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日本薬局方
アモスラロール塩酸塩錠
処方箋医薬品注)
通常成人にはアモスラロール塩酸塩として1日20mgより投与を開始し、効果不十分な場合は1日60mgまで漸増し、1日2回に分割、経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用する等、慎重に投与すること。症状が悪化するおそれがある。
低血糖症状を起こしやすく、かつその症状をマスクしやすい。
本剤の代謝が抑制される。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で妊娠末期の投与により死産率及び新生児死亡率の増加が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
過度の交感神経抑制を来すことがあるので、減量するなど注意すること。
薬理学的相互作用により、交感神経抑制作用を増強させると考えられている。
血糖降下作用が増強することがある。また、低血糖症状(頻脈、発汗等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。
低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクしたり、β遮断作用により低血糖の回復を遅らせることがある。
徐脈、房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全があらわれることがある。併用する場合には、用量に注意すること。
薬理学的相互作用により、陰性変力作用、心刺激伝導抑制作用、降圧作用を増強させると考えられている。
過度の心機能抑制があらわれることがあるので、減量するなど注意すること。
薬理学的相互作用により、心機能抑制作用を増強させることがある。
本剤の降圧作用が増強することがある。併用する場合には用量に注意すること。
薬理学的相互作用により降圧作用を増強させることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
発赤、そう痒
精神神経系
頭痛、眠気、めまい、立ちくらみ
頭重感、不眠、耳鳴り、しびれ
循環器
徐脈、動悸
胸部圧迫感、心不全
眼
涙液分泌減少、眼のしょぼしょぼ感
霧視
肝臓
AST上昇、ALT上昇
Al-P上昇、LDH上昇
呼吸器
喘息様症状
消化器
嘔気、食欲不振
嘔吐、腹痛、口渇、下痢
泌尿器
頻尿、尿失禁
その他
鼻閉、倦怠感、浮腫
CK上昇、抗核抗体の陽性化、脱力感、唇・舌の荒れ、ほてり
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
長期間投与する場合には眼科的検査を行うなど注意して投与すること。動物実験(有色ラット、イヌ、サル)で、メラニン色素に富む眼のぶどう膜との親和性が高いとの報告がある。
健康成人にアモスラロール塩酸塩12.5、25、50、100及び150mg注1) を単回経口投与したとき、吸収は極めてよく、血漿中未変化体濃度は2~4時間後に最高値に達し、消失半減期は4~6時間であった。本剤はヒトでは初回通過効果をほとんど受けなかった1) 。
健康成人にアモスラロール塩酸塩50mg注1) を単回経口投与したとき、24時間後までの尿中に未変化体が投与量の30.1%、代謝物(o-methoxyphenoxy環の水酸化物の硫酸抱合体)が12.7%排泄された2) 。
本態性高血圧症に対し、アモスラロール塩酸塩の多施設二重盲検群間比較試験3) (1日20mg~60mg、漸増法、12週投与)を実施し、有効性が認められた。試験は、単独投与と利尿薬との併用投与に分けて行った。
投与法
有効率(有効以上)
症例数
単剤
61.0%
47/77
併用薬あり
66.7%
40/60
副作用は、単独投与群99例中17例(17.2%)、併用投与群81例中22例(27.2%)に認められ、発現率は対照群と有意差はなかった。主な副作用は、頭痛・頭重、めまい・立ちくらみ、悪夢、不眠、耳鳴り、皮膚症状であった。
本態性高血圧症に対するアモスラロール塩酸塩の用法・用量検討試験4),5) (1日10mg~80mg注2) 、漸増法、1週~3週投与)の結果を以下に示す。
59.3%
32/54
副作用は、79例中10例(12.7%)に認められた。主な副作用は、頭痛・頭重、ふらふら感、食欲不振、発赤・発疹であった。
本態性高血圧症に対するアモスラロール塩酸塩の一般臨床試験(6件)(1日10mg~80mg注2) 、漸増法、8週~26週投与)の結果を以下に示す。
67.7%
195/288
副作用は、372例中48例(12.9%)に認められた。主な副作用は、めまい・立ちくらみ・ふらふら感、食欲不振、浮腫、発疹であった。
本態性高血圧症に対するアモスラロール塩酸塩の長期投与試験6) (1日20mg~60mg、漸増法、1年投与)の結果を以下に示す。
62.7%
52/83
副作用は、106例中12例(11.3%)に認められた。主な副作用は、頭痛、脱力倦怠感、鼻閉、気管支喘息の発作、悪心・食欲不振であった。
褐色細胞腫による高血圧症に対するアモスラロール塩酸塩の臨床試験7),8) (1日20mg~120mg注2) 、漸増法、6日~43日投与)の結果を以下に示す。
90.5%
19/21
副作用は、21例中5例(23.8%)に認められた。副作用は、立ちくらみ、頭痛、めまい、全身倦怠感であった。
ラット、イヌを用いた生体位実験でα1受容体遮断作用とβ受容体遮断作用を同程度に併せもつことが確認されている。また、ウサギ、ラットの摘出臓器を用いた実験でα1受容体を選択的に遮断することが確認されている9),10),11),12),13) 。
血圧降下作用は、選択的α1受容体遮断作用により血管の緊張を緩和するためと考えられる。また、血圧降下に基づく反射性頻脈や血漿レニン活性の亢進は、β受容体遮断作用により抑制されていると考えられる9),10),11),12) 。
病態モデル(高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット、DOCA高血圧ラット)を用いた実験において著明な降圧作用が認められている。長期投与によっても安定した降圧効果を示すが投与中止後のリバウンド性血圧上昇は認められなかった。また、本態性高血圧症患者の長期投与試験においても安定した降圧効果を示すことが認められている6),9),10),11),14) 。
麻酔イヌ静脈内投与試験において、平均血圧の下降と全末梢血管抵抗の減少は有意であったが、心拍出量にほとんど影響は認められず、大腿動脈血流量は増加を示した。また、本態性高血圧症患者においても心拍出量にほとんど影響を与えることなく、全末梢血管抵抗の減少を示した9),11),15) 。
脳卒中易発症ラットを用いた長期投与試験において、降圧作用を示すとともに、腸間膜動脈、心臓、腎臓の高血圧性病変の発生を抑制した16) 。
本態性高血圧症患者において、糖・脂質代謝、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系にほとんど影響を及ぼさないことが認められている17) 。
アモスラロール塩酸塩(Amosulalol Hydrochloride)
5-((1RS)-1-Hydroxy-2-{[2-(2-methoxyphenoxy)ethyl]amino}ethyl)-2-methylbenzenesulfonamide monohydrochloride
C18H24N2O5S・HCl
416.92
アモスラロール塩酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末で、味は苦い。ギ酸に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくい。吸湿性である。本品のメタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
158~162℃
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Nakashima, M. et al.: Clin. Pharmacol. Ther. 1984; 36(4): 436-443[LO-0109]
2) Kamimura, H. et al.: Xenobiotica. 1985; 15(5): 413-420[LO-0104]
3) 池田正男 他: 医学のあゆみ 1986; 139(6): 425-453[LO-0007]
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5) 竹田亮祐 他: 臨床医学 1985; 1(8): 1091-1102[LO-0075]
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