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処方箋医薬品注)
早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)
本剤は原発性無呼吸に対する治療薬であるので、本剤投与前に二次性無呼吸の除外診断を行うこと。また、二次性無呼吸を呈する患者には、原疾患に応じ適切な処置を行うこと。
アミノフィリン水和物として、初回投与量を4~6mg/kg(本剤0.8~1.2mL/kg)、維持投与量2~6mg/kg/日(本剤0.4~1.2mL/kg/日)を1日2~3回に分けて、緩徐に静脈内注射する。なお、臨床症状、血中濃度に応じて適宜増減する。
適宜増減の際にはテオフィリン有効血中濃度の上限である15μg/mLを超えないよう注意すること。また、血中濃度の上限付近でも治療に反応しない場合は、投与を中止し、他の治療法への切り替えを考慮すること。
心筋刺激作用を有するため症状を悪化させることがある。
痙攣を誘発することがある。
血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。
テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。
血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンは胎盤を通過する。,
血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンは乳汁に移行する。,
腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。
本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがある。アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること。
本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる。
他のキサンチン系薬剤
中枢神経興奮薬
過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある。異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
併用により中枢神経刺激作用が増強される。
交感神経刺激剤
低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられる。低カリウム血症の増強についての機序は不明である。
ハロタン
不整脈等の副作用が増強することがある。また、連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがある。異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる。
ケタミン塩酸塩
痙攣があらわれることがある。異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与など適切な処置を行うこと。
痙攣閾値が低下するためと考えられる。
シメチジンメキシレチン塩酸塩プロパフェノン塩酸塩アミオダロン塩酸塩ピペミド酸水和物シプロフロキサシンノルフロキサシントスフロキサシントシル酸塩水和物パズフロキサシンメシル酸塩プルリフロキサシンエリスロマイシンクラリスロマイシンロキシスロマイシンチクロピジン塩酸塩ベラパミル塩酸塩ジルチアゼム塩酸塩フルボキサミンマレイン酸塩フルコナゾールジスルフィラムデフェラシロクス
テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝薬物代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる。
アシクロビルバラシクロビル塩酸塩インターフェロンイプリフラボンシクロスポリンアロプリノール
テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる。
リファンピシンフェノバルビタールランソプラゾールリトナビル
テオフィリンの効果が減弱することがある。テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。
肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。
フェニトインカルバマゼピン
テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがある。テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。また、相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること。
ジピリダモール
ジピリダモールの作用を減弱させることがある。
アデノシン拮抗作用による。
ラマトロバン
ラマトロバンの血中濃度が上昇することがある。
ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である。
リルゾール
リルゾールの作用を増強(副作用発現)するおそれがある。
in vitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている。
タバコ
禁煙(禁煙補助剤であるニコチン製剤使用時を含む)によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある。異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
喫煙により肝薬物代謝酵素が誘導され、テオフィリンクリアランスが上昇し、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。また、禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる。
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。
蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等があらわれることがある。
痙攣又はせん妄、昏睡等の意識障害があらわれることがあるので、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
痙攣、意識障害等に引き続き急性脳症に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
脱力感、筋肉痛、CK上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
潰瘍等による消化管出血(吐血、下血等)があらわれることがある。
貧血があらわれることがある。
肝機能障害(AST、ALTの上昇等)、黄疸があらわれることがある。
頻度不明
過敏症
発疹、瘙痒感、蕁麻疹、紅斑(多形滲出性紅斑等)、固定薬疹
精神神経系
頭痛、不眠、神経過敏(興奮、不機嫌、いらいら感)、不安、めまい、耳鳴、振戦、しびれ、不随意運動、筋緊張亢進
循環器
顔面潮紅、動悸、頻脈、顔面蒼白、不整脈(心室性期外収縮等)
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢、腹部膨満感、消化不良(胸やけ等)、しゃっくり
泌尿器
蛋白尿、頻尿
代謝異常
血清尿酸値上昇、CKの上昇
肝臓
AST、ALT、Al‐P、LDH、γ‐GTPの上昇
血液
貧血、好酸球増多
その他
むくみ、倦怠感、関節痛、四肢痛、胸痛、発汗、低カリウム血症、鼻出血、しびれ(口、舌周囲)
早産・低出生体重児においては、テオフィリン血中濃度が高値になると、血中濃度の上昇に伴い、消化器症状(嘔吐、下痢)や精神神経症状(興奮、痙攣、昏睡、振戦)、心・血管症状(頻脈、心室頻拍、血圧低下、心不全)、低カリウム血症、低ナトリウム血症、高血糖、呼吸促進等の中毒症状が発現しやすくなる。一方、小児・成人においては、消化器症状(特に悪心、嘔吐)や精神神経症状(頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、せん妄、意識障害、昏睡等)、心・血管症状(頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等)、低カリウム血症、その他の電解質異常、呼吸促進、横紋筋融解症等の中毒症状が発現しやすくなる。なお、軽微な症状から順次発現することなしに重篤な症状が発現することがある。
過量投与時の処置には、テオフィリンを除去する方法と、出現している中毒症状に対する対症療法がある。血中テオフィリンの除去として、活性炭の経口投与、活性炭を吸着剤とした血液灌流、血液透析、交換輸血等がある。なお、テオフィリン血中濃度が低下しても、組織に分布したテオフィリンにより血中濃度が再度上昇することがある。
気道を確保し、酸素を供給しながら、必要に応じて抗痙攣薬等(ジアゼパム静注等)の処置を行う。
不整脈治療として、抗不整脈薬の投与等適切な処置を行う。
本剤は緩衝性が強く、他剤を本剤のpH域に近づける性質がある。したがって、アルカリ性で不安定な薬剤や酸性の薬剤等とは変化を生ずる場合があるので配合には注意すること。
開封後はできるだけ速やかに使用すること。また、一部を使用した残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。(本剤は保存剤を含有していない。)
低出生体重児にアミノフィリン水和物を5mg/kgの用量で静脈内投与(ボーラス投与)したときの血漿中テオフィリン濃度推移を下図に示す。投与直後に平均11.7μg/mLの血漿中濃度を示したのち、1時間後までは速やかに減少し、その後はゆっくりと減少した。t1/2、Vd及びCLはそれぞれ20.6時間、0.57L/kg及び23.5mL/kg/hrであった1)。
注1)低出生体重児の在胎齢は29.3±3.6週、出生体重は1325±568g
在胎週数(weeks)
出生体重(g)
修正週数(weeks)
t1/2(hr)
Vd(L/kg)
CL(mL/kg/hr)
29.2±3.2(25‐35)
1203±362(705‐1750)
31.9±2.7(27‐35)
20.6±8.0(7.7‐34.0)
0.57±0.15(0.35‐0.82)
23.5±14.2(9.3‐51.8)
平均値±S.D.,注2)n=9,( )内は範囲注2)平均値±S.D.は原著の個々の値から算出した。
母体の血清中テオフィリン濃度が9.69±1.62μg/mL(平均値±S.E.,n=9)のとき、臍帯血の血清中テオフィリン濃度は10.21±1.71μg/mL(n=12)である2)(外国人データ)。
母体の血清中テオフィリン濃度と母乳中テオフィリン濃度比は約1:0.7(n=4)である3)(外国人データ)。
小児・成人とは異なり、早産・低出生体重児では、肝薬物代謝酵素が未発達であり、未変化のテオフィリンのまま腎から排泄される割合が高い。代謝に関与する主な代謝酵素は、小児・成人と同様にCYP1A2であると推察される。その他、代謝物として、小児・成人では認められないカフェイン及びテオブロミンが検出されている4),5),6)(外国人データ)。
早産・低出生体重児のデータによると、尿中代謝物の割合は未変化のテオフィリン43~71%、1,3‐ジメチル尿酸15~34%、1‐メチル尿酸7.9~14%、3‐メチルキサンチン0.1~1.3%、カフェイン6.5~11%、テオブロミン2.0~3.8%である4),5),6)(外国人データ)。
本剤をはじめとするテオフィリン製剤の投与にあたっては、テオフィリン血中濃度を測定しながら投与量を調節することが望ましい。多くの児では、投与開始から6~10日で定常状態に至るが、有効血中濃度に達していない場合においても慎重に投与する。有効血中濃度は通常5~15μg/mL(中毒域:20μg/mL以上)とされているが、血中濃度の上昇に伴い中枢神経興奮症状や消化器症状等の副作用が発現しやすくなるので、症状をよく観察しながら投与する必要がある。また、血中には代謝物であるカフェインがテオフィリン濃度の約1/3(1/8~1/2)存在するため、テオフィリン血中濃度が有効血中濃度の範囲内であっても、カフェインが臨床効果及び副作用の発現に影響する可能性がある。これらのことから、症状をよく観察しながら投与する必要がある1),7),8),9)。,
早産、低出生体重児における原発性無呼吸に対して行われた使用実態下における安全性及び有効性に関する調査(調査期間:2004年11月1日~2005年12月31日)の結果、有効率は94.8%(73/77例)であった。有効性評価にあたっては、本剤を投与している期間中、機械的人工換気又はドキサプラム塩酸塩水和物を必要とせずに症状をコントロールできたか否かで判定し、機械的人工換気と併用して本剤の投与を開始した場合には機械的人工換気の中止または終了後の経過から有効性を判定した。ただし、本剤開始時から終了時まで機械的人工換気を併用した場合は判定不能とし、有効性解析対象症例から除外した。また、安全性解析対象症例118症例中、6例(5.1%)に7件の副作用が認められた。その内訳は、新生児嘔吐2件(1.7%)、頻脈2件(1.7%)、腹部膨満1件(0.8%)、嘔吐1件(0.8%)、新生児低ナトリウム血症1件(0.8%)であった10)。
本薬の有効成分であるアミノフィリン水和物は、テオフィリン2分子とエチレンジアミン1分子の塩であり、体内ではテオフィリンとして存在する。テオフィリンの作用機序としては、アデノシン拮抗作用並びにPDE阻害作用等の説がある11),12)。
ヒトの早産・低出生体重児にテオフィリンを投与した結果、中枢性作用として呼吸中枢の刺激作用及びCO2応答能の増強作用、末梢性作用として横隔膜筋の収縮力増強作用及び横隔膜筋の疲労回復作用が報告されている13),14),15),16)。
アミノフィリン水和物(Aminophylline Hydrate)
1,3-Dimethyl-1H-purine-2,6(3H,7H)-dione hemi(ethylenediamine)hydrate
(C7H8N4O2)2・C2H8N2・xH2O
アミノフィリン水和物は白色~微黄色の粒又は粉末で、においはないか、又はわずかにアンモニア様のにおいがあり、味は苦い。本品は水にやや溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品1gに水5mLを加えて振り混ぜるとき、ほとんど溶け、2~3分後、結晶が析出し始める。この結晶は少量のエチレンジアミンを追加するとき溶ける。本品は光によって徐々に変化し、空気中に放置するとき、次第にエチレンジアミンを失う。
10管(ガラスアンプル)
1) 飯島健志:日本新生児学会雑誌, 1982;18(2): 198-209 [N-0941]
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6) Bonati M. et al.:Pediatr. Res., 1981;15: 304-308 [TEO-0899]
7) 吉岡栄子ら:臨床薬理, 1980;11(1): 9-16 [N-0673]
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16) Lopes J. M. et al:Pediatr. Res., 1982;16: 355A [TEO-0955]
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