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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人には、ベルズチファンとして、1日1回120mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
副作用
程度注1)
処置
貧血
Grade 3
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後に、同一用量又は1段階減量して再開できる。重症度及び持続性に応じて投与中止を検討する。
Grade 4
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後に、1段階減量して再開できる。再発した場合は投与を中止する。
低酸素症
Grade 3かつ無症候性
患者の状態により投与を継続できる。休薬する場合には、Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後に、1段階減量して再開できる。重症度及び持続性に応じて投与を中止する。
Grade 3かつ症候性
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後に、1段階減量して再開できる。重症度及び持続性に応じて投与を中止する。
投与を中止する。
上記以外の副作用
低酸素症が発現又は増悪する可能性がある。
本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用の発現割合や重症度が高くなるおそれがある。なお、重度肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。ラットを用いた胚・胎児発生試験において、臨床曝露量(AUC)を下回る曝露量で胚・胎児死亡、胎児体重の減少及び胎児の骨格異常が認められた。,,
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
CYP2C19阻害剤
本剤の副作用が増強するおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤がCYP2C19を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
UGT2B17阻害剤
これらの薬剤がUGT2B17を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3Aの基質となる薬剤
,
これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある。
本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
EPO減少に伴い貧血があらわれることがある。必要に応じて輸血や赤血球造血刺激因子製剤の投与を検討すること。,
10%以上
1~10%未満
1%未満
血液及びリンパ系障害
血小板減少症、血小板数減少、リンパ球数減少、好中球数減少
白血球数減少、好中球減少症、ヘマトクリット減少、赤血球数減少、網状赤血球数減少
心臓障害
動悸
耳及び迷路障害
耳鳴
眼障害
霧視、ドライアイ
羞明
胃腸障害
悪心
下痢、便秘、嘔吐、口内炎、腹痛、口内乾燥
上腹部痛、消化不良、鼓腸、口腔内痛
一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労
無力症、末梢性浮腫、浮腫
倦怠感、発熱、インフルエンザ様疾患
代謝及び栄養障害
食欲減退、低リン血症、血中トリグリセリド増加
高血糖、高トリグリセリド血症、低ナトリウム血症、血中ブドウ糖増加
筋骨格系及び結合組織障害
関節痛、筋肉痛
背部痛、筋痙縮
神経障害
頭痛、浮動性めまい、注意力障害
味覚不全、嗜眠
肝障害
ALT増加、AST増加、血中ALP増加
高トランスアミナーゼ血症
腎及び尿路障害
血中クレアチニン増加、蛋白尿
血中尿素増加
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
呼吸困難
労作性呼吸困難、胸水、喘鳴
皮膚及び皮下組織障害
そう痒症、発疹、皮膚乾燥
手掌・足底発赤知覚不全症候群、斑状丘疹状皮疹
血管障害
高血圧
その他
体重増加、体重減少
UGT2B17及びCYP2C19の両酵素がPoor Metabolizer(PM)である患者において、本剤の曝露量が上昇し、休薬に至った有害事象、Grade 3以上の貧血及び赤血球造血刺激因子製剤の投与を要する貧血の発現割合の増加が認められた。,,
UGT2B17 PMかつCYP2C19 Intermediate Metabolizer(IM)又はUGT2B17 PMかつCYP2C19 PMを有する日本人健康成人(12例)にベルズチファン120mgを単回経口投与した際のベルズチファンの血漿中薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を表1及び図1に示す。
代謝酵素の表現型
例数
Cmax(μg/mL)
Tmax注2)(hr)
AUC0-∞(μg・hr/mL)
t1/2(hr)
UGT2B17 PM/CYP2C19 IM
6
1.84 (11.0)
4.00 (2.00, 5.00)
61.6 (20.4)
22.6 (19.9)
UGT2B17 PM/CYP2C19 PM
1.95 (12.6)
2.00 (1.50, 5.00)
78.0 (14.4)注3)
32.8 (32.2)注3)
幾何平均(幾何変動係数%)
ベルズチファンの主な代謝酵素であるUGT2B17及びCYP2C19については遺伝子多型が報告されている。母集団薬物動態解析(日本人被験者89例を含む)に基づき、UGT2B17及びCYP2C19表現型別に定常状態におけるベルズチファンの曝露量の要約統計量を表2に示す。
表現型注4)(UGT2B17)
表現型注4)(CYP2C19)
AUC0-24(μg・hr/mL)
EM
EM又はIM
196
1.23(33.5)
14.5(44.7)
PM
8
1.25(37.9)
15.5(45.8)
IM
253
1.55(33.6)
21.8(43.7)
17
1.89(21.1)
27.0(32.5)
97
2.54(27.1)
42.7(32.8)
35
3.67(27.0)
66.2(29.4)
幾何平均(幾何変動係数%)、EM:Extensive Metabolizer、IM:Intermediate Metabolizer、PM:Poor Metabolizer
また、進行固形癌及び局所進行又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者にベルズチファン20~240mgを1日1回反復経口投与又は120mgを1日2回反復経口投与した際、ベルズチファンのCmax及びAUCは120mg 1日1回までの用量範囲で概ね用量に比例して増加し、120mg 1日1回を超える用量範囲では用量比を下回って増加した。投与15日目におけるベルズチファンのAUCに基づく累積係数は1.27~1.54であった(外国人データ)。母集団薬物動態解析に基づき、日本人患者にベルズチファン120mgを1日1回反復経口投与した際、投与開始後4.43日(幾何平均)で定常状態に到達した。
健康成人(14例)にベルズチファン120mgを単回経口投与した際、空腹時投与に対する高脂肪食摂取後投与におけるベルズチファンのCmax及びAUC0-∞の幾何平均比は、それぞれ0.76及び1.00であった(外国人データ)。
母集団薬物動態解析に基づき、ベルズチファンの見かけの総分布容積の幾何平均(幾何変動係数)は120L(28.2%)であった。ヒトにおけるベルズチファンの血漿蛋白結合率は45%であり、血液/血漿濃度比は0.88であった(in vitro試験)。
ベルズチファンは主にUGT2B17及びCYP2C19により代謝され、一部CYP3A4により代謝される(in vitro試験)。,,健康成人(6例)に14C標識したベルズチファン120mgを単回経口投与した際、投与後48時間までの血漿中には主に未変化体及びグルクロン酸抱合体が検出された(血漿中総放射能に対する割合はそれぞれ73%及び9%)(外国人データ)。
母集団薬物動態解析に基づき、ベルズチファンの見かけの全身クリアランスの幾何平均(幾何変動係数)は5.89L/hr(60.6%)、消失半減期の幾何平均(幾何変動係数)は14.2時間(47.9%)であった。健康成人(6例)に14C標識したベルズチファン120mgを単回経口投与した際、糞中及び尿中に、投与量のそれぞれ51.7%(未変化体は微量)及び49.6%(未変化体として6%)が排泄された(外国人データ)。
ベルズチファン120mgを単回経口投与した際、健康成人(6例)に対する血液透析の①実施2時間前又は②実施直後にベルズチファンを投与された末期腎不全被験者(8例)におけるベルズチファンのCmax及びAUC0-∞の幾何平均比は、それぞれ①0.85及び0.94並びに②0.70及び1.14であった(外国人データ)。
母集団薬物動態解析に基づき、肝機能が正常な患者(752例)に対する軽度肝機能障害患者注5)(51例)における、定常状態時のベルズチファンのCmax及びAUC0-24の幾何平均比は、それぞれ0.94及び0.95であった。ベルズチファン80mgを単回経口投与した際、健康成人(8例)に対する中等度肝機能障害(Child-Pugh分類B)被験者(9例)におけるベルズチファンのCmax及びAUC0-∞の幾何平均比は、それぞれ0.98及び1.52であった(外国人データ)。
CYP2C19 PMの発現頻度は白人では約2%、日本人では約19%、UGT2B17 IMの発現頻度は白人では約45%、日本人では約21%、UGT2B17 PMの発現頻度は白人では約15%、日本人では約77%、UGT2B17及びCYP2C19の両酵素がPMの発現頻度は白人では約0.4%、日本人では約15%である。
健康成人(14例)にベルズチファン120mgを1日1回反復経口投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)2mgを単回経口投与した際、ミダゾラム単独投与時に対するベルズチファン併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUC0-∞の幾何平均比は、それぞれ0.66及び0.60であった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、1日1回120mgを経口投与である。
腎細胞癌病変注6)を有するフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病患者注7)61例注8)を対象に、本剤120mg 1日1回投与の有効性及び安全性が検討された。主要評価項目であるVHL病関連の腎細胞癌病変に対する奏効率[RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)]は、表1のとおりであった。
VHL病関連の腎細胞癌61例
奏効率(CR+PR)(90%信頼区間)
63.9%(52.6, 74.2)
最良総合効果
4例(6.6%)
35例(57.4%)
21例(34.4%)
0例
1例(1.6%)
2022年4月1日データカットオフ
安全性解析対象例61例中61例(100.0%)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、貧血54例(88.5%)、疲労39例(63.9%)、悪心15例(24.6%)、浮動性めまい15例(24.6%)、呼吸困難11例(18.0%)、頭痛11例(18.0%)、筋肉痛8例(13.1%)及びALT増加7例(11.5%)であった(2022年4月1日データカットオフ)。
PD-1/PD-L1阻害剤及びVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤による治療歴のある注9)根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者746例(日本人44例を含む)を対象に、本剤120mg 1日1回投与の有効性及び安全性が、エベロリムス10mg 1日1回投与を対照として検討された。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)とされ、本剤群はエベロリムス群と比較して統計学的に有意なPFSの延長を示した(表2、図1及び図2)。
本剤120mgQD374例
エベロリムス10mgQD372例
PFS
5.6(3.9, 7.0)
5.6(4.8, 5.8)
0.75(0.63, 0.90)注12)
p値注13)
0.00077
OS
21.4(18.2, 24.3)
18.1(15.8, 21.8)
0.88(0.73, 1.07)注14)
p値注15)
0.09941
QD:1日1回投与
2022年11月1日データカットオフ(PFS)、2023年6月13日データカットオフ(OS)
安全性解析対象例372例中331例(89.0%)(日本人20例中20例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、貧血267例(71.8%)、疲労79例(21.2%)、低酸素症44例(11.8%)及び悪心39例(10.5%)であった(2023年6月13日データカットオフ)。なお、UGT2B17及びCYP2C19表現型別の有害事象の発現状況は表3のとおりであった。
表現型
休薬に至った有害事象
Grade 3以上の貧血
赤血球造血刺激因子製剤の投与を要する貧血
UGT2B17 EMかつCYP2C19 EM又はIM
37.6%(32/85例)
20.0%(17/85例)
24.7%(21/85例)
CYP2C19 PM
42.9%(9/21例)
38.1%(8/21例)
UGT2B17 IM
47.1%(82/174例)
37.4%(65/174例)
26.4%(46/174例)
UGT2B17 PM
50.9%(28/55例)
38.2%(21/55例)
45.5%(25/55例)
UGT2B17及びCYP2C19の両酵素がPM
60.0%(6/10例)
50.0%(5/10例)
ベルズチファンは低酸素誘導因子2α(HIF-2α)に対する阻害作用を有する低分子化合物である。ベルズチファンは、HIF-2αとアリール炭化水素受容体核内輸送体(ARNT)の結合を阻害し、HIF-2α標的遺伝子の転写を阻害することにより、細胞周期の停止、血管新生の阻害を引きおこし、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
ベルズチファンは、VHL遺伝子変異を有するヒト淡明細胞型腎細胞癌由来786-O細胞株、UMRC2細胞株、CTG-0824腫瘍組織片等を皮下移植した重症複合型免疫不全-ベージュ(SCID-Beige)マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo試験)。
ベルズチファン(Belzutifan)
3-{[(1S,2S,3R)-2,3-Difluoro-1-hydroxy-7-(methanesulfonyl)-2,3-dihydro-1H-inden-4-yl]oxy}-5-fluorobenzonitrile
C17H12F3NO4S
383.34
白色~淡褐色の粉末で、アセトニトリル及びアセトンにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
42錠[6錠(PTP)×7]
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医療関係者の方:フリーダイヤル 0120-024-961
*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2026年8月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
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