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劇薬
処方箋医薬品注)
うつ病・うつ状態
通常、成人にはミルタザピンとして1日15mgを初期用量とし、15~30mgを1日1回就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ1日45mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ行うこと。
本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら投与すること。
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
躁転、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
精神症状を増悪させることがある。,,
痙攣発作を起こすことがある。
症状を悪化させるおそれがある。
QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。,
症状を悪化させるおそれがある。本剤はノルアドレナリン放出を促進する。
本剤のクリアランスが低下する可能性がある。
肝機能障害を悪化させるおそれがある。また、本剤のクリアランスが低下する可能性がある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠及び授乳期のラットに100mg/kg/日を経口投与(ヒトに45mgを投与したときの全身曝露量(AUC)の約2倍に相当)すると、着床後死亡率の上昇、出生児の体重増加抑制及び死亡率の増加が観察された。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続若しくは中止又は本剤投与の継続若しくは中止を検討すること。動物及びヒトで乳汁中に移行することが報告されている1)。
患者の状態を十分に観察しながら、慎重に投与すること。血中濃度が上昇するおそれがある。
MAO阻害剤
ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
,
セロトニン症候群があらわれることがある。MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者に投与しないこと。また、本剤投与後MAO阻害剤に切り替える場合は、2週間以上の間隔をあけること。
脳内ノルアドレナリン、セロトニンの神経伝達が高まると考えられる。
CYP3A4阻害剤
アゾール系抗真菌薬(ケトコナゾール等)
エリスロマイシン等
本剤の作用を増強するおそれがある。また、これらの薬剤の投与中止後、本剤の作用が減弱するおそれがある。
CYP3A4の阻害作用により、本剤の血漿中濃度が増大する可能性がある。
CYP3A4誘導剤
フェニトイン
リファンピシン等
本剤の作用が減弱するおそれがある。また、これら薬剤の併用を中止する場合、本剤の作用が増強される可能性がある。
CYP3A4の誘導作用により、本剤の血漿中濃度が減少する可能性がある。
シメチジン
本剤の作用を増強するおそれがある。
複数のCYP分子種(CYP1A2、CYP2D6及びCYP3A4等)の阻害作用により本剤の血漿中濃度が増大する可能性がある。
鎮静剤
鎮静作用が増強されるおそれがある。また、ジアゼパムとの併用により精神運動機能及び学習獲得能力が減退するとの報告がある。
相加的な鎮静作用を示すことが考えられる。
アルコール(飲酒)
鎮静作用が増強されるおそれがある。本剤服用中は飲酒を避けさせることが望ましい。
相加的・相乗的な鎮静作用を示すことが考えられる。
セロトニン作用薬
L-トリプトファン含有製剤
トリプタン系薬剤
トラマドール塩酸塩
リネゾリド
メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
炭酸リチウム等
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
,,
セロトニン症候群等が生じるおそれがあるので、注意して投与すること。
セロトニン作用が増強するおそれがある。
ワルファリンカリウム
プロトロンビン時間が増加するおそれがあるので、プロトロンビン時間の国際標準比(INR)をモニターすることが望ましい。
機序不明
QT延長を起こすことが知られている薬剤
QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経不安定等があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること。,,,,異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
感染症の兆候がみられた場合など、必要に応じて血液検査を行うこと。
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
全身症状
体重増加、倦怠感(15.2%)
異常感、末梢性浮腫
胸痛、易刺激性、浮腫、末梢冷感、体重減少
疲労
内分泌
高プロラクチン血症、乳汁漏出症、女性化乳房
精神神経系
傾眠(50.0%)、浮動性めまい、頭痛
体位性めまい、感覚鈍麻、振戦、不眠症、構語障害
注意力障害、アカシジア、痙攣、悪夢、鎮静、錯感覚、下肢静止不能症候群、異常な夢、不安、軽躁、躁病
**激越、錯乱、運動過多、ミオクローヌス、失神、幻覚、精神運動の不穏(運動過剰症)、嗜眠、口の錯感覚、せん妄、攻撃性、健忘
消化器
便秘(12.7%)、口渇(20.6%)
上腹部痛、下痢、悪心、胃不快感、嘔吐、腹部膨満
腹痛、口内乾燥、おくび、口の感覚鈍麻
口腔浮腫、唾液分泌亢進
循環器
動悸、血圧上昇
心拍数増加
起立性低血圧、低血圧
呼吸器
しゃっくり
血液
ヘモグロビン減少、白血球減少、白血球増多、好酸球増多、好中球増多、リンパ球減少
再生不良性貧血、顆粒球減少、血小板減少症
皮膚
紅斑、多汗症、そう痒症、発疹
水疱
感覚器
視調節障害、眼瞼浮腫、視覚障害
肝臓
AST上昇、ALT上昇(12.4%)、γ-GTP上昇
Al-P上昇
LDH上昇、ビリルビン上昇
泌尿器
頻尿
尿糖陽性、尿蛋白陽性
尿閉、排尿困難
生殖器
不正子宮出血
*持続勃起症
骨格筋・結合組織
関節痛
筋肉痛、筋力低下、背部痛、四肢不快感
CK上昇
その他
過食、食欲亢進、コレステロール上昇
食欲不振
主な症状として頻脈、高血圧又は低血圧を伴う見当識障害及び鎮静作用等の中枢神経系の抑制が報告されている。
特異的な解毒剤はない。必要に応じて、活性炭投与等の適切な処置を行うこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
ラットを用いた睡眠・覚醒行動試験において、深睡眠が増加したとの報告がある3)。
日本人健康成人男性にミルタザピン15又は30mgを単回経口投与したとき、速やかな吸収がみられ、半減期はそれぞれ31.7、32.7時間であった4),5)。
用量(mg)
n
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
T1/2(hr)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
15
4
1.1±0.3
38.1± 5.8
31.7±8.2
477.2±115.5
30
1.4±0.3
76.4±17.0
32.7±4.4
1006.3±116.4
Mean±S.D.
日本人健康成人男性にミルタザピン15、30又は45mgを空腹時に1日1回9日間反復経口投与したとき、各投与量の最終投与において、投与後1.5時間(中央値)で最高血漿中濃度に達し、AUC0-24及びCmaxはこれらの用量の範囲で用量相関性を示した。45mg最終投与後の半減期は23.2時間であった。各投与量ともに、7日以内に定常状態に達し、また蓄積性は認められなかった6)。
用量(mg/日)
Tmax*(hr)
AUC0-24(ng・hr/mL)
9
1.5(0.75~3)
43.4±9.44
―
393±84.6
83.2±27.5
778±178
45
146±49.8
23.2±6.06
1147±288
*中央値(最小値~最大値) Mean±S.D.
ミルタザピン錠30mg「明治」とリフレックス錠30mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ミルタザピンとして30mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中ミルタザピン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された7)。
被験者数
判定パラメータ
参考パラメータ
AUCt(ng・hr/mL)
ミルタザピン錠30mg「明治」
39
711.0±160.6
85.1±30.7
1.6±1.3
18.6±3.2
リフレックス錠30mg
734.1±153.7
89.1±27.9
1.3±0.4
18.9±3.3
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人にミルタザピン15mgを絶食時及び高脂肪食摂取時に単回経口投与したとき、絶食時に比べ高脂肪食摂取時にはTmaxがわずかに遅延した(絶食時1.6時間、高脂肪食摂取時2.4時間)が、Cmax、AUC0-∞及び半減期には食事の影響は認められなかった8)(外国人データ)。
本剤のヒト血漿蛋白への結合率は、0.01~10μg/mLの濃度範囲で平均85%であった9)(in vitro)。
本剤は広範に代謝され、その主要代謝経路は、8位の水酸化、N-2位の脱メチル化、N-2位の酸化及びグルクロン酸抱合による第4級アミン化であると推定された。8位水酸化にはCYP2D6及びCYP1A2が主に関与し、N-2位脱メチル化及びN-2位酸化には主にCYP3A4、またCYP1A2も関与しているものと考えられた。また、ミルタザピンのCYP1A2、CYP2D6及びCYP3A4に対する阻害作用は弱いものと考えられた10),11)(in vitro、外国人データ)。
健康成人に[14C]で標識した本剤20mgを投与したとき、投与後168時間までに投与した放射能の80〜94%が尿及び糞中に排泄され(尿中に約75%、糞中に約15%)、そのほとんどは代謝物であった。尿中への未変化体の排泄量は投与した放射能の5%以下であり、糞中への未変化体の排泄も非常に少量であった11)(外国人データ)。
ミルタザピン15mgを単回投与したとき、中等度及び重度の腎機能低下者群(クレアチニンクリアランス値が40mL/min未満)におけるAUC0-∞は、腎機能正常者群に比べてそれぞれ54%及び116%増加し、クリアランスは有意に低下した。しかし、軽度の腎機能低下者群では、腎機能正常者群に比べて差はなかった12)(外国人データ)。
ミルタザピン15mgを単回投与したときの半減期は肝機能低下高齢者群で健康高齢者群に比べ約40%長かった。また、AUC0-∞は健康高齢者群に比べ肝機能低下高齢者群で57%高く、体重で補正したクリアランスは肝機能低下高齢者群で33%低かった13)(外国人データ)。
ミルタザピン20mgを1日1回7日間投与したときの定常状態におけるAUC0-24は、非高齢者に比べ高齢者で有意に高かった(男性:1.8倍、女性:1.1倍)14)(外国人データ)。
ミルタザピン20mgを1日1回7日間投与したときの定常状態におけるAUC0-24は、男性に比べ女性で高かった(非高齢者:2.0倍、高齢者:1.2倍)。また、半減期は男性に比べて女性で有意に長かった(非高齢者:1.6倍、高齢者:1.3倍)14)(外国人データ)。
健康成人男性22例にミルタザピン30mgをケトコナゾール注2)(CYP3A4阻害薬)1日2回200mgの7日間反復経口投与の投与3日目に単回経口投与したところ、単独投与時に比べミルタザピンのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ42%及び52%増加した15)(外国人データ)。
健康成人男性にカルバマゼピン(CYP3A4誘導薬)1日2回400mgを21日間反復経口投与後ミルタザピン30mgを7日間反復経口投与で併用、あるいはミルタザピン30mgを7日間反復経口投与後カルバマゼピン1日2回400mgを21日間反復経口投与で併用したところ、いずれの場合もミルタザピンのAUC0-24はカルバマゼピンによる酵素誘導前に比べ約60%減少した。一方、カルバマゼピンの薬物動態パラメータは併用により影響を受けなかった15)(外国人データ)。
健康成人男性にミルタザピン1日1回15mgを2日間反復経口投与し、続けて1日1回30mgを5日間反復経口投与後、ミルタザピン1日1回30mg及びフェニトイン(CYP3A4誘導薬)1日1回200mgを10日間反復経口投与で併用したところ、併用によりミルタザピンのCmax及びAUC0-24はそれぞれ30%及び46%減少した。一方、フェニトインの薬物動態には併用による影響は認められなかった16)(外国人データ)。
健康成人男性12例にシメチジン(CYP1A2、CYP2D6、CYP3A4等の阻害薬)1日2回800mgを5日間反復経口投与後ミルタザピン1日1回30mgを7日間反復経口投与で併用したところ、ミルタザピンのCmax及びAUC0-∞は単独投与時と比べてそれぞれ24%及び63%増加したが、半減期には有意な差は認められなかった。一方、シメチジンの薬物動態には併用による影響は認められなかった15)(外国人データ)。
健康成人男性及び女性にミルタザピン15mgとジアゼパム15mgを併用で単回経口投与したところ、ミルタザピンの血漿中濃度は単独投与時とほぼ同様に推移した。一方、ジアゼパムの血漿中濃度には併用による影響は認められなかった15)(外国人データ)。
健康成人男性6例にミルタザピン1日1回30mgを7日間反復経口投与後、8日目にミルタザピン15mg単回経口投与後30分にエタノール60gを単回経口投与したところ、血漿中ミルタザピン濃度はエタノールの併用により高く推移する傾向が認められた。一方、エタノールの血漿中濃度推移はエタノール単独投与時と同様であったが、AUCはエタノール単独投与時と比較し低かった15)(外国人データ)。
健康成人男性及び女性にミルタザピン1日1回30mgとパロキセチン(CYP2D6阻害薬)1日1回40mgを9日間反復経口投与したところ、ミルタザピンのAUC0-24は単独投与時と比べ18%増加した。一方、パロキセチンのCmax及びAUC0-24は併用により影響を受けなかった15)(外国人データ)。,
健康成人男性にミルタザピン30mgの単回経口投与を単独又は炭酸リチウム1日1回600mgの反復経口投与の10日目に単回経口投与したところ、併用によるミルタザピンの薬物動態への影響は認められなかった17)(外国人データ)。,
プロトロンビン時間が1.4〜2.0INRとなるようにワルファリンを経口投与した健康成人男性16例にミルタザピン1日1回30mgを7日間反復経口投与で併用したところ、プロトロンビン時間はワルファリン単独投与時と比較し、わずかではあるが有意に延長した(ワルファリン単独投与時:1.6±0.1INR、ミルタザピン併用時:1.8±0.3INR)15)(外国人データ)。
健康成人男性及び女性にミルタザピン1日1回30mgの9日間反復経口投与とアミトリプチリン1日1回75mgを9日間反復経口投与を併用したところ、併用により男性ではミルタザピンのCmaxは36%増加したが、女性ではミルタザピンの薬物動態パラメータに変化はみられなかった。一方、併用により女性ではアミトリプチリンのCmax及びAUC0-24はそれぞれ23%及び13%減少したが、男性ではCmaxが23%増加した15)(外国人データ)。
統合失調症患者注3)にミルタザピン1日1回30mgの反復経口投与とリスペリドン1日2回1~3mgの反復経口投与(いずれも1週間以上)を併用した結果、併用によるリスペリドンの薬物動態への影響は認められなかった18)(外国人データ)。
ミルタザピン錠15mg「明治」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」(平成24年2月29日付、薬食審査発0229第10号)に基づき、ミルタザピン錠30mg「明治」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた19)。
うつ病患者を対象とした6週間の無作為化二重盲検比較試験を実施した。すべての本剤投与群で初期用量は15mg/日とし、30mg/日群及び45mg/日群は2週目に30mgへ強制増量、45mg/日群は3週目に45mgへ強制増量し、各群共に増量後は用量を維持した。本剤15mg/日群及び30mg/日群の、投与終了(中止)時のHAM-D合計スコア(17項目)の投与開始前からの変化量(LOCF)はプラセボ群に比較して有意に大きかった。なお、本剤45mg/日群での効果は、30mg/日群を上回るものではなかった20)。
投与群
HAM-D変化量1)
差2)
プラセボ群
70
-10.4(7.5)
15mg/日群
65
-13.3(6.8)*
-2.8(-5.3~-0.4)
30mg/日群
66
-13.8(6.9)*
-3.4(-5.8~-1.0)
45mg/日群
69
-11.9(7.6)
-1.6(-4.2~0.9)
1)Mean(S.D.)、*:p<0.05 プラセボ群に対して有意差あり(ANCOVA)2)プラセボ群に対する最小2乗平均の差の推定値及びその95%信頼区間
副作用発現頻度は、本剤15mg/日群で85.5%(59/69例)、30mg/日群で80.0%(56/70例)、45mg/日群で80.3%(57/71例)及びプラセボ群で67.1%(47/70例)であった。最も多かった副作用は傾眠で、本剤15mg/日群で44.9%(31/69例)、30mg/日群で54.3%(38/70例)、45mg/日群で42.3%(30/71例)及びプラセボ群で30.0%(21/70例)であった。
うつ病患者を対象とした6週間の無作為化二重盲検比較試験において、本剤投与群(15~45mg/日)の投与終了(中止)時におけるHAM-D合計スコア(17項目)の投与開始前からの変化量(LOCF)は-13.8±7.3(n=95)であった。一方、フルボキサミンマレイン酸塩群(50~150mg/日)では-11.7±8.1(n=98)であり、変化量の差とその95%信頼区間は-2.20(-4.35~-0.04)であった(p=0.0462)21)。副作用発現頻度は、本剤投与群で78.1%(75/96例)及びフルボキサミンマレイン酸塩群で68.4%(67/98例)であった。最も多かった副作用は傾眠で、本剤投与群で43.8%(42/96例)及びフルボキサミンマレイン酸塩群で21.4%(21/98例)であった。
うつ病患者を対象とした52週間投与(15~45mg/日)により、HAM-D合計スコア(17項目)は、投与開始前の10.2±6.5(n=107)から投与開始6週では、6.9±5.1となった(OC)。投与6週後以降、投与52週後(4.0±5.2)まで7未満で安定して推移し、本剤の長期投与での効果が確認された。また、本剤30mg/日から45mg/日への増量により改善した症例も認められた22),23)。
観察時点
投与開始前
投与6週後
投与12週後
投与24週後
投与52週後
107
100
97
83
71
HAM-D合計スコア1)
10.2(6.5)
6.9(5.1)
5.7(4.9)
4.1(4.1)
4.0(5.2)
1)Mean(S.D.)
副作用発現頻度は、79.8%(87/109例)であった。最も多かった副作用は傾眠42.2%(46/109例)であった。
ミルタザピンは中枢のα2アドレナリン受容体に対して拮抗作用を示し、セロトニン及びノルアドレナリンの両方の神経伝達を増強する。ミルタザピンは5-HT2及び5-HT3受容体を阻害するため、セロトニンの神経伝達増大により主に5-HT1受容体が刺激される。ミルタザピンのS(+)鏡像異性体はα2受容体と5-HT2受容体を主に阻害し、R(-)鏡像異性体は5-HT3受容体を主に阻害する3),24)。
ミルタザピン(Mirtazapine)
(14bRS)-1,2,3,4,10,14b-Hexahydro-2-methylpyrazino[2,1-a]pyrido[2,3-c][2]benzazepine
C17H19N3
265.35
ミルタザピンは白色~乳白色の結晶又は粉末である。メタノール及びエタノールに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
PTP包装 100錠(10錠×10) 500錠(10錠×50) 1000錠(10錠×100)バラ包装(ボトル入) 500錠
PTP包装 100錠(10錠×10)
1) Kristensen, J. H., et al.:Br. J. Clin. Pharmacol. 2007;63(3):322-327
2) Ruigt, G. S. F., et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol. 1990;38(6):551-554
3) 薬理試験(レメロン錠・リフレックス錠:2009年7月7日承認、CTD2.6.2.2)
4) 大谷義夫ほか:基礎と臨床. 1990;24(10):5365-5377
5) 単回投与試験(レメロン錠・リフレックス錠:2009年7月7日承認、CTD2.7.2.2)
6) 反復投与試験(レメロン錠・リフレックス錠:2009年7月7日承認、CTD2.7.2.2)
7) 社内資料:ミルタザピン錠30mg「明治」の生物学的同等性試験に関する資料
8) 食事の影響試験(レメロン錠・リフレックス錠:2009年7月7日承認、CTD2.7.1.2)
9) 血漿タンパクとの結合(レメロン錠・リフレックス錠:2009年7月7日承認、CTD2.7.2.2)
10) Dahl, M.-L., et al.:Clin. Drug Invest. 1997;13(1):37-46
11) マスバランス試験(レメロン錠・リフレックス錠:2009年7月7日承認、CTD2.7.2.2)
12) Bengtsson, F., et al.:Hum. Psychopharmacol. Clin. Exp. 1998;13:357-365
13) 肝機能低下の影響(レメロン錠・リフレックス錠:2009年7月7日承認、CTD2.7.2.2)
14) Timmer, C. J., et al.:Human psychopharmacology. 1996;11:497-509
15) 薬物相互作用(レメロン錠・リフレックス錠:2009年7月7日承認、CTD2.7.2.2)
16) Spaans, E., et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol. 2002;58:423-429
17) Sitsen, J. M. A., et al.:J. Psychopharmacol. 2000;14(2):172-176
18) Loonen, A. J. M., et al.:Eur. Neuropsychopharmacol. 1999;10:51-57
19) 社内資料:ミルタザピン錠15mg「明治」の溶出性(生物学的同等性試験)に関する資料
20) 木下利彦:臨床精神薬理. 2009;12(2):289-306
21) 村崎光邦ほか:臨床精神薬理. 2010;13(2):339-355
22) 木下利彦:臨床精神薬理. 2009;12(3):503-520
23) 長期投与試験(レメロン錠・リフレックス錠:2009年7月7日承認、CTD2.7.6.57)
24) Haddjeri, N., et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1996;277(2):861-871
25) Andrews, J. S., et al.:Drug Dev. Res. 1994;32(2):58-66
26) O’ Connor, W. T., et al.:Neuropharmacology. 1986;25(3):267-270
27) Nowakowska, E., et al.:Pol. J. Pharmacol. 1999;51(6):463-469
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