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AK−ソリタ透析剤・FL

添付文書番号

3410522A2032_3_08

企業コード

171575

作成又は改訂年月

2024年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87341

薬効分類名

人工腎臓用透析液

承認等

AK−ソリタ透析剤・FL

販売名コード

YJコード

3410522A2032

販売名英語表記

AK-SOLITA・FL for Dialysis

承認番号等

承認番号

22000AMX00871

販売開始年月

1994年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

-

3. 組成・性状

3.1 組成

AK−ソリタ透析剤・FL

A剤

1本(9L)中
有効成分塩化ナトリウム   1,961g
塩化カリウム   47g
塩化カルシウム水和物   58g
塩化マグネシウム   32g
無水酢酸ナトリウム   233g
ブドウ糖   315g
添加剤塩酸(pH調節剤)   適量

B剤

1本(11.5L)中
有効成分炭酸水素ナトリウム   738g

〈希釈調製後の電解質・糖濃度(理論値)〉
電解質濃度(mEq/L)Na+  143
K+  2.0
Ca2+  2.5
Mg2+  1.0
Cl-  112注)
HCO3-  27.5
Acetate-  9
ブドウ糖濃度(mg/dL)Glucose  100
注)pH調製剤由来の塩酸(Cl-)2mEq/Lを含有するので、Cl-濃度は114mEq/Lである

3.2 製剤の性状

AK−ソリタ透析剤・FL

A剤
pH4.7~5.0
性状無色澄明の液で、弱い酢酸臭がある

B剤
pH7.9~8.5
性状無色澄明の液

4. 効能・効果

慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液として、活性型ビタミンD3剤やカルシウム剤の投与などによる高カルシウム血症の場合であって、以下の要因を持つものに用いる。

  • 無糖の透析液では、血糖値管理の困難な場合
  • カリウム、マグネシウムの高い透析液では、高カリウム血症、高マグネシウム血症の改善が不十分な場合

5. 効能・効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤は慢性腎不全に対する通常の血液透析に使用するが、本剤の特徴や次の事項を考慮して使用すること。,
    1. 5.1.1 本剤はブドウ糖を含む製剤(使用時:100mg/dL)であるので、ブドウ糖を含まない透析液では、透析中血糖値の急激な低下等、良好な血糖コントロールの困難な場合に使用する。
    2. 5.1.2 本剤はカリウム、カルシウム、マグネシウム濃度の低い製剤であるので、次のような場合に使用する。
      1. (1) カリウム、マグネシウム濃度の高い透析液では、高カリウム血症、高マグネシウム血症の改善が不十分な場合
      2. (2) 活性型ビタミンD3製剤やリン吸着剤としてカルシウム製剤等の薬剤使用中で、カルシウム濃度の高い透析液では、高カルシウム血症を起こす場合

6. 用法・用量

用時、本剤のB剤1容に対し水26容を加えて希釈し、この希釈液34容に対してA剤1容を加えて希釈して用いる。
用量は、透析時間により異なるが、通常、灌流液として150~300Lを用いる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用に際しては、定期的に血液検査(電解質、酸・塩基平衡、BUN、クレアチニン、尿酸、血糖等)を行うことが望ましい。
  2. 8.2 長期使用する場合には、骨代謝異常があらわれることがあるので、定期的に臨床検査(生化学検査、X線検査等)を行い、活性型ビタミンD3製剤投与等の適切な処置を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 高度の肝障害又は重症糖尿病等による酢酸代謝障害のある患者

    酢酸による末梢血管拡張作用、心機能抑制作用により、血圧低下等があらわれるおそれがある。

  2. 9.1.2 アルミニウム骨症の患者

    骨塩量を定期的に測定し、低下する場合はカルシウム濃度3.0mEq/L以上の透析液を用いること。骨塩量が低下することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    ジギタリス強心配糖体

    • ジゴキシン
    • メチルジゴキシン等

    ジギタリス中毒を起こすおそれがある。

    本剤を使用した透析により、血清カリウム値が低下する可能性がある。

    11. 副作用

    次の副作用や透析療法により次の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    頻度不明

    循環器系

    血圧低下

    ショック、血圧上昇

    代謝・電解質異常

    低カルシウム血症、低血糖

    高血糖、骨粗鬆症、骨軟化症、線維性骨炎、異所性石灰沈着症

    肝臓

    AST上昇、ALT上昇

    その他

    不均衡症候群(意識混濁、痙攣、悪心、嘔吐、頭痛、不快・倦怠等)

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    1. 14.1.1 透析用水の水質は、(一社)日本透析医学会が定める最新の透析液水質基準を参照すること。
    2. 14.1.2 調製時には、以下の点に注意すること。
      • A剤(電解質・ブドウ糖溶液)及びB剤(炭酸水素ナトリウム溶液)は、各々単独では使用しないこと。
      • A剤及びB剤は、濃厚液の状態で混合しないこと。
    3. 14.1.3 定められた希釈液として調製すること。希釈濃度が不正確な場合は、以下のような症状を起こすことがあるので注意すること。
      • 濃度が高すぎた場合:意識障害、血圧上昇、動悸、頭痛
      • 濃度が低すぎた場合:意識障害、急激な血圧低下、胸内苦悶、全身倦怠、四肢のしびれ感
    4. 14.1.4 使用前に透析液の電解質濃度を測定し、それらが適正であることを確認すること。
    5. 14.1.5 透析液の浸透圧比が0.9~1.1の範囲にあることを確認すること。
      浸透圧比は生理食塩液の浸透圧に対する透析液の浸透圧測定値の比より求める。
    6. 14.1.6 透析液のpHは透析用水等の影響で若干の変動があり得るので、使用前にpH7.2~7.4の範囲内にあることを確認すること。
    7. 14.1.7 本剤は用時調製用の製剤であり、希釈調製後の透析液は速やかに使用すること。
    8. 14.1.8 残液は使用しないこと。

    14.2 薬剤使用時の注意

    1. 14.2.1 本剤は注射又は腹膜灌流に用いないこと。
    2. 14.2.2 血清浸透圧と透析液浸透圧とのバランスを保つこと。
    3. 14.2.3 透析液中の沈殿の有無を透析器前の透析液回路で確認し、沈殿を生じた透析液は使用しないこと。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内一般臨床試験

      慢性腎不全患者31例を対象に、2週間の観察期とそれに続けて4週間本剤を使用し、有用性を確認した。その結果、窒素代謝産物の除去、体重の維持、血液酸塩基平衡の是正、血糖値の維持等は、観察期と同様な成績で、尿毒症症状の改善が認められ、血清電解質はいずれも正常範囲に是正・維持された。
      副作用は低血糖が1例認められ、副作用発現率は3.2%(1/31例)であった1)

    2. 17.1.2 国内一般臨床試験

      慢性腎不全患者44例を対象に、8週間及び8週終了後の1回にわたり本剤を使用し、有用性を確認した。その結果、透析前後の血清カルシウム濃度の変動はわずかで、窒素代謝産物の除去、血液酸塩基平衡の是正、血清電解質の是正・維持、血糖値の維持等が認められた。
      副作用は血圧低下が2例、筋痙攣・下肢硬直が1例認められ、副作用発現率は6.8%(3/44例)であった2)

    3. 17.1.3 国内第Ⅲ相比較臨床試験

      血液透析療法を受けている安定期の慢性腎不全患者211症例を対象に、本剤群と市販の透析剤を用いた対照群のクロスオーバー法による比較試験を実施した。その結果、本剤では透析前後の血清カルシウム濃度の変動はわずかで、窒素代謝産物の除去、体重の維持、血液酸塩基平衡の是正、血清電解質の是正・維持、血糖値の維持等は、対照薬剤と同等な効果であった。
      解析対象症例(203例)の副作用発現率は3.4%(7/203例、重複例あり)で、内訳は低カルシウム血症3例、高カルシウム血症2例、血圧低下2例、低血糖1例であった3)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    透析液は血液透析療法に用いられ、透析液と血液が透析器の透析膜を介して接することで拡散と限外濾過を行い体液の異常を是正する。

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
    2. 20.2 以下の場合は使用しないこと。
      • 容器表面(口部等)に結晶が認められる場合
      • 容器から薬液が漏れている場合
      • A剤に変色が認められる場合
      • キャップ開封時にリングが外れている場合

    22. 包装

    (A剤・B剤)×1

    • A剤 9L(プラスチック容器)
      B剤 11.5L(プラスチック容器)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    株式会社陽進堂 お客様相談室

    富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

     フリーダイヤル 0120-647-734

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    エイワイファーマ株式会社

    東京都中央区日本橋浜町二丁目31番1号

    26.2 販売元

    株式会社陽進堂

    富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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