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劇薬
処方箋医薬品注)
海外の臨床試験において、1日125mgを投与した症例で致命的な転帰に至った汎血球減少症が認められている。本剤は緊急時に十分な措置が可能な医療施設において、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。
関節リウマチ
通常、成人にはイグラチモドとして、1回25mgを1日1回朝食後に4週間以上経口投与し、それ以降、1回25mgを1日2回(朝食後、夕食後)に増量する。
消化性潰瘍を再発させるおそれがある。
患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。本剤単独投与の臨床試験では、低体重(40kg未満)の患者で副作用の発現率が高かった。なお、メトトレキサートとの併用試験では、低体重の患者での使用経験はなく、安全性は検討されていない。
血液障害を更に悪化させるおそれがある。
副作用の発現が増加するおそれがある。
投与しないこと。副作用として肝機能障害があらわれることがあるので、肝障害を更に悪化させるおそれがある。,,
肝障害を更に悪化又は再発させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラット胚・胎児発生に関する試験で、催奇形性(心臓・大血管異常)、早期胎児死亡率の増加が、また、妊娠末期ラットの胎児動脈管に及ぼす影響を調べた試験で、胎児に動脈管収縮が認められている1),2)。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいと推定される。健康成人男子を対象とした臨床薬理試験において、高齢者では非高齢者に比べ血漿中濃度がやや高く推移した。本剤単独投与の臨床試験においては、有効性及び副作用発現率に差はみられていないが、メトトレキサートとの併用試験においては、高齢者では非高齢者に比べ副作用発現率が高かった。
ワルファリン(ワーファリン等)
本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強され、重篤な出血をきたした症例が報告されている。患者がワルファリンの治療を必要とする場合は、ワルファリンの治療を優先し、本剤を投与しないこと。
機序不明
胃腸障害の発現率の増加が認められているので、特に消化性潰瘍があらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を有する。
本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用が増加するおそれがある。異常が認められた場合には本剤を減量、休薬するなど適切な処置を行うこと。
本剤の代謝が抑制される。
本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。
本剤の代謝が促進される。
AST、ALTの増加等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。また、肝機能については、臨床試験において、AST、ALT増加の発現率が高かったことから、異常が認められた場合には、投与継続の可否を検討するとともに、特に目安として100IU以上に増加した場合は投与を中止すること。,,
異常が認められた場合には、投与継続の可否を検討するとともに、適切な処置を行うこと。なお、赤血球減少、白血球減少、血小板減少等の血液障害が認められた場合は、必要に応じ本剤の投与を中止又は休薬し、適切な処置を行うこと。
シクロオキシゲナーゼ阻害作用によると考えられる消化性潰瘍があらわれることがあるので、下血等の消化器症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難等の症状に注意し、異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査等やKL-6、CRP等の臨床検査値を確認し、投与を中止するとともに、ニューモシスティス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
敗血症、膿胸等の感染症があらわれることがある。
10~20%未満
1~10%未満
0.5~1%未満
0.5%未満
肝臓
AST増加、ALT増加、Al-P増加、γ-GTP増加
総胆汁酸増加
血中ビリルビン増加
尿中ウロビリノーゲン増加
血液
ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、好酸球増加、リンパ球減少、白血球増加、白血球減少、赤血球減少
貧血
血小板減少、血小板増加、好塩基球増加、好中球増加、好中球減少、単球増加、単球減少、リンパ球形態異常
消化器
腹痛、口内炎、便潜血陽性、悪心、腹部不快感、下痢、消化性潰瘍
胃炎、消化不良、嘔吐、食欲減退、口唇炎
便秘、腹部膨満、舌炎、食道炎、心窩部不快感、胃腸炎、胃腸障害、歯周炎
腎臓
NAG増加、尿中β2ミクログロブリン増加、血中尿素増加、血中β2ミクログロブリン増加、尿中蛋白陽性、尿中赤血球陽性、尿中白血球陽性、尿円柱、尿沈渣陽性
血中クレアチニン増加
腎盂腎炎、頻尿
過敏症
発疹、瘙痒症
湿疹、蕁麻疹
紅斑、光線過敏性反応
代謝異常
血中鉄減少、BNP増加
血中コリンエステラーゼ減少、総蛋白減少
尿中ブドウ糖陽性、血中アルブミン減少、総鉄結合能減少、不飽和鉄結合能増加
精神神経系
めまい
頭痛、不眠症、傾眠、異常感
その他
血圧上昇、鼻咽頭炎、KL-6増加
発熱、脱毛、味覚異常、上気道の炎症、浮腫
帯状疱疹、倦怠感、耳鳴、咳嗽、月経障害、カンジダ症、気管支炎、爪囲炎、咽頭炎、皮膚乾燥、動悸、口腔咽頭痛、背部痛、筋痙縮、悪寒、膀胱炎、真菌症
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
高齢及び非高齢の健康成人男子を対象に25mgを食後単回経口投与し、投与後72時間までの血漿中濃度を検討した際の濃度推移を図1に示す。血漿中濃度は投与後約4時間で最高濃度に達し、高齢者では非高齢者に比べてやや高い濃度推移を示した3) 。
高齢及び非高齢の健康成人男子を対象に、本剤を反復経口投与(1回25mg、1日2回14日間)した場合、未変化体の血漿中濃度は投与4日目から、代謝物M1(未変化体の3位アミノ体)、M2(未変化体の3位アセチルアミノ体)は、10日目から定常状態に達した。これらの血漿中濃度は、高齢者では非高齢者に比べやや高く推移した。最終投与後168時間までの血漿中濃度を検討した際の薬物動態パラメータを表1に示す。高齢者におけるCmax及びAUCは非高齢者に比べていずれもやや高値であった3) 。
被験者
Cmax(μg/mL)
tmax(hr)
AUC0-12(μg・hr/mL)
t1/2(hr)
未変化体
非高齢者
1.60±0.34
3.3±1.0
12.2±2.8
73.3±15.6
高齢者
1.72±0.46
3.9±0.7
14.3±3.8
61.8±17.9
M1
0.537±0.185
3.3±1.5
5.58±1.76
43.5±13.1
0.637±0.181
0.6±1.5
6.52±1.82
43.4±10.6
M2
2.97±1.10
33.0±12.5
52.8±11.5
3.43±1.50
37.6±16.8
55.2±12.2
(平均±標準偏差、n=7)
In vitro試験におけるヒト血清蛋白結合率は93.0~93.2%であった(測定方法:遠心限外ろ過法、薬物濃度:0.3~30μg/mL)4) 。
本剤を健康成人男子に反復経口投与(1回25mg、1日2回14日間)したとき、血漿中からM1、M2、M3(M2の6位フェノキシ基水酸化体)、M4(未変化体の6位フェノキシ基水酸化体)、M5(M1の6位フェノキシ基水酸化体)が検出され、これらのうちM1、M2は活性代謝物であった5) 。
高齢及び非高齢の健康成人男子を対象に、本剤を反復経口投与(1回25mg、1日2回14日間)したときの定常状態における24時間の尿中排泄率は約20%で、主にM3、M4が排泄され、未変化体、活性代謝物であるM1、M2は1%未満であった3) 。
関節リウマチ患者を対象に、本剤(1回25mg1日1回投与から開始し、4週間後に1回25mg1日2回投与に増量し、24週間投与)とプラセボにて実施した二重盲検比較試験における投与28週後のアメリカリウマチ学会評価基準(ACR20)による改善率を表2に示す。本剤の改善率はプラセボと比較して有意に優れていた(p<0.001)。
本剤投与群
プラセボ投与群
ACR20改善率(%)[改善例数/有効性評価例数]
53.8[71/132]
17.2[11/64]
副作用発現率(臨床検査値異常を含む)は、イグラチモド群49.6%(65/131例)、プラセボ群32.4%(22/68例)であった。主なものは、イグラチモド群ではALT増加22例(16.8%)、AST増加19例(14.5%)、γ‒GTP増加17例(13.0%)、Al‒P増加15例(11.5%)等であった6) 。
関節リウマチ患者を対象に、本剤を1回25mg1日1回投与から開始し、4週間後に1回25mg1日2回投与に増量し48週間投与したとき、投与52週後のACR20による改善率は41.0%(59/144例)であった。投与52週後の副作用発現率(臨床検査値異常を含む)は、61.6%(237/385例)であり、主なものは、ALT増加71例(18.4%)、AST増加65例(16.9%)、γ-GTP増加64例(16.6%)、Al-P増加52例(13.5%)等であった7) 。
メトトレキサート投与で効果不十分な関節リウマチ患者を対象に、メトトレキサート(6~8mg/週)併用下で、本剤(1回25mg1日1回投与から開始し、4週間後に1回25mg1日2回投与に増量し、20週間投与)とプラセボにて実施した二重盲検比較試験における投与24週後のACR20による改善率を表3に示す。本剤の改善率はプラセボと比較して有意に優れていた(p<0.001)。
本剤・メトトレキサート併用群
プラセボ・メトトレキサート併用群
69.5[114/164]
30.7[27/88]
投与24週後の副作用発現率(臨床検査値異常を含む)は、イグラチモド+メトトレキサート群51.8%(85/164例)、プラセボ+メトトレキサート群33.0%(29/88例)であった。主なものは、イグラチモド+メトトレキサート群ではAST増加15例(9.1%)、血中鉄減少15例(9.1%)、リンパ球減少12例(7.3%)、ALT増加9例(5.5%)等であった。
イグラチモドは主として、B細胞による免疫グロブリン(IgG、IgM)の産生及び単球/マクロファージや滑膜細胞による炎症性サイトカイン(TNFα、IL‒1β、IL‒6、IL‒8、MCP‒1)の産生を抑制することにより、抗リウマチ作用を示す。これらの作用は、免疫グロブリンや炎症性サイトカインのmRNA発現低下を伴っており、転写因子Nuclear FactorκB(NFκB)の活性化抑制を介した作用であることが示唆されている。
慢性関節炎モデルであるラットのアジュバント関節炎に対して、予防及び治療投与で関節腫脹を軽減し、骨病変の進展を抑制した。また、マウスのコラーゲン誘発関節炎に対して、用量に応じた関節炎腫脹の進展抑制作用を示し、更に、自然発症型関節炎モデルであるMRL/lprマウスにおいて、後肢関節にみられる滑膜や骨・軟骨病変を組織学的に改善した8),9) 。
ラットの自己免疫性脳脊髄炎モデルにおいて麻痺症状の発現を抑制し、マウスの遅延型足蹠浮腫反応も抑制した10),11) 。
マウス及びヒトのB細胞を用いた培養実験において、免疫グロブリン(IgG及びIgM)産生を抑制した。また、関節リウマチ患者由来滑膜組織を移植した重症複合型免疫不全マウス(SCIDマウス)において、血清中に認められるヒトのIgG量を低下させた。更に、ラットのアジュバント関節炎及びMRL/lprマウスの自然発症型関節炎で認められる高ガンマグロブリン血症を改善した8),12),13) 。
単球系細胞や関節リウマチ患者由来の滑膜細胞を用いた培養実験において、細胞刺激時にみられる炎症性サイトカイン(TNFα、IL-1β、IL-6、IL-8及びMCP-1)の産生を抑制した。また、免疫応答性肝障害モデルであるマウスのコンカナバリンA誘発肝炎において血清中TNFα量を、空気嚢型炎症モデルで滲出液中MCP-1量を、コラーゲン関節炎モデルで血清中IL-6量を用量に応じて抑制した14) 。
イグラチモド(Iguratimod)
N-[7-[(Methanesulfonyl)amino]-4-oxo-6-phenoxy-4H-1-benzopyran-3-yl]formamide
C17H14N2O6S
374.37
イグラチモドは白色の結晶性の粉末である。本品はアセトニトリルに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。本品は吸湿性である。
238~242℃
100錠[10錠(PTP)×10]
1) あゆみ製薬(株)社内資料:生殖発生毒性試験
2) あゆみ製薬(株)社内資料:ラット胎児動脈管に及ぼす影響
3) あゆみ製薬(株)社内資料:高齢者の薬物動態
4) あゆみ製薬(株)社内資料:蛋白結合
5) あゆみ製薬(株)社内資料:薬理作用
6) Hara, M. et al.:Mod. Rheumatol. 2007;17:1-9〔AYM220704〕
7) Hara, M. et al.:Mod. Rheumatol. 2007;17:10-17〔AYM220705〕
8) 浦田紀子 他:薬理と治療 2007;35(6):571-582〔AYM220706〕
9) Tanaka, K. et al.:Int. J. Immunother. 1993;9:69-78〔AYM220707〕
10) Aikawa, Y. et al.:J. Neuroimmunol. 1998;89:35-42〔AYM220708〕
11) あゆみ製薬(株)社内資料:マウス遅延型足蹠浮腫反応に対する抑制効果
12) 山本哲也 他:薬理と治療 2007;35(6):561-569〔AYM220709〕
13) Tanaka, K. et al.:Rheumatology 2003;42(11):1365-1371〔AYM220710〕
14) 山本真理 他:薬理と治療 2007;35(6):551-559〔AYM220711〕
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