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日本薬局方
硝酸イソソルビド錠
処方箋医薬品注)
狭心症、心筋梗塞、その他の虚血性心疾患
〈経口〉通常成人は、1回1~2錠(硝酸イソソルビドとして1回5~10mg)を1日3~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。〈舌下〉狭心発作時には、通常成人1回1~2錠(硝酸イソソルビドとして1回5~10mg)を舌下投与する。狭心発作時以外には、通常成人1回1~2錠(硝酸イソソルビドとして5~10mg)を1日3~4回舌下投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
血管拡張作用により、さらに血圧を低下させるおそれがある。
血圧を低下させるおそれがある。
心拍出量が低下し、ショックを起こすことがある。
心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤は、主として肝臓で代謝されるが、一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
併用により、降圧作用を増強することがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
アルコール
血圧低下等が増強されるおそれがある。過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。
血管拡張作用が増強される。
利尿剤
血圧低下作用を増強させる。
血管拡張剤硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
頭痛、血圧低下等の副作用が増強されるおそれがある。過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
めまい、血圧低下、潮紅、動悸
熱感、失神
精神神経系
頭痛
脱力感
不快感
過敏症
発疹
消化器
悪心・嘔吐、胃部不快感、食欲不振
肝臓
AST、ALTの上昇等
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男子5名に本剤1錠(硝酸イソソルビドとして5mg)を経口投与した際、投与後25.6分に最高血漿中濃度(Cmax=5.8ng/mL)を示した。その後血漿中硝酸イソソルビド濃度は2相性を示し、消失半減期は18.2分(α相)、93.5分(β相)であった。投与6時間後の血漿中濃度は0.07ng/mLであった。なお、AUC(0→∞)は7.5ng・hr/mLであった。
Cmax(ng/mL)
tmax(min)
AUC(ng・hr/mL)
t1/2α(min)
t1/2β(min)
5.8±0.7
25.6±4.9
7.5±1.3
18.2±1.4
93.5±20.0
(Mean±S.E.,n=5)
健康成人男子12名に本剤1錠(硝酸イソソルビドとして5mg)を舌下投与した際、投与後18.2分に最高血漿中濃度(Cmax=35.7ng/mL)に達した。その後血漿中濃度は2相性を示し、消失半減期は7.5分(α相)、55.2分(β相)であった。なお、AUC(0→∞)は21.0ng・hr/mLであった1)。
35.7±6.4
18.2±3.2
21.0±2.7
7.5
55.2
(Mean±S.E.,n=12)
本剤1錠(硝酸イソソルビドとして5mg)を5名の健康成人に経口投与した場合、投与後48時間迄の尿中排泄量は遊離型2-一硝酸イソソルビド及び遊離型5-一硝酸イソソルビドとしてそれぞれ0.23%、4.02%、それらのグルクロン酸抱合体として0.47%、10.03%であった。
狭心症患者の狭心発作の抑制作用の発現、運動耐容量の増加、心電図所見の改善に対して、一般臨床試験により本剤の有用性が認められている2),3),4)。
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤は、生成したNOがグアニル酸シクラーゼ(GC)を刺激することにより、cGMPの上昇を介し、血管平滑筋を弛緩させると考えられる5),6)。
麻酔イヌによる実験で、本薬は静脈系容量血管を拡張することにより、静脈還流の減少、肺動脈楔入圧及び左室拡張終期圧の低下(前負荷の軽減)をもたらす。同時に末梢動脈を拡張して、総末梢血管抵抗を減少(後負荷の軽減)させる。これらの作用により、心筋の酸素需要を軽減させる7),8)。
麻酔イヌによる実験で、本薬は比較的太い冠動脈(conductive vessel)を拡張し、冠血管抵抗を減少させるとともに側副血行路も拡張し、冠血流量の増加は軽微であるが、虚血部心筋、特に内膜下層心筋への血流供給の再配分をうながして、心筋の酸素供給を増加することが認められている9)。
KClであらかじめ、収縮させた子ウシの摘出冠動脈に本薬を添加すると、冠動脈の弛緩作用に比例してcGMPの産生が増加する10)。
硝酸イソソルビド(Isosorbide Dinitrate)
1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol dinitrate
C6H8N2O8
236.14
硝酸イソソルビドは白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに硝酸ようのにおいがある。本品はN,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに極めて溶けやすく、クロロホルム又はトルエンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。本品は急速に熱するか又は衝撃を与えると爆発する。
100錠[10錠(PTP)×10]、1,000錠[10錠(PTP)×100]
1) 深見健一ら:臨床薬理,1987;18(3):515-522 NR-0811
2) 塩田憲三ら:総合臨床,1964;13(12):2365-2373 NR-0048
3) 森博愛ら:臨牀と研究,1964;41(10):1847-1851 NR-0049
4) 原岡昭一ら:診療,1965;18(4):521-525 NR-0050
5) Kukovetz W. R.:Cardiology, 1987;74(S.1):12-19 NR-0838
6) 高田 芳伸ら,:薬局,1991;42(7):937-944 NR-1411
7) 平川千里ら:最新医学,1974;29(1):170-176 NR-0036
8) Wendt R. L. : J. Pharmacol. Exp. Ther., 1972;180(3):732-742 NR-0020
9) 高山幸男ら:脈管学,1981;21(5):351-357 NR-0347
10) Matlib M. A. et al. : Am. Heart J., 1985;110(1):204-212 NR-0728
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