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処方箋医薬品注)
本態性高血圧症
通常成人には、本剤を1回ニカルジピン塩酸塩として20~40mg1日2回経口投与する。
血圧がさらに低下する可能性がある。
血管拡張作用により眼圧の上昇を招くおそれがある。
一般に重篤な腎機能障害のある患者では、降圧に伴い腎機能が低下する可能性がある。
本剤は肝臓で代謝される。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で、妊娠末期に投与すると出生児の体重が少なく、その後の体重増加も抑制された。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始し、経過を十分に観察しながら慎重に投与することが望ましい。一般的に過度の降圧は好ましくないとされている。
他の血圧降下剤
血圧降下作用が増強されることがある。
両剤の薬理学的な相加作用等による。
うっ血性心不全患者では、過度の血圧低下、心機能の低下があらわれることがある。必要に応じどちらかを減量又は投与を中止する。
両剤の薬理学的な相加作用による。(1)血圧降下作用の増強(2)陰性変力作用の増強
ジゴキシン
ジゴキシンの作用を増強し、中毒症状(嘔気、嘔吐、めまい、徐脈、不整脈等)があらわれることがある。必要に応じジゴキシンを減量する。
本剤が、主に腎でのクリアランスを減少させ、ジゴキシンの血中濃度が上昇する。
ダントロレンナトリウム水和物
他のCa拮抗剤(ベラパミル等)の動物実験で心室細動、循環虚脱がみられたとの報告がある。
高カリウム血症を来すと考えられる。
タンドスピロンクエン酸塩
動物実験で血圧降下作用が増強されたとの報告がある。
タンドスピロンクエン酸塩は中枢性の血圧降下作用を有し、相加的な降圧作用を示す。
ニトログリセリン
動物実験で房室ブロックを起こしたとの報告がある。
機序不明
免疫抑制剤の作用を増強し、中毒症状(特に腎機能異常)があらわれることがある。また、本剤の作用を増強し、血圧低下、頻脈等があらわれることがある。必要に応じ免疫抑制剤及び本剤を減量する。
本剤あるいは免疫抑制剤によりCYP3A4が阻害され、免疫抑制剤あるいは本剤の血中濃度が上昇する。
フェニトイン
(1)フェニトインの作用を増強し、中毒症状(神経的)があらわれることがある。必要に応じフェニトインを減量する。(2)本剤の作用が減弱されることがある。必要に応じ本剤を増量する。
(1)本剤の蛋白結合率が高いため、血漿蛋白結合競合により、遊離型フェニトインが上昇する。(2)CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される。
リファンピシン
本剤の作用が減弱されることがある。必要に応じ本剤を増量する。
CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される。
シメチジン
本剤の作用が増強され、血圧低下、頻脈等があらわれることがある。必要に応じ本剤を減量する。
これらの薬剤によりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
グレープフルーツジュース
本剤の作用が増強されるおそれがある。
グレープフルーツジュースによりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。
AST・ALT・γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
肝臓
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇、血清コレステロール上昇
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
血液
顆粒球減少
消化器
便秘、腹痛
食欲不振、胸やけ、口渇、下痢、悪心・嘔吐、胃部不快感
循環器
顔面潮紅、動悸、脱力・倦怠感、のぼせ
立ちくらみ、頻脈、熱感、血圧低下、浮腫
過敏症
発疹、そう痒感
光線過敏症
口腔
歯肉肥厚
その他
頭痛・頭重、めまい
耳鳴、眠気、しびれ感、不眠、胸部不快感、流涎、発赤、頻尿、ふらふら感
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
ラットに24カ月経口投与した実験で、45mg/kg/日投与群(臨床用量の約40倍)の雄に甲状腺濾胞の腫瘍が対照群に比し有意に増加したとの報告がある。
健康成人に40mgを単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度は2峰性を示し、最高血漿中濃度に達する時間が各々0.8時間及び6.0時間であった。また、最高血漿中濃度は各々16.5ng/mL及び12.4ng/mLであり、115ng・h/mLのAUCを示した1) 。
健康成人男子に1回40mgを1日2回連続経口投与(14日間)したところ、7日目以内に血漿中濃度は定常状態に達し、ほぼ24時間有効血漿中濃度が得られており、連続経口投与の半減期は、7.6時間であった2) 。
投与量(mg)
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUC0-12h(ng・h/mL)
t1/2※(h)
1日目
40
21.1
4.5
90.6
-
7日目
30.0
4.0
160.8
14日目
30.5
157.9
7.6
(平均値、n=4)※最終投与時(14日目の2回目投与時)の12、16、20時間の血漿中濃度を使用して計算した値
健康成人男子に本剤40mgを1日2回及び通常錠20mgを1日3回クロスオーバー法で7日間連続経口投与したところ、本剤投与時のAUCは通常錠投与時よりもやや低かったが、最低血漿中濃度は通常錠投与時よりも高く、かつ安定した血漿中濃度推移を示した3) 。
健康成人男子に本剤20mg及び40mgを投与し、尿中代謝物を測定したところ、主代謝物は側鎖が脱ベンジル化され、ピリジン環への酸化体及びそのグルクロン酸抱合体であった2) 。
健康成人男子に本剤20mg及び40mgを投与し、尿中未変化体を測定したところ、尿中へ未変化体は排泄されなかった。また、尿中への代謝物の総排泄率は20mg及び40mg投与時とほぼ同じ値を示し、連続投与してもそれらの値に変動は認められなかった2) 。
本態性高血圧症について二重盲検比較試験を含む臨床試験(634症例)が行われ、臨床効果は、529例で検討された。降圧総合効果判定の対象は次のとおりであった。
「下降」以上の有効率
軽症・中等症本態性高血圧症4),5),6),7)
73.5%(358/487)
重症本態性高血圧症8)
78.6%(33/42)
なお、軽症・中等症本態性高血圧症の場合、二重盲検比較試験の結果7) 、40~80mg/日(分2)、12週間経口投与で本剤の有用性が認められた。
ニカルジピン塩酸塩は、血管平滑筋細胞中へのCa2+の取り込みを抑制することにより、血管拡張作用を発揮する9) 。ニカルジピン塩酸塩は、血管平滑筋において心筋の30,000倍の強いCa拮抗作用を示し、血管選択性は他のCa拮抗薬(ニフェジピン、ベラパミル、ジルチアゼム)より高かった10) 。
ニカルジピン塩酸塩は、種々の実験的高血圧動物において的確な降圧作用を示した。また、長期間投与によっても耐薬性を生ずることなく、持続的な降圧作用を示し、高血圧に伴う心臓肥大の進展及び脳卒中の発生を防止した11),12),13) 。本態性高血圧症患者に投与した場合、穏和で日内変動や体位変換に伴う血圧変動の少ない安定した降圧効果が認められている14) 。
ニカルジピン塩酸塩は、麻酔イヌにおいて末梢血管抵抗を低下させ、用量依存的な血圧降下作用を示した12),13) 。また、本薬は麻酔イヌにおいて椎骨動脈、冠動脈、大腿動脈、腎動脈等の血管を拡張し、これら臓器への血流を増加させた13),15) 。
ニカルジピン塩酸塩は、イヌ摘出冠動脈での実験においてK+により誘発された収縮を用量依存的に弛緩した。その作用はニフェジピンの約10倍、ベラパミルの約1,000倍強かった13) 。
ニカルジピン塩酸塩は、ラットにおいて用量依存的にナトリウム利尿作用を示した。麻酔イヌにおいては、腎血流量及び糸球体濾過率を増加させナトリウム利尿を起こした13),16) 。
ニカルジピン塩酸塩は、麻酔イヌにおいて、他のCa拮抗薬に比べて房室伝導障害及び心収縮抑制を起こしにくかった12),13) 。
ニカルジピン塩酸塩(Nicardipine Hydrochloride)
2-[Benzyl(methyl)amino]ethyl methyl(4RS)-2,6-dimethyl-4-(3-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate monohydrochloride
C26H29N3O6・HCl
515.99
ニカルジピン塩酸塩はわずかに緑みを帯びた黄色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水、アセトニトリル又は無水酢酸に溶けにくい。本品のメタノール溶液(1→20)は旋光性を示さない。光によって徐々に変化する。
167~171℃
本品は高防湿性の内袋により品質保持をはかっているので、内袋開封後は湿気を避けて遮光して保存すること。
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]500カプセル[10カプセル(PTP)×50]
1) 樋口三朗 他: 基礎と臨床 1986; 20(6): 3015-3022[SJI-00215]
2) 樋口三朗 他: 基礎と臨床 1986; 20(9): 4647-4656[SJI-00273]
3) 米谷 悟 他: 基礎と臨床 1986; 20(17): 8897-8902[PD-00147]
4) 上村博幸 他: 臨床医薬 1986; 2(5): 683-692[PD-00181]
5) 吉永 馨 他: 診療と新薬 1986; 23(3): 509-519[PD-00189]
6) 山田和生 他: 診療と新薬 1987; 24(11): 2199-2222[PD-00104]
7) 吉永 馨 他: 医学のあゆみ 1987; 140(9): 691-715[PD-00137]
8) 吉永 馨 他: 診療と新薬 1987; 24(11): 2179-2197[PD-00105]
9) Terai, M. et al.: Biochem. Pharmacol.1981; 30: 375-378[PD-01328]
10) Bristow, M. R. et al.: Br. J. Pharmacol.1984; 82(2): 309-320[PD-05313]
11) 竹中登一 他: 基礎と臨床 1980; 14(14): 4495-4509[PD-00376]
12) 竹中登一 他: 基礎と臨床 1980; 14(14): 4477-4494[PD-00377]
13) Takenaka, T. et al.: Br. J. Clin. Pharmacol.1985; 20: 7S-22S[PD-01315]
14) 吉永 馨 他: 診療と新薬 198; 623(4): 733-745[SJI-00250]
15) Takenaka, T. et al.: Arzneimittel-Forschung 1976; 26(12): 2172-2178[PD-00933]
16) Abe, Y. et al.: J. Cardiovasc. Pharmacol.1983; 5(2): 254-259[PD-01316]
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