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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤に感性の結核菌
多剤耐性肺結核
通常、成人にはデラマニドとして1回100mgを1日2回朝、夕に食後経口投与する。
リスクとベネフィットを考慮して本剤投与の適応を慎重に判断すること。QT延長が悪化するおそれがある。,
リスクとベネフィットを考慮して本剤投与の適応を慎重に判断すること。QT延長があらわれるおそれがある。,
未変化体及び代謝物の血漿中濃度が上昇し、QT延長等の副作用が発現するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ウサギ)でデラマニドの投与により早期吸収胚の増加が報告されている1)。動物実験(ラット)で主代謝物の投与により、外形異常、内臓及び骨格変異の出現率の増加が報告されている1)。また、動物実験(ラット)で胎盤通過が報告されている2)。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている2)。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
リスクとベネフィットを考慮して本剤投与の適応を慎重に判断すること。QT延長を起こすおそれがある。
併用により相加的なQT延長を起こすおそれがある。
低カリウム血症を起こすことが知られている薬剤
低カリウム血症を起こすおそれがある。
本剤及びこれらの薬剤はQT延長の原因となる電解質異常を起こすおそれがある。
,,,
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
精神神経系
めまい、頭痛、傾眠、不眠症
錯感覚、不安、振戦
感覚鈍麻、嗜眠、睡眠障害、末梢性ニューロパチー、平衡障害、不快感、リビドー亢進、激越、うつ病、精神障害、精神病性障害
幻覚
消化器
悪心、嘔吐、腹痛
胃炎、腹部不快感、食欲不振、消化不良、下痢
食欲亢進、味覚異常
循環器
動悸
房室ブロック、期外収縮、高血圧、低血圧
血液
貧血、赤血球増加、白血球減少、好酸球増加
肝臓
肝機能異常
高ビリルビン血症
皮膚
発疹、そう痒症、ざ瘡、多汗症
皮膚炎、蕁麻疹、脱毛症
その他
ほてり、耳鳴、無力症、関節痛、筋痛、高尿酸血症、低カリウム血症、コルチゾール上昇
呼吸困難、耳痛、眼痛、霧視、屈折障害、倦怠感、胸部不快感、胸痛、側腹部痛、四肢痛、口腔咽頭痛、喀血、コルチゾール低下
**咽喉刺激感、甲状腺機能低下症、筋力低下、筋痙縮
QT延長を起こすおそれがある。
心電図検査を実施し、患者の状態を十分に観察すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人に本剤100mg又は200mg注)を食後に単回及び1日1回10日間反復経口投与した時の未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを図16-1及び表16-1に示す。健康成人に本剤100mg又は200mgを1日1回食後反復経口投与した時の未変化体の血漿中濃度は10日以内に定常状態に達し、約2倍の累積がみられた3)。
tmax(h)
Cmax(ng/mL)
AUCa)(ng・h/mL)
t1/2(h)
単回投与
100mg
4.0(4.0-5.0)
201.1(17.5)
3,190.8(23.2)
25.6(35.2)
200mg
4.5(2.0-5.0)
212.4(26.9)
3,275.7(17.5)
29.4(18.8)
反復投与
4.5(4.0-5.0)
327.7(16.5)
4,207.5(20.9)
26.4(32.3)
4.0(3.0-5.0)
422.0(20.1)
5,230.0(16.2)
33.0(10.4)
平均値(CV%)、tmaxのみ中央値(範囲)、6例ただし、反復投与時の200mgのみ5例a)単回投与時はAUC∞、反復投与時はAUC24h
多剤耐性肺結核患者に標準治療と併用して本剤1回100mgを1日2回56日間食後投与した時の未変化体の血漿中濃度は14日以内で定常状態に達した。また、QTc延長作用に主に関与している代謝物(DM-6705)の血漿中濃度は投与開始後6週間で定常状態に達した。未変化体及び代謝物(DM-6705)の薬物動態パラメータを表16-2に示す4)(外国人データを含む)。
AUC24h(ng・h/mL)
未変化体(144例, t1/2:66例)
3.02(0.00-9.97)
414(39.9)
7,925(37.5)
37.8(34.3)
代謝物(DM-6705)(144例, t1/2:140例)
9.97(0.00-24.0)
151(44.6)
3,125(44.7)
231(36.7)
平均値(CV%)、tmaxのみ中央値(範囲)、tmax及びCmaxは朝投与時の値
健康成人に本剤200mg注)を単回経口投与した時、食後投与時に比べ空腹時ではCmax及びAUCはそれぞれ0.53倍及び0.56倍であった。健康成人に本剤400mg注)を単回経口投与した時、標準食(555kcal、脂肪16g)投与時に比べ、高脂肪食(913kcal、脂肪54g)ではCmax及びAUCはそれぞれ2.21倍及び2.06倍であった5)。
デラマニド及びDM-6705のヒト血清蛋白結合率は、99.5%以上であった6)(in vitro、平衡透析法)。
デラマニドは、主として血漿中でアルブミンにより代謝される7)。また、ヒトチトクロームP450(CYP)分子種のうち、CYP3A4によりわずかに代謝される。DM-6705は、CYP3A4、CYP1A1、CYP2D6及びCYP2E1により代謝される6)。
健康成人に、14C-デラマニド100mgを食後に単回経口投与した時、糞中及び尿中にそれぞれ投与した放射能の89%及び3%が排泄された。未変化体の糞中からの回収率は投与量の53~75%であったが、尿中からは回収されなかった8)(外国人データ)。
健康成人において、本剤は併用したリファンピシン[R]・イソニアジド[H]・ピラジナミド[Z]のCmax及びAUCに影響を及ぼさなかったが、エタンブトール[E]のCmax及びAUCは本剤の併用によってそれぞれ27%及び23%増加した。本剤のCmax及びAUCは[R]/[H]/[Z]/[E]との併用投与により45%減少した9)(外国人データ)。
健康成人において、本剤は併用したテノホビル、ロピナビル・リトナビル及びエファビレンツのCmax及びAUCに影響を及ぼさなかった。本剤のCmax及びAUCは、テノホビル及びエファビレンツの併用により変化しなかったが、ロピナビル・リトナビルの併用でそれぞれ18%及び22%増加した10),11)(外国人データ)。
デラマニドは、各CYP分子種活性に対する阻害作用及び誘導作用はない12)。また、MDR1、BCRP、OCT1、OATP1B1及びOATP1B3の各トランスポーターの基質ではなく、MDR1、BCRP、OAT1、OAT3、OCT1、OCT2、OATP1B1、OATP1B3及びBSEPの各トランスポーターも阻害しない13)。
注)本剤の承認された用量は、通常1回100mgを1日2回である。
多剤耐性肺結核患者(481例、日本人12例を含む)を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施し、本剤100mg1日2回又は200mg注)1日2回を標準治療に上乗せして56日間投与時の有効性及び安全性を検討した。本剤100mg群及びプラセボ群の喀痰中菌陰性化率は、それぞれ45.4%(64/141例)及び29.6%(37/125例)であり、対比較において、統計学的に有意な差が認められた(p=0.0083、空洞形成の有無を層としたCochran-Mantel-Haenszel検定)14)。本剤100mg群の副作用発現頻度は、161例中62例(38.5%)であった。主な副作用は、不眠症13例(8.1%)、嘔吐10例(6.2%)、心電図QT延長10例(6.2%)及び傾眠7例(4.3%)であった。
第Ⅱ相国際共同試験に組入れられた多剤耐性肺結核患者(その後の6箇月継続投与試験に参加した患者を含む)の2年後の最終治療転帰について、治癒又は治療完了した患者の割合は、本剤100mg1日2回又は200mg注)1日2回を6箇月以上#標準治療に上乗せした患者集団で74.5%(143/192例)、標準治療への上乗せが2箇月以下だった患者集団では55.0%(126/229例)であった15)。
#:第Ⅱ相国際共同試験で56日(2箇月)、継続投与試験で6箇月
第Ⅱ相国際共同試験において、多剤耐性肺結核患者(481例、日本人12例を含む)を対象に、本剤100mg1日2回又は200mg注)1日2回を標準治療に上乗せして56日間投与した結果、QTcF間隔の平均変化量は投与期間とともに増加し、用量依存的なQT延長が認められた(表17-1)4)。なお、本剤100mg1日2回群は56日目の投与後4時間において最大16.8msecを示し、その時のプラセボ群の変化量は5.0msecであった。また、本剤200mg1日2回群は56日目の投与後10時間において最大20.8msecを示し、その時のプラセボ群の変化量は5.2msecであった。その後の6箇月継続投与試験では、QTcF間隔の平均変化量は6週目以降安定し、6箇月の投薬期間中はそのまま変化量が増大することなく推移した(表17-2)16)。また、本剤を56日間投与した結果、QTcF間隔の変化がいずれかの時点で60msec以上延長した患者は、本剤100mg1日2回群で7.5%(12/161例)、本剤200mg1日2回群で10.6%(17/160例)であった4)。このうち1例はQTcF間隔が500msecを超えていた。その後の6箇月継続投与試験では、本剤100mg1日2回群で3.6%(5/137例)、本剤200mg1日2回群で3.9%(3/76例)であった16)。
投与日
QTcFの変化量(msec)
本剤100mg1日2回+OBR(161例)
本剤200mg1日2回+OBR(160例)
プラセボ+OBR(160例)
1日目
-0.1(11.7)
-1.2(10.5)
-3.2(10.4)
14日目
6.7(13.2)
6.8(13.1)
-1.2(14.6)
28日目
6.1(17.7)
11.4(15.1)
0.1(15.1)
56日目
12.8(16.6)
14.7(16.0)
-0.4(14.5)
平均値(標準偏差)OBR:最適な標準治療法QTcF:Fridericiaの式を用いた個々の補正QT間隔QTcFのベースラインからの変化量
週目
本剤100mg1日2回+OBR
本剤200mg1日2回+OBR
例数
2
115
10.4(194.2)
68
11.2(192.2)
6
110
13.5(140.8)
65
9.60(195.2)
10
74
16.5(133.8)
39
10.4(249.0)
14
104
13.7(141.7)
60
10.0(217.5)
18
86
13.0(167.9)
43
12.3(188.5)
22
94
14.4(147.0)
49
9.73(223.7)
26
98
14.6(140.7)
55
13.7(154.3)
平均値(CV%)OBR:最適な標準治療法QTcF:Fridericiaの式を用いた個々の補正QT間隔QTcFのベースラインからの変化量
結核菌特有のミコール酸の生合成を阻害する17)。
多剤耐性結核菌、超多剤耐性結核菌を含む結核菌群に抗菌活性を示し、細胞内結核菌及び嫌気条件下の休眠型結核菌に対しても抗菌活性を示した17),18),19),20),21)(in vitro)。
マウス慢性結核症モデルにおいて、経口投与による肺内生菌数の用量相関的な減少が認められ、治療効果を示した。また、免疫応答及び免疫不全マウス結核症モデルにおいても、同程度の治療効果を示した17)。
マウス及びモルモット慢性結核症モデルにおいて、既存の抗結核薬との併用投与による治療期間の短縮が認められた。また、モルモット慢性結核症モデルにおいて、嫌気環境の結核菌に対して治療効果を示した21),22)。
結核菌が有する補酵素F420関連遺伝子の変異により耐性が獲得される。デラマニドの自然耐性菌出現頻度はリファンピシンよりも高く、イソニアジドと同等であった。しかし、他の抗結核薬との交叉耐性は認められていない17),23)(in vitro)。
デラマニド〔Delamanid(JAN)〕
(2R)-2-Methyl-6-nitro-2-[(4-{4-[4-(trifluoromethoxy)phenoxy]piperidin-1-yl}phenoxy)methyl]-2,3-dihydroimidazo[2,1-b]oxazole
C25H25F3N4O6
534.48
白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、テトラヒドロフランにやや溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約195℃(分解)
吸湿性を有するためPTP包装のまま保存すること。
日本人での投与経験が極めて限られていることから、製造販売後一定期間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
PTP:20錠(10錠×2)
1) 社内資料:デラマニドの毒性試験(2014年7月4日承認、CTD2.6.6)
2) 社内資料:ラット胎盤通過性及び乳汁移行(2014年7月4日承認、CTD2.6.4.4、2.6.4.6)
3) 社内資料:反復投与試験(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.2)
4) 社内資料:多剤耐性肺結核患者を対象としたプラセボとの二重盲検試験(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.4)
5) 社内資料:単回投与試験(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.2)
6) Sasahara, K. et al.:Drug Metab Dispos.2015;43(8):1267-1276.
7) Shimokawa, Y. et al.:Drug Metab Dispos.2015;43(8):1277-1283.
8) 社内資料:14C-デラマニド単回投与試験(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.3)
9) 社内資料:エタンブトール及びRifaterⓇ併用時の相互作用(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.2)
10) 社内資料:抗HIV薬併用時の相互作用(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.2)
11) 社内資料:エファビレンツ併用時の相互作用(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.2)
12) Shimokawa, Y. et al.:Biol Pharm Bull.2014;37(11):1727-1735.
13) Sasabe, H. et al.:Antimicrob Agents Chemother.2016;60(6):3497-3508.
14) Gler, M. T. et al.:N Engl J Med.2012;366(23):2151-2160.
15) Skripconoka, V. et al.:Eur Respir J.2013;41(6):1393-1400.
16) 社内資料:多剤耐性肺結核患者を対象とした長期投与試験(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.4)
17) Matsumoto, M. et al.:PLoS Medicine.2006;3(11):2131-2144.
18) 社内資料:臨床試験で分離した結核菌(多剤耐性、超多剤耐性)に対するデラマニドの感受性(2014年7月4日承認、CTD2.6.2.2)
19) 社内資料:日本で分離された結核菌(多剤耐性、超多剤耐性)に対するデラマニドの感受性1(2014年7月4日承認、CTD2.6.2.2)
20) 社内資料:日本で分離された結核菌(多剤耐性、超多剤耐性)に対するデラマニドの感受性2(2014年7月4日承認、CTD2.6.2.2)
21) Chen, X. et al.:Antimicrob Agents Chemother.2017;61(6):e02402-16.
22) 社内資料:マウス慢性結核症モデルでの多剤耐性結核症に対するデラマニドを含む併用療法の解析(2014年7月4日承認、CTD2.6.2.5)
23) Fujiwara, M. et al.:Tuberculosis.2018;108:186-194.
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