医療用医薬品 詳細表示

オーツカMV注

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2ビタミン補給効果
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

オーツカMV注

添付文書番号

3179513A1026_2_10

企業コード

180079

作成又は改訂年月

2023年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873179

薬効分類名

経中心静脈栄養輸液用総合ビタミン剤

承認等

オーツカMV注

販売名コード

YJコード

3179513A1026

販売名英語表記

Otsuka MV injection

販売名ひらがな

おおつかえむぶいちゅう

承認番号等

承認番号

16300AMZ00707

販売開始年月

1988年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

使用期限

3年

一般的名称

高カロリー輸液用総合ビタミン剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤又は本剤配合成分に過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 血友病の患者[パンテノールを含有しているため、出血時間を延長するおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

本剤は1号に2号を使用時に加え、溶解して用いる組み合わせ注射剤である。

オーツカMV注

1号(凍結乾燥剤)

1バイアル中
有効成分チアミン塩化物塩酸塩   3.9mg
(チアミンとして   3.1mg )
リボフラビンリン酸エステルナトリウム   4.6mg
(リボフラビンとして   3.6mg )
ピリドキシン塩酸塩   4.9mg
(ピリドキシンとして   4mg )
シアノコバラミン   5µg
ニコチン酸アミド   40mg
葉酸   0.4mg
アスコルビン酸   100mg
パンテノール   14mg
(パントテン酸として   15mg )
ビオチン   0.06mg
添加剤デキストラン40   180mg
水酸化ナトリウム   適量

2号(水性注射液)

1アンプル4mL中
有効成分ビタミンA油   3300 ビタミンA単位
コレカルシフェロール   5µg(200 IU)
トコフェロール酢酸エステル   10mg
フィトナジオン   2mg
添加剤ポリソルベート80   40mg
ポリソルベート20   8mg
D-ソルビトール   160mg
マクロゴール400   80mg
無水クエン酸   0.47mg
クエン酸ナトリウム水和物   5.35mg

ビタミンA油にはラッカセイ油が含まれる。

3.2 製剤の性状

オーツカMV注

1号:バイアル入り

pH5.5〜6.5注)
性状外観:黄色の粉末又は塊
溶状:黄褐色澄明な液注)

注)本品1バイアルに注射用水4mLを加えて溶かすとき

2号:アンプル入り

pH5.8〜6.8
性状外観:淡黄色澄明の液

4. 効能又は効果

経口・経腸管栄養補給が不能又は不十分で高カロリー静脈栄養に頼らざるを得ない場合のビタミン補給

6. 用法及び用量

1号に2号を加えて溶解した後、高カロリー静脈栄養輸液に添加し、中心静脈より点滴投与する。
用量は、通常成人1日1組とする。
なお、年齢・症状に応じて適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

本剤は高カロリー静脈栄養輸液添加用ビタミン剤であるため、単独投与及び末梢静脈内投与は避けること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 高カルシウム血症の患者

    血液・尿検査を行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。コレカルシフェロールを含有している。

  2. 9.1.2 本人又は両親・兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を持つ患者
  3. 9.1.3 遺伝性果糖不耐症の患者

    本剤の添加剤D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

9.5 妊婦

  1. 9.5.1 妊娠3カ月以内又は妊娠を希望する女性

    投与する場合には、用法・用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5000 IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。外国において、妊娠前3カ月から妊娠初期3カ月までにビタミンAを10000 IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果がある1)

  2. 9.5.2 妊婦(妊娠3カ月以内の女性を除く)

    治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  3. 9.5.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

    ビタミンD過剰にならないように、慎重に投与すること。

9.6 授乳婦

  1. 9.6.1 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
  2. 9.6.2 ビタミンD過剰にならないように、慎重に投与すること。

9.7 小児等

  1. 9.7.1 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
  2. 9.7.2 ビタミンD過剰にならないように、慎重に投与すること。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    パーキンソン病治療薬

    • レボドパ

    レボドパの作用を減弱させるおそれがある。

    ピリドキシン塩酸塩は、レボドパの脱炭酸酵素の補酵素であり、併用によりレボドパの末梢での脱炭酸化を促進し、レボドパの脳内作用部位ヘの到達量を減少させる。

    ワルファリン

    ワルファリンの作用を減弱させるおそれがある。

    フィトナジオン(ビタミンK1)がワルファリンの作用に拮抗する。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

      血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    発疹、そう痒感、顔面潮紅

    消化器

    腹痛、下痢、食欲不振、嘔気

    肝臓

    AST、ALT、Al-Pの上昇

    その他

    高カルシウム血症

    12. 臨床検査結果に及ぼす影響

    1. 12.1 アスコルビン酸を含有しているため、尿糖の検出を妨害することがある。また、各種の尿検査(潜血、ビリルビン、亜硝酸塩)・便潜血反応検査で、偽陰性を呈することがある。
    2. 12.2 リボフラビンリン酸エステルナトリウムを含有しているため、尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある。

    14. 適用上の注意

    14.1 全般的な注意

    使用時には、感染に対する配慮をすること。

    14.2 薬剤調製時の注意

    1. 14.2.1 1号に2号を加えて溶解した後は速やかに高カロリー輸液に添加し、通常12時間以内に投与を終了すること。
    2. 14.2.2 配合薬剤によってビタミンの分解が促進されることがあるので、注意すること。

    14.3 薬剤投与時の注意

    1. 14.3.1 ビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバーを用いるなど十分に注意すること。
    2. 14.3.2 可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
    3. 14.3.3 残液は使用しないこと。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    本剤を7週齢の正常ラットの陰茎静脈に1mL/kgの用量で投与した結果、水溶性ビタミンの最高血中濃度の投与前値に対する増加率は葉酸が最大で、次いでビオチン、ビタミンB6(ピリドキシン他)、ビタミンB2(リボフラビン)の順で高く、他のビタミンの上昇は僅かであった。また、ビタミンB6を除く全水溶性ビタミンは投与6時間後までに前値に復したが、ビタミンB6も24時間後には前値に復した。一方、脂溶性ビタミンの血中濃度は投与前値と比べて大きな変動は認められなかった2)

    16.3 分布

    本剤を7週齢の正常ラットの陰茎静脈に1mL/kgの用量で投与した結果、肝臓中濃度はビオチン、葉酸、ビタミンEが投与前値に比べて僅かに上昇したが、投与24時間後までには前値に復した。その他のビタミンは投与前値に比べて大きな変動は示さず蓄積は認められなかった2)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内臨床試験

      消化器手術後患者を中心に本剤を投与し、自覚・他覚症状、血中ビタミンの推移、血液生化学検査等の面から検討を加えた複数の臨床試験を統合した結果、全188例で、自覚・他覚症状の悪化した例はなく、悪心、嘔吐、腹部膨満感等の消化器症状に対する改善と貧血、口内炎、腱反射の改善が認められた。
      また、一般臨床試験160例では、投与前高値を示した症例、又は低値を示した症例はその後正常域に復した。疾患別(悪性疾患、良性疾患に分類)では悪性疾患においてビタミンAが低値を示した以外、両疾患にほとんど差を認めなかった。前値に対する術後のビタミンの変動を見ると、術直後上昇したB1、B6、B12はその後低下し、また、術直後低下したA、Eはその後上昇する傾向が見られた3),4),5),6),7),8),9),10),11),12),13)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    本剤は13種類のビタミンを含有し、高カロリー静脈栄養輸液に添加してビタミンを補給する。

    18.2 ビタミン補給効果

    SD系ラットに本剤(臨床用量相当量、3倍量、6倍量)又は対照薬剤を輸液に添加し、14日間のTPNによる比較検討を行った。検討項目として血中・肝臓中ビタミン濃度、体重、肝重量、血液学的検査、血液生化学的検査を測定した。その結果、飼料飼育とほぼ等しいビタミン投与量において同等の血中及び肝臓中濃度を維持できることが認められ、本剤は良好なビタミン補給効果を示すものと考えられた。対照薬剤との比較においても特記すべき差は認められず、本剤と対照薬剤は同等のビタミン補給効果を有するものと考えられた。また、体重増加、肝重量、血液学的検査及び血液生化学的検査において、各TPN施行群間でほぼ等しい結果が得られた14)

    20. 取扱い上の注意

    ブリスター包装開封後は遮光して保存すること。

    22. 包装

    1組(1号・2号)×10

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター

    〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2

    TEL:0120-719-814
    FAX:03-5296-8400

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    株式会社大塚製薬工場

    徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115

    26.2 販売提携

    大塚製薬株式会社

    東京都千代田区神田司町2-9

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

    画面を閉じる

    Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.