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テオロング錠50mg/テオロング錠100mg/テオロング錠200mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2気管支拡張作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

テオロング錠50mg/テオロング錠100mg/テオロング錠200mg

添付文書番号

2251001F1038_1_02

企業コード

170033

作成又は改訂年月

2024年5月改訂(第2版)
2024年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872251

薬効分類名

テオフィリン徐放製剤

承認等

テオロング錠50mg

販売名コード

YJコード

2251001F1038

販売名英語表記

Theolong tablets

販売名ひらがな

ておろんぐじょう

承認番号等

承認番号

16100AMZ04455000

販売開始年月

1987年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

テオロング錠100mg

販売名コード

YJコード

2251001F2050

販売名英語表記

Theolong tablets

販売名ひらがな

ておろんぐじょう

承認番号等

承認番号

16100AMZ04456000

販売開始年月

1987年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

テオロング錠200mg

販売名コード

YJコード

2251001F3049

販売名英語表記

Theolong tablets

販売名ひらがな

ておろんぐじょう

承認番号等

承認番号

16100AMZ04457000

販売開始年月

1987年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

テオフィリン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤又は他のキサンチン系薬剤に対し重篤な副作用の既往歴のある患者
  2. 2.2 12時間以内にアデノシン(アデノスキャン)を使用する患者

3. 組成・性状

3.1 組成

テオロング錠50mg

有効成分1錠中にテオフィリン50mg  
添加剤エチルセルロース、含水二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、硬化油、ステアリン酸カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース

テオロング錠100mg

有効成分1錠中にテオフィリン100mg  
添加剤エチルセルロース、含水二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、硬化油、ステアリン酸カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース

テオロング錠200mg

有効成分1錠中にテオフィリン200mg  
添加剤エチルセルロース、含水二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、硬化油、ステアリン酸カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース

3.2 製剤の性状

テオロング錠50mg

剤形徐放錠
識別コード TE50
外形
側面
直径(mm)7.1
質量(mg)135
厚さ(mm)3.3
白色
徐放顆粒による斑点模様を有する

テオロング錠100mg

剤形徐放錠
識別コード TE100
外形
側面
直径(mm)8.1
質量(mg)235
厚さ(mm)4.2
白色
徐放顆粒による斑点模様を有する

テオロング錠200mg

剤形徐放錠
識別コード TE200
外形
側面
直径(mm)10.1
質量(mg)470
厚さ(mm)5.5
白色
徐放顆粒による斑点模様を有する

4. 効能又は効果

  • 気管支喘息
  • 喘息性(様)気管支炎
  • 慢性気管支炎
  • 肺気腫

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈喘息性(様)気管支炎〉
    1. 5.1 発熱を伴うことが多く、他の治療薬による治療の優先を考慮すること。テオフィリン投与中に発現した痙攣の報告は、発熱した乳幼児に多い。

6. 用法及び用量

通常テオフィリンとして成人には1回200mgを、小児には1回100~200mgを、1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈テオロング錠50mg〉

    通常成人には1回4錠を、小児には1回2~4錠を1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈テオロング錠100mg〉

    通常成人には1回2錠を、小児には1回1~2錠を1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈テオロング錠200mg〉

    通常成人には1回1錠を1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 本剤投与中は、臨床症状等の観察や血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。
  • 〈気管支喘息〉
    1. 7.2 *小児に投与する場合の投与量、投与方法等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考に投与すること。
      <参考:日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン1)
      6~15歳では8~10mg/kg/日(1回4~5mg/kg 1日2回)より開始し、臨床効果と血中濃度を確認しながら調節する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 テオフィリンによる副作用の発現は、テオフィリン血中濃度の上昇に起因する場合が多いことから、血中濃度のモニタリングを適切に行い、患者個々人に適した投与計画を設定することが望ましい。
  2. 8.2 小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい。
  3. 8.3 小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣るので、本剤の投与に際しては、保護者等に対し、患児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡するなどの適切な対応をするように注意を与えること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 てんかんの患者

    中枢刺激作用によって発作を起こすことがある。

  2. 9.1.2 甲状腺機能亢進症の患者

    甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進、カテコールアミンの作用を増強することがある。

  3. 9.1.3 うっ血性心不全の患者

    血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 急性腎炎の患者

    腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されている。また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある。

9.6 授乳婦

本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある。

9.7 小児等

  1. 9.7.1 テオフィリン血中濃度のモニタリングを行うなど、学会のガイドライン等の最新の情報も参考に、慎重に投与すること。特に次の小児にはより慎重に投与すること。成人に比べて痙攣を惹起しやすく、また、テオフィリンクリアランスが変動しやすい。,,
    • てんかん及び痙攣の既往歴のある小児
      痙攣を誘発することがある。
    • 発熱している小児
      テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。
    • 6ヵ月未満の乳児
      6カ月未満の乳児ではテオフィリンクリアランスが低く、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していない。
  2. 9.7.2 低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。高齢者では、非高齢者に比べ最高血中濃度の上昇及びAUCの増加が認められたとの報告がある。

10. 相互作用

  • 本剤は主として薬物代謝酵素CYP1A2で代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

アデノシン
(アデノスキャン)

本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがある。アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること。

本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

他のキサンチン系薬剤
(アミノフィリン水和物、ジプロフィリン、カフェイン等)
中枢神経興奮薬
(エフェドリン塩酸塩、マオウ等)

過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

併用により中枢神経刺激作用が増強される。

交感神経刺激剤
(β刺激剤)
(イソプレナリン塩酸塩、クレンブテロール塩酸塩、ツロブテロール塩酸塩、テルブタリン硫酸塩、プロカテロール塩酸塩水和物等)

低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられる。
低カリウム血症の増強についての機序は不明である。

ハロタン

不整脈等の副作用が増強することがある。また、連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる。

ケタミン塩酸塩

痙攣があらわれることがある。
痙攣の発現に注意し、異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与など適切な処置を行うこと。

痙攣閾値が低下するためと考えられる。

シメチジン
メキシレチン塩酸塩
プロパフェノン塩酸塩
アミオダロン塩酸塩
ピペミド酸水和物
シプロフロキサシン
ノルフロキサシン
トスフロキサシントシル酸塩水和物
パズフロキサシンメシル酸塩
プルリフロキサシン
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
ロキシスロマイシン
チクロピジン塩酸塩
ベラパミル塩酸塩
ジルチアゼム塩酸塩
フルボキサミンマレイン酸塩
フルコナゾール
ジスルフィラム
デフェラシロクス

テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

肝代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる。

アシクロビル
バラシクロビル塩酸塩
インターフェロン
イプリフラボン
シクロスポリン
アロプリノール

テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる。

リファンピシン
フェノバルビタール
ランソプラゾール
リトナビル

テオフィリンの効果が減弱することがある。
テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。

肝代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。

フェニトイン
カルバマゼピン

テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがある。
テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。
また、相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること。

肝代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。

ジピリダモール

ジピリダモールの作用を減弱させることがある。

アデノシン拮抗作用による。

ラマトロバン

ラマトロバンの血中濃度が上昇することがある。

ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である。

リルゾール

リルゾールの作用を増強(副作用発現)するおそれがある。

in vitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている。

タバコ

禁煙(禁煙補助剤であるニコチン製剤使用時を含む)によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

喫煙により肝代謝酵素が誘導され、テオフィリンクリアランスが上昇し、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。また、禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる。

セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、 セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。

セイヨウオトギリソウにより誘導された肝代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、副作用の発現に伴い本剤を減量又は投与を中止した場合には、テオフィリン血中濃度を測定することが望ましい。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 痙攣、意識障害(いずれも頻度不明)

    痙攣又はせん妄、昏睡等の意識障害があらわれることがあるので、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 急性脳症(頻度不明)

    痙攣、意識障害等に引き続き急性脳症に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。

  3. 11.1.3 横紋筋融解症(頻度不明)

    脱力感、筋肉痛、CK上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

  4. 11.1.4 消化管出血(頻度不明)

    潰瘍等による消化管出血(吐血、下血等)があらわれることがある。

  5. 11.1.5 赤芽球癆(頻度不明)

    貧血があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  6. 11.1.6 アナフィラキシーショック(頻度不明)

    アナフィラキシーショック(蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがある。

  7. 11.1.7 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    肝機能障害(AST、ALTの上昇等)、黄疸があらわれることがある。

  8. 11.1.8 頻呼吸、高血糖症(いずれも頻度不明)

11.2 その他の副作用

5%以上

0.1~5%未満

頻度不明

過敏症

発疹、そう痒感

蕁麻疹、紅斑(多形滲出性紅斑等)、固定薬疹

精神神経系

頭痛、不眠、めまい、耳鳴、振戦、しびれ

神経過敏(興奮、不機嫌、いらいら感)、不安、不随意運動、筋緊張亢進

循環器

動悸、顔面蒼白

顔面潮紅、頻脈、不整脈(心室性期外収縮等)

消化器

悪心、嘔吐、食欲不振

下痢、腹痛、腹部膨満感、消化不良(胸やけ等)

しゃっくり

泌尿器

蛋白尿、頻尿

代謝異常

血清尿酸値上昇、CK上昇

肝臓

AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇

血液

貧血、好酸球増多

その他

倦怠感

むくみ、関節痛、四肢痛、発汗、胸痛、低カリウム血症、鼻出血、しびれ(口、舌周囲)

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    テオフィリン血中濃度が高値になると、血中濃度の上昇に伴い、消化器症状(特に悪心、嘔吐)や精神神経症状(頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、せん妄、意識障害、昏睡等)、心・血管症状(頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等)、低カリウム血症その他の電解質異常、呼吸促進、横紋筋融解症等の中毒症状が発現しやすくなる。なお、軽微な症状から順次発現することなしに重篤な症状が発現することがある。

  2. 13.2 処置

    血液透析は血中のテオフィリンを効率的に除去するとの報告がある。なお、テオフィリン血中濃度が低下しても、組織に分布したテオフィリンにより血中濃度が再度上昇することがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 本剤は徐放性製剤なので、かまずに服用するよう指導すること。
  2. 14.1.2 水とともに服用するよう指導すること。
  3. 14.1.3 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  4. 14.1.4 製剤残渣

    糞便中に、まれに本剤由来の白色物質がみられることがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 反復投与

    気管支喘息患者7名にテオロング錠を1回200mg、1日2回、3日以上投与した際の定常状態時での最終服薬後12時間の血中濃度を測定した。12時間の平均血中濃度(Cave)は10.16μg/mLという結果が得られ、血中濃度曲線下面積(AUC0-12)、平均滞留時間(MRT0-12)、最高血中濃度(Cmax)、最高血中濃度到達時間(tmax)については以下に示した。また、最高血中濃度(12.58μg/mL)と最低血中濃度(7.48μg/mL)はいずれも、有効域に収まることが確認された2)

    テオロング錠1回200mg、1日2回反復投与時の定常状態での朝服薬後12時間までの血中濃度推移
    (Mean±S.E.M., n=7)
    表 テオロング錠1回200mg1日2回反復投与した際の定常状態時における生物学的利用性パラメータ

    AUC0-12
    (μg・hr/mL)

    MRT0-12
    (hr)

    tmax
    (hr)

    Cmax
    (μg/mL)

    Cmin
    (μg/mL)

    ΔC
    (μg/mL)

    Cave
    (μg/mL)

    132.7±27.4

    5.9±0.2

    4.9±1.5

    12.58±2.42

    7.48±2.23

    5.09±0.88

    10.16±2.07

    (Mean±S.E.M., n=7)

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事効果

    気管支喘息患者3名にテオロング錠を1回200mg、1日2回投与群で反復投与時における定常状態時での絶食時と摂食時の比較を行った2)

    表 テオロング錠1回200mg1日2回反復投与時の生物学的利用性パラメータに対する食事の影響

    食事

    AUC0-12
    (μg・hr/mL)

    MRT0-12
    (hr)

    tmax
    (hr)

    Cmax
    (μg/mL)

    Cmin
    (μg/mL)

    ΔC
    (μg/mL)

    Cave
    (μg/mL)

    摂食時

    134.9±23.9

    6.0±0.2

    4.7±1.2

    13.18±1.75

    8.42±2.71

    4.77±0.98

    10.96±2.31

    絶食時

    126.0±20.7

    5.8±0.3

    4.7±1.2

    12.85±1.07

    7.11±2.06

    5.74±1.03

    10.08±2.43

    (Mean±S.E.M., n=3)

16.3 分布

  1. 16.3.1 胎児への移行性

    喘息を有する母親12例の妊娠中の平均血清中テオフィリン濃度は9.69μg/mLであり、同時に得られた平均臍帯血テオフィリン濃度は10.21μg/mLであり、有意差を認めなかった3)

  2. 16.3.2 乳汁中への移行性

    授乳婦5例を対象にテオフィリンの血清中濃度と乳汁中濃度を検討したところ、乳汁/血清中濃度比は平均で0.7であった4)

16.4 代謝

経口投与されたテオフィリンは、初回通過効果をほとんど受けず肝で代謝されると考えられる5),6)(外国人データ)。
本剤の代謝に関与する主なチトクロームP450(CYP)分子種は、CYP1A2であると推察される。

16.5 排泄

経口投与されたテオフィリンは、尿中にほぼ完全に(テオフィリン12.5%、1-メチル尿酸20.2%、3-メチルキサンチン13.1%、1-メチルキサンチン1.0%、1,3-ジメチル尿酸53.2%)排泄された5),6)(外国人データ)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床成績(一般臨床試験成績)7),8),9),10),11)

    有用以上

    やや有用以上

    気管支喘息

    小児(294例)

    73.6%

    91.2%

    成人(242例)

    59.9%

    83.9%

    慢性気管支炎(22例)

    45.5%

    86.4%

    肺気腫(5例)

    40.0%

    60.0%

  2. 17.1.2 国内臨床成績(二重盲検比較試験成績)

    成人気管支喘息に対する多施設二重盲検試験により有用性が認められた12)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

フォスフォジエステラーゼ阻害による細胞内c-AMPの増加、アデノシン受容体拮抗、細胞内Ca2+の分布調節等の説がある5),13)

18.2 気管支拡張作用

モルモットならびにヒトの気管支筋を用いた実験で、本薬により気管支筋が弛緩された。また、気管支喘息患者で呼吸抵抗が減少されることが確認されている14),15),16)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

テオフィリン(Theophylline)

化学名

1,3-Dimethyl-1H-purine-2,6(3H,7H)-dione

分子式

C7H8N4O2

分子量

180.16

性状

テオフィリンは白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品はN,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
本品は0.1mol/L塩酸試液に溶ける。

化学構造式

融点

271~275℃

22. 包装

  • 〈テオロング錠50mg〉

    100錠[10錠(PTP)×10]

  • 〈テオロング錠100mg〉

    100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]

  • 〈テオロング錠200mg〉

    100錠[10錠(PTP)×10]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

エーザイ株式会社 hhcホットライン

〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10

フリーダイヤル 0120-419-497

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

エーザイ株式会社

東京都文京区小石川4-6-10

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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