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ナゼア注射液0.3mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2薬理作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ナゼア注射液0.3mg

添付文書番号

2391403A1025_2_03

企業コード

171911

作成又は改訂年月

2022年6月改訂(第2版)
2020年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872391

薬効分類名

5-HT3受容体拮抗型制吐剤

承認等

ナゼア注射液0.3mg

販売名コード

YJコード

2391403A1025

販売名英語表記

Nasea Injection 0.3mg

販売名ひらがな

なぜあちゅうしゃえき

承認番号等

承認番号

20800AMZ00766

販売開始年月

1996年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

ラモセトロン塩酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ナゼア注射液0.3mg

有効成分ラモセトロン塩酸塩   0.3mg(2mL)(1アンプル中)
添加剤乳酸、等張化剤、pH調節剤

3.2 製剤の性状

ナゼア注射液0.3mg

剤形注射剤
(褐色アンプル)
pH4.0~5.0
浸透圧比約11)
色調・形状無色澄明の液
1) 生理食塩液に対する比

4. 効能又は効果

抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)

5. 効能又は効果に関連する注意

本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。

6. 用法及び用量

通常、成人にはラモセトロン塩酸塩として0.3mgを1日1回静脈内投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。また、効果不十分な場合には、同用量を追加投与できる。
ただし、1日量として0.6mgを超えないこととする。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用が発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

  • 本剤は、主として肝臓の薬物代謝酵素CYP1A2及びCYP2D6により代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

フルボキサミン

本剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。

フルボキサミンのCYP1A2阻害作用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    ショック、アナフィラキシー(気分不良、胸内苦悶感、呼吸困難、喘鳴、顔面潮紅、発赤、そう痒感、チアノーゼ、血圧低下等)を起こすことがある。

  2. 11.1.2 てんかん様発作(頻度不明)

11.2 その他の副作用

1~5%未満

0.1~1%未満

0.1%未満

頻度不明

過敏症

皮疹

そう痒感

発赤

精神神経系

頭痛、頭重

消化器

下痢、便秘

腎臓

BUN上昇、血中クレアチニン上昇

肝臓

肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇等)

その他

体熱感、しゃっくり、頭部のほてり

舌のしびれ感

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人に0.1~0.8mg2) を静脈内投与したときの血漿中未変化体濃度は二相性を示して低下し、β相の半減期は約5時間であった。AUCは投与量に比例し、体内動態は線形性を示した。
健康成人に反復投与したとき、体内動態の変化はなく、蓄積性は認められなかった。

健康成人に静脈内投与したときの薬動力学パラメータ

投与量

t1/2β
(h)

AUC0-∞
(ng・h/mL)

CL tot
(L/h/kg)

Vdss
(L/kg)

0.2mg

4.33

9.86

0.30

1.69

0.4mg

5.78

24.95

0.27

2.11

0.8mg

5.44

41.64

0.29

2.07

2) 本剤の承認された1日用量は、最大0.6mgである。

健康成人と腫瘍患者の薬動力学パラメータ3)

C15分
(ng/mL)

t1/2β
(h)

AUC0-4h
(ng・h/mL)

血漿蛋白結合率
(%)

健康成人

2.42

5.78

6.57

91.2

腫瘍患者

4.97

9.02

12.49

*88.7

(ラモセトロン塩酸塩0.3mg投与時)

16.4 代謝

in vitro代謝試験において、ラモセトロン塩酸塩の一次代謝には肝臓の薬物代謝酵素CYP1A1、CYP1A2及びCYP2D6が関与することが示されており2)、ヒトにおける本剤の一次代謝にはCYP1A2及びCYP2D6が関与していると考えられる。

16.5 排泄

投与後24時間までの未変化体の尿中排泄率は投与量の16~22%であった1)
尿中には未変化体のほかに代謝物として脱メチル体、水酸化体及びその抱合体が存在した。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐に対して国内延べ121施設、357例を対象として二重盲検比較試験及び一般臨床試験を行った。臨床成績の概要は以下のとおりである3),4),5),6),7),8),9)
なお、シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐を対象としたプラセボとの二重盲検比較試験により、本剤の有用性が確認されている。

投与量

シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐に対する有効率

シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に先立って投与した場合の有効率

0.3mg

79.8%
(178/223例)

85.1%
(40/47例)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤は消化管の腸クロム親和性細胞からセロトニンを遊離させる。このセロトニンが消化管粘膜内求心性迷走神経終末に存在する5-HT3受容体に結合し、その刺激が嘔吐中枢を経て嘔吐を誘発させる。ラモセトロン塩酸塩はこの5-HT3受容体を遮断することにより制吐作用を発現するものと考えられる。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1 5-HT3受容体拮抗作用

    セロトニンによるモルモット摘出結腸収縮10)並びにラット11)及びフェレット12)徐脈反射(ベツォルト-ヤーリッシュ反射)の実験において5-HT3受容体拮抗作用を示した。

  2. 18.2.2 抗悪性腫瘍剤誘発嘔吐抑制作用

    シスプラチン投与により誘発されるフェレットの嘔吐に対して、嘔吐発現前又は初回嘔吐発現後の投与において抑制作用を示した13)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ラモセトロン塩酸塩(Ramosetron Hydrochloride)

化学名

(R)-5- [(1-Methyl-1H-indol-3-yl)carbonyl] -4,5,6,7-tetrahydro-1H-benzimidazole monohydrochloride

分子式

C17H17N3O・HCl

分子量

315.80

性状

ラモセトロン塩酸塩は白色~微帯黄白色の結晶性の粉末である。水又はメタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。吸湿性である。光によって変化する。

化学構造式

22. 包装

  • 〈ナゼア注射液0.3mg〉

    5アンプル[2mL(アンプル)×5]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

LTLファーマ株式会社 コールセンター

〒160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目10番1号

フリーダイヤル 0120-303-711

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

LTLファーマ株式会社

東京都新宿区西新宿6丁目10番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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