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劇薬
処方箋医薬品注)
HIV-1感染症
通常、成人にはエファビレンツとして600mgを1日1回経口投与する。本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。なお、投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
重篤な肝障害発現のリスクが増加する。また、肝機能障害が増悪するおそれがある。,,
妄想及び不穏当な行動が報告された(本剤を投与された患者1,000例につき約1~2例)。
慢性肝疾患患者に対する臨床試験は実施していない。
**妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後12週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。,,
**妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳を避けさせること。ラットにおける実験では、本剤が乳汁中に排泄されることが認められている。また、ヒトの乳汁中に移行することも認められている3)。
一般に生理機能が低下している。
トリアゾラム:
ミダゾラム:
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン:
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩メチルエルゴメトリンマレイン酸塩:
エルゴメトリンマレイン酸塩
これらの薬剤の代謝が抑制され、重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(不整脈、持続的な鎮静、呼吸抑制)が起こる可能性がある。
CYP3A4に対する競合による。
ボリコナゾール:
ボリコナゾールとの併用により、ボリコナゾールのAUC及びCmaxがそれぞれ77%及び61%減少し、本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ44%及び38%増加した。
機序不明
エルバスビル:
グラゾプレビル:
本剤との併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。
本剤のCYP3A4及びP-gp誘導作用によりこれらの薬剤の代謝及び排出が促進されるおそれがある。
リトナビル
非感染ボランティアにおいて本剤600mg(1日1回、就寝時投与)とリトナビル500mg(12時間ごと投与)について試験を行ったとき、併用の忍容性は良好ではなく、高頻度の臨床的有害事象(例:めまい、嘔気、異常感覚)及び臨床検査値異常(肝酵素上昇)が認められた。本剤をリトナビルと併用する場合は肝酵素のモニタリングが推奨される。
ホスアンプレナビル
ホスアンプレナビル1,400mg及びリトナビル200mgの1日1回投与と本剤600mg1日1回を併用した場合、アンプレナビルのAUCが13%、Cminが36%低下したが、リトナビルを300mgに増量すると、アンプレナビルの血中濃度は維持された。また、ホスアンプレナビル700mg及びリトナビル100mgの1日2回投与と本剤600mg1日1回を併用した場合、アンプレナビルの血中濃度に著しい変化はなかった。
本剤のCYP3A4誘導作用により、アンプレナビルの代謝が促進される。
アタザナビル
本剤600mgとアタザナビルとの併用により、アタザナビルの曝露量が減少した。本剤をアタザナビルと併用する際には、さらに低用量のリトナビルを併用するとともに、アタザナビルの用量調節が必要である。HIV治療歴のない患者に本剤を併用投与する場合、アタザナビル300mg、リトナビル100mg、本剤600mgを1日1回投与することが推奨される。HIV治療歴のある患者におけるアタザナビル及び本剤の推奨用量は確立していない。
ロピナビル・リトナビル
ロピナビル・リトナビル(カプセル剤)と本剤を併用した場合、ロピナビル・リトナビルの単独投与時と比べてロピナビルのCminが39%低下した。
本剤のCYP3A4誘導作用により、ロピナビルの代謝が促進されるおそれがある。
ダルナビル
ダルナビル/リトナビル(300mg/100mg1日2回)と本剤(600mg1日1回)を併用した場合、単独投与時と比べてダルナビルのAUC、Cmax及びCminがそれぞれ13%、15%及び31%減少し、本剤のAUC、Cmax及びCminがそれぞれ21%、15%及び17%増加した。またダルナビル/リトナビル(900mg/100mg1日1回)と本剤(600mg1日1回)を併用した場合、ダルナビルのAUC及びCminがそれぞれ14%及び57%減少し、ダルナビルのCmax及び本剤の曝露は変化がなかった。
本剤のCYP3A4誘導作用により、ダルナビルの代謝が促進されるおそれがある。
マラビロク
本剤(600mg経口1日1回)とマラビロク(100mg経口1日2回)を併用した場合、マラビロク単剤投与と比較して、マラビロクのAUC及びCmaxはそれぞれ45%及び51%減少した。
本剤のCYP3A4誘導作用によりマラビロクの代謝が促進されるおそれがある。
ドルテグラビル
本剤(600mg経口1日1回)とドルテグラビル(50mg経口1日1回)を併用した場合、ドルテグラビル単剤投与と比較して、ドルテグラビルのAUC、Cmax及びCminはそれぞれ57%、39%及び75%減少した。
本剤のCYP3A4及びUGT1A1誘導作用によりドルテグラビルの代謝が促進されるおそれがある。
ソホスブビル・ベルパタスビル
本剤との併用により、ベルパタスビルの血漿中濃度が低下し、ソホスブビル・ベルパタスビルの効果が減弱するおそれがある。
本剤のP-gp 及びCYP 誘導作用により、ベルパタスビルのクリアランスが亢進するおそれがある。
リファンピシンリファブチン
非感染ボランティア12例ではリファンピシンにより本剤のAUCが26%、Cmaxが20%減少した。本剤とリファンピシンを併用投与する場合、リファンピシンの用量調節は推奨されない。非感染のボランティアに対する臨床試験において、本剤はリファブチンのCmax及びAUCをそれぞれ32%及び38%低下させた。
クラリスロマイシン
本剤(400mg1日1回)とクラリスロマイシン(500mg12時間ごと)を1週間併用した場合、本剤がクラリスロマイシンの薬物動態に対して有意な影響を及ぼした。本剤と併用した場合に、クラリスロマイシンのAUC及びCmaxがそれぞれ39%及び26%減少する一方で、クラリスロマイシン水酸化代謝物のAUC及びCmaxがそれぞれ34%及び49%増加した。このようなクラリスロマイシンの血漿中濃度の変化の臨床上の意義は不明である。非感染ボランティアの46%で本剤とクラリスロマイシンを投与中に発疹が発現した。本剤はクラリスロマイシンと併用投与した場合には用量調節は推奨されない。クラリスロマイシンの代替薬を考慮すること。
経口避妊薬:レボノルゲストレル・エチニルエストラジオールレボノルゲストレル
本剤(600mg1日1回)と経口避妊薬(エチニルエストラジオール0.035mg・ノルゲスチメート0.25mg1日1回)を14日間併用した場合、本剤はエチニルエストラジオールの血漿中濃度に影響を与えなかったが、ノルゲスチメートの活性代謝物であるノルエルゲストロミン及びレボノルゲストレルのAUCはそれぞれ64%及び83%減少した。これらの作用の臨床上の意義は不明である。一方、本剤の血漿中濃度への影響は認められなかった。本剤と経口避妊薬の併用による相互作用の可能性は十分に検討されていない。経口避妊薬に加えて信頼できる防御的避妊法(コンドーム)を用いること。
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下し、抗ウイルス作用の欠如及び本剤又は他の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤の耐性化が起こるおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素(CYP3A4)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。
アトルバスタチン
非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とアトルバスタチン(10mg経口1日1回)を併用した場合、アトルバスタチン単剤投与と比較して、定常状態におけるアトルバスタチン及びその由来物質のAUC及びCmaxを減少させた(アトルバスタチン:43%及び12%、2-ヒドロキシアトルバスタチン:35%及び13%、4-ヒドロキシアトルバスタチン:4%及び47%、総HMG-CoA還元酵素阻害活性物質:34%及び20%)。
プラバスタチン
非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とプラバスタチン(40mg経口1日1回)を併用した場合、プラバスタチン単剤投与と比較して、定常状態におけるプラバスタチンのAUC及びCmaxが40%及び18%減少した。
シンバスタチン
非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とシンバスタチン(40mg経口1日1回)を併用した場合、シンバスタチン単剤投与と比較して、定常状態におけるシンバスタチン及びその由来物質のAUC及びCmaxを減少させた(シンバスタチン:69%及び76%、シンバスタチンのオープンアシド体:58%及び51%、HMG-CoA還元酵素阻害活性物質:60%及び62%、総HMG-CoA還元酵素阻害物質:60%及び70%)。
本剤のCYP3A4誘導作用により、シンバスタチンの代謝が促進されるおそれがある。
抗痙攣薬:
非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とカルバマゼピン(400mg1日1回)を併用した場合、定常状態におけるカルバマゼピンのAUC、Cmax、Cminはそれぞれ27%、20%、35%減少し、本剤のAUC、Cmax、Cminはそれぞれ36%、21%、47%減少した。定常状態における活性型カルバマゼピンエポキシド代謝物のAUC、Cmax、Cminは変化がなかった。カルバマゼピンの血漿中濃度は定期的にモニタリングすべきである。フェニトイン、フェノバルビタール、あるいはチトクロームP450で代謝される他の抗痙攣薬との相互作用についてのデータは得られていない。本剤がこれらの薬剤と併用して投与される場合、各薬剤の血漿中濃度を増加あるいは減少させる可能性があるので、血漿中濃度を定期的にモニタリングすべきである。
イトラコナゾール
非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とイトラコナゾール(200mg経口12時間ごと)を併用した場合、イトラコナゾール単剤投与と比較して、定常状態におけるイトラコナゾールのAUC、Cmax及びCminはそれぞれ39%、37%及び44%減少し、ヒドロキシイトラコナゾールのAUC、Cmax及びCminはそれぞれ37%、35%及び43%減少した。
ポサコナゾール
本剤(400mg 経口1日1回)とポサコナゾール(400mg経口1日2回)を併用した場合、単独投与時と比べてポサコナゾールのAUC 及びCmax がそれぞれ50%及び45%低下した。治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、真菌症の発症の有無を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。
本剤との併用により、ポサコナゾールのクリアランスが亢進し、ポサコナゾールの血漿中濃度が低下する。ポサコナゾールが基質となるUGT1A4及び/又はP-gp に対する本剤の誘導作用が関与している可能性がある。
ジルチアゼム
非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とジルチアゼム(240mg経口1日1回)を併用した場合、ジルチアゼム単剤投与と比較して、定常状態におけるジルチアゼムのAUC、Cmax及びCminはそれぞれ69%、60%及び63%減少し、デスアセチルジルチアゼムのAUC、Cmax及びCminは75%、64%及び62%減少し、N-モノデスメチルジルチアゼムのAUC、Cmax及びCminは37%、28%及び37%減少した。
アトバコン・プログアニル
本剤(600mg1日1回)とアトバコン・プログアニル(250mg/100mg単回投与)を併用した場合、アトバコンのAUC及びCmaxはそれぞれ75%及び44%、プログアニルのAUCは43%低下した。
肝毒性が知られている薬剤:
重篤な肝障害発現のリスクが増加する。
本剤投与患者の1%未満で、水疱、湿性の落屑又は潰瘍形成を随伴した重度の発疹が報告されている。水疱、落屑、粘膜波及又は発熱に関連する重度の発疹が発現した患者では本剤の投与を中止すること。
重篤な肝障害があらわれることがある。,,
,
運動失調、脳症、昏睡、錯乱、精神運動遅延、精神病、せん妄、痙攣、てんかん発作等があらわれることがある。本剤投与開始の数ヵ月から数年後に発現した症例も報告されている。
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
全身性一般
頭痛、インフルエンザ様症候群、疼痛
無力症、倦怠感、発熱
アルコール不耐性、ほてり、失神、末梢性浮腫
体脂肪の再分布/蓄積(後頸部、胸部、腹部、後腹膜等の部位)
消化器
嘔気、嘔吐、下痢、消化不良
胃炎、胃腸炎、胃食道逆流、アミラーゼ上昇、口渇、腹痛、鼓腸放屁、食欲亢進、食欲不振
膵炎
心・血管系
潮紅、動悸、頻脈
肝臓
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
肝炎、総ビリルビン上昇
筋・骨格系
関節痛、筋痛
精神神経系注1)
めまい、不眠、集中力障害、疲労
うつ症状悪化、激越、健忘、不安、運動失調、感情不安定、多幸症、幻覚、偏頭痛、異常感覚、抑うつ、神経過敏、傾眠、異夢、錯乱
協調障害、インポテンス、性欲減退、性欲亢進、神経痛、末梢神経障害、言語障害、痙攣、離人症、思考異常、振戦
感情鈍麻、精神病、小脳障害(平衡障害、眼振等)、カタトニー
呼吸器
喘息、副鼻腔炎、上気道感染
皮膚
発疹、斑状丘疹性皮疹、紅斑
脱毛、湿疹、脂漏、じん麻疹、毛包炎、瘙痒、多汗、多汗(夜間)
痤瘡
皮膚剝離、光線過敏性皮膚炎
その他
好中球減少、耳鳴、血糖値上昇、体重減少、視力異常、味覚倒錯
総コレステロール上昇、血清トリグリセライド上昇、体重増加、複視、嗅覚錯誤
女性化乳房、貧血(赤血球数減少、ヘモグロビン低下等)
本剤は、カンナビノイドレセプターに結合しないが、本剤投与時に複数の尿カンナビノイド試験で、偽陽性が認められている。
本剤は蛋白質との結合率が高いため、透析では血液から薬物を有意に除去する可能性は低い。
用量及び剤形
AUC0-t(μM・h)
Cmax(μM)
Tmaxa)(h)
t1/2b)(h)
600mg錠剤
338.77±111.37
8.06±1.95
4(2-8)
78.21±27.74
200mgカプセル × 3
326.97±112.47
7.50±2.81
4(2-5)
75.81±29.56
平均±標準偏差(n=21)a) 中央値(範囲)b) 調和平均 ± ジャックナイフ標準偏差
非感染ボランティアに600mg錠1錠を高脂肪食(約1,000kcal、カロリーの50~60%が脂肪由来)摂取後単回経口投与した場合、空腹時投与時に比べて本剤のAUCは28%、Cmaxは79%上昇することが認められた。Tmax及び半減期は食事摂取の有無における有意な差は認められなかった(外国人データ)。非感染ボランティアに600mg(カプセル)を高脂肪食(894kcal、脂肪54g、カロリーの54%が脂肪由来)及び低脂肪食(440kcal、脂肪2g、カロリーの4%が脂肪由来)摂取後単回経口投与した場合には、空腹時投与時に比べて、本剤のAUCはそれぞれ22%及び17%、Cmaxはそれぞれ39%及び51%上昇することが認められた(外国人データ)。
本剤はヒト血漿蛋白(主にアルブミン)と強く結合した(約99.5~99.75%)。本剤1日1回200~600mgを1ヵ月間以上投与したHIV-1感染患者9例において、脳脊髄液中濃度は血漿中濃度の0.26~1.19%(平均0.69%)であった。この割合は、血漿中の本剤の非蛋白結合(遊離)画分の約3倍であった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用量は1日1回600mgである。
ラミブジン(3TC)、HIVプロテアーゼ阻害剤(PI)及び非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)による治療歴のないHIV感染患者1,266例を対象に、[本剤(600mg、1日1回)+ジドブジン(ZDV:300mg、12時間ごと)+3TC(150mg、12時間ごと)]、[本剤(600mg、1日1回)+インジナビル(IDV:1,000mg、8時間ごと)]、又は[IDV(800mg、8時間ごと)+ZDV(300mg、12時間ごと)+3TC(150mg、12時間ごと)]を無作為化オープン試験により投与した。ロシュ社製RT-PCR(AmplicorTM)HIV-1アッセイ法を用いたときの血漿中HIV-RNA 400copies/mL未満の患者割合を主要有効性評価項目とした。その結果、本剤を含む3剤併用群でHIV-RNA量が400copies/mL未満に減少した患者の割合は48週で69%、168週で48%であった。168週での成績は他の併用群に比し有意に優れていた。なお、本剤を含む3剤併用群でHIV-RNA量が50copies/mL未満に減少した患者の割合は、48週で64%、168週で42%であった。
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)の治療歴があり、PI及びNNRTI治療歴のないHIV感染者327例を対象に[本剤(600mg、1日1回)+IDV(1,000mg、8時間ごと)+2種類のNRTI]又は[IDV(800mg、8時間ごと)+2種類のNRTI]を無作為化二重盲検比較試験により24週間投与した。ロシュ社製RT-PCR(AmplicorTM)HIV-1アッセイ法を用いたときの血漿中HIV-RNA 400copies/mL未満の患者割合を主要有効性評価項目とした。その結果、投与24週後に本剤併用群では68%の患者でHIV-RNA量が400copies/mL未満に減少した。この成績は対照群に比し有意に優れていた。
NRTI治療歴のあるHIV感染者195例を対象に[本剤(600mg、1日1回)+ネルフィナビル(NFV:750mg、1日3回)+2NRTI]、[本剤(600mg、1日1回)+2NRTI]又は[NFV+2NRTI]を無作為化二重盲検比較試験により48週間投与した。ロシュ社製RT-PCR(AmplicorTM)HIV-1アッセイ法を用いたときの血漿中HIV-RNA 500copies/mL未満の患者割合を主要有効性評価項目とした。その結果、本剤を含む4剤併用群では70%の患者でHIV-RNA量が500copies/mL未満に減少した。この成績は他の併用群に比し有意に優れていた。
健康成人55例を対象に本剤600mgを1日1回14日間反復経口投与し、QTcF間隔に及ぼす影響を検討した結果、エファビレンツの血漿中濃度とQTcF延長に正の相関関係が認められた。プラセボ補正したQTcF間隔のベースラインからの変化の予測値(90%両側信頼区間の上限)は、CYP2B6の遺伝子型がCYP2B6*1/*1(19例)、*1/*6(19例)、*6/*6(17例)の被験者のCmax幾何平均値でそれぞれ5.6(7.3)ms、6.2(8.0)ms、8.7(11.3)msであった[プラセボ及び陽性対照(モキシフロキサシン400mg1日1回)を用いたクロスオーバー試験](外国人データ)。,
本剤は、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の選択的非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤である。本剤は、HIV-1逆転写酵素(RT)のテンプレート(鋳型)、プライマー又はヌクレオシド三リン酸に対する非拮抗的阻害剤であり、混合型非拮抗阻害形式を示し、拮抗的阻害作用をわずかに併せ持つ。本剤は、臨床における血中濃度を十分に上回る濃度においても、HIV-2RT及びヒトDNAポリメラーゼα、β、γ及びδを阻害しない。
HIV-1のエファビレンツに対するin vitroの感受性の臨床上の意義は確立されていない。末梢血単核細胞(PBMCs)、マクロファージ/単球培養及びPBMCs由来のリンパ芽球細胞株について、エファビレンツのin vitroの抗ウイルス活性の評価を行った。野生型実験室適応菌株及び臨床分離株に対するエファビレンツの90-95%阻害濃度(IC90-95)は、1.7から25nM以下に及んだ。本剤は培養細胞中のHIV-1に対して、NRTIのZDV又はddI、あるいはPIであるIDVとの相乗効果を示した。
S48T、V108I、V179D、Y181C、P236Lの突然変異株、又はプロテアーゼ遺伝子のアミノ酸置換による変異株に対するエファビレンツの効力は、野生型に対して認められたものと同様であった。A98G、K101E、V106A、Y188C又はG190Aの突然変異を含む変異株に対してわずかな耐性(9倍未満)が認められた。in vitroでのエファビレンツ阻害に対する見かけ上の耐性が最も強かった点突然変異は、L100I(17~22倍の耐性)及びK103N(18~33倍の耐性)であった。以下に示すようなRTsをコードする塩基対の1つ以上のアミノ酸置換による変異株、野生型についてはin vitroのエファビレンツに対する耐性の上昇を示した:S48T+G190S(97倍)、Y181C+K103N(133倍)、G190A+K103N(130倍)、Y188L(140~500倍)、K101E+K103N(500倍)、L100I+K103N(>1,000倍)。IDVあるいはZDV+3TCと本剤を併用した臨床試験期間中において、ウイルス量の著しい再上昇(リバウンド)を経験した患者から分離されたウイルス分離株において、K103N置換は最も頻繁に認められたRT変異であった。RTの100、101、108、138、188又は190番目のアミノ酸置換も認められたが、より少ない頻度であり、K103N置換を伴った場合にしか認められないことが多かった。本剤投与前の患者から得られた検体中には、K103N置換は認められなかった。本剤に耐性を示すRTのアミノ酸置換様式は、本剤と併用投与された他の抗ウイルス療法剤とは関係していない。
本剤、ネビラピン及びデラビルジンに対する細胞培養での交差耐性プロフィールは、K103N置換が3種すべてのNNRTIsに対する感受性を損失させることを示していた。試験したデラビルジン耐性臨床分離株3株のうち2株は、本薬に対する交差耐性であり、かつ、K103N置換を含んでいた。残りの1株は、RTの236番目のアミノ酸置換を持ち、本剤とは交差耐性を示さなかった。本剤の臨床治験症例で治療不良患者(ウイルス量のリバウンド)の末梢血単核細胞から得られたウイルス分離株のNNRTIsに対する感受性を評価した。本剤に耐性であることがあらかじめ確認された13種の臨床分離株は、ネビラピン及びデラビルジンに対しても耐性であった。これらのNNRTIs耐性分離株の5株にはRTのK103N、あるいは108番目のバリン-イソロイシン置換(V108I)が認められた。試験した本剤治療不良分離株の3株には、細胞培養中での本剤に対する感受性が残っており、ネビラピン及びデラビルジンに対しても感受性であった。本剤とPIは標的酵素が異なるために、両薬剤間の交差耐性の可能性は低い。本剤とNRTIとの交差耐性は標的結合部位と作用機序が異なるので、その可能性は低い。
エファビレンツ(Efavirenz)
(-)-(S)-6-Chloro-4-(cyclopropylethynyl)-1,4-dihydro-4-(trifluoromethyl)-2H-3,1-benzoxazin-2-one
C14H9ClF3NO2
315.67
白色~微帯赤白色の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
130~136℃
90錠[瓶、バラ]
30錠[瓶、バラ]
1) **Ford N, et al. AIDS. 2011; 25: 2301-4.
2) **Martinez de Tejada B, et al. J Acquir Immune Defic Syndr. 2019; 80(3): 316-24.
3) Schneider S, et al. J Acquir Immune Defic Syndr. 2008; 48: 450-4.
4) Haas DW, et al. AIDS. 2004; 18: 2391-400.
5) The International HapMap Consortium. Nature. 2007; 449: 851-61.
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