医療用医薬品 詳細表示

1. 14.1.1 本剤は必ず希釈し、濃度に注意して使用すること。
2. 14.1.2 希釈倍数

   濃度	0.01％	0.02％	0.025％	0.05％	0.1％	0.2％
   希釈倍数	1000倍	500倍	400倍	200倍	100倍	50倍

3. 14.1.3 炎症又は易刺激性の部位（粘膜、陰股部等）に使用する場合には、通常の部位に使用するよりも低濃度とすることが望ましい。
4. 14.1.4 希釈液として塩類含量の多い水又は硬水を用いる場合には、通常用いる濃度の1.5～2倍の溶液として使用すること。
5. 14.1.5 深い創傷面又は眼に使用する場合の希釈液としては、注射用水か滅菌精製水を用い、水道水や精製水を用いないこと。
6. 14.1.6 繊維、布（綿、ガーゼ、ウール、レーヨン等）は、ベンザルコニウム塩化物を吸着するので、これらを溶液に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下とならないように十分量の溶液を用いること。
7. 14.1.7 金属器具を長時間浸漬する必要がある場合は、腐蝕を防止するためにベンザルコニウム塩化物0.1％（本剤100倍）溶液に0.5～1.0％の亜硝酸ナトリウムを添加すること。

1. 14.2.1 経口投与しないこと。
2. 14.2.2 原液又は濃厚液を使用すると刺激症状があらわれることがあるので、皮膚・粘膜に付着しないように、また眼に入らないように注意すること。眼に入ったり、皮膚・粘膜に付着した場合には直ちに水でよく洗い流すこと。
3. 14.2.3 全身吸収による筋脱力を起こすおそれがあるので、粘膜、創傷面、炎症部位に長期間又は広範囲に使用しないこと。
4. 14.2.4 密封包帯、ギプス包帯、パックに使用すると刺激症状があらわれることがあるので、使用しないことが望ましい。
5. 14.2.5 血清、膿汁等の有機性物質は殺菌作用を弱めるので、これらが付着している医療器具に用いる場合は、十分に洗い落してから使用すること。
6. 14.2.6 石けん類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石けん分を洗い落してから使用すること。
7. 14.2.7 皮膚消毒に使用する綿球、ガーゼ等は滅菌保存し、使用時に溶液に浸すこと。
8. 14.2.8 合成ゴム製品、合成樹脂製品、光学器具、鏡器具、塗装カテーテル等への使用は避けることが望ましい。
9. 14.2.9 皮革製品の消毒に使用すると、変質させることがあるので使用しないこと。

タンパク質変性及び酵素の切断、糖の分解と乳酸の酸化など代謝への作用、膜透過性障害による溶菌、リン及びカリウムの漏出、解糖の促進、原形質膜の活動を支える酵素に対する作用などが考えられている¹⁾。

ベンザルコニウム塩化物は、グラム陽性、陰性菌のみならず、芽胞のない細菌やカビ類といった真菌類に対しても殺菌作用を有する。しかし、結核菌及び大部分のウイルスに対する殺菌効果は期待できない¹⁾。