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日本薬局方
プロブコール錠
処方箋医薬品注)
高脂血症(家族性高コレステロール血症、黄色腫を含む。)
適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症(家族性高コレステロール血症、黄色腫を含む)であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。本剤はコレステロール値の異常を主とした高脂血症によく反応する。
通常、成人にはプロブコールとして1日量500mgを2回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、家族性高コレステロール血症の場合は、プロブコールとして1日量1,000mgまで増量することができる。
心室性不整脈を起こすおそれがある。
より重篤な心室性不整脈(Torsade de pointes)を起こすおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット、ウサギ)で乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
シクロスポリン
シクロスポリンの作用が減弱するおそれがある。
機序は不明であるが、シクロスポリンの血中濃度が低下したとの報告がある。
クロフィブラート
HDL-コレステロールが著しく低下したとの報告がある。
機序は不明である。
著明なQT延長に伴う心室性不整脈(Torsade de pointes)、失神があらわれることがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
心臓
QT延長
過敏症
発疹、そう痒
血液
白血球減少、血小板減少等
貧血
精神神経系
めまい等
頭痛等
消化器
下痢・軟便、嘔気・嘔吐、食欲不振、腹痛、胸やけ、腹部膨満感等
肝臓
AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、LDH上昇
腎臓
BUN上昇
筋肉
CK上昇
その他
倦怠感、尿酸上昇、空腹時血糖上昇
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性12例にプロブコール250mgを食後単回経口投与した時の血中濃度は、投与後18時間で最高値(約5µg/mL)に達し、生物学的半減期は約56時間であった3)。
健康成人男性6例に1日750mg(250mg×3回)、10日間反復経口投与した時、投与開始後192時間で血中濃度は最高値(12µg/mL)に達し、最終投与後の生物学的半減期は98時間であった4)。患者にプロブコール1日1,000mg、2年間反復経口投与した時の定常状態の血漿中濃度は11~76µg/mLを示し、最終投与1箇月後に血漿中濃度は定常状態の50%に減少した5)(外国人データ)。
ラットに14C-プロブコールを経口投与した時、ほぼ全身に分布し、単回投与(100mg/kg)の場合、肝、副腎、褐色脂肪に血漿中濃度の3~10倍、また、反復投与(100mg/kg、1日1回、21日間)の場合、褐色脂肪、副腎、肝、脂肪に血漿中濃度の10~46倍移行したが、中枢、生殖腺、眼への移行は少なく(単回投与で血漿中濃度の1/7~1/20、反復投与で同じく1~1/2)、各組織からの消失は緩慢で蓄積性が示唆された。イヌやサルでもほぼ同様の分布を示した。
健康成人男性に14C-プロブコールを経口投与した時、血漿中及び糞中の放射活性の大部分は未変化体であるが、尿中に代謝産物ジフェノキノンなどが認められた6)(外国人データ)。
健康成人男性に14C-プロブコールを経口投与した時、0~96時間で糞中に投与量の84%、尿中には1.9%が排泄された6)(外国人データ)。
高脂血症患者を対象に実施した二重盲検比較試験(16週投与)において、平均15%の血清総コレステロール低下が認められた。また、二重盲検比較試験を含む短期投与試験(8~16週投与)において、血清総コレステロールが10%以上低下した症例は1日量500mg投与群で53.7%(109/203例)、750mg投与群で65.1%(358/550例)であった。トリグリセライドは全体として低下するが、個人差が大きく、20%以上低下した症例は1日量500mg投与群で30%(61/203例)、750mg投与群で41%(223/550例)であった。リン脂質は血清総コレステロールに並行して低下した。
高脂血症患者を対象に実施した長期投与(6箇月~2年)265例において、投与開始1箇月後に血清総コレステロールが平均15%低下し、以後も16~19%の範囲で安定した効果を維持した。また、そのうち、家族性高コレステロール血症患者(93例)では、2年間にわたり15~18%の低下率で推移した。高脂血症に伴う黄色腫を有する患者において、本剤1日1,000mg(1~2年)又は1日750~1,000mg(2年)を投与した時、それぞれ66.7%(8/12例)及び65.4%(17/26例)に黄色腫の退縮が認められた7),8)。
血清総コレステロール低下の作用機序としては、LDL(低比重リポ蛋白)の異化率亢進作用、コレステロールの胆汁中への異化排泄促進作用及びコレステロール合成の初期段階の阻害作用が想定されている9),10)。(食事性コレステロールの吸収阻害作用はほとんどないか、極めて弱いものと考えられる。)黄色腫退縮及び動脈硬化退縮の作用機序としては、血清総コレステロール低下作用、HDLを介する末梢組織より肝臓へのコレステロール逆転送の促進作用及びLDLの酸化を抑制することによるマクロファージの泡沫化抑制作用が考えられている11),12)。
ヒト血清総コレステロールを有意に低下させた。その低下率は16~19%で、長期投与に際しても安定した効果を維持した。トリグリセライドについても低下傾向を示すが、個人差が大きく、また、リン脂質は血清総コレステロールと並行して低下した13),14)。
WHHL-ウサギ(ヒト家族性高コレステロール血症のモデル動物)並びにヒトの家族性高コレステロール血症においても血清総コレステロールを15~18%低下させた7),8)。
高脂血症にしばしば随伴する腱、眼瞼、皮膚などの黄色腫に対し、軟化、縮小、消失などの退縮効果を示した。
高コレステロール食にて飼育したウサギの大動脈弓及び胸部大動脈の粥腫病変を有意に抑制し、また、赤毛ザルに高コレステロール食を投与して発生させた動脈硬化病変の退縮作用を示した15),16)。また、本剤を投与した高コレステロール血症のヒトを56箇月追跡調査した結果、冠動脈性心疾患の新規の発症を抑制することが認められた17)。
プロブコール〔Probucol(JAN)〕
4,4'-[Propan-2,2-diylbis(sulfandiyl)]bis[2,6-bis(1,1-dimethylethyl)phenol]
C31H48O2S2
516.84
白色の結晶性の粉末である。テトラヒドロフランに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に淡黄色となる。
125~128℃
PTP:100錠(10錠×10)
1) Molello, J. A.:社内資料(イヌにおける慢性毒性試験).1971.
2) Molello, J. A.:社内資料(サルにおける慢性毒性試験).1978.
3) 小富正昭 ほか:社内資料(ヒトにおける単回投与時の血漿中濃度).1981.
4) 近藤和雄 ほか:動脈硬化.1983;10(6):1103-1106.
5) Huwel, P. A. et al.:社内資料(ヒトにおける2年間投与時の血漿中濃度).1973.
6) Taylor, H. L.:社内資料(ヒトにおける吸収、代謝、排泄).1971.
7) 渡辺 彰 ほか:動脈硬化.1983;11(3):597-602.
8) Yamamoto, A. et al.:Atherosclerosis.1983;48(2):157-166.
9) Tomikawa, M. et al.:Atherosclerosis.1981;40(2):101-113.
10) 俵 克彦 ほか:動脈硬化.1983;10(6):1119-1124.
11) Matsuzawa, Y. et al.:Am J Cardiol.1988;62(3):66B-72B.
12) Parthasarathy, S. et al.:J Clin Invest.1986;77(2):641-644.
13) 大島研三 ほか:医学のあゆみ.1983;125(6):588-602.
14) 秦 葭哉 ほか:老年医学.1982;20(4):683-695.
15) Kritchevsky, D. et al.:Proc Soc Exp Biol Med.1971;136(4):1216-1221.
16) Wissler, R. W. et al.:Appl Pathol.1983;1(2):89-96.
17) Miettinen, T. A. et al.:Lancet.1981;II(8244):478.
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