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日本薬局方
トロキシピド錠
トロキシピド細粒
〇胃潰瘍
〇下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
通常、成人にはトロキシピドとして1回100mg(錠剤1錠)を1日3回食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、成人にはトロキシピドとして1回100mgを1日3回食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に、生理機能が低下していることが多い。
蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められる場合がある。
AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDHの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
頻度不明
消化器
便秘、腹部膨満感、胸やけ、嘔気 等
過敏症
そう痒、発疹 等
その他
頭重感、動悸、全身倦怠感 等
浮腫
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
トロキシピド錠100mg「オーハラ」とアプレース錠100mgを、クロスオーバー法により1錠(トロキシピドとして100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1) 。
n
AUC0→24(μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
tmax(hr)
t1/2(hr)
トロキシピド錠100mg「オーハラ」
16
6.54±0.99
0.71±0.13
3.1±1.2
5.9±0.8
アプレース錠100mg
6.39±1.05
0.69±0.14
3.3±1.3
5.6±1.0
(平均値±S.D.)
トロキシピド細粒20%「オーハラ」とアプレース細粒20%を、クロスオーバー法により0.5g(トロキシピドとして100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1) 。
トロキシピド細粒20%「オーハラ」
14
6.62±1.02
0.67±0.16
3.5±1.2
5.5±1.1
アプレース細粒20%
6.57±1.40
0.71±0.20
2.9±1.3
5.4±0.8
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、血液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人にトロキシピド100mgを単回経口投与した結果、尿中排泄物の96%以上は未変化体であり、その他に一種の代謝物(6-オキソ体)が認められた2),3) 。
健康成人にトロキシピド100mgを単回経口投与した結果、24時間で投与量の約61%、48時間で投与量の約67%が尿中に排泄された4)。
出血又はびらんを呈する胃炎患者72例を対象に、トロキシピド100mg1日3回(300mg/日)2週間経口投与における胃炎に対する有効性及び安全性を評価する目的で、プラセボを対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を行った。全般改善度解析対象集団69例(本剤群36例、プラセボ群33例)における胃炎の改善率は本剤群が80.6%(29/36例)、プラセボ群が60.6%(20/33例)であり、本剤群ではプラセボ群と比較して有意に高かった(p<0.05)。本剤群では、副作用及び臨床検査値異常例ともに認められなかった5)。
胃炎(急性胃炎又は慢性胃炎の急性胃粘膜変化)患者259例を対象に、トロキシピド100mg1日3回(300mg/日)2週間(未治癒の場合は4週まで可)経口投与における胃炎に対する有用性を評価する目的で、セトラキサート塩酸塩を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を行った。全般改善度解析対象集団233例(本剤群117例、セトラキサート塩酸塩群116例)における胃炎の改善率は本剤群が82.1%(96/117例)、セトラキサート塩酸塩群が75.9%(88/116例)であり、両群間に有意差は認められなかった。副作用発現頻度は本剤群が0.8%(1/120例)、セトラキサート塩酸塩群が1.6%(2/127例)であった。本剤群で認められた副作用は、下痢0.8%(1/120例)であった。また、臨床検査値異常例は総ビリルビン上昇が1例、尿蛋白陽性が1例、アルカリホスファターゼ上昇が1例であった6)。
胃潰瘍患者321例を対象に、トロキシピド100mg1日3回(300mg/日)12週間経口投与における消化性胃潰瘍に対する有効性及び安全性を評価する目的で、セトラキサート塩酸塩を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を行った。解析対象集団312例(本剤群154例、セトラキサート塩酸塩群158例)における胃潰瘍の改善率は本剤群が68.8%(106/154例)、セトラキサート塩酸塩群が71.5%(113/158例)であり、両群間に有意差は認められなかった。副作用発現頻度は本剤群が4.5%(7/154例)、セトラキサート塩酸塩群が1.9%(3/158例)であった。本剤群で認められた主な副作用は、便秘1.9%(3/154例)であった。また、個々の臨床検査値異常例の発現頻度について、両群間で有意差は認められなかった7)。
本剤は作用機序として、胃粘膜の血流増加作用、胃粘膜構成成分の正常化作用、胃粘膜内のプロスタグランジン量増加作用、及び胃粘膜の代謝賦活作用により、胃粘膜の組織修復を促進させる8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19) 。
交叉熱電対法8)(ウサギ、イヌ)及び水素ガスクリアランス法(ラット9)、イヌ10))において、胃粘膜血流量の増加が認められた。また、臓器反射スペクトル解析法(ラット)で、脱血時の胃粘膜及び酢酸潰瘍辺縁部粘膜の血流量を増加させた11)。
ラットの胃粘膜に含まれるムコ多糖体を増加し、また抗炎症薬等又はストレス負荷によるムコ多糖体の減少を抑制して胃粘膜バリヤーを増強した12),13)。
ラットの胃粘膜内で細胞保護作用のあるプロスタグランジン量を増加させた14)。
ラットの胃粘膜酸素消費量を増加させ、ATP含量を増加させることにより、胃粘膜エネルギー代謝を賦活した。特に、血流量が減少している潰瘍辺縁部粘膜で、その作用が強く認められた15),16)。
ラットのクランピング・コルチゾン潰瘍、酢酸潰瘍及びクランピング潰瘍の組織学的検討において、胃粘膜再生と潰瘍底膠原線維発育に調和のとれた修復促進作用を示し、慢性潰瘍の治癒を促進させた17),18)。またラットの酢酸潰瘍において、シメチジンとの併用効果が認められた19)。
タウロコール酸ナトリウムによって惹起されるラットの実験的慢性(萎縮性)胃炎に対し治療及び予防効果を示した20)。
ラットのアスピリン、0.6mol/L塩酸及びエタノール(99.5)、水浸拘束ストレスによる胃粘膜病変に対し予防効果を示した21),22),23)。
ラットの水浸拘束ストレス、ストレス・レセルピン、インドメタシン、脱血アスピリン、ヒドロコルチゾン、幽門結紮ストレス潰瘍の発生を各々抑制し、粘膜保護作用を示した23),24)。
トロキシピド(Troxipide)
3,4,5-Trimethoxy-N-[(3RS)-piperidin-3-yl]benzamide
C15H22N2O4
294.35
本品は白色の結晶性の粉末である。本品は酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水に溶けにくい。本品は0.1mol/L塩酸試液に溶ける。本品の1mol/L塩酸試液溶液(1→5)は旋光性を示さない。
177~181℃
(PTP) 100錠(10錠×10)1000錠(10錠×100)(バラ) 500錠
(HS)0.5g×600包(バラ)1kg(500g×2袋入)[アルミ・ラミネート製スタンドパック包装]
1) 大原薬品工業株式会社 社内資料:生物学的同等性試験
2) 入倉勉他:応用薬理 1979;18(4):619-634
3) 第十八改正日本薬局方解説書 2021:C3758-3760
4) 川原富美男他:基礎と臨床 1984;18(7):2859-2870
5) 渋江正他:医学と薬学 1989;22(4):1029-1040
6) 三好秋馬他:臨床医薬 1990;6(1):85-108
7) 後藤由夫他:医学と薬学 1984;12(2):487-539
8) 阿部泰夫他:日本薬理学雑誌 1980;76:355-361
9) 松尾裕他:薬理と治療 1982;10(6):3129-3139
10) 中村欣一他:薬理と治療 1982;10(10):5939-5945
11) 中川彰史他:診療と新薬 1982;19(7):1803-1808
12) 阿部泰夫他:応用薬理 1984;27(3):521-531
13) 阿部泰夫他:日本薬理学雑誌 1984;84:11-18
14) 望月利郎他:応用薬理 1986;32(2):387-395
15) 阿部泰夫他:日本薬理学雑誌 1984;83:317-324
16) 阿部泰夫他:基礎と臨床 1983;17(12):4073-4076
17) 入倉勉他:応用薬理 1978;15(4):641-651
18) 百々研次郎:実験潰瘍-病態モデルとその病因-.東京:日本メディカルセンター;1976.実験的慢性胃潰瘍に対する各種薬物の治療効果,p197-207
19) 関口治男他:薬理と治療 1987;15(6):2425-2436
20) 岸本眞也他:薬理と治療 1989;17(11):5443-5460
21) 関口治男他:日本薬理学雑誌 1987;89:111-119
22) 関敦子他:薬理と治療 1990;18(3):1071-1078
23) 桑山肇他:応用薬理 1990;40(1):63-66
24) 入倉勉他:応用薬理 1979;17(3):371-382
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