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本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
気管支喘息治療における長期管理の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の使用であり、吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。
通常、成人にはプロカテロール塩酸塩水和物として1回50μg(1錠)を1日1回就寝前ないしは1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
甲状腺機能亢進症が増悪することがある。
血圧が上昇することがある。
動悸、不整脈、症状の増悪等があらわれることがある。
糖尿病が増悪することがある。
血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
カテコールアミン製剤
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。
アドレナリン、イソプレナリン等のカテコールアミン製剤の併用によりアドレナリン作動性神経刺激の増大が起こる。そのため不整脈を起こすことが考えられる。
キサンチン誘導体
低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下、心・血管症状等を増強することが考えられる。低カリウム血症の増強についての機序は不明である。
ステロイド剤
利尿剤
血清カリウム値が低下し、低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下を増強することが考えられる。
キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。,
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
動悸、頻脈
ほてり等
上室性期外収縮・上室性頻拍・心室性期外収縮・心房細動等
精神神経系
振戦、頭痛、めまい
不眠、手足のしびれ感等
手指の痙縮、筋痙直、筋痙攣、神経過敏
消化器
嘔気、胃部不快感等
嘔吐、口渇
過敏症
発疹等
そう痒感
肝臓
AST、ALT、LDHの上昇等の肝機能障害
その他
脱力感、鼻閉、耳鳴
全身倦怠感、血清カリウム値の低下、血糖上昇
本剤はアレルゲンによる皮膚反応に抑制的に作用するので、皮膚テストを実施する場合には、12時間前より本剤の投与を中止することが望ましい。
過量投与により、頻脈、頻脈性不整脈、血圧低下、神経過敏、振戦、低カリウム血症、高血糖、乳酸アシドーシス等があらわれることがある。
重篤な頻脈性不整脈発現時にはβ遮断剤(プロプラノロール塩酸塩等)が有効な場合があるが、気道抵抗を上昇させるおそれがあるので、喘息患者等への投与には十分注意すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性8例に本剤(プロカテロール塩酸塩水和物として50μg)を経口投与した時の血漿中プロカテロール濃度推移を図に示す。その時の薬物動態パラメータは以下に示した5)。
tmax(hr)
Cmax(pg/mL)
t1/2(hr)
AUC∞(pg・hr/mL)
1.44±0.82
136.4±62.9
3.83±0.93
690.2±262.9
デスイソプロピルプロカテロールの生成には、主としてCYP3A4分子種が関与する6)(in vitro)。ヒトにおける主要な代謝経路はグルクロン酸抱合体への抱合反応と考えられた。
本剤(プロカテロール塩酸塩水和物として50μg)を経口投与した時の投与後24時間までの累積尿中プロカテロール排泄率は15.7%であった。また、グルクロン酸抱合体の排泄率は23.6%であった。尿中にはその他の代謝物としてデスイソプロピルプロカテロールが0.48%排泄された5)。
国内212施設で、総計1,362例について実施された臨床試験の概要は次のとおりである7),8),9),10),11),12),13)。気管支喘息に対する有効率は、頓用試験(50~100注)µg)で51.1%(310/607例)、連用試験(50µg:1日1~4注)回、100注)µg:1日1~2回)で40.1%(188/469例)であり、慢性気管支炎、肺気腫に対する連用試験(50µg、1日1~3注)回)における有効率は20.2%(19/94例)、急性気管支炎に対する連用試験(50µg、1日2回)における有効率は50.0%(36/72例)であった。また、本剤の連用時、耐性は認められなかった。注)本剤の承認された用法及び用量は、1回50µgを1日1回又は2回である。
プロカテロール塩酸塩水和物は気管支平滑筋のβ2受容体を選択的に刺激し、気管支拡張作用を発現する。
イヌ、ネコ及びモルモットでのヒスタミン等による気道抵抗増大に対する抑制効果でみると、プロカテロール塩酸塩水和物の気管支拡張作用はイソプレナリンと同等かそれ以上の強さで、サルブタモール硫酸塩及びオルシプレナリン硫酸塩より強いことが確認された14),15),16),17),18)。
イヌ、ネコ及びモルモットで検討したプロカテロール塩酸塩水和物の気管支拡張作用持続時間は、イソプレナリン、トリメトキノール、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩より長いことが確認された14),15),16),18)。
心循環器系のβ受容体と気道系のβ受容体への臓器選択性をイヌ、ネコ及びモルモットで検討したところ、プロカテロール塩酸塩水和物はイソプレナリン、トリメトキノール、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩よりも優れた臓器選択性を示した14),15),16),18)。
モルモットあるいはラットでのレアギン性の気道抵抗増大、PCA反応及び肺からのヒスタミン遊離、成人気管支喘息患者での皮膚反応及びアレルゲン吸入誘発に対する抑制を指標としたプロカテロール塩酸塩水和物の抗アレルギー作用はイソプレナリン、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩より強いことが確認された。また、プロカテロール塩酸塩水和物はアレルゲン吸入による気管支反応に対しては即時型のみならず、遅発型にも抑制作用を有することが確認された19),20),21),22),23)。
プロカテロール塩酸塩水和物はハトの気道繊毛運動を亢進した24)。
プロカテロール塩酸塩水和物はトレッドミル負荷により誘発された気管支喘息患児の喘息発作を抑制した25)。
プロカテロール塩酸塩水和物はインフルエンザCウイルス接種によるイヌの気道過敏性亢進を抑制した26)。
各種起炎物質によるラット背部皮下の空気嚢内の血管透過性亢進及び浮腫の形成に対するプロカテロール塩酸塩水和物の抑制作用は、イソプレナリンとほぼ同等であることが確認された。また、ヒスタミン吸入によるモルモット肺水腫の形成に対し、プロカテロール塩酸塩水和物は抑制作用を有し、その作用はサルブタモール硫酸塩より強いことが確認された27),28)。
プロカテロール塩酸塩水和物はサブスタンスP吸入による急性気管支炎患者の咳の誘発を抑制した29)。
プロカテロール塩酸塩水和物〔Procaterol Hydrochloride Hydrate(JAN)〕
8-Hydroxy-5-{(1RS,2SR)-1-hydroxy-2-[(1-methylethyl)amino]butyl}quinolin-2(1H)-one monohydrochloride hemihydrate
C16H22N2O3・HCl・1/2H2O
335.83
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。水、ギ酸又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは4.0~5.0である。光によって徐々に着色する。水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
約195℃(分解)
アルミピロー開封後は湿気を避けて遮光保存すること。
**PTP:100錠(10錠×10)
1) 社内資料:妊娠ラットにおける胎盤通過性及び乳汁移行
2) 黒住正雄 ほか:応用薬理.1979;17(5):691-712.
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4) Jack, D. et al.:Toxicology.1983;27:315-320.
5) Kobayashi, H. et al.:Int J Clin Pharm Ther.2010;48(11):744-750.
6) 社内資料:P-450発現系ミクロゾームによるin vitro代謝試験
7) 伊藤和彦 ほか:日本胸部臨床.1979;38(10):828-835.
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9) 浜田朝夫 ほか:現代医療.1979;11(2):225-236.
10) 伊藤和彦 ほか:診断と治療.1979;67(2):376-388.
11) 井上とら夫 ほか:臨床と研究.1979;56(6):2003-2009.
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