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生物学的製剤基準
5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
ロタウイルスによる胃腸炎の予防
乳児に通常、4週間以上の間隔をおいて3回経口接種し、接種量は毎回2mLとする。
本剤は生後6~32週の間にある乳児に経口接種する。初回接種は6週齢以上とし、4週以上の間隔をおいて32週齢までに3回経口接種を行う。また早産児においても同様に接種することができる。なお、初回接種は生後14週6日までに行うことが推奨されている1)。
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判定を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応及び有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
,
胃腸障害(活動性胃腸疾患、慢性下痢)のある乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
接種要注意者である。
生後6週未満又は生後32週を超える乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
発疹、舌の腫脹等があらわれることがある。
5%以上
0.5~5%未満
頻度不明
胃腸障害
下痢
嘔吐、便秘
腸重積症注1)
全身障害及び投与局所様態
発熱
感染症及び寄生虫症
胃腸炎、鼻咽頭炎
中耳炎
代謝及び栄養障害
ラクトース不耐性
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
気管支痙攣
皮膚及び皮下組織障害
蕁麻疹、血管浮腫
容器(ラテックスフリーチューブ)から直接経口接種すること。注射による接種はしないこと。
国内第Ⅲ相臨床試験において、初回接種時の週齢が生後6~12週の健康乳児761例(本剤群:380例、プラセボ群:381例)を対象に、28~70日の間隔をあけて3回経口接種した。また、本試験には在胎32~36週で出生した早産児31例(本剤群:20例、プラセボ群:11例)が含まれた。
G1、G2、G3、G4又はP1A[8]を含むG血清型(G9型)に起因したロタウイルス胃腸炎(重症度を問わない)に対する予防効果注2)は、74.5%(95%信頼区間:39.9, 90.6)であった。また、中等度以上のロタウイルス胃腸炎注3)に対する予防効果注2)は80.2%(95%信頼区間:47.4, 94.1)、重度のロタウイルス胃腸炎注3)に対する予防効果注2)は100%(95%信頼区間:55.4, 100)であった。
生後6~32週の乳児を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験において、本剤の接種後14日間に14.5%(55/380例)の副反応が認められた。その主なものは下痢5.5%(21/380例)、嘔吐4.2%(16/380例)、胃腸炎3.4%(13/380例)、発熱1.3%(5/380例)であった。
重症度を問わない血清型別の予防効果注2),注6)
重症度を問わないG1-G4型注5)
重度G1-G4型注3),注6)
G1
G2
G3
G4
G9
74.0%(66.8, 79.9)注4)
98.0%(88.3, 100)注4)
74.9%(67.3, 80.9)注4)
63.4%(2.6, 88.2)注4)
82.7%(-42.6, 99.6)
48.1%(-143.2, 91.6)
65.4%(-331.1, 99.3)
G1-G4
94.5%(91.2, 96.6)注7)
95.1%(91.6, 97.1)注7)
87.6%(-5.3, 98.5)
93.4%(49.4, 99.1)注7)
89.1%(52.0, 97.5)注7)
100%(69.6, 100)注7)
PP注9)
ITT注10)
本剤
プラセボ
1年目
評価対象被験者数
28,625
28,429
33,151
32,960
入院及び救急外来受診者数
27
447
57
507
抑制効果(%)(95%信頼区間)
94.0%(91.0, 96.0)
88.8%(85.1, 91.6)
2年目
8,490
8,551
18,699
18,499
6
98
12
151
93.9%(86.1, 97.8)
92.1%(85.6, 96.0)
3年目
3,063
3,036
4,348
4,306
0
1
7
100%(-3,850.4, 100)
100%(29.8, 100)
G1~G4血清型に起因したロタウイルス胃腸炎(重症度を問わない)に対する3回接種完了前の本剤の予防効果注2)は、いずれの期間においてもプラセボと比較して統計学的に有意ではなかった(5,673例の乳児を対象とした有効性コホートにおける追加解析結果)。G1~G4血清型に起因したロタウイルス胃腸炎による入院及び救急外来受診に対する3回接種完了前の本剤の抑制効果は、プラセボと比較して統計学的に有意であった。つまり、本剤初回接種14日目以降2回接種までの期間の抑制効果が100%(95%信頼区間:72.2, 100)、本剤2回接種14日目以降3回接種までの期間の抑制効果が90.9%(95%信頼区間:62.9, 99.0)となった(68,038例の乳児を対象とした追加解析結果)。
本剤接種を受けた生後6~32週の乳児において、本剤の接種後42日間に43.2%(2,071/4,803例)の副反応が認められた。主な副反応は、発熱18.9%(907/4,803例)、下痢13.5%(645/4,803例)、易刺激性9.4%(450/4,803例)、嘔吐7.8%(374/4,803例)であった。
2,070例(本剤:1,007例)の在胎25~36週で出生した早産児が、本剤又はプラセボ接種を受けた。このうち有効性コホートの早産児204例(本剤:99例)で、ワクチン接種完了後初めてのロタウイルス感染シーズンにおいてG血清型(G1~G4型)に起因したロタウイルス胃腸炎(重症度を問わない)に対する予防効果注2)は70.3%(95%信頼区間:-15.4, 94.7)であった。また、早産児2,070例(本剤:1,007例)で、ロタウイルス胃腸炎による入院及び救急外来受診に対する抑制効果は、G1~G4血清型で100%(95%信頼区間:74.2, 100)、すべての血清型で100%(95%信頼区間:82.2, 100)であった。安全性については、すべての有害事象の評価を行った早産児(308例)において、本剤群とプラセボ群で安全性プロファイルは同様であった。また、発熱、嘔吐、下痢及び易刺激性の発現率は、本剤群とプラセボ群でおおむね類似していた。
HIV感染乳児に対する本剤の安全性に関して十分な臨床データはない。また、HIV感染乳児に対する水平伝播に関する臨床データはない。
2つの米国の大規模製造販売後安全性調査(019試験及びVaccine Safety Datalink:VSDプロジェクト)において、本剤接種後7日間又は30日間に腸重積症のリスクの増加は認められなかった4),5)。オーストラリアでの製造販売後調査において、1~3ヵ月齢の乳児で、本剤の初回接種後、主に7日間又は21日間に腸重積症の発症リスクの増加が報告されている6)。米国でSelf-Controlled Risk Interval(SCRI)デザインを用いて実施された疫学研究にて本剤接種後の腸重積症発症リスクが検討され、初回接種後22日から42日の期間に対し、初回接種後7日間又は21日間のリスク比(95%信頼区間)は、それぞれ9.1(2.2, 39)、4.2(1.1, 16)であった。また、初回接種後7日間又は21日間の10万接種あたりの腸重積症の発症は、それぞれ1.12例(95%信頼区間:0.33, 2.70)、1.54例(95%信頼区間:0.19, 3.22)の増加を認めた7)。
生後6週以上11週未満の健康乳児に本剤と沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン(DPT-IPV)を同時接種した際の安全性及び免疫原性を交互接種と比較する製造販売後臨床試験を実施した。同時接種群では本剤とDPT-IPVを同時に3回接種した。交互接種群では本剤とDPT-IPVを、DPT-IPVは本剤接種後4週以上、本剤はDPT-IPV接種後2週以上の間隔をあけて交互に3回接種した。各規定来院後14日間において、同時接種群では乳児19.1%(18/94例)で副反応が認められた。主な副反応は下痢10.6%(10/94例)、発熱4.3%(4/94例)及び嘔吐3.2%(3/94例)であった。交互接種群では乳児45.8%(44/96例)で副反応が認められた。主な副反応は下痢30.2%(29/96例)、発熱6.3%(6/96例)及び嘔吐11.5%(11/96例)であった。同時接種群におけるDPT-IPV3回接種後4~6週時点の百日せき毒素(PT)、百日せき繊維状赤血球凝集素(FHA)、ジフテリア毒素、破傷風毒素及びポリオウイルス(セービン株:1型、2型、3型)の抗体陽性率はいずれも100%であり、交互接種群に対する非劣性が示された8)。
本剤は、乳児においてG1、G2、G3、G4及びP1A[8]ヒト血清型ロタウイルスの中和抗体を誘導するが、ロタウイルス胃腸炎に対して防御作用を示す免疫学的機序は明らかではない。
外箱開封後は遮光して保存すること。
チューブ 2mL 1本
1) CDC: MMWR. 2009; 58(RR-2).
2) Duffy LC, et al. Am J Public Health. 1986; 76(3): 259-63.
3) 社内資料:ロタウイルス胃腸炎の重症度の判定(2012年1月18日承認、CTD 2.7.3E.1.6.2)
4) Loughlin J, et al. Pediatr Infect Dis J. 2012; 31(3): 292-6.
5) Shui IM, et al. JAMA. 2012; 307(6): 598-604.
6) Buttery JP, et al. Vaccine. 2011; 29(16): 3061-6.
7) Yih WK, et al. N Engl J Med. 2014; 370: 503-12.
8) Tanaka Y, et al. Hum Vaccin Immunother. 2017; 13(6): 1352-8.
MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター
東京都千代田区九段北1-13-12
医療関係者の方:フリーダイヤル0120-024-961
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
MSD株式会社
保存袋を開封し、チューブを取り出す。
チューブを垂直に持ち、キャップを軽くたたき、接種口の先端部分の液体を除く。
以下の2つのステップでチューブを開封する:1. きつくなるまで時計回りにキャップをねじり、接種口を開ける。
2. 反対方向にねじり、キャップを取り外す。
乳児の口のほおの内側に向かって、チューブの中身がなくなるまで、ゆっくりと液体を接種する。(滴がチューブの先端に残っていてもよい。)
使い終わったチューブとキャップは感染性の廃棄物と同様に適切に廃棄すること。本剤接種後は手洗いをすること。
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