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処方箋医薬品注)
ヘリコバクター・ピロリの感染診断
通常、成人には、尿素(13C)として100mg(1錠)を空腹時に経口投与する。[標準的な13C-尿素呼気試験法](1)ユービット錠100mgの服用前に呼気を採取する。(2)ユービット錠100mg(1錠)をつぶしたりせず、空腹時に水100mLとともに噛まずに速やかに(5秒以内に)嚥下する。(3)服用後左側臥位の姿勢を5分間保ち、その後は座位の姿勢を保つ。(4)ユービット錠100mg服用後20分に呼気を採取する。(5)服用前と服用後の呼気中13CO2(13CO2/12CO2比)を測定し、その変化量(Δ13C)を算出し判定する。
ユービット錠100mg服用後20分のΔ13C:2.5‰以上をH. pylori陽性と判定する。
13C-尿素呼気試験法の判定結果は、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウム等のプロトンポンプインヒビター(PPI)、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン、テトラサイクリン等の抗生物質、メトロニダゾール、ビスマス製剤及び抗ウレアーゼ活性のあるエカベトナトリウム水和物等のヘリコバクター・ピロリに対する静菌作用を有する薬剤の服用中や中止直後では偽陰性になる可能性があるため、除菌前及び除菌後の感染診断の実施に当たっては、当該静菌作用を有する薬剤投与中止又は終了後2週間以上経過していること。
除菌判定については、除菌治療薬剤投与終了後4週以降の時点で実施すること。
本剤は錠剤であることから、胃内で十分停滞せず通過する場合や本剤の溶解が遅くなり呼気反応が遅れること等により、陰性と判定される可能性がある2)。
陽性と判定される可能性がある3),4),5)。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
0.5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹
消化器
腹部膨満感、下痢、心窩部不快感
悪心、嘔吐
その他
血清カリウム値の上昇
服用に際しては錠剤をつぶしたりせず、噛まずに速やかに(5秒以内に)嚥下するよう注意すること。本剤が口腔内で崩壊すると、ウレアーゼ活性を有する口腔内常在菌の影響を受け陽性と判定される可能性がある。なお、本剤を水に投入した時、フィルムコートが剥離し始める時間は5~8秒であった。
健康成人(H. pylori抗体価:陽性5例、陰性5例)に尿素(13C)として100mgを空腹時単回経口投与した時の尿素(13C)の薬物動態パラメータを下表に示す6)。
H. pylori抗体価
Tmax(hr)
Cmax(µg/mL)
t1/2(hr)
AUC0-24hr(µg・hr/mL)
陽性
0.6±0.2
2.3±0.5
7.7±1.7
21.3±5.4
陰性
1.1±1.1
3.0±0.8
5.7±1.6
24.1±13.4
平均値±標準偏差、5例、数値は全て内因性の13C-尿素を除いた値
ほぼ全量吸収された7)(ラット)。
血漿蛋白結合率は6.6%であった8)(イヌ)。
体内では代謝されない6),7)。
腎排泄6)
H. pylori非感染者(7例)に、一晩絶食後、20mLの水に溶解した14C-尿素(尿素として50mg)を単回経口投与した時、投与後3日目までの14Cの尿中排泄率は約90%であった9)。
上部消化管疾患が疑われた患者260例に本剤100mgを空腹時単回経口投与し13C-尿素呼気試験を行った。生検法を組合わせた診断法(FDA判定基準:1995年)10)をもとに診断したH. pylori感染者130例及び非感染者124例を対象に、質量分析法で呼気中13CO2を測定した結果、カットオフ値2.5‰、呼気採取時間20分において、感度97.7%、特異度98.4%及び正診率98.0%であった。また、本試験において、赤外分光法と質量分析法で測定した呼気中Δ13C値(2,542ポイント)を比較すると、その値はよく一致した。副作用発現頻度は、259例中7例(2.7%)であり、副作用は、血中カリウム増加2例(0.8%)、腹部膨満、下痢、軟便、白血球減少及び白血球増加が各1例(0.4%)であった。
H. pyloriは高いウレアーゼ活性を有している。安定同位元素13Cで標識された本剤をヒトに経口投与すると、胃内にH. pyloriが存在する場合は、そのウレアーゼ活性によって本剤は13CO2とNH3に分解され、13CO2は血中に移行した後、呼気中に排出される。13C-尿素呼気試験は、この原理を応用して尿素(13C)服用後の呼気中13CO2濃度の変化を測定することにより、H. pyloriの存在を検出する方法である。
尿素(13C)〔Urea(13C)(JAN)〕
13C-尿素
13CH4N2O
61.05
無色~白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水溶液(1→100)は中性である。
133.5~135.5℃
吸湿性を有するため、SP包装開封後は速やかに使用すること。
SP:2錠(2錠×1)、10錠(2錠×5)
1) 加藤元嗣 ほか:日本消化器病学会雑誌.2001;98(7):853.
2) 加藤元嗣 ほか:Helicobacter pyloriと胃粘膜病変-最新の研究成果-.先端医学社 東京.1995;151-158.
3) Borriello, S. P. et al.:J Clin Pathol.1985;38(8):946-953.
4) McNulty, C. A. M. et al.:J Clin Pathol.1989;42(6):585-591.
5) Vaira, D. et al.:J Clin Pathol.1988;41(7):812-813.
6) 浅木 茂 ほか:臨床薬理.1996;27(3):607-616.
7) 大住孝彦 ほか:薬理と治療.1996;24(6):1365-1374.
8) Watanabe, J. et al.:J Pharm Dyn.1984;7:294-303.
9) Munster, D. J. et al.:Scand J Gastroenterol.1993;28(8):661-666.
10) FDA Center for Drug Evaluation and Research:Division of anti-infective drug products:Points to consider;Clinical development and labeling of anti-infective drug products, March 1995 Addendum(draft)Helicobacter pylori-associated peptic ulcer disease Indication #25.
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