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セルベックスカプセル50mg/セルベックス細粒10%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

セルベックスカプセル50mg/セルベックス細粒10%

添付文書番号

2329012C1026_1_17

企業コード

170033

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第2版)
2021年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872329

薬効分類名

胃炎・胃潰瘍治療剤

承認等

セルベックスカプセル50mg

販売名コード

YJコード

2329012M1021

販売名英語表記

Selbex capsules

販売名ひらがな

せるべっくすかぷせる

承認番号等

承認番号

15900AMZ01060000

販売開始年月

1984年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

テプレノンカプセル

セルベックス細粒10%

販売名コード

YJコード

2329012C1026

販売名英語表記

Selbex fine granules

販売名ひらがな

せるべっくすさいりゅう

承認番号等

承認番号

15900AMZ01061000

販売開始年月

1984年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

テプレノン製剤

3. 組成・性状

3.1 組成

セルベックスカプセル50mg

有効成分1カプセル中
テプレノン   50mg
添加剤黄色5号、含水二酸化ケイ素、グリシン、青色1号、ゼラチン、タルク、トウモロコシデンプン、トコフェロール、マクロゴール6000、D-マンニトール、ラウリル硫酸ナトリウム

セルベックス細粒10%

有効成分1g中
テプレノン   100mg
添加剤含水二酸化ケイ素、タルク、トコフェロール、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、D-マンニトール

3.2 製剤の性状

セルベックスカプセル50mg

剤形硬カプセル剤
色調カプセル
上半分:灰青緑色不透明
下半分:淡橙色不透明
内容物
白色~帯黄白色の粒及び粉末
外形
大きさ全長14.3mm
号数4
質量160mg
識別コードSX50

セルベックス細粒10%

剤形細粒剤
色調白色~帯黄白色

4. 効能又は効果

  • 下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善

    急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期

  • 胃潰瘍

6. 用法及び用量

カプセル50mg:通常成人、3カプセル(テプレノンとして150mg)を1日3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

細粒10%:通常成人、細粒1.5g(テプレノンとして150mg)を1日3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中の投与を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に、生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

0.1%未満

頻度不明

消化器

便秘、下痢、嘔気、口渇、腹痛、腹部膨満感

肝臓

AST、ALTの上昇

精神神経系

頭痛

過敏症

発疹、瘙痒感

その他

総コレステロールの上昇、眼瞼の発赤・熱感

血小板減少

注)発現頻度は製造販売後調査を含む。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

細粒剤は、合成ケイ酸アルミニウムとの配合により、次第に黄変し、含量が低下するので配合しないこと。

14.2 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男子12名に本剤3カプセル、又は細粒1.5g(テプレノンとして150mg注))をクロスオーバー法で食後単回経口投与したときのテプレノン平均血清中濃度推移を下図に示した。また、カプセル及び細粒投与時における最高血清中濃度(Cmax)、血清中濃度-時間曲線下面積(AUC0-32)を以下に示した。なお、両剤形のCmax及びAUC0-32に有意な差は認められなかった。

テプレノン150mg注)の単回経口投与時の平均血清中濃度
テプレノン150mg注)の単回経口投与時の薬物動態パラメータ

剤形

AUC0-32
(μg・hr/mL)

Cmax
(μg/mL)

カプセル50mg(3カプセル)

7.831±0.822

2.195±0.312

細粒10%(1.5g)

7.055±0.657

1.919±0.253

(Mean±S.E., n=12)

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

    健康成人男子(18名)に本剤3カプセル(テプレノンとして150mg注))をクロスオーバー法で食後30分、1時間及び3時間に経口投与し、血漿中濃度を測定し、下図及び下表に示した。血漿中濃度曲線下面積(AUC)は食後30分投与を100%とすると、食後1時間投与では変化なく、食後3時間投与では約23%低下した1)

    テプレノン150mg注)単回投与後の血漿中テプレノン濃度
    テプレノンの薬物動態パラメータ

    AUC0-24
    (μg・hr/mL)

    Cmax
    (μg/mL)

    tmax
    (hr)

    食後30分

    4.768±1.368

    2.087±1.041

    5.4±0.5

    食後1時間

    4.858±1.434

    2.274±0.930

    5.1±0.6

    食後3時間

    3.671±1.296

    1.562±0.852

    4.3±0.9

    (Mean±S.D., n=18)

    注)本剤の承認された用法及び用量は、「テプレノンとして150mgを1日3回に分けて食後に経口投与する。」である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期〉
    1. 17.1.1 国内臨床試験

      二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められた。本剤の胃炎に対する全体的な有効率は68.6%(448例/653例)であった2)

  • 〈胃潰瘍〉
    1. 17.1.2 国内臨床試験

      本剤の有効率は81.0%(438例/541例)であった。また二重盲検比較試験において高齢者の潰瘍、大型潰瘍及び再発潰瘍などの潰瘍症例に対して、有用性が認められた3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

テプレノンは細胞レベルで糖蛋白質代謝を改善し、粘膜の防御機構として胃粘液(糖蛋白質)合成・分泌を正常化し、粘膜の血流を改善することにより、攻撃因子から胃粘膜を防御しているものと考えられている。

18.2 抗潰瘍作用

ラットを用いた各種実験潰瘍(寒冷拘束ストレス、インドメタシン、アスピリン、プレドニゾロン、レセルピン、酢酸、焼灼、アスピリン-寒冷拘束ストレス)、各種実験胃粘膜病変(塩酸、アスピリン、エタノール、放射線)で、それぞれに強い抗潰瘍作用、胃粘膜病変改善作用が確認されている4),5),6),7)
更に、ラットを用いた実験で、活性酸素が関与していると考えられるcompound48/80、血小板活性化因子(PAF)による胃粘膜障害を抑制することも確認されている8),9)

18.3 胃粘液増加作用

  • ラット由来の培養胃粘膜上皮細胞において粘液の合成・分泌を促進する10)
  • ラットにおいて粘液を分泌する表層粘液細胞、頸細胞に分布し、これら由来の粘液量を増加させる11),12)
  • ラットにおいて胃粘膜の再生・防御の主要因子である高分子糖蛋白、モルモットにおいてリン脂質の生合成酵素活性を高め、ラット及びヒトにおいてこれらの合成・分泌を促進する13),14),15),16)
    更に胃粘液中へ重炭酸塩の分泌を高めることもラット、ウサギで確認されている17)

18.4 熱ショック蛋白(HSP)誘導による細胞保護作用

モルモットにおいて、胃粘膜細胞内のHSP60、70、90を誘導し、細胞保護作用を示すことが確認されている18)

18.5 胃粘膜プロスタグランジン増加作用

ラットにおいて胃粘膜プロスタグランジンE2,I2含量を増加させる。その機序としてはプロスタグランジン生合成酵素活性を高めることがラットで確認されている19),20)

18.6 胃粘膜血流増加並びに改善作用

ヒトにおいて胃粘膜血流を増加させる。ラットにおいて水浸拘束ストレスによる胃粘膜血流の低下を改善する21),22)

18.7 胃粘膜保護作用

ラットにおいてエタノールによる胃粘膜障害を抑制する23)
健康成人男子においてエタノール負荷による胃粘膜障害を抑制する24)

18.8 胃粘膜増殖帯細胞の恒常性維持作用

マウスにおいてハイドロコーチゾンによる胃粘膜増殖帯細胞の増殖能の低下を改善し、胃粘膜細胞増殖帯の恒常性を保つ25)
ラット酢酸潰瘍において胃粘膜新生能を賦活して欠損胃粘膜の修復を促進する26)

18.9 脂質過酸化抑制作用

ラットにおいて熱傷ストレス負荷による胃粘膜障害を抑制すると同時に胃粘膜中の過酸化脂質の増加を抑制する27)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

テプレノン(Teprenone)

化学名

(5E, 9E, 13E)-6, 10, 14, 18-Tetramethylnonadeca-5, 9, 13, 17-tetraen-2-one
(5Z, 9E, 13E)-6, 10, 14, 18-Tetramethylnonadeca-5, 9, 13, 17-tetraen-2-one
本品はモノシス体及びオールトランス体からなり、その比は約2:3である。

分子式

C23H38O

分子量

330.55

性状

テプレノンは無色~微黄色澄明の油状の液で、わずかに特異なにおいがある。
本品はエタノール(99.5)、酢酸エチル又はヘキサンと混和する。
本品は水にほとんど溶けない。
本品は空気によって酸化され、徐々に黄色となる。

化学構造式

屈折率

n20D:1.485~1.491

比重

d2020:0.882~0.890

20. 取扱い上の注意

細粒バラ包装はボトル開栓後、又はアルミ袋開封後光を遮り保存すること。(光により含量が低下することがある。)

22. 包装

  • *セルベックスカプセル50mg
    • 100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
      500カプセル[ボトル]
      1,000カプセル[10カプセル(PTP)×100]
  • *セルベックス細粒10%
    • 100g[ボトル、乾燥剤セットキャップ]
      105g[0.5g分包×3×70]
      630g[0.5g分包×3×420]
      1kg[500gアルミ袋×2]

23. 主要文献

1) 長谷川二郎ら:消化器科,1987;7(6):740-752 [SLX-0146]

2) 岩越一彦ら:基礎と臨床,1986;20(16):8261-8268 [SLX-0124]

3) 芦沢真六ら:Prog. Med.,1983;3(S.):1169-1191 [SLX-0019]

4) Murakami M. et al.:Arzneim. Forsch.,1981;31-1(5):799-804 [SLX-0061]

5) Murakami M. et al.:Jpn. J. Pharmacol.,1982;32(5):921-924 [SLX-0049]

6) 村上 学ら:消化器科,1987;7(6):613-616 [SLX-0150]

7) 渡辺敦光ら:消化器科,1987;7(6):623-630 [SLX-0152]

8) 小林 隆ら:Ulcer Research,1994;21(1):66-69 [SLX-0287]

9) 佐藤泰男ら:Prog. Med.,1992;12(3):583-586 [SLX-0231]

10) Terano A. et al.:Digestion,1986;33(4):206-210 [SLX-0184]

11) 中村正彦ら:Prog. Med.,1990;10(3):561-568 [SLX-0202]

12) 滝内比呂也ら:臨牀と研究,1993;70(11):3666-3670 [SLX-0275]

13) 内田秀一ら:医学のあゆみ,1987;143(7):605-606 [SLX-0140]

14) 西崎 朗ら:日本消化器病学会雑誌,1990;87(10):2352-2357 [SLX-0211]

15) Oketani K. et al.:Jpn. J. Pharmacol.,1983;33(3):593-601 [SLX-0051]

16) 青野 充ら:日本消化器病学会雑誌,1984;81(S.):2389 [SLX-0187]

17) Pappas T. N. et al.:Gastroenterology,1986;90(5):1578 [SLX-0188]

18) Hirakawa T. et al.:Gastroenterology,1996;111(2):345-357 [SLX-0331]

19) 荒川哲男ら:抗分泌薬時代における粘膜保護薬テプレノン療法の意義-メディカルトリビューン,1988:70-76 [SLX-0189]

20) 松田泰行ら:基礎と臨床,1989;23(17):6823-6827 [SLX-0195]

21) 福澤邦康ら:新薬と臨牀,1994;43(2):321-325 [SLX-0285]

22) 中村紀夫ら:臨牀と研究,1984;61(5):1533-1541 [SLX-0102]

23) Terano A. et al.:Digestion,1986;35(3):182-188 [SLX-0185]

24) Arakawa T. et al.:Digestion,1988;39(2):111-117 [SLX-0177]

25) 村上 学ら:日本薬理学雑誌,1982;79(6):591-597 [SLX-0054]

26) Kohli Y. et al.:京都府立医科大学雑誌,1991;100(6):637-644 [SLX-0220]

27) 竹村俊樹ら:臨床薬理,1989;20(1):97-98 [SLX-0182]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

EAファーマ株式会社
くすり相談室

〒104-0042 東京都中央区入船二丁目1番1号

フリーダイヤル 0120-917-719

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

エーザイ株式会社

東京都文京区小石川4-6-10

26.2 販売元

EAファーマ株式会社

東京都中央区入船二丁目1番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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