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処方箋医薬品注)
本態性低血圧、起立性低血圧
成人にはミドドリン塩酸塩として、通常1日4mgを2回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜増減する。ただし、重症の場合は1日8mgまで増量できる。小児にはミドドリン塩酸塩として、通常1日4mgを2回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高量は6mgとする。
外国において、神経原性起立性低血圧に対する二重盲検試験が実施された。臥位血圧が過度に上昇した症例が報告されているので注意すること。動悸、頭痛などの症状は臥位血圧の上昇による場合が考えられる。臥位血圧の上昇は本剤の減量、または頭部を高くして寝ることで調節できるが、臥位高血圧が続く場合には投与を中止すること。
本剤は静脈還流量増加作用を介した心臓への作用を有しているため、静脈還流を治療上抑制している患者等に投与する場合、病態を悪化させるおそれがある。
閉塞性動脈硬化症等の重篤な血管狭窄のある患者に投与する場合、病態を悪化させるおそれがある。
基礎疾患として高血圧がある起立性低血圧患者に使用する場合、過度の血圧上昇が起こるおそれがある。
本剤が膀胱頸部のα受容体に作用するため、排尿困難を悪化させるおそれがある。
投与間隔をあけて使用すること。消失半減期の延長により血中濃度が持続する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットで胎児への移行、吸収胚の増加、胎児体重低値及び骨化遅延、ウサギで死胚胎児の増加及び骨化遅延が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中へ移行することが報告されている。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
眠気
いらいら感
消化器
悪心
腹痛
嘔吐
口内炎
腹部膨満感
便秘
下痢
循環器
高血圧
動悸
心室性期外収縮
中枢神経系
頭痛
めまい
皮膚注1)
発疹
立毛感
そう痒感
蕁麻疹
発赤
肝臓
肝機能障害
ALT上昇
AST上昇
Al-P上昇
その他
ほてり感
悪寒
倦怠感
頻尿
発汗亢進
肩こり
異常感覚
排尿困難
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人12名にミドドリン塩酸塩として2mgを空腹時単回経口投与したときの血清中未変化体及び脱グリシン体(活性本体)の薬物動態パラメータの平均値は以下のとおりであった1) 。
Cmax(ng/mL)
tmax(hr)
t1/2(hr)
AUC0-24(ng・hr/mL)
ミドドリン塩酸塩(未変化体)
2.8
1.1
1.0
5.2
脱グリシン体(活性本体)
5.3
1.5
2.4
19.1
2mgを空腹時単回経口投与すると、血清中未変化体濃度は投与後1.1時間で最高に達し、その後は急激に低下して4時間以降はほとんど検出されなかった。一方、活性本体の濃度は1.5時間で最高に達し、最高血清中濃度は未変化体濃度を大きく上回り、その後は半減期2.4時間で減衰した。
健康成人6名にミドドリン塩酸塩として1回2mgを1日2回、1回4mgを1日2回で7日間反復経口投与時の血清中濃度は単回投与時と比較して差は認められず、蓄積性はないものと考えられた1),2) 。
ミドドリン塩酸塩錠2mg「オーハラ」とメトリジン錠2mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(ミドドリン塩酸塩として4mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された3) 。
n
AUC0→5(ng・hr/mL)
ミドドリン塩酸塩錠2mg「オーハラ」
14
5.86±1.19
6.62±2.46
0.6±0.3
0.5±0.2
メトリジン錠2mg
5.67±1.05
6.70±1.92
0.4±0.2
(平均値±S.D.)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、血液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人にミドドリン塩酸塩(2mg)と等モルの活性本体の塩酸塩(1.6mg)を単回経口投与し、活性本体のAUCを比較すると、AUCは直接活性本体の塩酸塩を投与した時よりミドドリン塩酸塩投与時の方が有意に高く、プロドラッグ化によるバイオアベイラビリティの改善が示された4) 。
健康成人にミドドリン塩酸塩として2mgを食後又は空腹時に単回経口投与したところ、未変化体及び活性本体の体内動態は食事による影響を受けなかった5) 。
ヒト血清蛋白結合率は未変化体では24~31%、活性本体では27~28%であった(in vitro)6) 。
健康成人にミドドリン塩酸塩として4mgを単回経口投与後1~2時間の血清中代謝物は活性本体が67%、未変化体が28%であった。投与後8時間までの尿中代謝物は活性本体のO-脱メチル・酸化的脱アミノ体及びその抱合体が35%と最も多く、ついで活性本体が21%であった4) 。
健康成人にミドドリン塩酸塩として2mgを空腹時単回経口投与すると、尿中排泄は投与後24時間までにほぼ終了した1) 。また1回2mgを1日2回、1回4mgを1日2回での7日間反復経口投与時の尿中排泄率は単回投与時と比較して差は認められなかった1),2) 。
起立性低血圧の小児患者にミドドリン塩酸塩として2mgを単回経口投与したところ、未変化体、活性本体の尿中排泄は成人とほぼ同様であった7) 。
ミドドリン塩酸塩の血圧上昇作用(ラット、ネコ)、摘出血管平滑筋収縮作用(ウサギ胸部大動脈など)はα1遮断薬で抑制されるが、α2遮断薬ではほとんど抑制されず、またβ受容体刺激作用、β遮断作用はないことから、末梢血管収縮作用は、選択的α1受容体刺激作用に基づくものと考えられた8),9),10) 。
ミドドリン塩酸塩(Midodrine hydrochloride)
(±)-2-amino-N-(2,5-dimethoxy-β-hydroxy-phenethyl) acetamide hydrochloride
C12H18N2O4・HCl
290.74
本品は白色の結晶性の粉末である。本品はギ酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。本品の水溶液(1→25)は旋光性を示さない。
約200℃(分解)
アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて保存すること。
(PTP)100錠(10錠×10)
1) 筒井末春:基礎と臨床. 1987 ; 21 (2) : 694-712
2) 永田勝太郎ほか:薬理と治療. 1987 ; 15 (3) : 1225-1238
3) 大原薬品工業株式会社 社内資料 : 生物学的同等性試験
4) 筒井末春ほか:基礎と臨床. 1987 ; 21 (4) : 1795-1807
5) 諏訪俊男ほか:基礎と臨床. 1989 ; 23 (8) : 3155-3159
6) 諏訪俊男ほか:薬物動態. 1987 ; 2 (1) : 21-31
7) 阿部忠良ほか:小児科臨床. 1987 ; 40 (4) : 1013-1025
8) 土田勝晴ほか:薬理と治療. 1987 ; 15 (1) : 89-104
9) Pittner H, et al. : Arzneimittelforschung. 1976 ; 26 (12) : 2145-2154
10) 臼杵知香ほか:応用薬理. 1985 ; 29 (6) :903-911
11) 岸本進ほか:循環器科. 1987 ; 21 (5) : 475-487
12) 田中信行ほか:薬理と治療. 1987 ; 15 (3) : 1297-1303
13) Tsuchida K, et al. : Arzneimittelforschung. 1986 ; 36 (12) : 1745-1748
14) 福原武彦ほか:慈恵医大誌. 1987 ; 102 (3) : 649-660
15) Tsuchida K, et al. : Arzneimittelforschung. 1986 ; 36 (12) : 1748-1751
16) 於本淳:自律神経. 1987 ; 24 (2) : 88-95
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