0、4.0
AUC(0-8hr)(ng・hr/mL)
6780
8290±3170
10600±1930
2.71
2.91±0.568
3.25b)
CL/F(L/hr)
6.21
5.45±1.68
4.42b)
平均値±標準偏差、a)上段:中央値、下段:最小値、最大値、b)n=1
ALS患者(罹病期間1年以内で、Updated Awaji基準において、definite、probable、probable-laboratory supportedに該当し、ALS重症度基準1度又は2度、投与前12週間で改訂ALS機能評価尺度(ALSFRS-R)合計点数が1点又は2点低下し、努力性肺活量(%FVC)が60%を超える)130例を対象に、メコバラミン50mg又はプラセボを週2回、16週間筋肉内投与する二重盲検比較試験を実施した。主要評価項目である観察期終了時から治療期16週時のALSFRS-R合計点数の変化量は下表のとおりであり、メコバラミン50mgのプラセボに対する優越性が検証された。副作用の発現頻度はプラセボ群で1.6%(1/64例)、メコバラミン50mg群で7.7%(5/65例)であった。メコバラミン50mg群で認められた副作用は、便秘、注射部位疼痛、発熱、心電図QT延長及び発疹が各1.5%(1/65例)であった5) 。
投与群
観察期終了時ALSFRS-R合計点数a)
16週時ALSFRS-R合計点数a)
観察期終了時から16週時の変化量[95%信頼区間]b)
観察期終了時から16週時の変化量の群間差[95%信頼区間]b)
p値c)
プラセボ群
42.3±2.7(64例)
37.5±5.9(63例)
-4.6[-5.8,-3.4]
本剤50mg群
42.4±2.6(65例)
39.3±4.5(63例)
-2.7[-3.9,-1.5]
2.0[0.4,3.5]
0.012
a)平均値±標準偏差b)観察期終了時の合計点数を共変量、病型、観察期終了時のALS重症度、初発から観察期開始までの期間、観察期終了時の%FVC、エダラボン投与歴、投与群、時点、時点と投与群の交互作用を固定効果、被験者を変量効果として含む混合効果モデルにより算出された。自由度調整法はKenward-Roger法とし、共分散構造はUnstructuredとされた。c)両側5%
国内763試験治療期を完了し、継続投与期に移行した症例を対象にメコバラミン50mgを週2回筋肉内投与した。全期間(治療期及び継続投与期(2022年6月28日データカットオフ))におけるALSFRS-R合計点数の推移は下表のとおりであった。全期間における本剤投与例の副作用発現率は7.9%(10/126例)であった。2例以上に認められた副作用はなかった。
評価時期a)
16週
40週
64週
112週
160週
208週
治療期プラセボ群
63
48
34
17
7
2
実測値b)
37.5±5.9
32.1±8.5
29.4±9.0
26.3±10.7
24.3±10.3
11.5±0.7
治療期50mg群
54
39
26
14
5
39.3±4.5
34.1±8.1
31.7±9.6
28.3±10.6
24.8±10.9
20.4±14.0
a)観察期終了時からの週数b)平均値±標準偏差
ALSに対する作用機序の詳細は解明されていない。メコバラミンは、活性型ビタミンB12であり、ホモシステインからメチオニンを合成するメチオニン合成酵素の補酵素として働く。ホモシステインは神経変性に関わると考えられており、メコバラミンは、ホモシステインによる神経変性を抑制すると考えられる。また、メチオニンとアデノシンの縮合によりS-アデノシルメチオニン(SAM)が生成し、タンパク質のダメージの修復時にメチル基供与体として働く。メコバラミンは、SAMを介して神経変性を修復すると考えられる6),7),8) 。
Wobblerマウスにおいて、前肢の握力低下を抑制し、二頭筋重量、筋皮神経線維数を増加させた9) 。G93A変異ヒトSOD1トランスジェニックマウスにおいて、生存日数等の延長・増加傾向を示した10) 。
メコバラミン(Mecobalamin)
Coα-[α-(5,6-Dimethyl-1H-benzimidazol-1-yl)]-Coβ-methylcobamide
C63H91CoN13O14P
1344.38
メコバラミンは暗赤色の結晶又は結晶性の粉末である。本品は水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。本品は光によって分解する。
外箱開封後は遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
8バイアル
1) 社内資料:日本人及び白人健康成人を対象とした用量漸増単回投与試験(2024年9月24日承認、CTD2.7.2.2.2.1)[RBM-0043]
2) 社内資料:日本人及び白人健康成人を対象とした用量漸増反復投与試験(2024年9月24日承認、CTD2.7.2.2.2.2)[RBM-0044]
3) 社内資料:血漿タンパク結合率(2024年9月24日承認、CTD2.7.2.2.1)[RBM-0045]
4) 社内資料:ALS患者を対象とした763試験の継続投与期のサブスタディ(2024年9月24日承認、CTD2.7.2.2.2.3)[RBM-0046]
5) Oki R. et al.:JAMA Neurol., 2022;79(6):575-583[RBM-0039]
6) Kikuchi M. et al.:Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 1997;38(5):848-854[MBL-0851]
7) Akaike A. et al.:Eur. J. Pharmacol., 1993;241(1):1-6[MBL-0786]
8) Hemendinger R.A. et al.:Toxicol. Appl. Pharmacol., 2011;251(3):217-225[RBM-0047]
9) Ikeda K. et al.:J. Neurol. Sci., 2015;354(1-2):70-74[RBM-0023]
10) 社内資料:ALSモデル動物G93A変異SOD1 Tgマウスにおける延命効果(2024年9月24日承認、CTD2.6.2.2.7)[RBM-0024]
11) 社内資料:酸化ストレスによる運動神経突起傷害に対する抑制効果(2024年9月24日承認、CTD2.6.2.2.1)[RBM-0025]
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
フリーダイヤル 0120-419-497
*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2025年11月末日までは、投薬期間は1回14日分を限度とされている。
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10
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