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アルギU点滴静注20g

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.2製造販売後調査等
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

アルギU点滴静注20g

添付文書番号

3999421A1037_3_05

企業コード

171575

作成又は改訂年月

2025年1月改訂(第2版)
2023年10月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

尿素サイクル異常症薬

承認等

アルギU点滴静注20g

販売名コード

YJコード

3999421A1037

販売名英語表記

Argi-U Injection

承認番号等

承認番号

22000AMX02169

販売開始年月

2000年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

アルギニン製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

アルギナーゼ欠損症の患者[アルギニン血症を増悪させる。]

3. 組成・性状

3.1 組成

アルギU点滴静注20g

有効成分L-アルギニン塩酸塩   1袋(200mL)中20.0g

3.2 製剤の性状

アルギU点滴静注20g

pH5.0~6.0
浸透圧比約3(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液

4. 効能・効果

下記疾患における高アンモニア血症の急性増悪において経口製剤により調節不能な場合の緊急的血中アンモニア濃度の低下

  • 先天性尿素サイクル異常症[カルバミルリン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、アルギニノコハク酸合成酵素欠損症(シトルリン血症)、アルギニノコハク酸分解酵素欠損症(アルギニノコハク酸尿症)]又はリジン尿性蛋白不耐症

5. 効能・効果に関連する注意

原則として、診断が確定し、アルギニン製剤等の補助療法により治療が行われている患者に投与する。ただし、先天性尿素サイクル異常症が予測される患者で緊急に投与する場合は、血中アンモニア濃度、自他覚症状を参考にしながら投与する。

6. 用法・用量

通常、1日量として、体重1kg当たり2~10mLを1時間以上かけて点滴静注する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤により高アンモニア血症の改善がみられなかった場合、腹膜透析、血液透析あるいは交換輸血等の治療も行い適切な併用処置を講ずること。
  2. 8.2 塩酸塩を大量に投与することにより高クロール性アシドーシスになることがあるので、血液pH等を観察し、投与すること。なお、アシドーシスの可能性がある場合は本剤の投与を中止し、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ化剤を投与する等の適切な処置を講ずること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 高クロール性アシドーシスの患者

    本剤に含まれるクロールによりアシドーシスが悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 *本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。アナフィラキシーが発現するおそれがある。

  3. 9.1.3 気管支喘息の患者

    症状が一時的に悪化することがある。

9.2 腎機能障害患者

アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 *アナフィラキシー(頻度不明)

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症

発疹、蕁麻疹

消化器

一過性の嘔気

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意

針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 血管外漏出が原因と考えられる皮膚壊死、潰瘍形成が報告されているので、点滴部位の観察を十分に行い、発赤、浸潤、腫脹などの血管外漏出の徴候があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 14.2.2 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
  3. 14.2.3 容器の目盛りは目安として使用すること。
  4. 14.2.4 残液は使用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人(外国人8名)にL-アルギニン塩酸塩を3、9、15及び21mg/kg/minの投与速度で30分間静脈内に持続投与したとき、投与終了後のアルギニンの血清中濃度はそれぞれ1.17、3.44、6.84及び9.25mmol/Lであった。代謝クリアランスは10.6~12.8mL/min/kgであり、消失半減期は15mg/kg/min以下の投与速度で約15分、分布容積は約290mL/kgであったが、21mg/kg/minの投与速度では約27分及び466mL/kgと増加した1)

16.5 排泄

マウスにアミジン基を標識した14C-アルギニン塩酸塩を500mg/kgの用量で静脈内投与した場合、尿中には投与後3時間までに54%、投与後24時間までに74%の放射能が排泄され、呼気中には投与後24時間までに8.3%、糞中には投与後48時間までに0.53%の放射能が排泄された。また、投与後24時間までに排泄された尿中代謝物は、尿素75%、その他の代謝物16%、未変化のアルギニン9%であったとの報告がある2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

    先天性尿素サイクル異常症7例(オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症4例、アルギニノコハク酸尿症1例、リジン尿性蛋白不耐症2例)を対象とした一般臨床試験において、1日当たり3~10mL/kg1)を1時間以上かけて静脈内投与した。血中アンモニア濃度、血中アルギニン濃度及び自他覚症状等の経時的変化をみた有効率(「有効」以上)は71.4%(5/7例)であった。副作用は認められなかった3)

    1) 承認用量は2~10mL/kgである。

17.2 製造販売後調査等

  1. 17.2.1 国内使用成績調査

    使用成績調査において、血中アンモニア値総合改善度は91.7%(33/36例)、総合全般改善度は86.5%(32/37例)であった。安全性解析対象症例54例の副作用発現頻度は5.6%(3/54例)で、その内訳は高アンモニア血症、皮膚潰瘍、血中尿素増加、各1例であった4)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

尿素サイクルではオルニチン、シトルリン、アルギニノコハク酸、アルギニンの4種類のアミノ酸が酵素を利用しサイクルを形成している。
アルギナーゼ欠損症を除く尿素サイクル異常症については、基質であるアルギニンを外部から補充することにより、残存酵素が活性化され、部分的に欠損している尿素サイクルが円滑に回転して、尿中排泄性の高い尿素、シトルリン、アルギニノコハク酸による窒素排泄が促進され、血中アンモニアが減少する5),6),7)

18.2 血中アンモニア濃度の上昇抑制

カルバミルリン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、シトルリン血症及びアルギニノコハク酸尿症の患者において蛋白制限治療とともにアルギニンを投与した結果、臨床症状の改善、血中アンモニア及びグルタミン濃度の低下、尿素生成量の増加並びに尿中オロト酸排泄量の減少などの生化学的指標の改善が認められている5),6),7)

18.3 アンモニア代謝促進

  1. 18.3.1 ラット肝ホモジネートあるいは単離ミトコンドリアを用いたin vitroでのオルニチントランスカルバミラーゼ及びカルバミルリン酸合成酵素活性に対するアルギニン添加試験において、いずれの酵素活性も有意に上昇させることが認められた8)
  2. 18.3.2 ラット及びマウスの肝ミトコンドリアを用いたin vitro試験において、アルギニンがN-アセチルグルタミン酸合成酵素活性を亢進することが認められた9)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

L-アルギニン塩酸塩(L-Arginine Hydrochloride)

化学名

(2S)-2-Amino-5-guanidinopentanoic acid monohydrochloride

分子式

C6H14N4O2・HCl

分子量

210.66

性状

白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、僅かに特異な味がある。
水又はギ酸に溶けやすく、エタノール(95)に極めて溶けにくい。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
  2. 20.2 以下の場合には使用しないこと。
    • 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
    • 容器から薬液が漏れている場合
    • 性状その他薬液に異状が認められる場合
    • ゴム栓部のシールがはがれている場合

22. 包装

200mL×2袋(プラスチックバッグ)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

EAファーマ株式会社
くすり相談室

〒104-0042 東京都中央区入船二丁目1番1号

フリーダイヤル 0120-917-719

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

エイワイファーマ株式会社

東京都中央区日本橋浜町二丁目31番1号

26.2 販売元

EAファーマ株式会社

東京都中央区入船二丁目1番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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