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リマチル錠50mg/リマチル錠100mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗リウマチ作用
18.3免疫系に対する作用
18.4炎症等に対する作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

リマチル錠50mg/リマチル錠100mg

添付文書番号

4420002F1117_3_02

企業コード

172190

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

874420

薬効分類名

抗リウマチ剤

承認等

リマチル錠50mg

販売名コード

YJコード

4420002F2059

販売名英語表記

Rimatil tablets 50mg

販売名ひらがな

りまちるじょうごじゅうみりぐらむ

承認番号等

承認番号

21400AMZ00492000

販売開始年月

1992年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

ブシラミン錠

リマチル錠100mg

販売名コード

YJコード

4420002F1117

販売名英語表記

Rimatil tablets 100mg

販売名ひらがな

りまちるじょうひゃくみりぐらむ

承認番号等

承認番号

21400AMZ00491000

販売開始年月

1987年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

ブシラミン錠

一般的名称

ブシラミン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 血液障害のある患者及び骨髄機能が低下している患者
    [骨髄機能低下による重篤な血液障害の報告がある],,
  2. 2.2 腎機能障害のある患者,
  3. 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

リマチル錠50mg

有効成分日局 ブシラミン  
1錠中  50mg
添加剤  カルナウバロウ、硬化油、精製白糖、沈降炭酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、D-マンニトール、メチルセルロース

リマチル錠100mg

有効成分日局 ブシラミン  
1錠中  100mg
添加剤  カルナウバロウ、硬化油、精製白糖、沈降炭酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、D-マンニトール、メチルセルロース

3.2 製剤の性状

リマチル錠50mg

外形上面
下面
側面
直径7.8mm
厚さ4.4mm
重量約190mg
性状白色、糖衣錠

リマチル錠100mg

外形上面
下面
側面
直径9.4mm
厚さ5.2mm
重量約340mg
性状白色、糖衣錠

4. 効能又は効果

関節リウマチ

6. 用法及び用量

本剤は消炎鎮痛剤などで十分な効果が得られない場合に使用すること。通常成人、1回ブシラミンとして100mgを1日3回(300mg)食後に経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じ、また、効果の得られた後には1日量100~300mgの範囲で投与する。1日最大用量は300mgとする。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 本剤は遅効性であるので、本剤の効果が得られるまでは、従来より投与している消炎鎮痛剤等は継続して併用することが望ましい。ただし、本剤を6カ月間継続投与しても効果があらわれない場合には投与を中止すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の投与に際しては、関節リウマチの治療法に十分精通し、患者の病態並びに副作用の出現に注意しながら使用すること。
  2. 8.2 本剤の投与開始に先立ち、主な副作用、用法・用量等の留意点を患者に説明し、特に咽頭痛、発熱、紫斑、呼吸困難、乾性咳嗽等の症状がみられた場合には速やかに主治医に連絡するよう指示すること。
  3. 8.3 本剤投与前には、必ず血液、腎機能、肝機能等の検査を実施すること。投与中は臨床症状を十分に観察するとともに、毎月1回血液及び尿検査等の臨床検査を行うこと。,,,,,,,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 血液障害の既往のある患者

    骨髄機能低下による重篤な血液障害を起こすおそれがある。,,

  2. 9.1.2 手術直後の患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。重篤な副作用を起こすおそれがある。

  3. 9.1.3 全身状態の悪化している患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。重篤な副作用を起こすおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

,

  1. 9.2.1 腎機能障害のある患者

    投与しないこと。 ネフローゼ症候群等の重篤な腎機能障害を起こすおそれがある。

  2. 9.2.2 腎機能障害の既往のある患者

    ネフローゼ症候群等の重篤な腎機能障害を起こすおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

肝機能検査値の上昇等を起こすおそれがある。,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤の乳汁移行が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 再生不良性貧血(頻度不明)、赤芽球癆(頻度不明)、汎血球減少(頻度不明)、無顆粒球症1)(頻度不明)、血小板減少(0.04%),,

    臨床検査値のうち、白血球数が3,000/mm3未満又は血小板数が100,000/mm3未満を示したときは、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 過敏性血管炎(頻度不明)
  3. 11.1.3 間質性肺炎(0.03%)、好酸球性肺炎(頻度不明)、肺線維症2)(0.03%)、胸膜炎(頻度不明)

    呼吸困難、咳嗽等の呼吸器症状並びに発熱等がみられた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、適切な処置を行うこと。

  4. 11.1.4 急性腎障害(頻度不明)、ネフローゼ症候群(膜性腎症等)3)(0.1%),

    臨床検査値のうち、尿蛋白が持続的又は増加傾向を示したときは、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  5. 11.1.5 肝機能障害(1.6%)、黄疸(頻度不明)

    AST、ALT、ALP、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。,

  6. 11.1.6 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、天疱瘡様症状4)(頻度不明)、紅皮症型薬疹(0.01%)
  7. 11.1.7 重症筋無力症5)、筋力低下、多発性筋炎6)(いずれも頻度不明)
  8. 11.1.8 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    紅斑、発疹、嘔吐、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

5%以上

0.1~5%未満

0.1%未満

頻度不明

血液

貧血

血小板減少

腎臓

蛋白尿、血尿、腎機能異常

過敏症

皮疹、そう痒感

蕁麻疹、発熱、口内炎、舌炎、好酸球増加

光線過敏症

消化器

食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、胃痛、口渇

便秘

肝臓

AST・ALT・ALP上昇等の肝機能障害7)

黄疸

精神神経系

頭痛、めまい

眠気

その他

脱毛、味覚異常8)、手指末端のしびれ感、倦怠感、浮腫

黄色爪症候群9)、眼痛

乳房肥大、女性化乳房

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

ニトロプルシド反応の原理により尿中ケトン体反応が偽陽性を呈することがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

in vitroにおいて金注射剤の添加により蛋白結合率が増加したとの報告があるので、金注射剤との併用により副作用の増強あるいは効果の減弱のおそれがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与試験

    健康成人男性5例にブシラミン200mgを食後に単回経口投与したときの血中濃度パラメータは以下のとおりであった10)

    Cmax
    (ng/mL)

    Tmax
    (hr)

    T1/2
    (hr)

    AUC
    (hr・μg/mL)

    313.6±163.4

    1.0

    1.03

    0.75

    ※本剤の承認された用法及び用量は通常成人、1回ブシラミンとして100mgを1日3回(300mg)食後に経口投与である。

16.3 分布

  1. 16.3.1 関節液中への移行

    関節リウマチ患者12例にブシラミン100mgを経口投与したとき、関節液中濃度はSA981(ジスルフィド体)、SA679(モノメチル体)、未変化体の順に高く、このうちSA981の濃度は血清中よりも高かった11)

16.4 代謝

関節リウマチ患者12例にブシラミン100mgを経口投与したとき、2時間後の血清中濃度は代謝物SA679、SA981、未変化体の順に高く、ジメチル体SA672は微量であった11)

16.5 排泄

健康成人男性5例にブシラミン200mgを食後に単回経口投与したとき、投与24時間後までの未変化体及び代謝物の尿中累積排泄率は約42%であった10)
※本剤の承認された用法及び用量は通常成人、1回ブシラミンとして100mgを1日3回(300mg)食後に経口投与である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 検証的試験(二重盲検比較試験)

    関節リウマチ患者239例を対象とし、リマチル錠100mg(ブシラミンとして100mg)を12週間(最初の4週間は1回1錠、1日3回、4週以後は患者の症状に応じて医師の判断で1日量1~6錠の範囲で増減可能)用いたプラセボを対照とする多施設二重盲検比較試験(プラセボ群:118例、リマチル群:121例)が実施され、その治療成績は次のとおりである。

    最終全般改善度(完了例)

    薬効群

    著明
    改善

    中等度
    改善

    軽度
    改善

    不変

    軽度
    悪化

    中等度
    悪化

    著明
    悪化

    合計

    改善率(%)

    判定不能

    リマチル

    10

    28

    33

    20

    2

    1

    0

    94

    40.4

    1

    プラセボ

    4

    17

    25

    42

    9

    1

    0

    98

    21.4

    0

    副作用は、121例中36例(29.8%)に44件発現した。主な副作用は、皮疹・瘙痒感17件、口内炎3件、胃部痛4件、浮腫3件、肝機能異常2件、貧血1件などであった12)
    ※本剤の承認された用法及び用量は通常成人、1回ブシラミンとして100mgを1日3回(300mg)食後に経口投与である。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

免疫担当細胞に対しては、T細胞増殖抑制作用、サプレッサーT細胞比率の上昇、T細胞の血管内皮細胞への付着抑制ならびにB細胞の抗体産生抑制作用等が報告されている。また、関節リウマチの関節組織破壊に中心的役割を担っている滑膜細胞に対しては、関節リウマチ患者由来の培養細胞において、滑膜細胞増殖抑制ならびに滑膜細胞からのIL-1β、IL-6の産生抑制作用が認められている。その他、炎症に関わる作用として、マクロファージ遊走阻止作用やコラゲナーゼ活性阻害作用も認められている。

18.2 抗リウマチ作用

関節リウマチの疾患モデルであるラットのアジュバント関節炎13)、タイプⅡコラーゲン関節炎14)、MRL/ℓマウス15)の関節病変の治療効果を認めた。また、Ⅰ~Ⅳ型アレルギー反応モデル(ラット、マウス)に対しても抑制効果を示した16),17)

18.3 免疫系に対する作用

関節リウマチ患者において低下したサプレッサーT細胞比率の上昇作用18)、リウマトイド因子の改善作用、免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)の低下作用を有している12)
また、in vitroの試験でもT細胞のヒト血管内皮細胞への付着抑制作用19)、T細胞増殖抑制作用20)、B細胞のIgM産生抑制作用21)等が認められている。

18.4 炎症等に対する作用

ステロイド剤及び非ステロイド性消炎鎮痛剤とは異なり、実験的急性(ラット、マウス)及び亜急性炎症(ラット)モデルに対してはほとんど影響を与えない。しかし、in vitroにおいてコラゲナーゼ活性及びアルカリフォスファターゼ活性に対する阻害作用13)、マクロファージ遊走阻止作用16)等を有している。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ブシラミン(Bucillamine)

化学名

(2R)-2-(2-Methyl-2-sulfanylpropanoylamino)-3-sulfanylpropanoic acid

分子式

C7H13NO3S2

分子量

223.31

性状

本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品はメタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、水に溶けにくい。

化学構造式

融点

136~140℃

22. 包装

  • 〈50mg〉

    100錠[10錠(PTP)×10、脱酸素剤入り]
    500錠[10錠(PTP)×50、脱酸素剤入り]

  • 〈100mg〉

    100錠[10錠(PTP)×10、脱酸素剤入り]
    500錠[10錠(PTP)×50、脱酸素剤入り]
    1000錠[10錠(PTP)×100、脱酸素剤入り]
    500錠[瓶、バラ、乾燥剤、脱酸素剤入り]

23. 主要文献

1) 根岸雅夫 他:リウマチ 1994;34(3):651-655〔53117〕

2) 猪熊茂子 他:リウマチ 1996;36(1):34-42〔53213〕

3) 菊池正俊 他:リウマチ 1993;33(3):215-222〔53254〕

4) 天崎吉晴 他:リウマチ 1991;31(5):528-534〔53255〕

5) Fujiyama. J. et al.:Japan J. Med. 1991;30(1):101-102〔53256〕

6) 安藤公二 他:中部リウマチ 1995;26(1):80-81〔53257〕

7) 村上佳恵 他:日本臨床免疫学会会誌 1991;14(1):49-54〔53258〕

8) 内田詔爾 他:関東リウマチ 1989;21:62-71〔53259〕

9) 菊池りか 他:皮膚病診療 1990;12(1):73-77〔53260〕

10) 菅原幸子 他:臨床薬理 1985;16(3):611-620〔53078〕

11) Matsuno. H. et al.:Int. J. Immunopharmac. 1998;20(6):295-304〔53311〕

12) 塩川優一 他:医学のあゆみ 1985;135(12・13):1116-1133〔53072〕

13) 藤村一 他:日本薬理学雑誌 1980;76:117-129〔53066〕

14) Hayashi. M. et al.:J. Rheumatol. 1991;18(5):691-695〔53103〕

15) 安倍千之:リウマチ 1985;25:440-442〔53069〕

16) Nakata. K. et al.:Jpn. J. Pharmacol. 1985;37:85-90〔53076〕

17) 小谷敬子 他:炎症 1997;17(1):87-89〔50393〕

18) Goto. M. et al.:Int. J. Immunopharmac. 1989;11(4):327-331〔53070〕

19) Eguchi. K. et al.:J. Rheumatol. 1992;19(7):1045-1050〔53185〕

20) Hashimoto. K. et al.:J. Rheumatol. 1993;20(6):953-957〔53204〕

21) Hirohata. S. et al.:Clin. Immunol. Immunopathol. 1993;66(1):43-51〔53188〕

24. 文献請求先及び問い合わせ先

あゆみ製薬株式会社

〒104-0061 東京都中央区銀座四丁目12番15号

TEL:0120-137-413

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

あゆみ製薬株式会社

東京都中央区銀座四丁目12番15号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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