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バクニュバンス水性懸濁注シリンジ

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
3.製法の概要及び組成・性状
3.1製法の概要
3.2組成
3.3製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する者に関する注意
9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
9.2腎機能障害を有する者
9.3肝機能障害を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副反応
11.1重大な副反応
11.2その他の副反応
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

バクニュバンス水性懸濁注シリンジ

添付文書番号

631140KG1020_1_04

企業コード

170050

作成又は改訂年月

**2024年2月改訂(第4版)
2023年6月改訂(第3版、効能変更、用法及び用量変更)

日本標準商品分類番号

876311

薬効分類名

細菌ワクチン類

承認等

バクニュバンス水性懸濁注シリンジ

販売名コード

YJコード

631140KG1020

販売名英語表記

VAXNEUVANCE Aqueous Suspension Syringes

販売名ひらがな

ばくにゅばんす

承認番号等

承認番号

30400AMX00410000

販売開始年月

2023年4月

貯法・有効期間

貯法

2~8℃、凍結を避けること

有効期間

**製造日から36箇月

基準名

生物学的製剤基準

沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン
(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)

規制区分

一般的名称

沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

  1. 2.1 本剤の成分又はジフテリアトキソイド含有ワクチンに対するアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  2. 2.2 明らかな発熱を呈している者
  3. 2.3 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  4. 2.4 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

本剤は、「3.2 組成」の項に示す15種類の血清型の肺炎球菌を型別に培養し、各型の肺炎球菌莢膜ポリサッカライドを抽出し、精製する。これらの肺炎球菌莢膜ポリサッカライドを型別に過ヨウ素酸ナトリウムで活性化し、還元的アミノ化によりキャリアタンパク質CRM197と結合させる。CRM197は組換えPseudomonas fluorescens(菌株CS472-030)により産生する無毒性変異ジフテリア毒素である。精製した肺炎球菌莢膜ポリサッカライド-CRM197結合体は、アジュバントであるリン酸アルミニウムに吸着させ、製剤化する。本剤は肺炎球菌莢膜ポリサッカライドの製造工程で、ウシ乳由来成分(カザミノ酸)を用いて製した酵素を使用している。

3.2 組成

バクニュバンス水性懸濁注シリンジ

有効成分肺炎球菌莢膜ポリサッカライド-CRM197結合体   0.5mL
添加剤塩化ナトリウム   4.50mg
ポリソルベート20   1mg
L-ヒスチジン   1.50mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物   0.056mg
塩酸   適量
リン酸アルミニウム   125μg(アルミニウムとして)
含量  肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型1:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型3:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型4:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型5:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型6A:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型6B:4.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型7F:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型9V:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型14:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型18C:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型19A:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型19F:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型22F:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型23F:2.0μg
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド血清型33F:2.0μg
CRM197:約30μg(タンパク質量として)

3.3 製剤の性状

バクニュバンス水性懸濁注シリンジ

pH5.3~6.3
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状振り混ぜるとき乳白色の均質な懸濁液

4. 効能又は効果

  • *高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者における肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による感染症の予防
  • *小児における肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による侵襲性感染症の予防

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤に含まれている血清型以外の肺炎球菌による感染症又は他の起炎菌による感染症を予防することはできない。
  2. 5.2 ジフテリアの予防接種に転用することはできない。
  3. 5.3 *肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者とは、以下のような状態の者を指す。
    • 慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患又は腎疾患
    • 糖尿病
    • 基礎疾患若しくは治療により免疫不全状態である又はその状態が疑われる者
    • 先天的又は後天的無脾症
    • 鎌状赤血球症又はその他の異常ヘモグロビン症
    • 人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御能が低下した者
    • 上記以外で医師が本剤の接種を必要と認めた者

6. 用法及び用量

  • *〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者における肺炎球菌による感染症の予防〉

    1回0.5mLを筋肉内に注射する。

  • *〈肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる18歳未満の者における肺炎球菌による感染症の予防〉

    1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。

  • *〈小児における肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉
    • 初回免疫:通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも27日間以上の間隔で皮下又は筋肉内に注射する。
    • 追加免疫:通常、1回0.5mLを1回、皮下又は筋肉内に注射する。ただし、3回目接種から60日間以上の間隔をおく。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 同時接種

      医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。,,

  • *〈小児における肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉
    1. 7.2 *接種対象者・接種時期

      本剤の接種は2か月齢以上18歳未満の間にある者に行う。
      標準として2か月齢以上7か月齢未満で接種を開始すること。ただし、3回目接種については、12か月齢未満までに完了し、追加免疫は12か月齢以降、標準として12~15か月齢の間に行うこと。

      また、接種もれ者に対しては、以下の接種間隔及び回数により接種することができる。

      • (1)7か月齢以上12か月齢未満
        • 初回免疫:1回0.5mLずつを2回、27日間以上の間隔で皮下又は筋肉内に注射する。
        • 追加免疫:1回0.5mLを1回、2回目の接種後60日間以上の間隔で、12か月齢以降、皮下又は筋肉内に注射する。
      • (2)12か月齢以上24か月齢未満
        • 1回0.5mLずつを2回、60日間以上の間隔で皮下又は筋肉内に注射する。
      • (3)24か月齢以上18歳未満
        • 1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。
    2. 7.3 *肺炎球菌結合型ワクチンの接種スケジュールの中で、沈降13価肺炎球菌結合型ワクチンにより接種を開始後、途中で本剤による接種に切り換える場合には、残りの接種回数を本剤により接種すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 *被接種者、その介護者又は保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判定を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 9.1.1 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者

    免疫抑制療法を受けている等、免疫能が変化している者では本剤への免疫反応が低下することがある。

  2. 9.1.2 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

    ,

  3. 9.1.3 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  4. 9.1.4 過去に痙攣の既往のある者
  5. 9.1.5 本剤の成分又はジフテリアトキソイド含有ワクチンに対してアレルギーを呈するおそれのある者
  6. 9.1.6 血小板減少症、凝固障害のある者、抗凝固療法を施行している者

    筋肉注射部位の出血のおそれがある。

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。

9.6 授乳婦

予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤がヒト母乳中に移行するか否かは不明である。

9.7 小児等

  • *〈肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者における肺炎球菌による感染症の予防〉
    1. 9.7.1 3歳未満の者を対象とした臨床試験は実施していない。
  • *〈小児における肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉
    1. 9.7.2 生後6週未満の者を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    免疫抑制療法

    • 放射線照射
    • 代謝拮抗剤
    • アルキル化剤
    • 細胞毒性剤
    • コルチコステロイド
    • タンパク質製剤
    • 免疫調節剤

    抗体産生反応が低下する可能性がある。

    免疫抑制的な治療を受けている者は免疫機能が抑制され、本剤に対する免疫応答が低下していることがある。

    11. 副反応

    次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副反応

    1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明1)

      ショック、アナフィラキシーを含む重度のアレルギー反応があらわれることがある。

      1) 本剤との因果関係を示す症例が臨床試験では報告されていないため頻度不明とした。

    2. 11.1.2 *痙攣(熱性痙攣を含む)(0.3%2)

      2) 発現頻度は小児を対象とした臨床試験に基づき算出した。

    11.2 その他の副反応

    • 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者における肺炎球菌による感染症の予防〉

    10%以上3)

    1~10%未満3)

    神経系障害

    頭痛

    筋骨格系および結合組織障害

    筋肉痛、関節痛

    一般・全身障害および投与部位の状態

    注射部位疼痛(76.9%)、注射部位腫脹、注射部位紅斑、疲労

    注射部位そう痒感、発熱

    3) 発現頻度は、017試験(免疫能が正常な18~49歳の成人のうち、肺炎球菌感染症に対するリスク因子を1つ又は2つ以上持つ部分集団のデータ)、018試験(HIVに感染した18歳以上の成人を対象とした試験)及び019試験(肺炎球菌ワクチン接種歴がない成人のうち、65歳以上の部分集団のデータ)に基づき算出した。
    • *〈小児における肺炎球菌による侵襲性感染症の予防又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる18歳未満の者における肺炎球菌による感染症の予防〉
      2歳未満

    10%以上4)

    1~10%未満4)

    1%未満4)

    代謝および栄養障害

    食欲減退

    精神障害

    易刺激性(56.4%)

    神経系障害

    傾眠

    一般・全身障害および投与部位の状態

    注射部位紅斑(66.2%)、注射部位硬結(60.9%)、注射部位腫脹(50.9%)、注射部位疼痛、発熱(38℃以上)(55.6%)5)

    蕁麻疹

    注射部位蕁麻疹

    4) 発現頻度は、033試験、024試験(7~11か月齢、12~23か月齢の部分集団のデータ)及び統合解析[027試験(本剤4回接種の第5群の部分集団のデータ)、029試験及び031試験]に基づき算出した。
    5) 40℃以上の発熱の発現頻度は3.2%である。
    • 2歳以上

    10%以上6)

    1~10%未満6)

    代謝および栄養障害

    食欲減退

    精神障害

    易刺激性

    神経系障害

    頭痛

    傾眠

    筋骨格系および結合組織障害

    筋肉痛

    関節痛

    一般・全身障害および投与部位の状態

    注射部位疼痛(60.9%)、注射部位腫脹、注射部位紅斑、注射部位硬結、疲労

    発熱(38℃以上)、蕁麻疹

    6) 発現頻度は、024試験(2~17歳の部分集団のデータ)、023試験(鎌状赤血球症を有する5~17歳の被験者を対象とした試験)及び030試験(HIVに感染した6~17歳の被験者を対象とした試験)に基づき算出した。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤接種時の注意

    1. 14.1.1 接種時
      1. (1) 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
      2. (2) 冷蔵庫から取り出し常温になってから速やかに使用すること。
      3. (3) 使用前に、本剤を水平に保持し、よく振り混ぜて均一な乳白色の懸濁液にして速やかに使用すること。
      4. (4) 使用前には必ず、粒子状物質又は変色がないかを確認すること。粒子状物質や変色が認められた場合には、使用しないこと。
      5. (5) 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
    2. 14.1.2 *接種部位
      • 〈効能共通〉
        1. (1) 他のワクチンと同時に本剤を接種する場合、異なる部位に注射すること。
        2. (2) 筋肉内注射時の接種部位は、通常、成人には上腕の三角筋中央部、1歳以上の小児には上腕の三角筋中央部又は大腿前外側部、1歳未満は大腿前外側部とし、接種前にアルコール等で消毒する。なお、臀部又は主要な神経幹及び血管が存在する可能性のある部位には注射しないこと。
      • 〈小児における肺炎球菌による侵襲性感染症の予防又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる18歳未満の者における肺炎球菌による感染症の予防〉
        1. (3) 皮下注射する場合の接種部位は、通常、上腕伸側とし、接種前にアルコール等で消毒する。
    3. 14.1.3 *筋肉内注射時
      • 〈効能共通〉

        筋肉内注射にあたっては、組織・神経等の損傷を避けるため下記の点に注意すること。

        • 針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。
        • 神経走行部位に接種しないこと。
        • 注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    • *〈肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者における肺炎球菌による感染症の予防〉

      海外臨床試験において、造血幹細胞移植を受けた者に本剤又は沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(以下、PCV13)を1か月間隔で3回接種した時の血清型特異的免疫グロブリンG(IgG)幾何平均抗体濃度(GMC)(以下、IgG GMC)及び血清型特異的オプソニン化貪食活性(OPA)幾何平均抗体価(GMT)(以下、OPA GMT)について、PCV13と本剤で共通の血清型では同程度の免疫原性が確認された1)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    • 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者における肺炎球菌による感染症の予防〉
      1. 17.1.1 国際共同第Ⅲ相試験(019試験)

        肺炎球菌ワクチンの接種歴がない50歳以上の成人1,205例(65歳以上の日本人245例を含む)を対象に、本剤又はPCV13を1回筋肉内に接種する二重盲検比較試験を実施した。
        本剤又はPCV13接種後30日目のOPA GMT及び本剤固有の2血清型に対する血清型特異的OPA応答率(治験薬接種前から接種後30日目のOPA上昇倍率が4倍以上であった被験者の割合)を表1及び表2に示す。血清型特異的OPA GMTにおいて、本剤とPCV13に含まれる13共通血清型では、PCV13に対する非劣性が示され、本剤固有の2血清型ではPCV13に対する優越性が示された。また、本剤固有の2血清型に対する血清型特異的OPA応答率において、PCV13に対する優越性が示された。本剤でIgG GMCの免疫応答も確認された2)

        表1 本剤又はPCV13接種後30日目の血清型特異的OPA GMT(019試験)

        血清型

        本剤群(N=602)

        PCV13群(N=600)

        GMT比[両側95%CI]7)
        (本剤群/PCV13群)

        n

        n

        13共通血清型8)

        1

        598

        256.3

        598

        322.6

        0.79[0.66, 0.96]

        3

        598

        216.2

        598

        135.1

        1.60[1.38, 1.85]

        4

        598

        1125.6

        598

        1661.6

        0.68[0.57, 0.80]

        5

        598

        447.3

        598

        563.5

        0.79[0.64, 0.98]

        6A

        596

        5407.2

        598

        5424.5

        1.00[0.84, 1.19]

        6B

        598

        4011.7

        598

        3258.2

        1.23[1.02, 1.48]

        7F

        597

        4617.3

        598

        5880.6

        0.79[0.68, 0.90]

        9V

        598

        1817.3

        597

        2232.9

        0.81[0.70, 0.94]

        14

        598

        1999.3

        598

        2656.7

        0.75[0.64, 0.89]

        18C

        598

        2757.7

        598

        2583.7

        1.07[0.91, 1.26]

        19A

        598

        3194.3

        598

        3979.8

        0.80[0.70, 0.93]

        19F

        598

        1695.1

        598

        1917.8

        0.88[0.76, 1.02]

        23F

        598

        2045.4

        598

        1740.4

        1.18[0.96, 1.44]

        2非共通血清型9)

        22F

        594

        2375.2

        586

        74.6

        31.83[25.35, 39.97]

        33F

        598

        7994.7

        597

        1124.9

        7.11[6.07, 8.32]

        7) GMT、GMT比及びその95%CIは、制約付き経時測定データ解析(cLDA法)により算出した。

        8) 13共通血清型の非劣性は、推定GMT比(本剤/PCV13)の95%CIの下限が0.5を超えることに基づく。

        9) 2非共通血清型の優越性は、推定GMT比(本剤/PCV13)の95%CIの下限が2.0を超えることに基づく。

        N=無作為化及びワクチン接種された被験者数、n=解析された被験者数
        CI=信頼区間、GMT=幾何平均抗体価(1/dil)、OPA=オプソニン化貪食活性

        表2 本剤又はPCV13接種後30日目の2非共通血清型の血清型特異的OPA応答率(019試験)

        血清型

        OPA応答率(例数)(m/n)

        OPA応答率の差
        (本剤群-PCV13群)
        推定値[両側95%CI]10)

        本剤群(N=602)

        PCV13群(N=600)

        22F

        71.4(374/524)

        14.3(71/498)

        57.1[52.0, 61.8]

        33F

        56.7(328/578)

        6.3(35/560)

        50.5[45.9, 54.9]

        群間差の推定値の95%CIは、Miettinen&Nurminen法により算出した。

        10) 優越性は、被験者の割合の差(本剤-PCV13)の95%CIの下限が0.1を超えることに基づく。

        N=無作為化及びワクチン接種された被験者数、n=解析された被験者数、m=接種後30日目のOPAが接種前から4倍以上上昇した被験者数

        本剤接種後の注射部位有害事象の発現頻度は60.1%(362/602例)であり、大部分が事前に規定した本剤接種後5日間の接種部位疼痛54.0%(325/602例)、接種部位腫脹12.5%(75/602例)及び接種部位紅斑9.0%(54/602例)であった。また、本剤接種後の全身性の有害事象は38.4%(231/602例)であり、大部分が事前に規定した本剤接種後14日間の疲労17.4%(105/602例)、筋肉痛15.4%(93/602例)、頭痛11.6%(70/602例)及び関節痛5.3%(32/602例)であった。

      2. 17.1.2 海外第Ⅲ相試験(017試験)

        肺炎球菌性疾患に罹患するリスク因子を持つ又は持たない免疫能が正常な18~49歳の成人1,515例を対象に、本剤又はPCV13を1回筋肉内に接種し、その半年後に23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(以下、PPSV23)を接種する二重盲検比較試験を実施した。リスク因子には、基礎疾患(糖尿病、慢性肝疾患、喘息を含む慢性肺疾患、慢性心疾患)及び行動因子(喫煙、飲酒)が含まれた。
        本剤又はPCV13接種後30日目の血清型特異的OPA GMTを表3に示す。血清型特異的OPA GMT及びIgG GMCは13共通血清型では、2つの接種群で概して同程度で、2固有血清型は本剤群で高かった。また、PPSV23接種後30日目の血清型特異的OPA GMT及びIgG GMCは、本剤に含まれる15血清型すべてで2つの接種群で概して同程度であった3)

        表3 本剤又はPCV13接種後30日目の血清型特異的OPA GMT(017試験)

        血清型

        本剤群(N=1,133)

        PCV13群(N=379)

        n

        Observed GMT

        95% CI11)

        n

        Observed GMT

        95% CI11)

        13共通血清型

        1

        1019

        268.6

        (243.7, 296.0)

        341

        267.2

        (220.4, 323.9)

        3

        1004

        199.3

        (184.6, 215.2)

        340

        150.6

        (130.6, 173.8)

        4

        1016

        1416.0

        (1308.9, 1531.8)

        342

        2576.1

        (2278.0, 2913.2)

        5

        1018

        564.8

        (512.7, 622.2)

        343

        731.1

        (613.6, 871.0)

        6A

        1006

        12928.8

        (11923.4, 14019.0)

        335

        11282.4

        (9718.8, 13097.5)

        6B

        1014

        10336.9

        (9649.4, 11073.4)

        342

        6995.7

        (6024.7, 8123.2)

        7F

        1019

        5756.4

        (5410.4, 6124.6)

        342

        7588.9

        (6775.3, 8500.2)

        9V

        1015

        3355.1

        (3135.4, 3590.1)

        343

        3983.7

        (3557.8, 4460.7)

        14

        1016

        5228.9

        (4847.6, 5640.2)

        343

        5889.8

        (5218.2, 6647.8)

        18C

        1014

        5709.0

        (5331.1, 6113.6)

        343

        3063.2

        (2699.8, 3475.5)

        19A

        1015

        5369.9

        (5017.7, 5746.8)

        343

        5888.0

        (5228.2, 6631.0)

        19F

        1018

        3266.3

        (3064.4, 3481.4)

        343

        3272.7

        (2948.2, 3632.9)

        23F

        1016

        4853.5

        (4469.8, 5270.2)

        340

        3887.3

        (3335.8, 4530.0)

        2非共通血清型

        22F

        1005

        3926.5

        (3645.9, 4228.7)

        320

        291.6

        (221.8, 383.6)

        33F

        1014

        11627.8

        (10824.6, 12490.7)

        338

        2180.6

        (1828.7, 2600.2)

        11) 95%CIは、t分布に基づく自然対数尺度での濃度の平均値のCIを逆変換して求めた。

        N=無作為化及びワクチン接種された被験者数、n=解析された被験者数
        CI=信頼区間、GMT=幾何平均抗体価(1/dil)、OPA=オプソニン化貪食活性

        本剤の注射部位有害事象の発現頻度は78.7%(893/1,134例)であり、大部分が事前に規定した本剤接種後5日間の接種部位疼痛75.8%(860/1,134例)、接種部位腫脹21.7%(246/1,134例)及び接種部位紅斑15.1%(171/1,134例)であった。また、本剤接種後の全身性の有害事象の発現頻度は62.3%(707/1,134例)であり、大部分が事前に規定した本剤接種後14日間の疲労34.3%(389/1,134例)、筋肉痛28.8%(327/1,134例)、頭痛26.5%(300/1,134例)及び関節痛12.7%(144/1,134例)であった。

      3. 17.1.3 海外第Ⅲ相試験(018試験)

        肺炎球菌ワクチン接種歴がないCD4+T細胞が50cells/μL以上及び血漿ヒト免疫不全ウイルス(HIV)リボ核酸(RNA)が50,000copies/mL未満の18歳以上のHIV患者302例を対象に、本剤又はPCV13を1回筋肉内に接種し、その8週間後にPPSV23を接種する二重盲検比較試験を実施した。
        本剤又はPCV13接種後30日目の血清型特異的OPA GMTを表4に示す。また、本剤で血清型特異的IgG GMCの免疫応答も確認された。PPSV23の連続接種後30日目のOPA GMT及びIgG GMCは、本剤に含まれる15血清型すべてで2つの接種群で概して同程度であった4)

        表4 本剤又はPCV13接種後30日目の血清型特異的OPA GMT(018試験)

        血清型

        本剤群(N=152)

        PCV13群(N=150)

        n

        Observed GMT

        95% CI12)

        n

        Observed GMT

        95% CI12)

        13共通血清型

        1

        131

        238.8

        (173.1, 329.3)

        131

        200.9

        (142.7, 282.7)

        3

        131

        116.8

        (94.9, 143.7)

        130

        72.3

        (58.6, 89.2)

        4

        130

        824.0

        (618.8, 1097.2)

        131

        1465.5

        (1154.5, 1860.3)

        5

        131

        336.7

        (242.4, 467.7)

        130

        276.7

        (197.9, 386.7)

        6A

        126

        6421.0

        (4890.4, 8430.7)

        128

        5645.1

        (4278.9, 7447.4)

        6B

        129

        4772.9

        (3628.3, 6278.7)

        130

        3554.0

        (2751.0, 4591.4)

        7F

        131

        6085.8

        (4871.6, 7602.8)

        131

        6144.3

        (4982.8, 7576.6)

        9V

        129

        2836.3

        (2311.5, 3480.4)

        128

        2133.9

        (1721.8, 2644.5)

        14

        131

        3508.7

        (2730.6, 4508.5)

        130

        3000.3

        (2350.0, 3830.5)

        18C

        129

        3002.2

        (2435.5, 3700.8)

        129

        1560.3

        (1213.8, 2005.6)

        19A

        131

        4240.7

        (3415.4, 5265.3)

        131

        3715.9

        (2949.2, 4681.8)

        19F

        131

        2438.6

        (1972.7, 3014.6)

        131

        2042.0

        (1618.9, 2575.5)

        23F

        129

        1757.4

        (1276.1, 2420.2)

        127

        1787.0

        (1309.9, 2437.9)

        2非共通血清型

        22F

        128

        3943.7

        (3049.2, 5100.5)

        116

        109.3

        (66.2, 180.3)

        33F

        131

        11342.4

        (9184.3, 14007.6)

        129

        1807.6

        (1357.3, 2407.3)

        12) 95%CIは、t分布に基づく自然対数尺度での濃度の平均値のCIを逆変換して求めた。

        N=無作為化及びワクチン接種された被験者数、n=解析された被験者数
        CI=信頼区間、GMT=幾何平均抗体価(1/dil)、OPA=オプソニン化貪食活性

        本剤接種後の注射部位有害事象の発現頻度は63.8%(97/152例)であり、大部分が事前に規定した本剤接種後5日間の接種部位疼痛57.2%(87/152例)、接種部位腫脹11.8%(18/152例)及び接種部位紅斑4.6%(7/152例)であった。また、本剤接種後の全身性の有害事象の発現頻度は42.8%(65/152例)であり、大部分が事前に規定した本剤接種後14日間の疲労20.4%(31/152例)、頭痛13.2%(20/152例)、筋肉痛12.5%(19/152例)及び関節痛3.3%(5/152例)であった。

    • *〈小児における肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉
      1. 17.1.4 *国内第Ⅲ相試験(033試験)

        2~6か月齢の健康乳児694例を対象に、本剤又はPCV13を4回皮下接種(初回免疫として27日間以上の間隔をあけて3回、追加免疫として12~15か月齢時に1回)する、二重盲検比較試験を実施した。
        本剤又はPCV13の3回目接種後30日目の血清型特異的IgG抗体濃度が閾値(0.35μg/mL)以上に達した被験者の割合(IgG抗体保有率)を表5に示す。本剤のIgG抗体保有率について、13共通血清型では、PCV13に対して非劣性基準を満たした。本剤固有の2血清型では、本剤の血清型22FのIgG抗体保有率は、PCV13の血清型3(13共通血清型のうち血清型特異的IgG抗体保有率が最も低い血清型)に対して非劣性基準を満たしたが、血清型33FのIgG抗体保有率は、PCV13の血清型3に対して非劣性基準を満たさなかった。

        表5 本剤又はPCV13の3回目接種後30日目の血清型特異的IgG抗体濃度が0.35μg/mL以上の被験者の割合(033試験)

        血清型

        本剤(N=347)

        PCV13(N=346)

        差(%)
        (本剤–PCV13)
        (95% CI)13)

        被験者の割合(%)(m/n)

        被験者の割合(%)(m/n)

        13共通血清型14)

        1

        99.7(338/339)

        100.0(343/343)

        -0.3(-1.7, 0.8)

        3

        100.0(339/339)

        97.7(335/343)

        2.3(1.0, 4.5)

        4

        100.0(339/339)

        100.0(343/343)

        0.0(-1.1, 1.1)

        5

        98.8(334/338)

        100.0(343/343)

        -1.2(-3.0, -0.1)

        6A

        99.1(336/339)

        100.0(343/343)

        -0.9(-2.6, 0.2)

        6B

        95.0(322/339)

        98.8(339/343)

        -3.9(-6.9, -1.3)

        7F

        99.7(338/339)

        100.0(343/343)

        -0.3(-1.7, 0.8)

        9V

        99.7(338/339)

        100.0(343/343)

        -0.3(-1.7, 0.8)

        14

        99.4(337/339)

        99.7(341/342)

        -0.3(-1.9, 1.1)

        18C

        98.8(335/339)

        100.0(343/343)

        -1.2(-3.0, -0.1)

        19A

        99.7(338/339)

        100.0(343/343)

        -0.3(-1.7, 0.8)

        19F

        100.0(339/339)

        100.0(343/343)

        0.0(-1.1, 1.1)

        23F

        97.9(331/338)

        99.7(341/342)

        -1.8(-4.0, -0.2)

        2非共通血清型14)

        22F

        99.7(338/339)

        2.0(0.4, 4.3)

        33F

        90.9(308/339)

        -6.8(-10.6, -3.5)

        13) 推定差及びCIは、Miettinen&Nurminen法に基づく。

        14) 非劣性は、IgG抗体保有率の群間差(本剤–PCV13)の両側95%CIの下限が-10%より大きいことに基づく。

        15) 非劣性は、本剤固有の2血清型とPCV13の血清型特異的IgG抗体保有率が最も低い共通血清型(血清型3)との比較に基づく。

        N=無作為化及びワクチン接種された被験者数、n=解析された被験者数、m=IgG抗体濃度が0.35μg/mL以上の被験者数
        CI=信頼区間、IgG=免疫グロブリンG

        本剤又はPCV13の3回目接種後30日目の血清型特異的IgG GMCを表6に示す。13共通血清型では、本剤の血清型特異的IgG GMCについてPCV13に対して非劣性基準を満たした5)

        表6 本剤又はPCV13の3回目接種後30日目の血清型特異的IgG GMC(033試験)

        血清型

        本剤(N=347)

        PCV13(N=346)

        GMC比
        (本剤/PCV13)
        (95% CI)16)

        n

        GMC

        n

        GMC

        13共通血清型17)

        1

        339

        2.39

        343

        3.95

        0.61(0.55, 0.67)

        3

        339

        2.63

        343

        1.42

        1.85(1.67, 2.05)

        4

        339

        2.98

        343

        3.54

        0.84(0.76, 0.93)

        5

        338

        2.59

        343

        3.35

        0.77(0.69, 0.87)

        6A

        339

        2.51

        343

        4.45

        0.56(0.50, 0.63)

        6B

        339

        2.46

        343

        4.17

        0.59(0.51, 0.68)

        7F

        339

        4.38

        343

        5.22

        0.84(0.75, 0.94)

        9V

        339

        3.09

        343

        3.55

        0.87(0.78, 0.97)

        14

        339

        8.99

        342

        12.03

        0.75(0.66, 0.85)

        18C

        339

        2.85

        343

        3.85

        0.74(0.67, 0.82)

        19A

        339

        3.44

        343

        5.28

        0.65(0.59, 0.72)

        19F

        339

        4.24

        343

        5.65

        0.75(0.69, 0.82)

        23F

        338

        2.42

        342

        2.95

        0.82(0.72, 0.93)

        2非共通血清型

        22F

        339

        6.59

        343

        0.06

        107.45(96.18, 120.03)

        33F

        339

        1.85

        337

        0.06

        32.48(27.72, 38.05)

        16) GMC比及びCIは、対数変換した抗体濃度を応答変数、接種群及び月齢を因子とする分散分析モデルに基づき計算した。

        17) 非劣性は、GMC比(本剤/PCV13)の両側95%CIの下限が0.5より大きいことに基づく。

        N=無作為化及びワクチン接種された被験者数、n=解析された被験者数
        CI=信頼区間、GMC=幾何平均濃度(μg/mL)、IgG=免疫グロブリンG

        本剤接種後14日間の事前に規定した注射部位の副反応(すべての時点の治験薬接種後)は91.9%(319/347例)で認められた。また、各接種後に認められた事前に規定した注射部位の副反応は紅斑60.0~66.2%、硬結55.6~60.9%、腫脹47.8~50.9%及び疼痛11.1~16.8%であった。本剤接種後14日間の事前に規定した全身性の副反応(すべての時点の治験薬接種後)は75.8%(263/347例)で認められ、各接種後に認められた事前に規定した全身性の副反応は易刺激性28.8~38.7%、傾眠23.5~35.4%、食欲減退6.7~9.3%及び蕁麻疹0.9~1.5%であった。その他の主な副反応として、発熱28.5~35.9%が認められた。

      2. 17.1.5 *海外第Ⅲ相試験(029試験)

        約2か月齢(42~90日齢)の健康乳児1,720例を対象に、本剤又はPCV13のいずれかを4回筋肉内接種(初回免疫として2か月齢、4か月齢及び6か月齢時に計3回、追加免疫として12~15か月齢時に1回)する二重盲検比較試験を実施した。
        本剤又はPCV13の3回目接種後30日目の血清型特異的IgG抗体濃度が閾値(0.35μg/mL)以上に達した被験者の割合(IgG抗体保有率)を表7に示す。本剤のIgG抗体保有率について、13共通血清型では、PCV13に対して非劣性基準を満たした。本剤固有の2血清型では、本剤の血清型特異的IgG抗体保有率は、PCV13の血清型23F(PCV13の血清型特異的IgG抗体保有率が血清型3を除き最も低い血清型)に対して非劣性基準を満たした。

        表7 本剤又はPCV13の3回目接種後30日目の血清型特異的IgG抗体濃度が0.35μg/mL以上の被験者の割合(029試験)

        血清型

        本剤(N=858)

        PCV13(N=856)

        差(%)
        (本剤–PCV13)
        (95% CI)18)

        被験者の割合(%)(m/n)

        被験者の割合(%)(m/n)

        13共通血清型19)

        1

        95.7(672/702)

        99.1(659/665)

        -3.4(-5.2, -1.8)

        3

        94.7(662/699)

        79.2(524/662)

        15.6(12.1, 19.2)

        4

        96.4(674/699)

        98.6(654/663)

        -2.2(-4.0, -0.6)

        5

        95.3(669/702)

        97.4(647/664)

        -2.1(-4.2, -0.2)

        6A

        93.7(658/702)

        98.6(654/663)

        -4.9(-7.1, -3.0)

        6B

        88.6(619/699)

        92.0(609/662)

        -3.4(-6.6, -0.3)

        7F

        99.0(694/701)

        99.8(664/665)

        -0.8(-1.9, -0.1)

        9V

        97.1(680/700)

        98.2(649/661)

        -1.0(-2.8, 0.6)

        14

        97.9(685/700)

        97.9(647/661)

        -0.0(-1.6, 1.6)

        18C

        97.4(682/700)

        98.3(651/662)

        -0.9(-2.6, 0.7)

        19A

        97.9(687/702)

        99.7(663/665)

        -1.8(-3.2, -0.8)

        19F

        99.0(693/700)

        100.0(663/663)

        -1.0(-2.1, -0.4)

        23F

        91.5(639/698)

        91.8(607/661)

        -0.3(-3.2, 2.7)

        2非共通血清型19)

        22F

        98.6(691/701)

        6.7(4.6, 9.2)

        33F

        87.3(613/702)

        -4.5(-7.8, -1.3)

        18) 推定差及びCIは、Miettinen&Nurminen法に基づく。

        19) 非劣性は、IgG抗体保有率の群間差(本剤–PCV13)の両側95%CIの下限が-10%より大きいことに基づく。

        20) 非劣性は、本剤固有の2血清型と血清型3を除くPCV13の血清型特異的IgG抗体保有率が最も低い共通血清型(血清型23F)との比較に基づく。

        N=無作為化及びワクチン接種された被験者数、n=解析された被験者数、m=IgG抗体濃度が0.35μg/mL以上の被験者数
        CI=信頼区間、IgG=免疫グロブリンG

        本剤又はPCV13の3回目接種後30日目の血清型特異的IgG GMCを表8に示す。13共通血清型では、血清型6Aを除き、本剤の血清型特異的IgG GMCについて、PCV13に対して非劣性基準を満たした。また、本剤固有の2血清型では、本剤の血清型特異的IgG GMCは、PCV13の血清型4(PCV13の血清型特異的IgG GMCが血清型3を除き最も低い血清型)に対して非劣性基準を満たした。

        表8 本剤又はPCV13の3回目接種後30日目の血清型特異的IgG GMC(029試験)

        血清型

        本剤(N=858)

        PCV13(N=856)

        GMC比
        (本剤/PCV13)
        (95% CI)21)

        n

        GMC

        n

        GMC

        13共通血清型22)

        1

        702

        1.21

        665

        1.89

        0.64(0.59, 0.69)

        3

        699

        1.08

        662

        0.62

        1.73(1.61, 1.87)

        4

        699

        1.29

        663

        1.35

        0.95(0.88, 1.03)

        5

        702

        1.63

        664

        2.25

        0.72(0.66, 0.80)

        6A

        702

        1.55

        663

        2.95

        0.52(0.48, 0.58)

        6B

        699

        1.60

        662

        1.97

        0.81(0.71, 0.93)

        7F

        701

        2.48

        665

        3.23

        0.77(0.71, 0.83)

        9V

        700

        1.73

        661

        1.89

        0.91(0.84, 1.00)

        14

        700

        4.78

        661

        6.80

        0.70(0.63, 0.78)

        18C

        700

        1.53

        662

        2.00

        0.76(0.70, 0.83)

        19A

        702

        1.63

        665

        2.29

        0.71(0.65, 0.77)

        19F

        700

        2.01

        663

        2.72

        0.74(0.69, 0.79)

        23F

        698

        1.31

        661

        1.47

        0.89(0.80, 0.99)

        2非共通血清型22)

        22F

        701

        4.91

        3.64(3.33, 3.98)

        33F

        702

        1.67

        1.24(1.10, 1.39)

        21) GMC比及びCIは、対数変換した抗体濃度を応答変数、接種群を因子とする血清型特異的線形モデルより得られる分散の推定値を用いて、t分布に基づき計算した。

        22) 非劣性は、GMC比(本剤/PCV13)の両側95%CIの下限が0.5より大きいことに基づく。

        23) 非劣性は、本剤固有の2血清型と血清型3を除くPCV13の血清型特異的IgG GMCが最も低い共通血清型(血清型4)との比較に基づく。

        N=無作為化及びワクチン接種された被験者数、n=解析された被験者数
        CI=信頼区間、GMC=幾何平均濃度(μg/mL)、IgG=免疫グロブリンG

        本剤又はPCV13の4回目接種後30日目の血清型特異的IgG GMCを表9に示す。13共通血清型では、本剤の血清型特異的IgG GMCについて、PCV13に対して非劣性基準を満たした。また、本剤固有の2血清型では、本剤の血清型特異的IgG GMCは、PCV13の血清型4(PCV13の血清型特異的IgG GMCが血清型3を除き最も低い血清型)に対して非劣性基準を満たした6)

        表9 本剤又はPCV13の4回目接種後30日目の血清型特異的IgG GMC(029試験)

        血清型

        本剤(N=858)

        PCV13(N=856)

        GMC比
        (本剤/PCV13)
        (95% CI)24)

        n

        GMC

        n

        GMC

        13共通血清型25)

        1

        715

        1.35

        685

        2.03

        0.66(0.62, 0.72)

        3

        712

        0.96

        686

        0.71

        1.35(1.25, 1.46)

        4

        713

        1.23

        682

        1.60

        0.77(0.71, 0.84)

        5

        713

        2.49

        682

        3.95

        0.63(0.58, 0.69)

        6A

        713

        3.70

        682

        6.21

        0.60(0.54, 0.65)

        6B

        712

        4.76

        682

        6.43

        0.74(0.67, 0.81)

        7F

        714

        3.42

        686

        4.85

        0.70(0.65, 0.77)

        9V

        716

        2.40

        686

        3.29

        0.73(0.67, 0.80)

        14

        716

        5.61

        685

        6.95

        0.81(0.73, 0.89)

        18C

        713

        2.62

        684

        3.08

        0.85(0.78, 0.93)

        19A

        715

        4.10

        685

        5.53

        0.74(0.68, 0.80)

        19F

        715

        3.55

        685

        4.47

        0.79(0.74, 0.86)

        23F

        713

        2.04

        683

        3.32

        0.61(0.56, 0.68)

        2非共通血清型25)

        22F

        714

        7.52

        4.69(4.30, 5.11)

        33F

        714

        4.15

        2.59(2.36, 2.83)

        24) GMC比及びCIは、対数変換した抗体濃度を応答変数、接種群を因子とする血清型特異的線形モデルより得られる分散の推定値を用いて、t分布に基づき計算した。

        25) 非劣性は、GMC比(本剤/PCV13)の両側95%CIの下限が0.5より大きいことに基づく。

        26) 非劣性は、本剤固有の2血清型と血清型3を除くPCV13の血清型特異的IgG GMCが最も低い共通血清型(血清型4)との比較に基づく。

        N=無作為化及びワクチン接種された被験者数、n=解析された被験者数
        CI=信頼区間、GMC=幾何平均濃度(μg/mL)、IgG=免疫グロブリンG

        本剤接種後14日間の事前に規定した注射部位の副反応(すべての時点の治験薬接種後)は69.0%(592/858例)で認められた。また、各接種後に認められた事前に規定した注射部位の副反応は疼痛21.0~33.3%、紅斑11.7~16.3%、腫脹8.7~12.8%及び硬結10.0~12.3%であった。本剤接種後14日間の事前に規定した全身性の副反応(すべての時点の治験薬接種後)は84.4%(724/858例)で認められた。また、各接種後に認められた事前に規定した全身性の副反応は易刺激性47.1~57.8%、傾眠22.0~45.0%、食欲減退12.3~15.8%及び蕁麻疹1.2~3.2%であった。その他の主な副反応として、発熱9.2~14.0%が認められた。

      3. 17.1.6 *海外第Ⅲ相試験(024試験)

        7か月齢~17歳の健康小児(7~23か月齢:肺炎球菌ワクチンの接種歴がない、2歳以上17歳以下:肺炎球菌ワクチンの接種歴がない又は接種歴がある)606例を対象に、本剤又はPCV13のいずれかを接種する、二重盲検比較試験を実施した。年齢層別に無作為化し、本剤又はPCV13のいずれかを1~3回筋肉内接種した(7~11か月齢:3回、12~23か月齢:2回、2歳以上17歳以下:1回)。
        各年齢層において本剤に含まれる15の血清型に対する本剤又はPCV13の最終接種後30日目のIgG GMCを表10に示す7)

        表10 本剤又はPCV13の最終接種後30日目の血清型特異的IgG GMC(024試験)

        血清型

        7~11カ月齢(3回目接種後)

        12~23カ月齢(2回目接種後)

        2~17歳(1回接種後)

        GMC(両側95% CI)27)

        GMC(両側95% CI)27)

        GMC(両側95% CI)27)

        本剤群(n=60)

        PCV13群(n=59)

        本剤群(n=56)

        PCV13群(n=60)

        本剤群(n=162)

        PCV13群(n=162)

        13共通血清型

        1

        2.47(2.09, 2.92)

        3.66(2.98, 4.50)

        3.83(3.07, 4.77)

        4.20(3.30, 5.34)

        3.00(2.60, 3.46)

        3.99(3.48, 4.58)

        3

        2.65(2.30, 3.05)

        1.71(1.40, 2.08)

        2.96(2.44, 3.58)

        1.68(1.29, 2.20)

        1.37(1.19, 1.58)

        1.03(0.88, 1.21)

        4

        2.21(1.82, 2.68)

        3.85(3.12, 4.76)

        3.46(2.67, 4.50)

        4.89(3.76, 6.36)

        2.53(2.17, 2.96)

        5.22(4.52, 6.03)

        5

        3.82(3.14, 4.63)

        4.56(3.58, 5.80)

        3.39(2.65, 4.34)

        3.12(2.52, 3.88)

        3.43(2.89, 4.07)

        4.24(3.46, 5.20)

        6A

        2.23(1.71, 2.91)

        4.30(3.28, 5.65)

        2.05(1.30, 3.23)

        3.73(2.64, 5.29)

        9.03(7.07, 11.53)

        8.81(6.96, 11.14)

        6B

        3.03(2.41, 3.82)

        4.17(3.25, 5.36)

        2.69(1.70, 4.25)

        2.87(1.92, 4.30)

        13.55(10.52, 17.46)

        10.5129)(8.01, 13.78)

        7F

        5.16(4.27, 6.23)

        6.42(5.25, 7.85)

        4.80(3.63, 6.34)

        5.42(4.30, 6.82)

        4.03(3.46, 4.70)

        4.63(3.92, 5.46)

        9V

        2.61(2.09, 3.26)

        3.59(2.86, 4.51)

        2.48(1.97, 3.11)

        2.89(2.21, 3.78)

        3.60(3.06, 4.24)

        4.35(3.65, 5.20)

        14

        9.62(7.94, 11.67)

        13.07(10.40, 16.42)

        8.23(6.19, 10.94)

        8.30(6.56, 10.51)

        9.21(7.11, 11.92)

        8.04(6.24, 10.36)

        18C

        3.45(2.80, 4.24)

        3.50(2.75, 4.45)

        5.09(3.98, 6.52)

        3.68(2.85, 4.75)

        7.16(6.03, 8.52)

        4.46(3.76, 5.30)

        19A

        4.59(3.95, 5.33)

        5.81(4.92, 6.85)

        6.74(5.29, 8.60)

        5.87(4.85, 7.11)

        10.99(9.12, 13.26)

        14.90(12.23, 18.16)

        19F

        3.49(2.94, 4.15)

        4.83(4.03, 5.79)

        5.90(4.69, 7.43)

        5.92(4.93, 7.11)

        8.95(7.45, 10.76)

        12.28(10.07, 14.97)

        23F

        2.62(2.02, 3.39)

        2.79(2.10, 3.69)

        2.85(1.99, 4.07)

        2.18(1.54, 3.07)

        5.36(4.41, 6.50)

        5.12(4.12, 6.37)

        2非共通血清型

        22F

        9.04(7.48, 10.93)

        0.1428)(0.10, 0.19)

        15.90(12.16, 20.78)

        0.12(0.09, 0.16)

        14.99(12.73, 17.66)

        0.3130)(0.24, 0.38)

        33F

        3.37(2.78, 4.10)

        0.13(0.10, 0.16)

        5.17(3.96, 6.74)

        0.15(0.12, 0.19)

        4.89(4.12, 5.80)

        0.2731)(0.22, 0.32)

        27) 95%CIは、t分布に基づく自然対数尺度での濃度の平均値のCIを逆変換して求めた。

        n=解析された被験者数:

        28) 58例

        29) 161例

        30) 159例

        31) 160例

        CI=信頼区間、GMC=幾何平均濃度(μg/mL)、IgG=免疫グロブリンG

        7~11か月齢において、本剤接種後14日間の事前に規定した注射部位の副反応(すべての時点の治験薬接種後)は39.1%(25/64例)で認められた。また、各接種後に認められた事前に規定した注射部位の副反応は紅斑11.1~20.3%、疼痛7.8~14.3%、腫脹9.4~14.3%及び硬結6.3~14.1%であった。本剤接種後14日間の事前に規定した全身性の副反応(すべての時点の治験薬接種後)は46.9%(30/64例)で認められた。また、各接種後に認められた事前に規定した全身性の副反応は易刺激性14.3~21.9%、傾眠7.9~12.5%、食欲減退4.8~9.5%及び蕁麻疹0~1.6%であった。
        12~23か月齢において、本剤接種後14日間の事前に規定した注射部位の副反応(すべての時点の治験薬接種後)は51.6%(32/62例)で認められた。また、各接種後に認められた事前に規定した注射部位の副反応は疼痛17.7~24.2%、紅斑7例(11.3%)、腫脹6.5~11.3%及び硬結4.8~6.5%であった。本剤接種後14日間の事前に規定した全身性の副反応(すべての時点の治験薬接種後)は48.4%(30/62例)で認められた。また、各接種後に認められた事前に規定した全身性の副反応は易刺激性16.1~29.0%、傾眠16.1~21.0%及び食欲減退9.7~16.1%であった。
        2~17歳において、本剤接種後14日間の事前に規定した注射部位の副反応は66.7%(118/177例)で認められた。また、接種後に認められた事前に規定した注射部位の副反応は疼痛54.8%、腫脹20.9%、紅斑19.2%及び硬結6.8%であった。本剤接種後14日間の事前に規定した全身性の副反応は40.7%(72/177例)で認められた。事前に規定した全身性の副反応は2歳以上3歳未満の被験者で、易刺激性15.6%、傾眠15.6%、食欲減退12.5%及び蕁麻疹3.1%であり、3~17歳の被験者では、筋肉痛29.0%、疲労19.3%、頭痛14.5%及び蕁麻疹0.7%であった。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    本剤は、それぞれがキャリアタンパク質(CRM197)と結合した血清型特異的な肺炎球菌莢膜ポリサッカライドを含有しており、肺炎球菌のオプソニン化、貪食及び殺菌を促進する抗体を誘導して肺炎球菌による疾患を予防する。本剤はT細胞依存性免疫応答を誘導する。キャリアタンパク質特異的ヘルパーT細胞は、血清型特異的B細胞の親和性成熟や記憶B細胞の誘導に寄与する。

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    21. 承認条件

    医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

    22. 包装

    シリンジ 0.5mL 1本

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター

    東京都千代田区九段北1-13-12

    医療関係者の方:フリーダイヤル 0120-024-961

    25. 保険給付上の注意

    本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    MSD株式会社

    東京都千代田区九段北1-13-12

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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