当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
本態性高血圧症(軽症~中等症)
通常、成人には1日1回1カプセル(カルテオロール塩酸塩として15mg)を朝食後に経口投与する。なお、効果が不十分な場合には1日1回2カプセル(カルテオロール塩酸塩として30mg)まで増量することができる。
*褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。,
観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること。心収縮力抑制作用により、症状を悪化させるおそれがある。
血糖値に注意すること。低血糖症状を起こしやすく、かつ症状をマスクしやすい。
心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。
末梢血管収縮作用により、症状が悪化するおそれがある。
休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと。急に投与を中止すると、症状を悪化させることがある。また、頻脈等の中毒症状をマスクすることがある。
類薬で症状を悪化させたとの報告がある。
本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがある。,
薬物動態の影響等で副作用が出現するおそれがある。
薬物代謝の遅延等で副作用が出現するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
以下の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
過剰の交感神経抑制を来すことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
相加的に交感神経抑制作用を増強させる。
血糖降下剤
血糖降下作用が増強することがある。また、低血糖症状(頻脈、発汗等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。
低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクしたり、β遮断作用により低血糖の回復を遅れさせる。
カルシウム拮抗剤
徐脈、房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全があらわれることがある。併用する場合には用量に注意すること。
相互に作用が増強される。
クロニジン塩酸塩グアナベンズ酢酸塩
クロニジン塩酸塩、グアナベンズ酢酸塩投与中止後のリバウンド現象を増強するおそれがある。β遮断剤を先に中止し、クロニジン塩酸塩、グアナベンズ酢酸塩を徐々に減量すること。
クロニジン塩酸塩はα2受容体に選択的に作用し、ノルアドレナリンの遊離を抑制しているため、急激な中止によって血中カテコラミンの上昇が起こる。この時、β受容体遮断薬を併用すると上昇したカテコラミンの作用のうち、β受容体刺激作用が遮断され、α受容体刺激作用だけが残り、急激な血圧上昇が起こるおそれがある。グアナベンズ酢酸塩も作用機序から同様な反応が予想される。
クラスⅠ抗不整脈剤
過度の心機能抑制があらわれるおそれがあるので、減量するなど注意すること。
相加的に心機能抑制作用を増強させる。
ジギタリス製剤
徐脈、房室ブロック等の伝導障害があらわれるおそれがあるので、心機能に注意すること。
相加的に心刺激伝導抑制作用を増強させる。
非ステロイド性抗炎症剤
本剤の降圧作用が減弱するおそれがある。
非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する。
降圧作用を有する他の薬剤
降圧作用が増強するおそれがある。併用する場合には、用量に注意すること。
降圧作用を増強させる。
定期的に心機能検査を行い、必要に応じ、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
高度な徐脈に伴う失神があらわれることがある。
0.1~5%未満
頻度不明
循環器
めまい・ふらつき・立ちくらみ、動悸、息切れ、胸痛
低血圧、徐脈
精神神経系
頭痛・頭重感、眠気、不眠、耳鳴、抑うつ感
振戦、不安感、悪夢、耳の蟻走感
消化器
嘔気、腹部膨満感、胸やけ、心窩部痛
鼓腸、腹部不快感、下痢、食欲不振、腹痛、便秘、口内炎
呼吸器
上気道閉塞感、呼吸困難、咳・痰、喘息様症状
眼
目がしょぼつく、霧視、涙液分泌減少
過敏症
皮疹
皮膚そう痒感
肝臓
AST、ALT、LDHの上昇
その他
倦怠感、浮腫、手足のしびれ、下肢冷感、発汗、冷汗、鼻出血、腓腸筋痙攣(こむらがえり)
血糖値の低下、頻尿、筋肉痛、血清CK値の上昇、脱力感、ほてり、疲労感、総コレステロール値の上昇、中性脂肪値の上昇、血糖値の上昇
過量投与により、徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙攣等があらわれることがある。
以下の処置の間は常に観察下におくこと。
β遮断剤服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗するとの報告がある。
健康成人男性に本剤を1回1カプセル(カルテオロール塩酸塩として15mg)1日1回(朝食後)、ミケラン錠5mgを1回1錠1日3回(毎食後)9日間クロス・オーバー法にて反復経口投与し、血漿中カルテオロール濃度を測定した。本剤は投与開始3日目には定常状態に達し、最低~最高血漿中濃度範囲は10~50ng/mLで血漿中半減期は7~10時間であった。定常状態の本剤とミケラン錠5mgの血漿中濃度の推移を図にした1)。
正常胃液酸度又は低胃液酸度の健康成人男性に本剤を空腹時及び食後1回経口投与し、薬物速度論的パラメータを検討したところ、本剤は胃液酸度及び食事の影響を受けにくいことが確認された2)。
ヒト血漿蛋白結合率は約15%であった3)(in vitro、平衡透析法)。
カルテオロールは、ヒト肝ミクロゾームチトクロームP450の分子種のうち、主としてCYP2D6により代謝され、8-ヒドロキシカルテオロールが生成される4)(in vitro)。なお、代謝物に未変化体をしのぐ薬理作用・毒性は認められていない5),6)。
健康成人男性に本剤を1カプセル経口投与した時、その50~70%が未変化体として尿中に排泄された。
本態性高血圧症患者252例を対象とした二重盲検比較試験において、本剤を1回1~2カプセル、1日1回投与における有効率は、「下降」以上65.3%(81/124例)であり、対照薬のミケラン錠5mgを1回1~2錠、1日3回投与の有効率より高く、本剤の1日1回投与の有用性が認められている7)。副作用発現頻度は、本剤で124例中10例(8.1%)、ミケラン錠で123例中12例(9.8%)であった。主な副作用は、本剤では頭痛2例(1.6%)及び倦怠感2例(1.6%)、ミケラン錠でめまい2例(1.6%)及び倦怠感2例(1.6%)であった。
本態性高血圧症患者を対象とした臨床試験(1回1~2カプセル、1日1回投与)において、本剤の有効率は、「下降」以上65.1%(97/149例)であった8),9),10)。
本態性高血圧症患者を対象とした長期投与試験(1回1~2カプセル、1日1回投与)において、本剤の有効率は「下降」以上78.7%(48/61例)であった9),10),11)。
カルテオロール塩酸塩は強力なアドレナリン性β受容体遮断作用を示す12),13),14)。これが本態性高血圧症治療薬としての本剤の主たる薬理作用である。
健康成人男性に本剤を1カプセル経口投与した時、運動負荷時のダブルプロダクト(収縮期血圧×脈拍数)は投与直後より減少が認められ、その抑制作用は投与後24時間まで持続した15)。
本態性高血圧症患者において、本剤を1日1回1~2カプセル経口投与した時、降圧効果は投与後24時間まで持続して認められ、血圧の変動幅及び最大日内較差に影響しないことが認められた21)。
カルテオロール塩酸塩〔Carteolol Hydrochloride(JAN)〕
5-[(2RS)-3-(1,1-Dimethylethyl)amino-2-hydroxypropyloxy]-3,4-dihydroquinolin-2(1H)-one monohydrochloride
C16H24N2O3・HCl
328.83
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)又は酢酸(100)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは5.0~6.0である。水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
約277℃(分解)
PTP:100カプセル(10カプセル×10)
1) 小富正昭 ほか:臨床薬理. 1989;20(2):435-440.
2) 小富正昭 ほか:社内資料(胃液酸度、食事の影響). 1989.
3) 社内資料:ヒト血漿蛋白結合試験
4) Kudo, S. et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1997;52(6):479-485.
5) 内多 稔 ほか:薬学雑誌. 1976;96(5):571-577.
6) 石原高文 ほか:社内資料(代謝産物の一般薬理作用). 1976.
7) 尾前照雄 ほか:医学のあゆみ. 1989;149(3):169-191.
8) 尾前照雄 ほか:新薬と臨床. 1989;38(2):176-193.
9) 半田俊之介 ほか:新薬と臨床. 1989;38(2):216-235.
10) 稲垣義明 ほか:診療と新薬. 1989;26(2):195-210.
11) 尾前照雄 ほか:新薬と臨床. 1989;38(2):195-214.
12) Hashimoto, K. et al.:Jpn J Pharmacol. 1976;26(4):504-506.
13) Yabuuchi, Y. et al.:Jpn J Pharmacol. 1974;24(6):853-861.
14) 岳中典男 ほか:日薬理誌. 1975;71(2):221-230.
15) 小富正昭 ほか:臨床薬理. 1989;20(2):427-434.
16) Taira, N. et al.:Jpn J Pharmacol. 1978;28(3):473-483.
17) 近藤照夫 ほか:臨床と研究. 1981;58(4):1313-1318.
18) 佐藤 光 ほか:臨床成人病. 1976;6(5):815-824.
19) 池田正男 ほか:臨床成人病. 1978;8(11):1793-1806.
20) Igawa, T. et al.:Eur J Pharmacol. 1984;104(1-2):93-99.
21) 尾前照雄 ほか:基礎と臨床. 1989;23(3):1013-1021.
大塚製薬株式会社 医薬情報センター
〒108-8242 東京都港区港南2-16-4品川グランドセントラルタワー
電話 0120-189-840FAX 03-6717-1414
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.