医療用医薬品 詳細表示

バイフィル透析剤

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

バイフィル透析剤

添付文書番号

3410531A1035_3_06

企業コード

171575

作成又は改訂年月

2024年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87341

薬効分類名

透析ろ過型人工腎臓用透析液

承認等

バイフィル透析剤

販売名コード

YJコード

3410531A1035

販売名英語表記

BIFIL for Dialysis

承認番号等

承認番号

22000AMX00877

販売開始年月

2000年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

-

1. 警告

  1. 1.1 本剤はアルカリ化剤を含まない透析液であり、単独で用いた場合には、過度のアシドーシスが起こることがあるので必ず「バイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」と同時に使用し、単独では使用しないこと。また、他の透析ろ過型又はろ過型人工腎臓の補充液とは同時に使用しないこと。,
  2. 1.2 投与中は十分な観察を行い、また、適宜、血液ガス分析装置により酸塩基平衡をモニターすること。アシドーシス又はアルカローシスが発現した場合には適切な処置を行うこと。,,

3. 組成・性状

3.1 組成

バイフィル透析剤

1本(6L)中
有効成分塩化ナトリウム   1,710g
塩化カリウム   31g
塩化カルシウム水和物   50.9g
塩化マグネシウム   21g
ブドウ糖   210g
添加剤塩酸(pH調節剤)   適量
水酸化ナトリウム(pH調節剤)   適量
〈希釈調製後の電解質・糖濃度(理論値)〉
電解質濃度(mEq/L)Na+  139
K+  2.0
Ca2+  3.3
Mg2+  1.0
Cl-  145.3
ブドウ糖濃度(mg/dL)Glucose  100

3.2 製剤の性状

バイフィル透析剤

pH3~8
性状無色澄明の液

4. 効能・効果

慢性腎不全における透析ろ過型人工腎臓の灌流液として用いる。(透析型人工腎臓では治療の持続又は管理困難な場合に用いる。)

5. 効能・効果に関連する注意

透析ろ過型人工腎臓の灌流液として以下のような場合に用いること。

  • 透析療法では不均衡症候群、血圧低下等のため治療の持続又は管理の困難な場合
  • 透析療法ではアシドーシスの是正が不十分な場合

6. 用法・用量

用時、本剤1容に対し、水34容を加えて希釈して用いる。用量は透析時間により異なるが、通常、灌流液として120~210Lを用いる。本剤はバイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%と同時に使用する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用に際しては、定期的に血液検査(電解質、BUN、クレアチニン、尿酸、血糖等)を行うことが望ましい。
  2. 8.2 投与中は、血液ガス分析装置により酸塩基平衡を定期的(投与初期には週1回、維持投与期には2~4週間に1回程度)に観察し、アルカローシスにならないように十分注意すること。,
  3. 8.3 通常の血液透析から本剤投与に切り替えた場合には、血圧低下、体外循環路内の残血・凝血を認めることがあるので、十分注意すること。体外循環路内の残血・凝血を認めた場合には、抗凝固剤を増量するなど適切な処置を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心不全の患者

    ろ過量と補充量のバランスに十分注意すること。水分及びナトリウムの負荷により症状が悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 不整脈(心房細動等)のある患者

    症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

補充液「バイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」を減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    ジギタリス強心配糖体

    • ジゴキシン
    • メチルジゴキシン等

    ジギタリス中毒を起こすおそれがある。

    本剤を使用した透析により、血清カリウム値が低下する可能性がある。

    11. 副作用

    次の副作用や透析療法により次の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 アルカローシス(5%以上)

      症状があらわれた場合には血液ガス分析を行い、「バイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」の減量や治療を中止するなど適切な処置を行うこと。,

    2. 11.1.2 アシドーシス(0.1~5%未満)

      症状があらわれた場合には血液ガス分析を行い、炭酸水素ナトリウム投与等適切な処置を行うこと。,

    3. 11.1.3 ショック(頻度不明)

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    頻度不明

    循環器

    血圧低下、血圧上昇、発作性心房細動、頻脈

    呼吸器

    Po2低下、Pco2低下

    精神神経系

    意識障害、筋痙攣、頭痛、疲労感、気分不快

    代謝・電解質異常

    高カリウム血症、高ナトリウム血症、高クロール血症、低クロール血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、高リン血症、高血糖

    低カリウム血症、低血糖、骨粗鬆症、骨軟化症、線維性骨炎、異所性石灰沈着症

    肝臓

    AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇

    消化器

    口渇、悪心・嘔吐、腹痛

    血液

    Hb低下

    皮膚

    そう痒症

    突発性難聴、感音難聴

    自律神経系

    発赤

    その他

    体外循環路内凝固

    不均衡症候群(意識混濁、昏睡、傾眠、痙攣、悪心、嘔吐、動悸、頭痛、不快・倦怠、疲労感)

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    1. 14.1.1 透析用水の水質は、(一社)日本透析医学会が定める最新の透析液水質基準を参照すること。
    2. 14.1.2 定められた希釈液として調製すること。
    3. 14.1.3 使用前に透析液の電解質濃度を測定し、それらが適正であることを確認すること。
    4. 14.1.4 透析液の浸透圧比が0.9~1.1の範囲にあることを確認すること。
      浸透圧比は生理食塩液の浸透圧に対する透析液の浸透圧測定値の比より求める。
    5. 14.1.5 本剤は用時調製用の製剤であり、希釈調製後の透析液は速やかに使用すること。
    6. 14.1.6 残液は使用しないこと。

    14.2 薬剤使用時の注意

    1. 14.2.1 本剤は注射又は腹膜灌流に用いないこと。
    2. 14.2.2 本剤を単独で用いた場合には、過度のアシドーシスが起こることがあるので必ず「バイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」と同時に使用し、単独では使用しないこと。また他の透析ろ過型又はろ過型人工腎臓の補充液とは同時に使用しないこと。
    3. 14.2.3 血清浸透圧と透析液浸透圧とのバランスを保つこと。
    4. 14.2.4 透析液中の沈殿の有無を透析器前の透析液回路で確認し、沈殿を生じた透析液は使用しないこと。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験(血液透析との比較試験)

      代謝性アシドーシスの改善不良又は/及び透析困難症の慢性腎不全患者80例を対象に、本剤と「バイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」を用いた血液透析ろ過群(本剤群:41例)とAK-ソリタ®透析剤・DLを用いた血液透析群(対照群:39例)の比較試験を実施した。なお、血液透析は8週間+1回(25透析)、週3回、1回4~5時間とした。解析対象症例(本剤群:37例、対照群:35例)において、本剤群の「有用」以上の有用度は75.7%(28/37例)を示し、対照群の有用度37.1%(13/35例)よりも有意に高かった。
      安全性解析対象症例(38例)の副作用発現頻度は、7.9%(3/38例)10件(悪心・嘔吐2件、口渇2件、体外循環路内凝固1件、気分不快1件、筋痙攣1件、血圧上昇1件、血圧低下1件、腹痛1件)であった1)

    2. 17.1.2 国内第Ⅲ相試験(血液透析ろ過との比較試験)

      代謝性アシドーシスの改善不良又は/及び透析困難症の慢性腎不全患者121例を対象に、本剤と「バイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」を用いた本剤群(61例)とAK-ソリタ®透析剤・DLと市販の血液ろ過用補充液を用いた対照群(60例)の血液透析ろ過による比較試験を実施した。なお、血液透析ろ過は8週間+1回(25透析)、週3回、1回4~5時間とした。解析対象症例(本剤群:52例、対照群:56例)において、本剤群の「有用」以上の有用度は76.9%(40/52例)を示し、対照群の有用度51.8%(29/56例)よりも有意に高かった。
      安全性解析対象症例(55例)の副作用発現頻度は、5.5%(3/55例)3件(発作性心房細動1件、頭痛1件、体外循環路内凝固1件)であった2)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    アルカリ化剤を含まない透析液である本剤で透析を行うと同時に、最も生理的なアルカリ化剤である「バイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」を静脈側血液回路内に補充液として点滴注入する血液透析ろ過療法により、代謝性アシドーシス及び血中電解質異常を改善し、尿毒症物質を除去する。

    18.2 尿毒症物質除去効果、代謝性アシドーシス改善効果及び血中電解質濃度是正効果

    腎不全イヌに本剤と「バイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液1.39%」を用いて血液透析ろ過療法を行った結果、速やかな代謝性アシドーシス改善効果が認められ、透析2時間目以降の効果は緩徐となった。また、腎不全により著明に上昇した血中尿素窒素及びクレアチニン濃度を低下させ、血中電解質濃度を是正した。血中乳酸及び酢酸濃度は変化が認められなかった3)

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
    2. 20.2 以下の場合には使用しないこと。
      • 容器表面(口部等)に結晶が認められる場合
      • 容器から薬液が漏れている場合
      • 薬液に変色が認められる場合
      • キャップ開封時にリングが外れている場合

    22. 包装

    6L×1(プラスチック容器)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    株式会社陽進堂 お客様相談室

    富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

     フリーダイヤル 0120-647-734

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    エイワイファーマ株式会社

    東京都中央区日本橋浜町二丁目31番1号

    26.2 販売元

    株式会社陽進堂

    富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

    画面を閉じる

    Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.