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日本薬局方
テプレノンカプセル
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
カプセル50mg:通常成人、3カプセル(テプレノンとして150mg)を1日3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
細粒10%:通常成人、細粒1.5g(テプレノンとして150mg)を1日3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中の投与を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に、生理機能が低下していることが多い。
AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
便秘、下痢、嘔気、口渇、腹痛、腹部膨満感
肝臓
AST、ALTの上昇
精神神経系
頭痛
過敏症
発疹、瘙痒感
その他
総コレステロールの上昇、眼瞼の発赤・熱感
血小板減少
細粒剤は、合成ケイ酸アルミニウムとの配合により、次第に黄変し、含量が低下するので配合しないこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男子12名に本剤3カプセル、又は細粒1.5g(テプレノンとして150mg注))をクロスオーバー法で食後単回経口投与したときのテプレノン平均血清中濃度推移を下図に示した。また、カプセル及び細粒投与時における最高血清中濃度(Cmax)、血清中濃度-時間曲線下面積(AUC0-32)を以下に示した。なお、両剤形のCmax及びAUC0-32に有意な差は認められなかった。
剤形
AUC0-32(μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
カプセル50mg(3カプセル)
7.831±0.822
2.195±0.312
細粒10%(1.5g)
7.055±0.657
1.919±0.253
(Mean±S.E., n=12)
健康成人男子(18名)に本剤3カプセル(テプレノンとして150mg注))をクロスオーバー法で食後30分、1時間及び3時間に経口投与し、血漿中濃度を測定し、下図及び下表に示した。血漿中濃度曲線下面積(AUC)は食後30分投与を100%とすると、食後1時間投与では変化なく、食後3時間投与では約23%低下した1)。
AUC0-24(μg・hr/mL)
tmax(hr)
食後30分
4.768±1.368
2.087±1.041
5.4±0.5
食後1時間
4.858±1.434
2.274±0.930
5.1±0.6
食後3時間
3.671±1.296
1.562±0.852
4.3±0.9
(Mean±S.D., n=18)
注)本剤の承認された用法及び用量は、「テプレノンとして150mgを1日3回に分けて食後に経口投与する。」である。
二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められた。本剤の胃炎に対する全体的な有効率は68.6%(448例/653例)であった2)。
本剤の有効率は81.0%(438例/541例)であった。また二重盲検比較試験において高齢者の潰瘍、大型潰瘍及び再発潰瘍などの潰瘍症例に対して、有用性が認められた3)。
テプレノンは細胞レベルで糖蛋白質代謝を改善し、粘膜の防御機構として胃粘液(糖蛋白質)合成・分泌を正常化し、粘膜の血流を改善することにより、攻撃因子から胃粘膜を防御しているものと考えられている。
ラットを用いた各種実験潰瘍(寒冷拘束ストレス、インドメタシン、アスピリン、プレドニゾロン、レセルピン、酢酸、焼灼、アスピリン-寒冷拘束ストレス)、各種実験胃粘膜病変(塩酸、アスピリン、エタノール、放射線)で、それぞれに強い抗潰瘍作用、胃粘膜病変改善作用が確認されている4),5),6),7)。更に、ラットを用いた実験で、活性酸素が関与していると考えられるcompound48/80、血小板活性化因子(PAF)による胃粘膜障害を抑制することも確認されている8),9)。
モルモットにおいて、胃粘膜細胞内のHSP60、70、90を誘導し、細胞保護作用を示すことが確認されている18)。
ラットにおいて胃粘膜プロスタグランジンE2,I2含量を増加させる。その機序としてはプロスタグランジン生合成酵素活性を高めることがラットで確認されている19),20)。
ヒトにおいて胃粘膜血流を増加させる。ラットにおいて水浸拘束ストレスによる胃粘膜血流の低下を改善する21),22)。
ラットにおいてエタノールによる胃粘膜障害を抑制する23)。健康成人男子においてエタノール負荷による胃粘膜障害を抑制する24)。
マウスにおいてハイドロコーチゾンによる胃粘膜増殖帯細胞の増殖能の低下を改善し、胃粘膜細胞増殖帯の恒常性を保つ25)。ラット酢酸潰瘍において胃粘膜新生能を賦活して欠損胃粘膜の修復を促進する26)。
ラットにおいて熱傷ストレス負荷による胃粘膜障害を抑制すると同時に胃粘膜中の過酸化脂質の増加を抑制する27)。
テプレノン(Teprenone)
(5E, 9E, 13E)-6, 10, 14, 18-Tetramethylnonadeca-5, 9, 13, 17-tetraen-2-one(5Z, 9E, 13E)-6, 10, 14, 18-Tetramethylnonadeca-5, 9, 13, 17-tetraen-2-one本品はモノシス体及びオールトランス体からなり、その比は約2:3である。
C23H38O
330.55
テプレノンは無色~微黄色澄明の油状の液で、わずかに特異なにおいがある。本品はエタノール(99.5)、酢酸エチル又はヘキサンと混和する。本品は水にほとんど溶けない。本品は空気によって酸化され、徐々に黄色となる。
n20D:1.485~1.491
d2020:0.882~0.890
細粒バラ包装はボトル開栓後、又はアルミ袋開封後光を遮り保存すること。(光により含量が低下することがある。)
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2) 岩越一彦ら:基礎と臨床,1986;20(16):8261-8268 [SLX-0124]
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6) 村上 学ら:消化器科,1987;7(6):613-616 [SLX-0150]
7) 渡辺敦光ら:消化器科,1987;7(6):623-630 [SLX-0152]
8) 小林 隆ら:Ulcer Research,1994;21(1):66-69 [SLX-0287]
9) 佐藤泰男ら:Prog. Med.,1992;12(3):583-586 [SLX-0231]
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13) 内田秀一ら:医学のあゆみ,1987;143(7):605-606 [SLX-0140]
14) 西崎 朗ら:日本消化器病学会雑誌,1990;87(10):2352-2357 [SLX-0211]
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