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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
カルニチン欠乏症
通常、レボカルニチンとして1回体重1kgあたり50mgを3~6時間ごとに、緩徐に静注(2~3分)又は点滴静注する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日の最大投与量は体重1kgあたり300mgとする。血液透析に伴うカルニチン欠乏症に対しては、通常、レボカルニチンとして体重1kgあたり10~20mgを透析終了時に、透析回路静脈側に注入(静注)する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。
本剤の投与に際しては、臨床症状の改善の程度と副作用の発現の程度及び定期的な臨床検査、バイタルサイン、カルニチンの欠乏状態等から投与量を総合的に判断すること。また、増量する場合には慎重に判断し、漫然と投与を継続しないこと。
本剤投与中は、定期的にバイタルサイン、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、尿検査)、カルニチンの欠乏状態のモニタリングを行うことが望ましい。
患者の状態を観察しながら慎重に投与し、漫然と投与を継続しないこと。レボカルニチン経口剤の高用量の長期投与により、トリメチルアミン等の有害な代謝物が蓄積するおそれがある。重篤な腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
本剤投与により期待する効果が得られない場合には、漫然と投与を継続しないこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット:経口)で胎児への移行が報告されている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット:経口)で乳汁中への移行が報告されている1)。
患者の状態を観察し、減量するなど十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に生理機能が低下している。
糖尿病用薬
低血糖症状があらわれるおそれがある。
機序は不明である。
1%未満注)
頻度不明
消化器
食欲不振、下痢、軟便、腹部膨満感
悪心・嘔吐、腹痛
過敏症
発疹、そう痒感
その他
顔面浮腫、血尿、貧血
体臭
使用時には以下の点に注意すること。
シリンジの再滅菌はしないこと。開封後の使用は1回限りとし、使用後の残液はシリンジとともに速やかに廃棄すること。
健康成人に、本剤30及び60mg/kgを5分間かけて、空腹時単回静脈内投与した時の血漿中遊離カルニチン濃度の推移を図16-1に示す。また、遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表16-1に示す。遊離カルニチン及び総カルニチンの血漿中薬物動態パラメータ(Cmax、AUC24h)は用量増加に伴い上昇した2)。
投与量
Cmax(µmol/L)
AUC24h(µmol·h/L)
tmax(h)
t1/2(h)
遊離カルニチン
30mg/kg
1,326.19(266.07)
2,059.39(216.80)
0.170(0.08-0.17)
25.73(11.41)
60mg/kg
2,606.30(552.44)
3,856.16(294.28)a
0.125(0.08-0.17)
23.73(5.78)
総カルニチン
1,347.52(271.69)
2,190.86(243.38)
20.82(8.69)
2,582.45(549.67)
4,066.51(319.84)a
21.72(4.52)
アシルカルニチン
32.81(10.04)
131.47(32.04)
0.170(0.08-2.00)
18.46(17.80)a
24.06(10.58)a
213.91(70.69)a
1.000(0.08-6.00)a
18.19(13.31)
平均値、( )は標準偏差、ただし、tmaxのみ中央値(最小値-最大値)、10例(a:9例)投与後の血漿中濃度は、本剤を投与していない状態で測定した内因性の血漿中濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」-「ベースラインでの測定値」)として示した。
健康成人に、本剤30及び60mg/kgを空腹時単回静脈内投与した時の24時間までのベースラインで補正した遊離カルニチンの累積尿中排泄率(fe,24h)は、それぞれ75.80%及び75.20%であった2)。
レボカルニチンは、有機カチオン/カルニチントランスポーター(OCTN2)の基質である3)。
カルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ(CACT)欠損症患児1例にレボカルニチン200mg/kg/日を静脈内投与したところ、血漿中遊離カルニチン濃度の上昇及び長鎖アシルカルニチン濃度の低下が認められ、心機能が正常化し、不整脈が消失した4)(公表論文の成績、外国人データ)。
レボカルニチンの投与により組織内における慢性的なカルニチン欠乏状態を是正し、組織内で過剰に蓄積した有害なプロピオニル基をプロピオニルカルニチンとして体外(尿中)へ排泄させる。また、有害なプロピオニル基からミトコンドリア機能を保護し、その代謝を賦活する9)。
ラット肝ミトコンドリアを用いて、レボカルニチン塩化物(l-体)を光学異性体であるd-カルニチン塩化物及びdl-カルニチン塩化物と比較検討した。その結果、l-体はミトコンドリア呼吸活性への抑制作用を示さず、プロピオン酸によるミトコンドリア呼吸能の抑制作用に対して有意な回復作用を示した9)(in vitro)。
レボカルニチン〔Levocarnitine(JAN)〕
(R)-3-Hydroxy-4-trimethylammoniobutanoate
C7H15NO3
161.20
白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。吸湿性である。水溶液(1→20)のpHは6.5~8.5である。
約200℃(分解)
スリップタイプ:5mL×10シリンジルアーロックタイプ:5mL×10シリンジ
1) 羽鳥泰彦 ほか:医薬品研究.1988;19(2):324-340.
2) 桐生千花:社内資料(単回静脈内投与試験).2011.(2012年12月25日承認、CTD2.7.6.1)
3) 崔 吉道:ビタミン.2010;84(12):604-609.
4) Iacobazzi, V. et al.:Am J Med Genet A.2004;126A(2):150-155.
5) Ahmad, S. et al.:Kidney Int.1990;38(5):912-918.
6) Brass, E. P. et al.:Am J Kidney Dis.2001;37(5):1018-1028.
7) Arduini, A. et al.:Nephrol Dial Transplant.2006;21(9):2671-2672.
8) Veselá, E. et al.:Nephron.2001;88(3):218-223.
9) 藤澤茂樹 ほか:日薬理誌.1989;93(5):305-313.
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