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ポタコールR輸液(250mL)/ポタコールR輸液(500mL)

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.5排泄
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2循環動態維持、血液酸塩基平衡維持及び代謝性アシドーシス補正効果
18.3糖代謝に及ぼす影響及びエネルギー補給効果
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ポタコールR輸液(250mL)/ポタコールR輸液(500mL)

添付文書番号

3319538A4109_1_06

企業コード

180079

作成又は改訂年月

2023年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873319

薬効分類名

5%マルトース加乳酸リンゲル液

承認等

ポタコールR輸液(250mL)

販売名コード

YJコード

3319538A6098

販売名英語表記

POTACOL R Injection

販売名ひらがな

ぽたこーるあーるゆえき

承認番号等

承認番号

22000AMX00389

販売開始年月

1979年4月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

2年

ポタコールR輸液(500mL)

販売名コード

YJコード

3319538A4109

販売名英語表記

POTACOL R Injection

販売名ひらがな

ぽたこーるあーるゆえき

承認番号等

承認番号

22000AMX00389

販売開始年月

1979年4月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

5%マルトース加乳酸リンゲル液

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

高乳酸血症の患者[高乳酸血症が悪化するおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

本剤は1容器中に次の成分を含有する注射液である。

ポタコールR輸液(250mL)

250mL中
添加剤氷酢酸   適量
電解質塩化ナトリウム  1.5g
塩化カリウム  0.075g
塩化カルシウム水和物  0.05g
L-乳酸ナトリウム液注)  0.775g
糖質マルトース水和物  12.5g
熱量  50kcal
注)L-乳酸ナトリウムとしての分量
電解質濃度(mEq/L)Na+  130
K+  4
Ca2+  3
Cl-  109
L-Lactate-  28

ポタコールR輸液(500mL)

500mL中
添加剤氷酢酸   適量
電解質塩化ナトリウム  3.0g
塩化カリウム  0.15g
塩化カルシウム水和物  0.1g
L-乳酸ナトリウム液注)  1.55g
糖質マルトース水和物  25g
熱量  100kcal
注)L-乳酸ナトリウムとしての分量
電解質濃度(mEq/L)Na+  130
K+  4
Ca2+  3
Cl-  109
L-Lactate-  28

3.2 製剤の性状

ポタコールR輸液(250mL)

pH3.5~6.5
浸透圧比約2(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液

ポタコールR輸液(500mL)

pH3.5~6.5
浸透圧比約2(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液

4. 効能又は効果

  • 大量出血や異常出血を伴わない循環血液量及び組織間液の減少時における細胞外液の補給・補正
  • 代謝性アシドーシスの補正
  • 熱源の補給

6. 用法及び用量

通常成人は1回500~1000mLを徐々に静脈内に点滴注入する。
投与速度は通常成人マルトース水和物として1時間当たり0.3g/kg体重以下(体重50kgとして本剤500mLを2時間以上)とする。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心不全の患者

    循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 高張性脱水症の患者

    水分補給が必要であり、電解質を含む本剤の投与により症状が悪化するおそれがある。

  3. 9.1.3 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者

    水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

    水分、電解質代謝異常、高乳酸血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児、幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 アナフィラキシーショック(頻度不明)

    呼吸困難、血圧低下、頻脈、蕁麻疹、潮紅等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症

発疹、そう痒

大量・急速投与

肺水腫、脳浮腫、末梢の浮腫

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

グルコース脱水素酵素(GDH)法を用いた血糖測定法ではマルトースが測定結果に影響を与え、実際の血糖値よりも高値を示す場合があることが報告されている1)。インスリン投与が必要な患者においては、インスリンの過量投与につながり低血糖を来すおそれがあるので、本剤を投与されている患者の血糖値の測定には、マルトースの影響を受ける旨の記載がある血糖測定用試薬及び測定器は使用しないこと。

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意

  1. 14.1.1 使用時には、感染に対する配慮をすること。
  2. 14.1.2 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(○印)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。

14.2 薬剤調製時の注意

薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。

14.3 薬剤投与時の注意

  1. 14.3.1 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
  2. 14.3.2 容器の目盛りは目安として使用すること。
  3. 14.3.3 残液は使用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性8例に本剤をマルトース水和物として0.3g/kg/hrの速度で静脈内に3時間投与した結果、血漿中マルトース水和物濃度は、投与終了時に187mg/dLに達した後、指数関数的に減少した2)

16.5 排泄

健康成人男性8例に本剤をマルトース水和物として0.3g/kg/hrの速度で静脈内に3時間投与した結果、本剤投与開始8時間後までの尿中排泄率は、総糖質として投与量の24.3%(マルトース水和物として8.9%、ブドウ糖として15.4%)であった2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤は細胞外液の補給・補正、エネルギー補給効果を示す。本剤に含まれるL-乳酸ナトリウムは、体内で代謝されてHCO3となり、アシドーシスを補正する。

18.2 循環動態維持、血液酸塩基平衡維持及び代謝性アシドーシス補正効果

急性失血ウサギに対する本剤の効果を、糖(5%ブドウ糖又は5%ソルビトール)加乳酸リンゲル液及び乳酸リンゲル液と比較検討した(投与速度:1時間当たり60mL/kg体重(糖質として3g/kg体重注)))。その結果、本剤は、救命率、血圧維持効果において最も優れており、動脈血pH及び血漿浸透圧を正常域値内に維持した3)

18.3 糖代謝に及ぼす影響及びエネルギー補給効果

絶食飢餓ウサギを用いた試験において、本剤の静注による血糖値の上昇は軽微であり、インスリンの分泌増加もほとんど認められなかった(投与速度:1時間当たり10mL/kg体重(糖質として0.5g/kg体重注)))。また、乳酸値、ピルビン酸値への影響はなく、NEFAの上昇が抑制された4)

注)本剤の承認された投与速度はマルトース水和物として1時間当たり0.3g/kg体重以下である。

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
  2. 20.2 以下の場合には使用しないこと。
    • 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
    • 容器から薬液が漏れている場合
    • 性状その他薬液に異状が認められる場合
    • ゴム栓部のシールがはがれている場合

22. 包装

250mL 20袋 ソフトバッグ
500mL 20袋 ソフトバッグ

24. 文献請求先及び問い合わせ先

株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター

〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2

TEL:0120-719-814
FAX:03-5296-8400

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

株式会社大塚製薬工場

徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115

26.2 販売提携

大塚製薬株式会社

東京都千代田区神田司町2-9

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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