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本剤の投与により脈拍数が増加し、狭心症が発現することがあるので、狭心症の症状(胸痛等)に対する問診を注意深く行うこと。脳梗塞再発抑制効果を検討する試験において、長期にわたりPRP(pressure rate product)を有意に上昇させる作用が認められた。また、本剤投与群に狭心症を発現した症例がみられた。,,,
無症候性脳梗塞における本剤の脳梗塞発作の抑制効果は検討されていない。
通常、成人には、シロスタゾールとして1回100mgを1日2回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
出血を助長するおそれがある。
出血した時、それを助長するおそれがある。
脈拍数増加により狭心症を誘発する可能性がある。,,,
出血性有害事象が発現しやすい。
遺伝的に著しく高い血圧が持続し脳卒中が発症するとされているSHR-SP(脳卒中易発症高血圧自然発症ラット)において、シロスタゾール0.3%混餌投与群は対照群に比較して生存期間の短縮が認められた(平均寿命:シロスタゾール群40.2週、対照群43.5週)。
腎機能が悪化するおそれがある。また、シロスタゾールの代謝物の血中濃度の上昇が報告されている。,
シロスタゾールの血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で異常胎児の増加3)並びに出生児の低体重及び死亡児の増加4)が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている5)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
抗凝固剤
血小板凝集を抑制する薬剤
血栓溶解剤
プロスタグランジンE1製剤及びその誘導体
出血した時、それを助長するおそれがある。併用時には出血等の副作用を予知するため、血液凝固能検査等を十分に行う。
本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。
薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害する薬剤
,,,
本剤の作用が増強するおそれがある。併用する場合は減量あるいは低用量から開始するなど注意すること。また、グレープフルーツジュースとの同時服用をしないように注意すること。
これらの薬剤あるいはグレープフルーツジュースの成分がCYP3A4を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇することがある。
薬物代謝酵素(CYP2C19)を阻害する薬剤
本剤の作用が増強するおそれがある。併用する場合は減量あるいは低用量から開始するなど注意すること。
これらの薬剤がCYP2C19を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇することがある。
,,
脳出血等の頭蓋内出血の初期症状として、頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺があらわれることがある。
出血を伴う胃・十二指腸潰瘍があらわれることがある。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多を伴う間質性肺炎があらわれることがある。このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
AST、ALT、Al-P、LDH等の上昇や黄疸があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、皮疹、そう痒感
蕁麻疹
光線過敏症、紅斑
循環器
動悸、頻脈、ほてり、心房細動・上室性頻拍・上室性期外収縮・心室性期外収縮等の不整脈
血圧上昇
血圧低下
精神神経系
頭痛・頭重感
眠気、めまい、不眠、しびれ感
振戦、肩こり
失神・一過性の意識消失
消化器
腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、胸やけ、腹部膨満感、味覚異常
口渇
血液
貧血、白血球減少、好酸球増多
出血傾向
皮下出血
血尿
肝臓
AST・ALT・Al-P・LDHの上昇
腎臓
尿酸値上昇、頻尿
BUN上昇、クレアチニン上昇、排尿障害
その他
浮腫、胸痛、耳鳴、倦怠感、発熱
発汗、疼痛、脱力感、血糖上昇、脱毛
結膜炎、筋痛
イヌを用いた13週間経口投与毒性試験7)及び52週間経口投与毒性試験8)において、高用量で左心室心内膜の肥厚及び冠状動脈病変が認められ、無毒性量はそれぞれ30mg/kg/day、12mg/kg/dayであった。ラット及びサルでは心臓の変化は認められなかった。1週間静脈内投与心臓毒性試験では、イヌに左心室心内膜、右心房心外膜及び冠状動脈の変化がみられ、サルでは軽度の左心室心内膜の出血性変化が認められた。他のPDE阻害剤や血管拡張剤においても動物に心臓毒性が認められており、特にイヌは発現しやすい動物種であると報告されている。
健康成人男性にシロスタゾール100mg(散剤又は錠剤)を空腹時単回経口投与した時の血漿中濃度推移を以下に示す。散剤は水なしで服用又は水で服用した場合のいずれにおいてもプレタール錠100mgと生物学的に同等であった(図16-1、表16-1)9)。
剤形
tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
t1/2(hr)
AUC60hr(ng・hr/mL)
散剤(水なし)
3.13±0.92
734.8±198.9
12.75±6.76
8,932.8±2,195.0
散剤(水あり)
2.87±1.02
710.8±178.7
12.94±8.15
8,369.1±1,985.4
錠剤
3.10±1.04
708.3±219.0
10.95±6.20
9,755.0±2,681.7
(平均値±標準偏差、n=31)
健康成人男性にシロスタゾール50mg注)を空腹時及び食後に単回経口投与したところ、食後投与の方が空腹時投与の場合よりCmaxで2.3倍、AUCinfで1.4倍高かった。注)本剤の承認された用量は1回100mgを1日2回である。
ヒト血漿蛋白結合率は、シロスタゾールでは95%以上(in vitro、平衡透析法、0.1~6μg/mL)、活性代謝物OPC-13015及びOPC-13213はそれぞれ97.4%及び53.7%(in vitro、限外ろ過法、1μg/mL)であった5),10)。
健康成人男性にシロスタゾール100mgを空腹時に経口投与した時、血漿中に活性代謝物としてシロスタゾールが脱水素化されたOPC-13015及び水酸化されたOPC-13213が検出された11)。シロスタゾールは肝ミクロゾーム中のチトクロームP450のアイソザイムのうち主としてCYP3A4、次いでCYP2D6、CYP2C19により代謝される12),13)(in vitro)。
健康成人男性にシロスタゾール50mg注)を経口投与した時、投与後72時間までに投与量の約30%が代謝物として尿中に排泄された11)。注)本剤の承認された用量は1回100mgを1日2回である。
重度の腎機能障害被験者(クレアチニンクリアランス5~25mL/min)にシロスタゾール1日100mgを8日間連続経口投与した時、健康成人に比べシロスタゾールのCmaxは29%、AUCは39%減少したが、活性代謝物のOPC-13213のCmaxは173%、AUCは209%増加した。軽度(クレアチニンクリアランス50~89mL/min)及び中等度(クレアチニンクリアランス26~49mL/min)の被験者において差は認められなかった14)(外国人データ)。
軽度(Child-Pugh分類A)及び中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害被験者にシロスタゾール100mgを単回経口投与した時、血漿中濃度は健康成人と差は認められなかった(シロスタゾールのCmaxは7%減少し、AUCは8%増加した)15)(外国人データ)。
シロスタゾール100mgとワルファリン25mgを併用投与したところ、シロスタゾールはR-、S-ワルファリンの代謝に影響を及ぼさなかった16)(外国人データ)。
エリスロマイシン500mg(1日3回)を7日間前投与後、シロスタゾール100mgとエリスロマイシン500mg(1日3回)を併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは47%、AUCは87%増加した17)(外国人データ)。
シロスタゾール100mgとケトコナゾール400mg(経口剤:国内未発売)を併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは94%、AUCは129%増加した18)(外国人データ)。
シロスタゾール100mgとジルチアゼム塩酸塩180mgを併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは34%、AUCは44%増加した19)(外国人データ)。
シロスタゾール100mgとグレープフルーツジュース240mLを併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは46%、AUCは14%増加した18)(外国人データ)。
オメプラゾール40mgを1日1回7日間前投与後、シロスタゾール100mgとオメプラゾール40mgを併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは18%、AUCは26%増加した20)(外国人データ)。
慢性動脈閉塞症患者205例を対象に実施した二重盲検比較試験を含む臨床試験(100~200mg/日)注)において、四肢の末梢血流障害による潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性症状に対する全般改善度は、改善以上66.1%(119/180例)、やや改善以上85.0%(153/180例)であった21)。注)本剤の承認された用量は1回100mgを1日2回である。
脳梗塞患者1,069例を対象に実施したプラセボ対照二重盲検比較試験において、シロスタゾール100mgを1日2回、最短1年(最長4年)投与した。脳梗塞の年間再発率はプラセボ5.75%(総観察期間(人×年):973.7、脳梗塞再発例数:56)に対し、シロスタゾール3.43%(総観察期間(人×年):873.8、脳梗塞再発例数:30)であり、シロスタゾールは脳梗塞再発のリスクを40.3%軽減させた。なお、二次評価項目である投薬期間における「理由を問わない死亡」では、シロスタゾール群及びプラセボ群の年間死亡率推定値は、それぞれ0.92%及び0.82%であり、年間死亡率の推定値に有意差は認められなかった。また、本試験において投薬期間中に狭心症を発症した症例は、プラセボ群(0/518例)に対しシロスタゾール群(6/516例)で多く認められた22)。,,副作用発現頻度は520例中137例(26.3%)であった。主な副作用は、頭痛53例(10.2%)、動悸27例(5.2%)、頭重(感)12例(2.3%)、嘔気7例(1.3%)、食欲不振5例(1.0%)及び不眠(症)5例(1.0%)であった。
脳梗塞患者(心原性脳塞栓症を除く)2,716例を対象に実施したアスピリン対照二重盲検比較市販後臨床試験において、シロスタゾール100mg1日2回又はアスピリン81mg1日1回を投与した。主要評価項目である脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)の年間発症率は、アスピリン3.71%(総観察期間(人×年):3,203.6、発症例数:119)に対し、シロスタゾール2.76%(総観察期間(人×年):2,965.9、発症例数:82)であり、アスピリンに対するシロスタゾールの非劣性が検証された(アスピリンに対するシロスタゾールのハザード比:0.743(95%信頼区間:0.564~0.981)、非劣性の許容限界値はハザード比1.33)。副次的評価項目のアスピリンに対するシロスタゾールのハザード比は、脳梗塞の再発で0.880(95%信頼区間:0.645~1.200)、虚血性脳血管障害(脳梗塞、TIA)の発症で0.898(95%信頼区間:0.675~1.194)、全死亡で1.072(95%信頼区間:0.497~2.313)、脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)、TIA、狭心症、心筋梗塞、心不全又は入院を要する出血の発症で0.799(95%信頼区間:0.643~0.994)であった23)。副作用発現頻度は、シロスタゾール群で1,337例中702例(52.5%)、アスピリン群で1,335例中562例(42.1%)であった。主な副作用は、シロスタゾール群では頭痛208例(15.6%)、動悸130例(9.7%)、頻脈73例(5.5%)及び洞性頻脈39例(2.9%)、アスピリン群で頭痛59例(4.4%)、皮下出血32例(2.4%)、胃潰瘍24例(1.8%)及び脳出血24例(1.8%)であった。
シロスタゾール〔Cilostazol(JAN)〕
6-[4-(1-Cyclohexyl-1H-tetrazol-5-yl) butyloxy]-3, 4-dihydroquinolin-2(1H)-one
C20H27N5O2
369.46
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品はメタノール、エタノール(99.5)又はアセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
158~162℃
*プラスチックボトル:100g
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