当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
カルニチン欠乏症
通常、成人には、レボカルニチンとして、1日1.5~3g(15~30mL)を3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。通常、小児には、レボカルニチンとして、1日体重1kgあたり25~100mg(0.25~1mL)を3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。
本剤投与中は、定期的にバイタルサイン、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、尿検査)、カルニチンの欠乏状態のモニタリングを行うことが望ましい。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与し、漫然と投与を継続しないこと。本剤の高用量の長期投与により、トリメチルアミン等の有害な代謝物が蓄積するおそれがある。重篤な腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
本剤投与により期待する効果が得られない場合には、漫然と投与を継続しないこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている1)。
患者の状態を観察し、減量するなど十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に生理機能が低下している。
糖尿病用薬
低血糖症状があらわれるおそれがある。
機序は不明である。
1%未満注)
頻度不明
消化器
食欲不振、下痢、軟便、腹部膨満感
悪心・嘔吐、腹痛
過敏症
発疹、そう痒感
その他
顔面浮腫、血尿、貧血
体臭
健康成人に、本剤30~90mg/kgを空腹時単回経口投与した時の血漿中遊離カルニチン濃度の推移を図16-1に示す。また、遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表16-1に示す。遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの血漿中薬物動態パラメータ(Cmax、AUC24h)は用量依存的に増加したが、用量比例的な増加ではなかった2)。
投与量
Cmax(µmol/L)
AUC24h(µmol·h/L)
tmax(h)
t1/2(h)
遊離カルニチン
30mg/kg
31.59(8.87)
334.91(98.74)
5.000(4.00-6.00)
41.57(47.38)
60mg/kg
43.89(14.47)
432.32(130.56)
5.000(3.00-5.00)
34.45(21.26)
90mg/kg
51.06(19.80)
466.09(188.10)
3.500(2.00-5.00)
24.71(13.33)
総カルニチン
37.89(12.56)
391.18(120.71)
45.73(76.93)
53.71(18.34)
501.14(160.86)
5.000(4.00-5.00)
22.94(14.03)
67.43(26.12)
565.24(227.38)
5.000(2.00-5.00)
24.83(25.13)
アシルカルニチン
7.54(3.92)
56.84(28.80)
5.000(2.00-24.00)
40.61(46.51)a
11.84(4.69)
70.81(34.77)
4.500(2.00-8.00)
8.73(7.48)b
18.36(7.98)
102.23(81.23)
112.14(290.52)c
平均値、( )内は標準偏差、ただしtmaxのみ中央値(最小値-最大値)10例(a:7例、b:9例、c:8例)投与後の血漿中濃度は、本剤を投与していない状態で測定した内因性の血漿中濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」-「ベースラインでの測定値」)として示した。
健康成人に、本剤(レボカルニチン内用液)1,000mg及びエルカルチン錠(レボカルニチン塩化物錠)1,200mgを空腹時単回経口投与した時の血漿中遊離カルニチンの濃度推移を図16-2に示す。また、遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表16-2に示す。本剤及びエルカルチン錠のいずれにおいても、投与後5時間にピークに達し、以降緩徐に減少した。遊離カルニチンの血漿中薬物動態パラメータ(Cmax、AUC24h、tmax)は、両製剤でほぼ類似していた3)。
本剤(1,000mg)
23.06(8.02)
228.34(107.30)
5.000(2.00-6.00)
46.08(77.86)
エルカルチン錠(1,200mg)
24.74(9.98)
265.49(123.68)
5.000(0.50-8.00)
64.93(119.83)
27.06(9.94)
260.55(137.94)
48.72(146.13)
29.82(12.63)
298.71(147.67)
5.000(0.50-5.00)
22.74(25.01)a
5.61(3.67)
41.43(40.49)
5.000(1.00-12.00)
39.09(43.58)b
6.69(3.50)
38.62(30.46)
5.000(4.00-24.00)
15.98(28.92)c
平均値、( )内は標準偏差、ただしtmaxのみ中央値(最小値-最大値)20例(a:19例、b:10例、c:13例)投与後の血漿中濃度は、薬剤を投与していない状態で測定した内因性の血漿中濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」-「ベースラインでの測定値」)として示した。エルカルチン錠(レボカルニチン塩化物)1,200mgは、分子量よりレボカルニチンとして978.7mgに換算され、本剤1,000mgにほぼ相当する。
健康成人に、本剤30、60及び90mg/kgを空腹時単回経口投与した時の24時間までのベースラインで補正した遊離カルニチンの累積尿中排泄率(fe,24h)は、それぞれ6.92%、5.92%及び5.59%と用量の増加に伴い低下した2)。
レボカルニチンは、有機カチオン/カルニチントランスポーター(OCTN2)の基質である4)。
一次性(全身性)カルニチン欠乏症患者1例にレボカルニチン1回1g1日3回経口投与したところ、筋萎縮の減少、筋力の改善が認められた5)(公表論文の成績、外国人データ)。
透析患者での二次性カルニチン欠乏症患者6例において、レボカルニチン2g/日 経口投与により、筋力の回復、筋痛、筋痙攣等の臨床症状の改善が認められた9)(公表論文の成績、外国人データ)。
バルプロ酸投与による二次性カルニチン欠乏症患者11例において、レボカルニチン50mg/kg/日 経口投与により、高蛋白摂取時の血漿中アンモニア濃度の上昇抑制が認められた10)(公表論文の成績、外国人データ)。
レボカルニチンの投与により組織内における慢性的なカルニチン欠乏状態を是正し、組織内で過剰に蓄積した有害なプロピオニル基をプロピオニルカルニチンとして体外(尿中)へ排泄させる。また、有害なプロピオニル基からミトコンドリア機能を保護し、その代謝を賦活する11)。
ラット肝ミトコンドリアを用いて、レボカルニチン塩化物(l-体)を光学異性体であるd-カルニチン塩化物及びdl-カルニチン塩化物と比較検討した。その結果、l-体はミトコンドリア呼吸活性への抑制作用を示さず、プロピオン酸によるミトコンドリア呼吸能の抑制作用に対して有意な回復作用を示した11)(in vitro)。
レボカルニチン〔Levocarnitine(JAN)〕
(R)-3-Hydroxy-4-trimethylammoniobutanoate
C7H15NO3
161.20
白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。吸湿性である。水溶液(1→20)のpHは6.5~8.5である。
約200℃(分解)
瓶:100mL
分包:5mL×10包
分包:10mL×10包
1) 羽鳥泰彦 ほか:医薬品研究.1988;19(2):324-340.
2) 桐生千花:社内資料(単回経口投与試験).2011.(2012年12月25日承認、CTD2.7.6.1)
3) 桐生千花:社内資料(レボカルニチン塩化物錠との薬物動態比較試験).2012.(2012年12月25日承認、CTD2.7.6.2)
4) 崔 吉道:ビタミン.2010;84(12):604-609.
5) Levitan, M. D. et al.:Can J Neurol Sci.1987;14(1):50-54.
6) Pierre, G. et al.:J Inherit Metab Dis.2007;30(5):815.
7) Chalmers, R. A. et al.:Pediatr Res.1984;18(12):1325-1328.
8) Mayatepek, E. et al.:Pediatr Neurol.1991;7(2):137-140.
9) Giovenali, P. et al.:Kidney Int.1994;46(6):1616-1619.
10) Gidal, B. E. et al.:Pediatr Neurol.1997;16(4):301-305.
11) 藤澤茂樹 ほか:日薬理誌.1989;93(5):305-313.
大塚製薬株式会社 医薬情報センター
〒108-8242 東京都港区港南2-16-4品川グランドセントラルタワー
電話 0120-189-840FAX 03-6717-1414
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.