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日本薬局方
リバビリンカプセル
劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人には、下記の用法・用量のリバビリンを経口投与する。本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行うこと。
患者の体重
リバビリンの投与量
1日の投与量
朝食後
夕食後
60kg以下
600mg
200mg
400mg
60kgを超え80kg以下
800mg
80kgを超える
1,000mg
検査項目
投与前値
白血球数
4,000/mm3以上
血小板数
100,000/mm3以上
ヘモグロビン濃度
12g/dL以上
数値
本剤
インターフェロン ベータ
1,500/mm3未満
変更なし
半量に減量
1,000/mm3未満
中止
好中球数
750/mm3未満
500/mm3未満
50,000/mm3未満
25,000/mm3未満
ヘモグロビン濃度(心疾患又はその既往なし)
10g/dL未満
減量600mg/日→400mg/日800mg/日→600mg/日1,000mg/日→600mg/日
8.5g/dL未満
ヘモグロビン濃度(心疾患又はその既往あり)
10g/dL未満、又は投与中、投与前値に比べ2g/dL以上の減少が4週間持続
8.5g/dL未満、又は減量後、4週間経過しても12g/dL未満
中止(再開不可)
投与開始1~4週時11g/dL未満
減量600mg/日→200mg/日800mg/日→400mg/日1,000mg/日→400mg/日
投与開始5週時以降10g/dL未満
投与開始1~4週時11g/dL未満、又は投与中、投与前値に比べ2g/dL以上の減少が4週間持続
投与開始5週時以降10g/dL未満、又は投与中、投与前値に比べ2g/dL以上の減少が4週間持続
貧血により心機能の異常、冠状動脈疾患が悪化又は再燃する可能性がある。,,,
血清尿酸濃度の上昇が報告されている。
白血球減少又は血小板減少が更に悪化することがあり、感染症又は出血傾向を来しやすい。,
中枢・精神神経症状が悪化又は再燃することがある。,
疾患が悪化又は顕性化することがある。,,
脳出血を含む脳血管障害が生じたとの報告がある。なお、高血圧症及び糖尿病の両疾患を合併する患者では脳出血が生じるリスクが高いので注意すること。
糖尿病が増悪又は発症しやすい。また、高血圧症及び糖尿病の両疾患を合併する患者では脳出血が生じるリスクが高いので注意すること。,
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇し、重大な副作用が生じることがある。,
本剤の血中濃度が上昇し、重大な副作用が生じることがある。
投与しないこと。肝予備能が低下している可能性があり、重大な副作用が生じることがある。,
本剤投与中及び最終投与後9ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明し、避妊するよう指導すること。また、投与直前の妊娠検査結果が陰性であることを確認後に投与を開始すること。なお、妊娠していないことを確認するために、妊娠検査を毎月1回実施すること。,,,
本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊するよう指導すること。精液中への本剤の移行が否定できないことから、その危険性を患者に十分理解させること。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形性作用(ラット及びウサギ:1mg/kg/日)及び胚・胎児致死作用(ラット:10mg/kg/日)が認められている。,,,
授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。
小児等に対する臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。国内で実施した臨床試験において、高齢者では、高度の臨床検査値異常等の発現頻度及び減量を要する頻度が高くなる傾向が認められている。
ヌクレオシドアナログ(ジダノシン、アバカビル硫酸塩等)
併用により乳酸アシドーシス、肝不全が報告されていることから、本剤は乳酸アシドーシス、肝不全を増強する可能性がある。また、本剤投与終了後2ヵ月間はヌクレオシドアナログとの相互作用の可能性があるので注意すること。
本剤はin vitroにおいてプリンヌクレオシドのリン酸化を促進する。また、ジダノシンとの併用により、乳酸アシドーシス、膵炎など死亡例を含むミトコンドリア毒性の発現が報告されている。
ジドブジン
本剤はジドブジンの効果を減弱するおそれがある。併用する場合は、血漿中HIV RNAレベルを観察することが望ましい。HIV RNAレベルが上昇した場合には、本剤の中止等の適切な処置を行うこと。
本剤はin vitroにおいてジドブジンのリン酸化を阻害する。
アザチオプリン,,
骨髄機能抑制が起こるおそれがある。併用する場合には、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。本剤の減量、中止については、「7.用法及び用量に関連する注意」の項を参照すること。
本剤がアザチオプリンの代謝酵素であるイノシン一リン酸脱水素酵素(IMPDH)を阻害することにより、代謝産物のメチルチオイノシン一リン酸(meTIMP)が蓄積すると考えられる。
,,,,
,
著しいトランスアミナーゼの上昇を伴う肝障害があらわれることがある。,
,,,
抑うつ、自殺企図があらわれることがある。また、躁状態、攻撃的行動があらわれ、他害行為に至ることがある。患者の精神状態に十分注意し、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するなど、投与継続の可否について慎重に検討すること。また、これらの症状が認められた場合には、投与終了後も観察を継続することが望ましい。,,
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状、また、胸部X線異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
血小板減少、貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれることがある。,
血清総蛋白減少、血清アルブミン低下を伴う重篤な蛋白尿が認められることがある。,
糖尿病が増悪又は発症することがあり、昏睡に至ることがある。,
易感染性となり、敗血症があらわれることがある。
網膜出血、軟性白斑及び糖尿病網膜症の増悪に注意すること。
収縮期血圧180mmHg以上又は拡張期血圧110mmHg以上に至った例も報告されている。
脳梗塞、脳出血等の脳血管障害があらわれることがある。
5%以上
5%未満
頻度不明
全身症状
発熱注1)、悪寒(82.2%)、全身倦怠感(88.5%)、かぜ症候群
インフルエンザ様症状
過敏症
発疹、そう痒感
蕁麻疹
血液
白血球数減少(75.3%)、血小板数減少(62.1%)、顆粒球数減少(81.6%)、白血球分画異常(96.6%)、赤血球数減少(70.7%)、ヘモグロビン減少(76.4%)、ヘマトクリット減少(71.3%)、網状赤血球数減少、網状赤血球数増多(75.9%)、好酸球数増多、好中球数増多、血小板数増多
出血傾向、白血球数増多
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
腎臓
蛋白尿(50.6%)、BUN上昇、血尿
クレアチニン上昇、膀胱炎、頻尿、排尿障害
精神神経系
頭痛・頭重(80.5%)、不眠、めまい、抑うつ、焦燥、手足のしびれ、不安
意識障害、傾眠、知覚異常、振戦、無気力、歩行困難、健忘、異常感、感情不安定、耳閉、注意力障害
妄想、怒り
循環器
血圧上昇、動悸、潮紅、四肢冷感
不整脈、血圧低下
呼吸器
咳嗽、上気道炎、呼吸困難、鼻出血
肺炎、鼻漏、血痰、嗄声、鼻炎、気管支炎、鼻閉
消化器
食欲不振(59.2%)、悪心・嘔吐、下痢、腹痛、消化不良、便秘、口内・口唇炎、味覚異常
腹部膨満感、口渇、歯周・歯髄・歯肉炎、歯痛、胃炎、歯の異常、排便障害、腸炎、舌炎、痔核、おくび、鼓腸放屁、腸管機能異常
膵炎
皮膚
湿疹、脱毛
ざ瘡、発汗、皮膚乾燥、白癬、紅斑、紫斑、脂漏、爪の異常、過角化、皮膚潰瘍、毛質異常、落屑
丘疹
眼
眼底出血等の網膜の微小循環障害注2)
眼痛、視力異常、結膜下出血、眼球充血、結膜炎、眼の異和感、眼そう痒症、眼精疲労、硝子体浮遊物、羞明、視覚異常、視野欠損、麦粒腫
注射部位
発赤
疼痛、熱感、腫脹、色素沈着、そう痒、出血
その他
関節痛(58.0%)、筋肉痛、肩こり等の緊張亢進、背部・腰部痛、浮腫、胸部圧迫感、疼痛、咽頭炎、体重減少、尿糖、血清アルブミン低下(54.0%)、血清総蛋白減少、血清コレステロール上昇、血中コレステロール低下、血中尿酸上昇、血清カルシウム低下、血清無機リン低下、CRP上昇
疲労、脱力感、難聴、単純疱疹、帯状疱疹、蜂窩織炎、筋痙直、手指関節拘縮、耳鳴、冷汗、不正出血、神経痛、頚部痛、易感染性、花粉症、外耳炎、耳痛、中耳炎、前立腺炎、嗅覚異常、四肢不快感、サルコイドーシス、トリグリセライド上昇、血清アミラーゼ上昇、血糖上昇
CK上昇、血清カリウム上昇、ヘモグロビンA1C上昇
5~10%未満
感染
咽頭炎
神経系
頭痛
徐脈
悪心、口内炎
皮膚及び皮下組織
そう痒症、発疹
血管性浮腫
倦怠感
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性(6名)に本剤200、400、600、800、1,000及び1,200mgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度のCmaxについては200~800mg、AUC0-tについては200~1,000mgの用量範囲でそれぞれ線形性が認められ、それ以上の投与量では吸収の頭打ちが示唆された1)。
C型慢性肝炎患者(15名)に本剤400mg(800mg/日)を朝夕食後に1日2回48週間、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)(以下:PEG-IFNα-2b)の1.5μg/kg週1回皮下投与との併用により、反復経口投与したときの血清中未変化体濃度を以下の図表に示した。血清中未変化体濃度は投与開始後8週目までに定常状態に到達し、Cmax、Cmin及びAUC0-12hrに基づく累積係数はそれぞれ6.53、12.2及び9.42であった。定常状態に到達後の消失半減期は286時間であった2)。
tmax(hr)
Cmax(μg/mL)
Cmin(μg/mL)
AUC0-12hr注3)(μg・hr/mL)
t1/2(hr)
CL/F(L/hr)
Vd/F(L)
定常状態(N=14)注4)
3.00
3.33
2.42
32.5
286
12.7注5)
5374注5)
初回投与(N=15)
0.604
0.221
4.02
27.1
37.8
1472
累積係数
6.53注5)
12.2注5)
9.42注5)
健康成人男性(6名)にリバビリン溶液150mgを急速静脈内投与したとき、血漿中未変化体の全身クリアランス(CL)は40.5L/hr、定常状態における見かけの分布容積(Vss)は241Lであった。同一被験者に本剤400mgを空腹時に経口投与したときのAUCとの比較によって算出した絶対バイオアベイラビリティ(経口投与時のAUC/静脈内投与時のAUC)は64%であった4)(外国人データ)。
健康成人男女(17名)に本剤600mgを食後又は空腹時に単回経口投与したとき、食後投与時ではCmax及びAUCが約70%上昇し、tmaxの遅延が認められた3)(外国人データ)。
ヒト血漿蛋白と本薬との結合は全く認められず、非結合率はほぼ100%であった7)(in vitro)。
健康成人男性(6名)に14C-標識リバビリンカプセル604mgを空腹時に単回経口投与したとき、赤血球中放射能濃度は血液(全血)中放射能濃度の約2倍の値を示したことから、血中放射性成分の大部分は赤血球中に存在しているものと推察された8)(外国人データ)。
ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを1日1回21日間反復経口投与したとき、組織中放射能濃度は血球を除く殆どの組織で投与7日目までに定常状態に到達し、全身組織への広範な放射能分布が認められた。組織中放射能濃度は肝臓で最も高く、次いで腎臓、心臓、筋肉、肺、脾臓、膵臓、腸間膜リンパ節、前立腺、膀胱、骨髄に高濃度に分布した9)。
妊娠ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、胎児組織中への放射能の移行が認められた10)。
本剤の体内からの消失に関わる主要な代謝経路は、ribofuranosyl基の脱離及び3位側鎖(carboxamide)の加水分解であり、代謝物として1H-1,2,4-triazole-3-carboxamide(TCONH2)、1-β-D-ribofuranosyl-1H-1,2,4-triazole-3-carboxylic acid(RTCOOH)及び1H-1,2,4-triazole-3-carboxylic acid(TCOOH)が確認されている。本剤の薬効に関与しているもう一つの代謝経路は、ribofuranosyl基5'位のリン酸化であり、代謝物としてリバビリン一リン酸(RMP)、リバビリン二リン酸(RDP)及びリバビリン三リン酸(RTP)が確認されている。これらのリン酸化体は組織細胞中にのみ存在し、細胞外(血漿、尿)には認められない。ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝実験の結果、上記のいずれの代謝経路についても、チトクロムP450系の介在は否定されている8),11),12),13)。
健康成人男性(6名)に14C-標識リバビリンカプセル604mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与後14日目までの尿及び糞中放射能排泄率はそれぞれ61%及び12%であった。同時点までの尿中未変化体排泄率は投与量の17%であり、尿中放射能に占める割合は約27%であった8)(外国人データ)。
ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、投与後48時間までの胆汁中放射能排泄率は投与量の0.8%未満であった14)。
授乳中のラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、放射能濃度の母乳/血漿比は0.6~1.3であり、本薬又は代謝物の乳汁中への移行性が認められた15)。
腎機能障害患者(18名)に本剤400mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度のパラメータを下表に示した。腎機能障害患者では、クレアチニンクリアランスに応じた全身クリアランス(CL/F)の低下が認められている6)(外国人データ)。,,
CLcr(mL/分)
患者数
AUC0-t(μg・hr/mL)
CLr(L/hr)
≧90
6名
0.630
9.65
53.2
7.74
61~90
0.821
17.5
29.8
4.31
31~60
0.732
20.4
24.2
2.15
10~30
1.16
31.7
13.0
0.696
CLcr:クレアチニンクリアランスCL/F:全身クリアランスCLr:腎クリアランス
人工透析依存の腎不全患者(6名)に本剤400mgを空腹時に単回経口投与したとき、人工透析クリアランス(CLhd=4.04L/hr)はクレアチニンクリアランスが61~90(mL/分)の腎機能障害患者の腎クリアランス(4.31L/hr)にほぼ相当する値であったが、血漿中未変化体濃度について人工透析による明らかな変化は認められなかった(外国人データ)。
肝機能障害患者(17名)に本剤600mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度のパラメータを下表に示した。肝機能障害患者では肝機能障害の重症度に応じたCmaxの上昇が認められたが、Tmax及びAUC0-tに明らかな変化は認められなかった5)(外国人データ)。,
肝機能
Tmax(hr)
正常
1.33
0.643
15.2
軽度
5名
1.60
0.886
中等度
7名
1.29
1.05
14.2
重度
1.27
18.4
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro阻害実験の結果、CYP3A4、2D6、1A2、2E1、2C9/10の各P450分子種についてリバビリン添加による阻害作用は認められなかった13)。ラットにリバビリン溶液を1日1回7日間反復経口投与したとき、120mg/kgまでの投与量では肝薬物代謝酵素系への誘導作用は認められなかった16)。
C型慢性肝炎患者(12~17名)を対象とした本剤600~1,200mg/日の1日2回経口投与とPEG-IFNα-2b 0.35、0.7又は1.4μg/kg週1回皮下投与との併用による4週間反復投与試験において、薬物動態学的相互作用を示唆する所見は認められなかった17)(外国人データ)。
健康成人男女(12名)に本剤600mgを空腹時に単独又は水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム含有製剤と併用したとき、併用時ではCmax、AUC0-tがそれぞれ3.3%、13.7%減少したが、Tmaxに影響は認められなかった18)(外国人データ)。
(注)本剤の承認された1日投与量は600~1,000mgである。PEG-IFNα-2b製剤は承認整理済である。
「セログループ1(ジェノタイプ1)かつ血中HCV RNA量が高値の患者:対象A」及び「セログループ1(ジェノタイプ1)以外かつ血中HCV RNA量が高値の患者、及びインターフェロン(以下:IFN)製剤による治療歴のある血中HCV RNA量が低値の患者:対象B」を対象として、インターフェロン ベータ(以下:IFNβ)1日6.0×106IUを4週間連日投与後、1日6.0×106IUを週3回20週間投与し、本剤1日600~800mgを24週間併用投与した際の、IFNβ/本剤併用群と対照薬群であるインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)(以下:IFNα-2b)/本剤併用群におけるセログループ別(ジェノタイプ別)及びウイルス量(アンプリコア法)別の投与終了後24週目のHCV RNA陰性化率(アンプリコア法)は、下記のとおりであった。
HCV RNA陰性化率
IFNβ+本剤併用群
IFNα-2b+本剤併用群
対象A
18.7%(17/91)
15.6%(7/45)
対象B
80.0%(20/25)
83.3%(10/12)
116例全例に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、発熱(98.3%)、倦怠感(89.7%)、頭痛(81.0%)、悪寒(81.0%)、食欲不振(61.2%)等であり、臨床検査値の異常は、好中球数減少(78.4%)、網状赤血球数増加(78.4%)、ヘモグロビン減少(75.0%)、白血球数減少(74.1%)、リンパ球百分率増加(71.6%)等であった。
セログループ1(ジェノタイプ1)で血中HCV RNA量が高値であり、うつ病の既往歴(インターフェロン アルファ製剤によるうつ病の既往歴を含む)のあるC型慢性肝炎患者、又はうつ病の合併症あるいはその疑いのあるC型慢性肝炎患者(ハミルトンうつ病評価尺度17項目の総スコアが13以下)を対象として、IFNβ1日6.0×106IUを4週間連日投与後、1日6.0×106IUを週3回44週間投与し、本剤1日400~1,000mgを48週間併用投与する試験を精神科医による診察を定期的に行った上で実施した。投与開始24週後、48週後の投与中止率はそれぞれ8.6%(5/58)、17.2%(10/58)であり、48週間投与終了後24週目のHCV RNA陰性化率(アンプリコア法)は22.4%(13/58)であった。58例全例に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、発熱(98.3%)、倦怠感(86.2%)、悪寒(84.5%)、頭痛(79.3%)、食欲不振(55.2%)等であり、臨床検査値の異常は、好中球数減少(81.0%)、ヘマトクリット減少(79.3%)、ヘモグロビン減少(79.3%)、白血球数減少(77.6%)、赤血球数減少(74.1%)等であった。
C型肝炎直接型抗ウイルス薬(DAA)による治療歴を有するジェノタイプ1又は2のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変患者を対象として、本剤とソホスブビル・ベルパタスビル配合剤併用時の有効性及び安全性を検討することを目的とした第Ⅲ相臨床試験(無作為化非盲検並行群間比較試験)を実施した(12週間又は24週間投与)。主要評価項目はSVR12率であった。本剤及びソホスブビル・ベルパタスビル配合剤の24週間併用投与群の結果を表5に示す。
対象
SVR12率
全体
96.7%(58/60例)
年齢
65歳未満
96.8%(30/31例)
65歳以上
96.6%(28/29例)
HCVジェノタイプ
ジェノタイプ1
97.9%(47/48例)
ジェノタイプ2
91.7%(11/12例)
代償性肝硬変注6)
なし
94.9%(37/39例)
あり
100.0%(21/21例)
DAA治療歴
NS5A阻害剤+NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤
97.4%(37/38例)
NS5A阻害剤+NS5Bポリメラーゼ阻害剤
100.0%(8/8例)
NS5Bポリメラーゼ阻害剤単独
NS5A阻害剤+NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤+NS5Bポリメラーゼ阻害剤
100.0%(5/5例)
NS5Bポリメラーゼ阻害剤+NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤
0%(0/1例)
DAA: NS5A阻害剤、NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤、及びNS5Bポリメラーゼ阻害剤
60例中21例(35.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、貧血13例(21.7%)、倦怠感3例(5.0%)、そう痒症2例(3.3%)であった。
野性型HCVジェノタイプ1a、1b、2a、2b、3a、4a、5a及び6aの一過性発現レプリコン細胞に対するリバビリンのEC50値はそれぞれ26.1、6.6、8.3、2.6、6.7、6.2、1.5及び7.1μmol/Lであった。HCVの近縁ウイルスであるウシウイルス性下痢症ウイルスに対して、リバビリンは抗ウイルス作用を示した(in vitro)19),20),21)。
リバビリンの詳細な作用機序は明らかでない。リバビリンは細胞内でリン酸化され、HCV由来RNA依存性RNAポリメラーゼによるグアノシン三リン酸のRNAへの取込みを抑制した(in vitro)。また、HCV由来RNA依存性RNAポリメラーゼによるRNA生成過程でリバビリン三リン酸がRNAに取り込まれ、このことがウイルスのゲノムを不安定にすると考えられた(in vitro)20)。
リバビリン(Ribavirin)
1-β-D-Ribofuranosyl-1H-1,2,4-triazole-3-carboxamide
C8H12N4O5
244.20
白色の結晶性の粉末である。水又はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
167-171℃
(1-オクタノール-水系)pH2:3.76×10-3 pH8:1.38×10-3pH4:3.85×10-3 pH10:1.70×10-4pH6:3.44×10-3 pH12:1.78×10-4
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
28カプセル[14カプセル(PTP)×2]
1) 深瀬広幸ほか. 臨床医薬. 2002;18:521-38.
2) 社内資料:反復投与(2004年10月22日承認、CTD 2.7.2.2)
3) 社内資料:食事の影響(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.4.(5))
4) 社内資料:バイオアベイラビリティ(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.4.(4))
5) 社内資料:肝機能障害患者(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.4.(8))
6) 社内資料:腎機能障害患者(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.4.(9))
7) 社内資料:血漿蛋白結合率(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.3.(2).3))
8) 社内資料:ヒトにおける体内動態(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.4.(1))
9) 社内資料:組織内分布(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.3.(2).1))
10) 社内資料:胎盤・胎児移行性(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.3.(2).2))
11) 社内資料:代謝:ラット(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.3.(3).1).①)
12) 社内資料:代謝:サル(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.3.(3).1).②)
13) 社内資料:チトクロムP450に対する阻害作用(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.3.(3).2).①)
14) 社内資料:胆汁中排泄(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.3.(4).2))
15) 社内資料:乳汁移行性(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.3.(4). 3))
16) 社内資料:肝薬物代謝酵素誘導(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.3.(3).2).②)
17) Glue P, et al. Hepatology. 2000;32:647-53.
18) 社内資料:制酸剤の影響(2001年11月21日承認、申請資料概要ヘ.4.(6))
19) 社内資料:レプリコンを用いたリバビリンの評価試験
20) 社内資料:リバビリンの抗HCV作用機序(2001年11月21日承認、申請資料概要ホ.1.(2).7))
21) 社内資料:抗ウイルス作用を裏付ける試験(2004年10月22日承認、CTD 2.6.2.2)
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