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日本薬局方
ニルバジピン錠
劇薬
処方箋医薬品注)
本態性高血圧症
ニルバジピンとして、通常、成人には1回2~4mgを1日2回経口投与する。
本剤は主に肝臓で代謝されることから、血中濃度が高くなることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始し、経過を十分に観察しながら慎重に投与することが望ましい。一般的に過度の降圧は好ましくないとされている。
他の血圧降下剤
血圧降下作用が増強することがある。
薬理学的な相加作用による。
シメチジン
本剤の作用が増強するおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。
シメチジンが薬物代謝酵素CYP3A4を阻害するため、本剤の血中濃度を上昇させる。
リトナビル、サキナビル、イトラコナゾール、グレープフルーツジュース
相手薬が薬物代謝酵素CYP3A4を阻害するため、本剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。
タクロリムス、シクロスポリン
相手薬及び本剤の作用が増強するおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。相手薬の血中濃度に注意すること。
本剤及び相手薬が薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されるため相互に代謝が阻害され、相手薬及び本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
リファンピシン
本剤の作用が減弱するおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。
リファンピシンが薬物代謝酵素CYP3A4を誘導するため、本剤の血中濃度を低下させる。
AST、ALT、γ-GTP上昇等の肝機能障害があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
循環器
動悸、頻脈
房室ブロック、心房細動、期外収縮、徐脈、血圧低下
精神神経系
頭痛、頭重、めまい、ふらつき、立ちくらみ
眠気、不眠、しびれ、振戦
消化器
食欲不振、腹痛、腹部不快感、悪心
嘔吐、便秘、下痢、口内炎、口渇、胸やけ
腎臓
クレアチニン上昇
BUN上昇
過敏症
発疹、そう痒感
光線過敏症
口腔
歯肉肥厚
その他
潮紅、熱感、ほてり、のぼせ、浮腫、倦怠感
胸痛、胸部不快感、頻尿、耳鳴、血清コレステロール上昇、咳嗽、結膜充血
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男子にニバジール錠2mg及び4mgを単回経口投与した場合、血漿中濃度は下図のとおりである1) 。
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
t1/2(h)
2mg
1.5±0.84
1.48±0.47
10.7±2.3
4mg
1.08±0.49
3.48±0.53
10.9±2.4
(n=6、平均±S.E.)
哺育中の雌性ラットに14C標識ニルバジピン10mg/kgを経口投与した場合、未変化体ニルバジピンの濃度は1時間後に最高値を示し、血漿中濃度の19倍であった2) 。
14C標識ニルバジピンを用いて平衡透析法で求めたニルバジピンのヒトにおけるin vitro血漿蛋白結合率は10~100ng/mLの血漿中濃度範囲で一定で、97.5~98.7%であった3) 。
本剤の主な代謝経路は肝薬物代謝酵素CYP3A4によるジヒドロピリジン環の酸化、さらにそれに続くエステル基の加水分解及びメチル基の水酸化である4),5) 。
健康成人男子にニバジール錠4mgを単回経口投与した場合、32時間までの尿中に代謝物が投与量の65.3%排泄され、うち3位カルボキシピリジン体が投与量の58.0%で未変化体は検出されなかった5) 。
315例を対象にニルバジピン4~8mg/日を経口投与した場合、242例に有効(有効率76.8%)であり6) 、二重盲検比較試験において有用性が認められた。降圧効果は投与2週後、既に有意な降圧がみられ、6~8週で安定した血圧が得られ、1年間の長期投与においても良好な血圧が維持された。また、体位変換による血圧変化に及ぼす影響は認められなかった。
ニルバジピンは血管平滑筋へのCa2+の過剰な流入を選択的に抑制することにより、血圧降下作用を示す。
高血圧自然発症ラットに3カ月間連続投与すると静脈の緊張度は低下し、伸展性の改善が認められた8) 。
ニルバジピン(Nilvadipine)
3-Methyl 5-(1-methylethyl)(4RS)-2-cyano-6-methyl-4-(3-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate
C19H19N3O6
385.37
ニルバジピンは黄色の結晶性の粉末である。アセトニトリルに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。本品のアセトニトリル溶液(1→20)は旋光性を示さない。
167~171℃
1.40×104(1-オクタノール/水系)
本品は高防湿性の内袋により品質保持をはかっているので、内袋開封後は湿気を避けて保存すること。
100錠(10錠×10)
1) Terakawa, M. et al.: J. Clin. Pharmacol. 1987;27(2): 111-117[NID-00057]
2) 徳間洋二 他: 社内報告書(ラット・薬物動態)(DIR980002)
3) Niwa, T. et al.: Res. Commun. Chem. Pathol. 1987;55(1): 75-88[NID-00054]
4) 金子勇人 他: 薬物動態 1997;12(Suppl.): S210[NID-00483]
5) 徳間洋二 他: 薬物動態 1987;2(6): 649-655[NID-00081]
6) 社内報告書(本態性高血圧症患者・臨床試験)(CLR880009)
7) Ohtsuka, M. et al.: Arzneimittel-Forschung 1988;38(11): 1605-1618[NID-00095]
8) Ohtsuka, M. et al.: Arch. Int. Pharmacodyn. 1989;301(1,2): 228-245[NID-00144]
9) 池田正男 他: 臨床と研究 1986;63(6): 2017-2030[NID-00026]
10) 金子好宏 他: Therapeutic Research 1986;5(6): 1157-1174[NID-00049]
11) 梶原長雄 他: 臨床と研究 1985;62(12): 3971-3980[NID-00024]
12) 阿久津光之 他: 薬理と治療 1986;14(11): 6961-6968[NID-00034]
13) 高畠利一 他: 臨床と研究 1986;63(12): 4125-4129[NID-00045]
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