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処方箋医薬品注)
ファロー四徴症に伴うチアノーゼ発作
通常、乳幼児には1日量として体重1kg当たり0.1~0.15g(カルテオロール塩酸塩として0.2~0.3mg)を、朝・夕の2回に分割経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。
*褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。,
血糖値に注意すること。低血糖症状を起こしやすく、かつ症状をマスクしやすい。
心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。
末梢血管収縮作用により、症状が悪化するおそれがある。
休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと。急に投与を中止すると、症状を悪化させることがある。また、頻脈等の中毒症状をマスクすることがある。
類薬で症状を悪化させたとの報告がある。
本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがある。,
薬物動態の影響等で副作用が出現するおそれがある。
薬物代謝の遅延等で副作用が出現するおそれがある。
低出生体重児及び新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
過剰の交感神経抑制を来すことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
相加的に交感神経抑制作用を増強させる。
血糖降下剤
血糖降下作用が増強することがある。また、低血糖症状(頻脈、発汗等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。
低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクしたり、β遮断作用により低血糖の回復を遅れさせる。
カルシウム拮抗剤
徐脈、房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全があらわれることがある。併用する場合には用量に注意すること。
相互に作用が増強される。
クロニジン塩酸塩グアナベンズ酢酸塩
クロニジン塩酸塩、グアナベンズ酢酸塩投与中止後のリバウンド現象を増強するおそれがある。β遮断剤を先に中止し、クロニジン塩酸塩、グアナベンズ酢酸塩を徐々に減量すること。
クロニジン塩酸塩はα2受容体に選択的に作用し、ノルアドレナリンの遊離を抑制しているため、急激な中止によって血中カテコラミンの上昇が起こる。この時、β受容体遮断薬を併用すると上昇したカテコラミンの作用のうち、β受容体刺激作用が遮断され、α受容体刺激作用だけが残り、急激な血圧上昇が起こるおそれがある。グアナベンズ酢酸塩も作用機序から同様な反応が予想される。
クラスⅠ抗不整脈剤
過度の心機能抑制があらわれるおそれがあるので、減量するなど注意すること。
相加的に心機能抑制作用を増強させる。
ジギタリス製剤
徐脈、房室ブロック等の伝導障害があらわれるおそれがあるので、心機能に注意すること。
相加的に心刺激伝導抑制作用を増強させる。
非ステロイド性抗炎症剤
本剤の降圧作用が減弱するおそれがある。
非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する。
降圧作用を有する他の薬剤
降圧作用が増強するおそれがある。併用する場合には、用量に注意すること。
降圧作用を増強させる。
小児で意識障害、痙攣があらわれることがある。低血糖症状があらわれた場合には、経口摂取可能な状態では角砂糖、あめ等の糖分の摂取、意識障害、痙攣を伴う場合には、ブドウ糖の静注等を行い、十分に経過観察すること。また、保護者に対し患児の状態(悪寒、顔面蒼白、多量の発汗、不機嫌、意識もうろう状態等の低血糖に伴う症状)を十分観察するよう注意を与えること。
定期的に心機能検査を行い、必要に応じ、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
高度な徐脈に伴う失神があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
めまい・ふらつき・立ちくらみ、徐脈、動悸、息切れ、低血圧
胸痛
精神神経系
頭痛・頭重感、眠気、不眠、振戦、抑うつ感
耳鳴、不安感、悪夢、耳の蟻走感
消化器
腹部不快感、嘔気、下痢、腹痛、便秘
食欲不振、鼓腸
口内炎
呼吸器
呼吸困難、咳・痰
喘息様症状、上気道閉塞感
眼
目がしょぼつく
霧視、涙液分泌減少
過敏症
皮疹
皮膚そう痒感
肝臓
AST、ALT、LDHの上昇
その他
倦怠感、脱力感、浮腫、ほてり、疲労感
頻尿
筋肉痛、総コレステロール値の上昇、手足のしびれ、下肢冷感、発汗、腓腸筋痙攣(こむらがえり)、血清CK値の上昇
過量投与により、徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙攣等があらわれることがある。
以下の処置の間は常に観察下におくこと。
服用に際し、水、ミルクあるいは牛乳に溶解してもさしつかえない。なお、本剤を水に溶解した場合、わずかに白濁する。
β遮断剤服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗するとの報告がある。
健康成人19例にカルテオロール塩酸塩10~30mgを単回経口投与した時、速やかに吸収され、血中濃度は約1時間後に最高に達した。血中濃度の半減期は約5時間であった1)。
ヒト血漿蛋白結合率は約15%であった2)(in vitro、平衡透析法)。
カルテオロールは、ヒト肝ミクロゾームチトクロームP450の分子種のうち、主としてCYP2D6により代謝され、8-ヒドロキシカルテオロールが生成される3)(in vitro)。なお、代謝物に未変化体をしのぐ薬理作用・毒性は認められていない4),5)。
国内16施設で総計155例について実施された臨床試験(カルテオロール塩酸塩として0.08~0.8mg/kg/日注))の概要は次のとおりである。ファロー四徴症患者を対象とした臨床試験において、本剤の有用率(「有用」以上の判定を得たもの)は88.5%(123/139例)であった7),8),9)。また、プロプラノロール塩酸塩を対照薬とする交叉比較試験において本剤は、「チアノーゼ発作の回数と程度」及び「チアノーゼ発作の持続時間」に対する改善効果に優れ、副作用を加味した有用度においても優れることが明らかにされている。
注)本剤の承認された1日用量は、体重1kg当たりカルテオロール塩酸塩として0.2~0.3mgを1日2回分割経口投与である。
カルテオロール塩酸塩は強力なアドレナリン性β受容体遮断作用を示す10),11),12)。これがチアノーゼ発作に対する治療薬としての本剤の主たる薬理作用である。
カルテオロール塩酸塩〔Carteolol Hydrochloride(JAN)〕
5-[(2RS)-3-(1,1-Dimethylethyl)amino-2-hydroxypropyloxy]-3,4-dihydroquinolin-2(1H)-one monohydrochloride
C16H24N2O3・HCl
328.83
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)又は酢酸(100)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは5.0~6.0である。水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
約277℃(分解)
プラスチックボトル:100g
1) Morita, S. et al.:Arzneim-Forsch/Drug Res. 1977;27(II):2380-2383.
2) 社内資料:ヒト血漿蛋白結合試験
3) Kudo, S. et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1997;52(6):479-485.
4) 内多 稔 ほか:薬学雑誌. 1976;96(5):571-577.
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6) 笹辺裕行 ほか:社内資料(尿中代謝産物の定量). 1982.
7) 森 忠三 ほか:第86回日本小児科学会発表. 大阪. 1983.
8) 長嶋正實 ほか:小児科臨床. 1983;36(2):415-424.
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14) Nakagawa, K. et al.:J Med Chem. 1974;17(5):529-533.
15) 仁木敏晴 ほか:心臓. 1975;7(10):1151-1158.
16) Taira, N. et al.:Jpn J Pharmacol. 1978;28(3):473-483.
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