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劇薬
処方箋医薬品注)
統合失調症
ゾテピンとして、通常成人1日75~150mgを分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日450mgまで増量することができる。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。高熱反応があらわれるおそれがあるので、このような場合には全身を氷で冷やすか、又は解熱剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
血液障害を悪化させるおそれがある。
類似化合物であるフェノチアジン系化合物では血圧の急速な変動がみられることがある。
類似化合物であるフェノチアジン系化合物では呼吸抑制があらわれることがある。
痙攣閾値を低下させることがある。
高熱反応があらわれることがある。
悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。
肝機能障害を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験で新生仔死亡率の増加が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状(新生児薬物離脱症候群)や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
投与中は授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。錐体外路症状等の副作用が起こりやすい。
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧低下を起こすおそれがある。
アドレナリンはα、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用により、β受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強される。
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。
本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。
降圧剤
相互に降圧作用を増強させることがある。
本剤及びこれらの薬剤は降圧作用を有する。
相互に抗コリン作用を増強させることがある。
本剤及びこれらの薬剤は抗コリン作用を有する。
メトクロプラミド
ドンペリドン
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。
本剤及びこれらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
相互に作用を減弱させることがある。
本剤は抗ドパミン作用を有するため、作用が拮抗する。
ともに中枢神経抑制作用を有する。
有機燐殺虫剤
相互に作用し、有機燐殺虫剤の毒性を増強させるおそれがあるので、接触しないように注意すること。
有機燐殺虫剤の抗コリンエステラーゼ作用を増強し、その毒性を強めるおそれがある。
重篤な血圧低下を起こすおそれがある。
アドレナリンはα、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用により、β受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強されるおそれがある。
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
長期投与により、ときに口周部等に不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
循環器
血圧降下、頻脈
不整脈、息苦しさ
消化器
便秘、悪心・嘔吐、食欲不振、腹部不快感
下痢、口内炎、食欲亢進、腹部膨満感
肝臓
肝障害
錐体外路症状
パーキンソン症候群(手指振戦、流涎、筋強剛、運動減少、歩行障害、膏顔、仮面様顔貌等)
ジスキネジア(構音障害、眼球回転発作、嚥下障害、姿勢異常等)、アカシジア(静坐不能)
精神神経系
眠気、脳波異常
不眠、不安・焦燥、不穏・興奮、易刺激、意識障害
性欲亢進
過敏症
発疹
皮膚そう痒感
自律神経系
脱力・倦怠感、口渇、めまい、頭痛・頭重、鼻閉、排尿困難、しびれ感、失禁
発汗、頻尿
内分泌
月経異常、乳汁分泌
その他
血清尿酸低下
視覚障害、浮腫
発熱、味覚異常、体重増加、体重減少、瞳孔散大
傾眠から昏睡までの中枢神経系の抑制、血圧低下、錐体外路症状があらわれる。その他、激越、情緒不安、痙攣、口渇、腸閉塞、心電図変化及び不整脈等があらわれる可能性がある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
統合失調症患者5例にゾテピンを100mg経口投与した場合、その消化管からの吸収は良好であり、血清中濃度は投与1~4時間後にピーク(0.03~0.24μg/mL、平均0.129μg/mL)に達する。その後徐々に減少し、投与24時間後には最高血清中濃度のおよそ1/10となり、ヒトでの血清からのゾテピンの消失半減期は約8時間であった1)。各々の血清中濃度は下図のとおりである。
統合失調症患者に連続投与した場合、投与量が多くとも血清中濃度が高いとはいえず、個人差がみられる。また、投与1週間以内に血清中濃度は定常状態に達すると考えられる2)。
本剤の主な代謝酵素はCYP3A4である5)。
統合失調症患者にゾテピンを経口投与後、0~24時間の尿への未変化体の排泄率は投与量の0.03~0.07%で、大部分が代謝物であった1)。
統合失調症666例を対象にした一般臨床試験(27試験)の概略は、以下のとおりである。
著明改善
中等度改善
軽度改善
不変
悪化
計
単独投与群
92(22.1)
82(41.7)
81(61.2)
130
32[7.7]
417
併用投与群
12(4.8)
41(21.3)
83(54.6)
81
32[12.9]
249
104(15.6)
123(34.1)
164(58.7)
211
64[9.6]
666
(累積%)[%]
試験においては、ロドピン1日10~750mg(平均132.4mg)から投与が開始され、最高30~800mg(平均221.1mg)まで漸増するか、初回量が維持され、1~1,118日間(平均204.6日)主として1日3回毎食後分割して投与された6)。なお、本剤投与前にどの薬剤にも反応しなかった、いわゆる難治症例の20%に中等度以上の改善が認められた。また、二重盲検試験によって、本剤の有用性が認められている。
脳内モノアミンに対する作用として、ドパミン受容体やセロトニン受容体の遮断作用、ドパミン代謝回転亢進作用及びカテコールアミンの神経終末部への取り込み抑制作用等を示す。
ゾテピンは中枢性のセロトニン受容体に対して強い遮断作用を有し、幻覚剤のLSD(ウサギ)9),10)、メスカリン、DOM(ラット)11)並びにセロトニン作動性薬物のフェンフルラミン(ラット)12)、MK-212(ウサギ)9),10)、キパジン(ラット)13)、5HTP(マウス)12)等の各種作用に対する抑制は多くの場合クロルプロマジン、ハロペリドール、シプロヘプタジンよりも強い。
ゾテピンはノルアドレナリン、ドパミン及びセロトニンの神経終末部への取り込みを抑制する(ラット)8)。
ゾテピン(Zotepine)
2-Chloro-11-(2-dimethylaminoethoxy)dibenzo[b,f]thiepin
C18H18ClNOS
331.86
ゾテピンは白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)又は1,4-ジオキサンに溶けやすく、ジエチルエーテル又はシクロヘキサンにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
91~94℃
(1-オクタノール/水系)pH1 1.73×102pH7 5.68×103pH9 1.88×104
100錠[10錠(PTP)×10]1,000錠[瓶、バラ、乾燥剤入り]
100錠[10錠(PTP)×10]
100g[瓶、乾燥剤セットキャップ]
1) Noda, K. et al.:Arzneimittel-Forschung. 1979;29(10):1595-1600[LP-00018]
2) 田中 潔 他:臨床精神医学. 1981;10(5):635-647[LP-00022]
3) 坂本 宏 他:北陸神経精神医学雑誌. 1996;10(1-2):65[LP-00241]
4) 野口英世 他:社内報告書(ヒト血清・蛋白結合)(CLR860014)
5) Shiraga, T. et al.:Xenobiotica. 1999;29(3):217-229[LP-00288]
6) 社内報告書(ロドピンの概要:X20-X32頁)
7) Uchida, S. et al.:Arzneimittel-Forschung. 1979;29(10):1588-1594[LP-00017]
8) 本多文夫 他:社内報告書(ラット・薬理作用)(CLR860016)
9) Horita, A. et al.:社内報告書(ウサギ・薬理作用)(CLR860003)
10) Horita, A. et al.:社内報告書(ウサギ・薬理作用)(CLR860004)
11) 植木昭和 他:社内報告書(ラット・薬理作用)(CLR860005)
12) Shimomura, K. et al.:Jpn. J. Pharmacol. 1982;32(3):405-412[LP-00028]
13) Lai, H. et al.:Psychopharmacol. Biochem. Neurotransmitter Receptors. 1980;347-353[LP-00026]
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