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処方箋医薬品注)
本態性高血圧症
通常成人には1回ニカルジピン塩酸塩として10~20mgを1日3回経口投与する。
血圧がさらに低下する可能性がある。
血管拡張作用により眼圧の上昇を招くおそれがある。
一般に重篤な腎機能障害のある患者では、降圧に伴い腎機能が低下する可能性がある。
本剤は肝臓で代謝される。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で、妊娠末期に投与すると出生児の体重が少なく、その後の体重増加も抑制された。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始し、経過を十分に観察しながら慎重に投与することが望ましい。一般的に過度の降圧は好ましくないとされている。
他の血圧降下剤
血圧降下作用が増強されることがある。
両剤の薬理学的な相加作用等による。
うっ血性心不全患者では、過度の血圧低下、心機能の低下があらわれることがある。必要に応じどちらかを減量又は投与を中止する。
両剤の薬理学的な相加作用による。(1)血圧降下作用の増強(2)陰性変力作用の増強
ジゴキシン
ジゴキシンの作用を増強し、中毒症状(嘔気、嘔吐、めまい、徐脈、不整脈等)があらわれることがある。必要に応じジゴキシンを減量する。
本剤が、主に腎でのクリアランスを減少させ、ジゴキシンの血中濃度が上昇する。
ダントロレンナトリウム水和物
他のCa拮抗剤(ベラパミル等)の動物実験で心室細動、循環虚脱がみられたとの報告がある。
高カリウム血症を来すと考えられる。
タンドスピロンクエン酸塩
動物実験で血圧降下作用が増強されたとの報告がある。
タンドスピロンクエン酸塩は中枢性の血圧降下作用を有し、相加的な降圧作用を示す。
ニトログリセリン
動物実験で房室ブロックを起こしたとの報告がある。
機序不明
免疫抑制剤の作用を増強し、中毒症状(特に腎機能異常)があらわれることがある。また、本剤の作用を増強し、血圧低下、頻脈等があらわれることがある。必要に応じ免疫抑制剤及び本剤を減量する。
本剤あるいは免疫抑制剤によりCYP3A4が阻害され、免疫抑制剤あるいは本剤の血中濃度が上昇する。
フェニトイン
(1)フェニトインの作用を増強し、中毒症状(神経的)があらわれることがある。必要に応じフェニトインを減量する。(2)本剤の作用が減弱されることがある。必要に応じ本剤を増量する。
(1)本剤の蛋白結合率が高いため、血漿蛋白結合競合により、遊離型フェニトインが上昇する。(2)CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される。
リファンピシン
本剤の作用が減弱されることがある。必要に応じ本剤を増量する。
CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される。
シメチジン
本剤の作用が増強され、血圧低下、頻脈等があらわれることがある。必要に応じ本剤を減量する。
これらの薬剤によりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
グレープフルーツジュース
本剤の作用が増強されるおそれがある。
グレープフルーツジュースによりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。
AST・ALT・γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
ビリルビン上昇
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
血液
顆粒球減少
消化器
悪心・嘔吐、胃部不快感、食欲不振
胸やけ、口渇、便秘、下痢、腹痛
循環器
顔面潮紅、熱感、動悸、血圧低下、浮腫、倦怠感、のぼせ
立ちくらみ、頻脈
過敏症
発疹
そう痒感、光線過敏症
口腔
歯肉肥厚
その他
頭痛・頭重、めまい
耳鳴、眠気、しびれ感、不眠、胸部不快感、流涎、発赤、頻尿
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
ラットに24カ月経口投与した実験で、45mg/kg/日投与群(臨床用量の約40倍)の雄に甲状腺濾胞の腫瘍が対照群に比し有意に増加したとの報告がある。
健康成人に本剤10~40mg注1) を経口投与したとき、その血漿中未変化体濃度は投与後30~60分に最高濃度に達し、半減期は約90分であった1) 。(半減期は投与後8時間までの数値より算出した。)
投与量(mg)
n
Tmax(h)
Cmax(μg/mL)
AUC(μg・min/mL)
CL(mL/min・kg)
10
4
0.5
0.013
1.4
131
20
5
1.0
0.032
4.6
90
30
6
0.091
10.3
54
40
0.253
24.2
27
平均値
健康成人に本剤20mgを1日3回経口投与したとき、投与1、8、15日目いずれにおいても夕食後服用時の半減期は約4時間であった。また、8日目と15日目のAUCに差は見られず、8日以内に定常状態に達していると考えられる2) 。
AUC(ng・h/mL)
t1/2(h)
1日目
269
4.4
8日目
463
3.7
15日目
447
4.1
健康成人に本剤40mg注1) を経口投与したときの主代謝物はニカルジピンの脱ベンジル体であった3) 。
健康成人に本剤40mg注1) を経口投与したとき、24時間までの尿中への未変化体の排泄率は投与量の0.01%以下であり、主代謝物であるニカルジピンの脱ベンジル体が3.2%と最も多く排泄された3) 。
本態性高血圧症について二重盲検比較試験を含む臨床試験(446症例)が行われ、臨床効果は、427例で検討された。降圧総合効果判定は次のとおりであった。
疾患名
有効以上
69.3%(296/427)
なお、二系統の二重盲検比較試験の結果、60mg/日、12週間経口投与で本剤の有用性が認められた4),5) 。
ニカルジピン塩酸塩は、血管平滑筋細胞中へのCa2+の取り込みを抑制することにより、血管拡張作用を発揮する6) 。ニカルジピン塩酸塩は、血管平滑筋において心筋の30,000倍の強いCa拮抗作用を示し、血管選択性は他のCa拮抗薬(ニフェジピン、ベラパミル、ジルチアゼム)より高かった7) 。
ニカルジピン塩酸塩は、種々の実験的高血圧動物において的確な降圧作用を示した。また、長期間投与によっても耐薬性を生ずることなく、持続的な降圧作用を示し、高血圧に伴う心臓肥大の進展及び脳卒中の発生を防止した8),9),10) 。ヒトに投与した場合、穏和で日内変動11) や体位変換に伴う血圧変動の少ない12) 安定した降圧効果が認められている。
ニカルジピン塩酸塩は、麻酔イヌにおいて末梢血管抵抗を低下させ、用量依存的な血圧降下作用を示した9),10) 。また、本薬は麻酔イヌにおいて椎骨動脈、冠動脈、大腿動脈、腎動脈等の血管を拡張し、これら臓器への血流を増加させた10),13) 。
ニカルジピン塩酸塩は、イヌ摘出冠動脈での実験においてK+により誘発された収縮を用量依存的に弛緩した。その作用はニフェジピンの約10倍、ベラパミルの約1,000倍強かった10) 。
ニカルジピン塩酸塩は、ラットにおいて用量依存的にナトリウム利尿作用を示した。麻酔イヌにおいては、腎血流量及び糸球体濾過率を増加させナトリウム利尿を起こした10),14) 。
ニカルジピン塩酸塩は、麻酔イヌにおいて、他のCa拮抗薬に比べて房室伝導障害及び心収縮抑制を起こしにくかった9),10) 。
ニカルジピン塩酸塩(Nicardipine Hydrochloride)
2-[Benzyl(methyl)amino]ethyl methyl(4RS)-2,6-dimethyl-4-(3-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate monohydrochloride
C26H29N3O6・HCl
515.99
ニカルジピン塩酸塩はわずかに緑みを帯びた黄色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水、アセトニトリル又は無水酢酸に溶けにくい。本品のメタノール溶液(1→20)は旋光性を示さない。光によって徐々に変化する。
167~171℃
開封後は遮光して保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
100g[瓶]
1) Higuchi, S. et al.: Xenobiotica. 1980; 10(6): 447-454[PD-01590]
2) 樋口三朗 他: 基礎と臨床 1981; 15(13): 6289-6292[PD-00359]
3) Higuchi, S. et al.: Xenobiotica. 1980; 10(12): 889-896[PD-01589]
4) 宮下英夫 他: 医学のあゆみ 1983; 124(10): 934-947[PD-00318]
5) 山田和生 他: 医学のあゆみ 1981; 118(5): 306-324[PD-00365]
6) Terai, M. et al.: Biochem. Pharmacol. 1981; 30: 375-378[PD-01328]
7) Bristow, M. R. et al.: Br. J. Pharmacol. 1984; 82(2): 309-320[PD-05313]
8) 竹中登一 他: 基礎と臨床 1980; 14(14): 4495-4509[PD-00376]
9) 竹中登一 他: 基礎と臨床 1980; 14(14): 4477-4494[PD-00377]
10) Takenaka, T. et al.: Br. J. Clin. Pharmacol. 1985; 20: 7S-22S[PD-01315]
11) 尾前照雄 他: 臨床と研究 1981; 58(9): 2963-2969[PD-00364]
12) 高畠利一 他: 基礎と臨床 1981; 15(2): 781-792[PD-00374]
13) Takenaka, T. et al.: Arzneimittel-Forschung 1976; 26(12): 2172-2178[PD-00933]
14) Abe, Y. et al.: J. Cardiovasc. Pharmacol. 1983; 5(2): 254-259[PD-01316]
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