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劇薬
処方箋医薬品注)
緊急治療を要する下記不整脈頻脈性不整脈(症候性の発作性心房細動・粗動、発作性上室性頻拍、心室頻拍、及び医師が生命に関わると判定した重症の心室性期外収縮)
通常、成人には1回0.1~0.2mL/kg(フレカイニド酢酸塩として1.0~2.0mg/kg)を必要に応じてブドウ糖液で希釈し、血圧及び心電図監視下10分間かけて静脈内に注射する。なお、総投与量はフレカイニド酢酸塩として1回150mgまでとする。
本剤は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある。特に心不全を来すおそれのある患者では、少量を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。心室頻拍の悪化、心室細動等が発現するおそれが高い。,
本剤は房室伝導、洞房伝導等を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。
本剤は洞結節機能を抑制することがある。
本剤は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある。
催不整脈作用が生じやすく、高度の不整脈に発展するおそれがある。
本剤の添加剤D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。
少量を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。本剤は心臓ペーシング閾値を上昇させる可能性がある。
少量を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。有効性、安全性が確立していない。
少量を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。本剤は腎臓からの排泄により体内から消失する薬剤であり、本剤の薬物動態が変化する可能性がある。
過量投与になるおそれがある。
少量を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。本剤は肝臓で代謝される薬剤であり、本剤の薬物動態が変化する可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本薬を経口投与したときの動物実験(ラット)において催奇形性が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいて乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤の投与に際しては、必ず心電図及び血圧の連続監視を行い、少量(例えば0.05mL/kg;フレカイニド酢酸塩として0.5mg/kg)を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。また、血圧低下、洞停止、胸部不快・圧迫感、QRS幅の増大、心室頻拍、PQの延長、房室ブロック、徐脈、動悸等の異常所見が認められた場合には、直ちに投与を中止すること。高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、副作用が発現するおそれがある。
リトナビル(ノービア)
不整脈、血液障害、痙攣等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
リトナビルのチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される。
ミラベグロン(ベタニス)
QTが延長し、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等を起こすおそれがある。
本剤並びにミラベグロンは催不整脈作用を有する。また、ミラベグロンのチトクロームP450(CYP2D6)阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
テラプレビル(テラビック)
本剤並びにテラプレビルはQT延長作用を有する。
ジギタリス配糖体
相手薬剤の血中濃度が上昇することがある。
機序は不明である。
β遮断剤
心機能低下や房室ブロックがあらわれることがある。また、プロプラノロールとの併用においては、本剤並びにプロプラノロールの血中濃度が上昇することがある。
本剤並びにβ遮断剤(プロプラノロール等)は相互に陰性変力作用と房室伝導抑制作用を有する。また、本剤並びにプロプラノロールはともにCYP2D6の基質であるため、相手薬剤の代謝を競合的に阻害する。
パロキセチン塩酸塩水和物
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
相手薬剤が肝代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
シメチジンキニジン硫酸塩水和物
本剤の血中濃度が上昇することがある。
相手薬剤のチトクロームP450阻害作用に基づく。
フェニトインフェノバルビタールカルバマゼピン
本剤の血中濃度が低下することがある。
相手薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用に基づく。
アミオダロン塩酸塩
本剤の血中濃度が1.5倍に上昇するとの報告があるので、本剤を2/3に減量すること。
Ca拮抗剤
心機能低下や房室ブロックがあらわれることがある。
本剤並びにCa拮抗剤(ベラパミル等)は相互に陰性変力作用と房室伝導抑制作用を有する。
塩酸リドカインプロカインアミド塩酸塩
実験的不整脈モデルにおいて抗不整脈活性あるいは毒性症状が増強するとの報告がある。
一過性心停止、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心房粗動、心室細動、Adams-Stokes発作があらわれることがある。このような場合には、本剤の投与を中止し、次の処置法を考慮すること。,,
0.1~5%未満
0.1%未満
循環器注)
QRS幅の増大、血圧低下、洞停止、徐脈、胸部不快・圧迫感、PQの延長、房室ブロック
動悸、心房細動
精神神経系
頭がボーッとする、めまい、頭重
頭部不快感、手足のしびれ、眠気
消化器
口渇、嘔気
視覚器
視力異常
肝臓
AST、ALTの上昇等
腎臓
BUNの上昇等
その他
舌・口唇のしびれ、体熱感、顔面熱感
本薬の経口剤において、過量投与時に心電図諸計測値の延長、心拍数や心収縮性の減少、伝導障害、致死的不整脈、痙攣、低血圧、呼吸不全による死亡等の報告がある。
現状で本剤の過量投与に対する特別な処置法はない。なお、次の処置法を考慮すること。
本剤は半減期が長いので、上記の処置はできるだけ長時間持続する必要がある。なお、血液透析は無効である。
健康成人男子3名にフレカイニド酢酸塩1.0mg/kgを5分間注)、又は2.0mg/kgを10分間定速静注したとき、血漿中未変化体濃度は投与量に応じて線形に推移し、AUCも投与量にほぼ比例して増加した。血漿中未変化体濃度推移は消失半減期2.4~2.6分及び8.6~9.3時間の2相性を示した2)。
投与量(mg/kg)
静注時間(min)
Cmax(ng/mL)
AUC(ng・hr/mL)
t1/2λ1(min)
t1/2λZ(hr)
CL(mL/min/kg)
1.0
5注)
1,395±186
1,765±228
2.4±0.1
8.6±1.4
9.7±1.2
2.0
10
1,644±534
4,211±456
2.6±0.7
9.3±1.0
8.1±0.8
(Mean±S.E., n=3)
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人には1回0.1~0.2mL/kg(フレカイニド酢酸塩として1.0~2.0mg/kg)を必要に応じてブドウ糖液で希釈し、血圧及び心電図監視下10分間かけて静脈内に注射する。なお、総投与量はフレカイニド酢酸塩として1回150mgまでとする。」である。
本薬の主代謝経路はメタ位のO-脱アルキル化とその代謝物のグルクロン酸抱合である。他にピペリジン環の酸化的ラクタム生成がある。O-脱アルキル化反応には主としてP450分子種のCYP2D6が関与している3)。
健康成人男子にフレカイニド酢酸塩0.5注)~2.0mg/kgを5分間注)又は10分間定速静注したとき、投与後72時間までに未変化体及び主代謝物の総尿中排泄率はいずれの投与量においても約50%であった。総尿中排泄量のうち約2/3が未変化体であり、投与量に関わらず未変化体と主代謝物の比率はほぼ一定であった2)。注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人には1回0.1~0.2mL/kg(フレカイニド酢酸塩として1.0~2.0mg/kg)を必要に応じてブドウ糖液で希釈し、血圧及び心電図監視下10分間かけて静脈内に注射する。なお、総投与量はフレカイニド酢酸塩として1回150mgまでとする。」である。
本剤の発作性心房細動・粗動、発作性上室性頻拍及び心室性期外収縮を対象とした多施設二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められた4),5),6)。二重盲検比較試験を含む臨床試験成績は次のとおりであった。
疾患名
対象症例
再解析対象例
全般改善度(%)
著明改善
中等度改善以上
発作性心房細動・粗動
125
73
33(45.2)
41(56.2)
発作性上室性頻拍
67
53
44(83.0)
45(84.9)
心室頻拍
9
4
3(75.0)
4(100.0)
心室性期外収縮
184
157
70(44.6)
108(68.8)
心筋細胞に作用し、Naチャネルの抑制作用により活動電位最大立ち上がり速度(Vmax)を抑制し、興奮伝導を遅延する。
フレカイニド酢酸塩(Flecainide Acetate)
N-[(2RS)-Piperidin-2-ylmethyl]-2,5-bis(2,2,2-trifluoroethoxy)benzamide monoacetate
C17H20F6N2O3・C2H4O2
474.39
フレカイニド酢酸塩は白色の結晶性の粉末で、僅かに特異なにおい又は僅かに酢酸様のにおいがある。本品はメタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、水にやや溶けにくい。本品のメタノール溶液(1→25)は旋光性を示さない。
約150℃(分解)
0.34(水-1-オクタノール系)
5mL[アンプル 10管]
1) Echt D. S. et al.:N. Engl. J. Med., 1991;324(12):781-788 [TMB-0036]
2) 新 博次ら:臨床薬理, 1996;27(4):713-723 [TMB-0292]
3) McQuinn R. L. et al.:Drug Metab. Dispos., 1984;12(4):414-420 [TMB-0001]
4) 加藤和三ら:臨牀と研究, 1995;72(2):459-477 [TMB-0296]
5) 加藤和三ら:臨牀と研究, 1995;72(2):478-490 [TMB-0297]
6) 加藤和三ら:臨牀と研究, 1995;72(2):491-503 [TMB-0298]
7) Kvam D. C. et al.:Am. J. Cardiol., 1984;53(5):22B-25B [TMB-0004]
8) Akiyama K. et al.:Jpn. Heart J., 1989;30(4):487-495 [TMB-0003]
9) 加藤浩嗣ら:薬理と治療, 1997;25(1):131-139 [TMB-0252]
10) 加藤浩嗣ら:薬理と治療, 1997;25(1):121-130 [TMB-0251]
11) Ikeda N. et al.:J. Am. Coll. Cardiol., 1985;5(2):303-310 [TMB-0002]
12) 高仲知永ら:環境医学研究所年報, 1987;(38):204-208 [TMB-0005]
13) 澤田光平:薬理と治療, 1997;25(1):141-149 [TMB-0253]
14) Cambell T. J.: Br. J. Pharmacol., 1983;80(1):33-40 [TMB-0142]
15) 加藤浩嗣ら:基礎と臨床, 1991;25(15):4785-4794 [TMB-0096]
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