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アゼプチン錠0.5mg/アゼプチン錠1mg

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2実験的アレルギー反応に対する抑制作用
18.3気道及び鼻粘膜の過敏性低下作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

アゼプチン錠0.5mg/アゼプチン錠1mg

添付文書番号

4490004F1021_1_05

企業コード

170033

作成又は改訂年月

2024年6月改訂(第2版)
2020年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

アレルギー性疾患治療剤

承認等

アゼプチン錠0.5mg

販売名コード

YJコード

4490004F1021

販売名英語表記

Azeptin tablets

販売名ひらがな

あぜぷちんじょう

承認番号等

承認番号

16100AMZ03237000

販売開始年月

1986年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

アゼプチン錠1mg

販売名コード

YJコード

4490004F2028

販売名英語表記

Azeptin tablets

販売名ひらがな

あぜぷちんじょう

承認番号等

承認番号

16100AMZ03238000

販売開始年月

1986年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

アゼラスチン塩酸塩

3. 組成・性状

3.1 組成

アゼプチン錠0.5mg

有効成分1錠中アゼラスチン塩酸塩   0.5mg
添加剤アラビアゴム末、カルナウバロウ、含水二酸化ケイ素、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製白糖、タルク、沈降炭酸カルシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、白色セラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、マクロゴール6000

アゼプチン錠1mg

有効成分1錠中アゼラスチン塩酸塩   1mg
添加剤カルナウバロウ、含水二酸化ケイ素、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製白糖、タルク、沈降炭酸カルシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、白色セラック、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、ポビドン、マクロゴール6000

3.2 製剤の性状

アゼプチン錠0.5mg

剤形糖衣錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径6.2mm
厚さ3.5mm
質量100mg
識別コード 232

アゼプチン錠1mg

剤形糖衣錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径6.7mm
厚さ3.7mm
質量120mg
識別コード 233

4. 効能又は効果

  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚瘙痒症、痒疹

6. 用法及び用量

  • 〈気管支喘息〉

    通常、アゼラスチン塩酸塩として1回2mgを、朝食後及び就寝前の1日2回経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈アレルギー性鼻炎及び蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚瘙痒症、痒疹〉

    通常、アゼラスチン塩酸塩として1回1mgを、朝食後及び就寝前の1日2回経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作には従事させないように十分注意すること。
    2. 8.2 長期ステロイド療法を受けている患者で、本剤投与によりステロイド減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。
  • 〈アレルギー性鼻炎〉
    1. 8.3 本剤を季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。
  • 〈気管支喘息〉
    1. 8.4 本剤はすでに起こっている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、このことを患者に十分説明しておく必要がある。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で大量投与(臨床用量の370倍以上)による催奇形作用が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児又は幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1〜5%未満

0.1%未満

頻度不明

精神神経系

眠気、倦怠感

めまい、頭痛、手足のしびれ

消化器

口渇、悪心・嘔吐

口内及び口周囲のあれ、食欲不振、胸やけ、胃部不快感、腹痛、便秘、下痢

循環器

顔面のほてり、動悸

呼吸器

鼻乾燥、息苦しさ

肝臓

AST、ALTの上昇等

Al-Pの上昇

過敏症

発疹

血液

白血球増多

泌尿器

頻尿

排尿困難、血尿

その他

苦味感、味覚異常

浮腫

月経異常

注)発現頻度は製造販売後調査を含む。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

薬剤自身の味である苦味のため苦味感、味覚異常があらわれることがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男子にアゼラスチン塩酸塩を1回1mg(4名)、2mg(4名)、3mg1)(6名)及び4mg1)(4名)単回経口投与した場合、最高血漿中濃度はそれぞれ0.6、1.1、2.0及び2.1ng/mLであり、それに到達する時間は1〜3mg1)投与時では4時間、4mg1)投与時では6時間であった。
また、健康成人男子6名にアゼラスチン塩酸塩1回3mg1)を1日2回反復経口投与した場合、血漿中濃度は6日以内にほぼ定常状態に達し、生物学的半減期は約16.5時間であった。

16.5 排泄

  1. 16.5.1 健康成人男子3名にアゼラスチン塩酸塩1回4mg1)を単回経口投与した場合、投与後72時間までに未変化体として投与量の2.5%が尿中に、1.2%が糞中に排泄された。
  2. 16.5.2 14C-アゼラスチン塩酸塩4.4mg1)を健康成人男子に経口投与した場合、120時間までに投与放射能の26.2%が尿中に、53.2%が糞中に排泄された(外国人データ)。

1) 1回投与量は、気管支喘息の場合で2mg、アレルギー性鼻炎及び蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚瘙痒症、痒疹の場合で1mgである。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床成績

    気管支喘息に対する有効率は有効以上で31.2%(138例/443例)、やや有効以上では66.4%(294例/443例)であった1)
    アレルギー性鼻炎に対する有効率は有効以上で49.8%(309例/620例)、やや有効以上では80.2%(497例/620例)であった2),3)
    皮膚疾患(蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚瘙痒症、痒疹)に対する有効率は有効以上で64.5%(142例/220例)、やや有効以上では83.2%(183例/220例)であった4),5)
    また、二重盲検試験によって本剤の有用性が確認されている1),2),3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

  1. 18.1.1 ロイコトリエン産生・遊離抑制、拮抗作用

    本薬はモルモットの肺切片、ヒト好中球、好酸球からのロイコトリエンC4、D4及びB4の産生・遊離を抑制する。その抑制機序としては細胞内へのカルシウム流入抑制作用、5-リポキシゲナーゼの阻害作用、細胞内サイクリックAMP上昇作用、細胞膜安定化作用等によると考えられる。また、ロイコトリエンC4、D4によるモルモットの回腸及び気管支筋の収縮、ロイコトリエンB4によるヒト好中球遊走を抑制する6),7),8),9)

  2. 18.1.2 ヒスタミン遊離抑制、抗ヒスタミン作用

    本薬はヒト、ウサギ好塩基球及びラット肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制し、モルモット気管筋、回腸を用いた収縮反応において抗ヒスタミン作用を示す9),10),11),12),13),14)

  3. 18.1.3 炎症細胞の遊走・浸潤抑制作用、活性酸素産生抑制作用

    本薬は、ロイコトリエンB4によるヒト好中球の遊走、PAFによるモルモット好酸球の遊走・浸潤を抑制する。またモルモット好中球からの活性酸素の産生を顕著に抑制する8),15),16)

18.2 実験的アレルギー反応に対する抑制作用

モルモット及びラットの受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応、ロイコトリエン、PAF、ヒスタミン吸入によるモルモットの実験的喘息、イヌの実験的アレルギー性鼻炎、モルモットのアルサス反応(III型アレルギー反応)を低用量の経口投与で持続的に抑制する17),18),19)

18.3 気道及び鼻粘膜の過敏性低下作用

気道・鼻粘膜過敏性測定試験において、本薬投与により喘息患者及びアレルギー性鼻炎患者の気道・鼻粘膜の過敏性を低下させることが確認されている20),21)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

アゼラスチン塩酸塩(Azelastine Hydrochloride)

化学名

4-[(4-Chlorophenyl) methyl]-2-[(4RS) - (1-methylazepan-4-yl)]phthalazin-1 (2H) -one monohydrochloride

分子式

C22H24ClN3O・HCl

分子量

418.36

性状

アゼラスチン塩酸塩は白色の結晶性の粉末である。
本品はギ酸に溶けやすく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
本品の水溶液(1→200)は旋光性を示さない。

化学構造式

融点

約225℃(分解)

22. 包装

  • アゼプチン錠0.5mg

    100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]

  • *アゼプチン錠1mg

    100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、1,000錠[10錠(PTP)×100]

23. 主要文献

1) 牧野荘平ら:臨牀と研究,1985;62(5):1623-1645[AST-0124]

2) 奥田 稔ら:耳鼻咽喉科展望,1983;26(S.6):563-605[AST-0102]

3) 奥田 稔ら:耳鼻咽喉科展望,1983;26(S.6):606-645[AST-0103]

4) 亀田 洋ら:臨牀と研究,1981;58(8):2719-2726[AST-0149]

5) 西本正賢:新薬と臨床,1986;35(9):2111-2114[AST-0158]

6) 片山 敏ら:Prog. Med.,1986;6(6):1173-1178[AST-0043]

7) 松村正典ら:呼吸,1990;9(2):206-212[AST-0267]

8) 折笠悦子ら:Prog. Med.,1989;9(8):2272-2279[AST-0262]

9) 友岡真樹ら:アレルギー,1988;37(4):213-217[AST-0197]

10) Little, M.M. et al.:J. Allergy Clin. Immunol.,1987;79(1):204[AST-0273]

11) Chand, N. et al.:Eur. J. Pharmacol.,1983;96;227-233[AST-0047]

12) Chand, N. et al.:Int. Arch. Allergy Appl. Immunol.,1985;77:451-455[AST-0274]

13) Yamanaka, T. et al.:Arzneim. Forsch.,1981;31(8):1203-1206[AST-0078]

14) 赤木正明ら:応用薬理,1983;26(2):191-197[AST-0067]

15) 高橋龍太郎ら:Prog. Med.,1989;9(9):2479-2484[AST-0266]

16) 山井孝夫ら:第2回アゼプチン研究会記録集,1989;2(4):12-14[AST-0292]

17) Tasaka, K. et al.:Arzneim. Forsch.,1979;29(3):488-493[AST-0066]

18) Katayama, S. et al.:Arzneim. Forsch.,1981;31(8):1196-1203[AST-0046]

19) Tanigawa, T. et al.:Arzneim. Forsch.,1981;31(8):1212-1215[AST-0063]

20) 岩田 勝ら:アレルギー,1989;38(5):428-433[AST-0256]

21) 原田 泉ら:耳鼻咽喉科展望,1992;35(S.6):469-474[AST-0403]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

エーザイ株式会社 hhcホットライン

〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10

フリーダイヤル 0120-419-497

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

エーザイ株式会社

東京都文京区小石川4-6-10

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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