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処方箋医薬品注)
緑内障、高眼圧症
原則として、単剤での治療を優先すること。
1回1滴、1日1回点眼する。
頻回投与により眼圧下降作用が減弱する可能性があるので、1日1回を超えて投与しないこと。
心機能を抑制し症状が増悪するおそれがある。
血糖値に注意すること。低血糖症状を起こしやすく、かつ症状をマスクすることがある。
アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。
嚢胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫、及びそれに伴う視力低下を起こすとの報告がある。
眼圧上昇がみられたことがある。
角膜ヘルペスがみられたことがある。
使用経験がない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラタノプロストは動物実験(妊娠ウサギ)における器官形成期投与試験において、臨床用量の約80倍量(5.0µg/kg/日)を静脈内投与したことにより、流産及び後期吸収胚の発現率増加、胎児体重の減少が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。カルテオロール塩酸塩及びラタノプロストは動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
一般に生理機能が低下している。
β遮断剤
全身的なβ遮断作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。
相加的にβ遮断作用を増強させる。
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
過剰の交感神経抑制を来すおそれがあるので、減量するなど注意すること。
相加的に交感神経抑制作用を増強させる。
カルシウム拮抗剤
徐脈、房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全等があらわれることがある。併用する場合には用量に注意すること。
相互に作用が増強される。
アドレナリン
類薬(チモロールマレイン酸塩点眼液)でアドレナリンの散瞳作用が助長されたとの報告がある。
アドレナリンのβ作用のみが遮断され、α作用が優位になる。
プロスタグランジン系点眼薬
眼圧上昇がみられたとの報告がある1),2)。
機序不明
β-受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、喘息発作を誘発することがあるので、咳・呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高度な徐脈に伴う失神があらわれることがある。
β-受容体遮断による刺激伝導系抑制作用・心拍出量抑制作用により、房室ブロック、洞不全症候群、洞停止等の徐脈性不整脈、うっ血性心不全、冠攣縮性狭心症があらわれることがある。,,
患者を定期的に診察し、虹彩色素沈着があらわれた場合には臨床状態に応じて投与を中止すること。
結膜充血、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮、睫毛内反、眼瞼眼球癒着等があらわれることがある。
5%未満
頻度不明
眼
眼刺激、そう痒感、眼痛、眼充血(結膜充血、毛様充血等)、霧視、眼脂、結膜炎、角膜障害(角膜炎等)、眼瞼炎、視力障害、眼の異物感、眼の異常感、睫毛の異常(睫毛が濃く、太く、長くなる)
結膜濾胞、ぶどう膜炎、虹彩炎、角膜びらん、角膜浮腫、角膜沈着物、角膜混濁、眼瞼色素沈着、眼瞼部多毛、眼瞼浮腫、眼瞼発赤、眼瞼溝深化、接触性皮膚炎、羞明、前房細胞析出、流涙、黄斑浮腫(嚢胞様黄斑浮腫を含む)及びそれに伴う視力低下、眼底黄斑部の浮腫・混濁注)、偽眼類天疱瘡、虹彩嚢腫
循環器
徐脈、不整脈、動悸、胸痛、低血圧、狭心症
呼吸器
呼吸困難、咳、鼻症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)、咽喉頭症状(違和感等)
その他
下痢
頭痛、不快感、倦怠感、めまい、悪心、味覚異常(苦味等)、皮膚炎、発疹、そう痒感、関節痛、血糖値の低下、筋肉痛、こわばり(四肢等)、脱力感、抑うつ、重症筋無力症の増悪
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
ラタノプロストは、外国において、眼局所有害事象として、網膜動脈閉塞、網膜剥離、糖尿病性網膜症に伴う硝子体出血、全身有害事象として、上気道感染症、感冒、インフルエンザ、筋肉痛、関節痛、腰痛、胸痛、狭心症、皮疹、アレルギー性皮膚反応があらわれたとの報告がある。
ラタノプロストをサルに静脈内投与(2µg/kg)すると一過性の気道抵抗の増加が起こった。しかし、臨床用量(1.5µg/眼)の7倍量のラタノプロストを中等度の気管支喘息患者11例に点眼した場合、肺機能に影響はなかったとの報告がある。
健康成人10例に本剤を両眼に1回1滴、1日1回、7日間反復点眼した時のカルテオロールの最高血漿中濃度(平均値)は1.174ng/mL、tmax(中央値)は15分、半減期(平均値)は13.5時間であった。また、ラタノプロスト遊離酸の最高血漿中濃度(平均値)は18.47pg/mL、tmax(中央値)は5分、半減期(平均値)は11.7分であった。カルテオロール及びラタノプロスト遊離酸の血漿中濃度推移は単剤(カルテオロール塩酸塩持続性点眼液2%又はラタノプロスト点眼液0.005%)点眼時と同様であった3)。
本剤を有色ウサギに単回点眼した時の眼組織(房水、虹彩・毛様体、角膜、結膜)中のラタノプロスト遊離酸濃度は、単剤(ラタノプロスト点眼液0.005%)点眼時と同程度であった。カルテオロール濃度は、房水及び虹彩・毛様体では単剤(カルテオロール塩酸塩持続性点眼液2%)点眼時の1.7~2.2倍を示し、角膜及び結膜では同程度であった3)。
カルテオロールは、ヒト肝ミクロゾームチトクロームP450の分子種のうち、主としてCYP2D6により代謝される4)(in vitro)。
原発開放隅角緑内障(広義)又は高眼圧症患者237例を対象に、ラタノプロスト点眼液0.005%を対照薬とした単盲検比較試験において、導入期にラタノプロストを両眼に4週間(1回1滴、1日1回)点眼後、評価期に本剤又は対照薬を両眼に8週間(1回1滴、1日1回)点眼した時、本剤は対照薬に比べ有意に眼圧下降を示し、優越性が検証された(p<0.0001、共分散分析)(表17-1)。眼圧の推移を図17-1に示す5)。
例数
ベースライン眼圧値
8週後眼圧値
眼圧下降値
差a[95%信頼区間]
本剤
117
20.1±2.2
17.2±2.7
2.9±2.0
1.3[0.7, 1.8]
対照薬
118
20.0±1.9
18.4±2.7
1.6±2.3
眼圧(mmHg):朝点眼前、平均値±標準偏差a:投与群を要因とし、ベースライン眼圧値を共変量とした共分散分析
0h:点眼前、2h:点眼2時間後、8h:点眼8時間後平均値±標準偏差、*:p=0.0108、**:p=0.0003、***:p<0.0001(投与群を要因とし、ベースライン眼圧値を共変量とした共分散分析による対照薬(ラタノプロスト)との比較)副作用発現頻度は、本剤で118例中8例(6.8%)、対照薬で119例中5例(4.2%)であった。副作用は、本剤では睫毛の成長及び霧視が各2例(1.7%)、眼そう痒症、眼脂、点状角膜炎、視力障害、目の異物感、毛様充血及び滴下投与部位刺激感が各1例(0.8%)、対照薬で眼瞼色素沈着2例(1.7%)、睫毛の成長、眼そう痒症、眼瞼紅斑、眼刺激及び結膜充血が各1例(0.8%)であった。
原発開放隅角緑内障(広義)又は高眼圧症患者193例を対象に、カルテオロール塩酸塩持続性点眼液2%を対照薬とした二重盲検比較試験(参照薬:ラタノプロストとカルテオロール塩酸塩の併用療法)において、導入期にカルテオロール塩酸塩を両眼に4週間(1回1滴、1日1回)点眼後、評価期に本剤、対照薬又は参照薬を両眼に8週間(1回1滴、1日1回)点眼した時、本剤は対照薬に比べ有意に眼圧下降を示し、優越性が検証された(p<0.0001、共分散分析)。また、本剤の眼圧下降作用は参照薬(併用療法)と同程度であった(表17-2)。眼圧の推移を図17-2に示す6)。
78
19.8±1.7
16.3±2.1
3.5±1.9
1.9[1.3, 2.5]
77
19.9±2.4
18.2±2.7
1.6±1.9
参照薬
37
19.7±2.1
16.6±2.6
3.1±2.3
-
0h:点眼前、2h:点眼2時間後、8h:点眼8時間後平均値±標準偏差、***:p<0.0001(投与群を要因とし、ベースライン眼圧値を共変量とした共分散分析による対照薬(カルテオロール塩酸塩)との比較)副作用発現頻度は、本剤で78例中15例(19.2%)、対照薬で78例中2例(2.6%)、参照薬で37例中6例(16.2%)であった。主な副作用は、本剤では眼痛3例(3.8%)、結膜充血、眼刺激、眼充血、眼の異常感、眼瞼炎、眼の異物感及び眼そう痒が各2例(2.6%)、対照薬で味覚異常及び結膜充血が各1例(1.3%)、参照薬で結膜充血2例(5.4%)、眼刺激、眼充血、角膜障害、眼瞼紅斑及び多毛症が各1例(2.7%)であった。
カルテオロール塩酸塩は内因性交感神経刺激様作用を有するβ受容体遮断薬である7)。健康成人におけるフルオロフォトメトリー試験の結果並びに緑内障及び高眼圧症患者におけるトノグラフィー試験の結果から、カルテオロール塩酸塩は房水産生の抑制により眼圧を下降させるものと推察されている8),9)。
ラタノプロストはプロスタグランジンF2α誘導体である。カニクイザルを用いた試験の結果並びに健康成人における点眼後のフルオロフォトメトリー試験の結果から、ラタノプロストは房水の流出経路のうち、ぶどう膜強膜路からの流出促進作用により眼圧を下降させるものと推察されている10),11)。
カニクイザルを用いた試験で、ラタノプロストは顕著な眼圧下降作用を示した14)。
健康成人にカルテオロール塩酸塩持続性点眼液2%を1回点眼し、レーザースペックル法により視神経乳頭での組織血流量を測定したところ、視神経乳頭近傍上耳側網脈絡膜において組織血流の指標となるMean blur rate(MBR)値の有意な増加が認められた15)。
カルテオロール塩酸塩〔Carteolol Hydrochloride(JAN)〕
5-[(2RS)-3-(1,1-Dimethylethyl)amino-2-hydroxypropyloxy]-3,4-dihydroquinolin-2(1H)-one monohydrochloride
C16H24N2O3・HCl
328.83
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)又は酢酸(100)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは5.0〜6.0である。水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
約277℃(分解)
ラタノプロスト〔Latanoprost(JAN)〕
(+)-Isopropyl(Z)-7-[(1R,2R,3R,5S)-3,5-dihydroxy-2-[(3R)-3-hydroxy-5-phenylpentyl]cyclopentyl]-5-heptenoate
C26H40O5
432.59
無色~微黄色の粘稠性又は油状の液である。アセトニトリル、メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸エチルに極めて溶けやすく、水又はヘキサンにほとんど溶けない。
プラスチック点眼容器:2.5mL×10本
1) Stewart, W. C. et al.:Am J Ophthalmol.2001;131(3):339-344.
2) Herndon, L. W. et al.:Arch Ophthalmol.2002;120(6):847-849.
3) 山本哲也 ほか:あたらしい眼科.2016;33(9):1369-1375.
4) Kudo, S. et al.:Eur J Clin Pharmacol.1997;52(6):479-485.
5) 社内資料:ラタノプロスト点眼液との比較試験(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.2)
6) 社内資料:カルテオロール塩酸塩持続性点眼液との比較試験(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.2)
7) Yabuuchi, Y. et al.:Jpn J Pharmacol.1974;24(6):853-861.
8) 新家 真 ほか:日本眼科学会雑誌. 1980;84(12):2085-2091.
9) 松生俊和 ほか:眼科臨床医報.1983;77(10):1654-1657.
10) Stjernschantz, J. et al.:Adv Prostaglandin Thromboxane Leukot Res.1995;23:513-518.
11) 高松倫也 ほか:新薬と臨床.1996;45(1):76-82.
12) 社内資料:ウサギにおける眼圧上昇抑制作用(ミケランLA点眼液:2007年4月18日承認、CTD2.6.2.2)
13) 渡辺耕三 ほか:応用薬理.1983;26(1):1-8.
14) Serle, J. B. et al.:Jpn J Ophthalmol.1998;42(2):95-100.
15) 梅田和志 ほか:あたらしい眼科.2013;30(3):405-408.
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