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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
大量化学療法後の神経芽腫
臨床試験に組み入れられた患者のリスク群、腫瘍の状況等について「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
フィルグラスチム(遺伝子組換え)及びテセロイキン(遺伝子組換え)との併用において、通常、ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)として1日1回17.5mg/m2(体表面積)を10~20時間かけて点滴静注する。28日間を1サイクルとし、1、3、5サイクルは4~7日目、2、4、6サイクルは8~11日目に投与する。
事象
重症度注2) 等
処置
infusion reaction
Grade 1又は2
初回発現
発現時の投与速度の50%に減速する。回復後、投与速度を1時間あたり1.75mg/m2まで漸増できる。
2回目以降の発現
投与を中断する。回復後、発現時の50%の投与速度で再開できる。
Grade 3
投与を中断する。気道に影響のない血管性浮腫及び他の症状を伴わない軽度の気管支痙攣の場合、回復後、発現時の50%の投与速度で再開できる。
2回目発現
投与を中断し、同日は再開しない。回復し、かつ投与継続が適切と考えられる場合には、翌日以降、綿密なモニタリング下でステロイドを前投与した上で、発現時の50%の投与速度で再開できる。
3回目発現
投与を中止する。
Grade 4
低血圧
以下のいずれかに該当する場合
投与を中断する。回復後、発現時の50%の投与速度で再開できる。血圧が安定している場合は、発現時の投与速度まで漸増できる。
投与を中断し、同日は再開しない。翌日以降、回復した場合は、発現時の50%の投与速度で再開できる。
毛細血管漏出症候群
投与を中断し、同一サイクルでは再開しない。回復後、次のサイクル以降、発現時の50%の投与速度で再開できる。
疼痛
投与開始から1時間以内に発現した疼痛
発現時の投与速度の50%に減速する。回復後に、投与速度を漸増し、発現時の投与速度まで漸増できる。
投与開始から1時間以降に発現したコントロール不良の疼痛
投与速度を減速する。翌日以降、減速した速度で投与を開始し、発現がなければ、発現時の投与速度まで漸増できる。
眼障害
Grade 2
Grade 3又は4
感染症
投与を中断し、同一サイクルでは再開しない。回復後、次のサイクル以降、発現時と同一の投与速度で再開できる。
末梢性感覚ニューロパチー
2週間以上持続する場合
末梢性運動ニューロパチー
Grade 2以上
全身性の筋力低下が認められる場合
妊娠可能な女性に対しては、本剤の投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。本剤の標的であるGD2は、ヒト胎児において脳、神経幹細胞及び骨髄間葉系幹細胞に発現が認められており1),2),3) 、本剤の作用機序から、本剤が投与された場合、胎児に悪影響を及ぼす可能性がある。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgG抗体は、ヒト乳汁中に排出されることが知られている。
発熱、嘔吐、咳嗽、蕁麻疹、過敏症、悪心等を含むinfusion reactionがあらわれることがある。重度のinfusion reactionがあらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。,
腹痛(62.5%)、四肢痛(18.8%)、頚部痛(12.5%)、筋骨格痛(6.3%)、背部痛(6.3%)等の疼痛があらわれることがある。
失明(頻度不明)、羞明(頻度不明)、瞳孔散大(頻度不明)等の眼障害があらわれることがある。
,
医療機器関連感染(12.5%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
好中球減少(81.3%)、貧血(81.3%)、血小板減少(75.0%)、リンパ球減少(43.8%)、白血球減少(18.8%)等の骨髄抑制があらわれることがある。
低リン酸血症(43.8%)、高カリウム血症(31.3%)、高ナトリウム血症(31.3%)、低カリウム血症(25.0%)、低ナトリウム血症(25.0%)、高マグネシウム血症(12.5%)、高カルシウム血症(6.3%)、低マグネシウム血症(頻度不明)等の電解質異常があらわれることがある。
50%以上
10%以上~50%未満
10%未満
頻度不明
胃腸障害
便秘(75.0%)、下痢(56.3%)
口内炎、鼡径ヘルニア
口唇炎、口角口唇炎、肛門出血、下部消化管出血、イレウス、肛門の炎症、膵炎、齲歯、口唇乾燥、消化管浮腫、舌障害、舌発疹、大腸炎、肛門周囲紅斑、上部消化管出血、吐血
一般・全身障害および投与部位の状態
顔面浮腫(81.3%)、倦怠感(68.8%)
末梢性浮腫、浮腫、限局性浮腫、疲労
カテーテル留置部位そう痒感
注射部位反応、全身性浮腫、注射部位そう痒感、注入部位血管外漏出
代謝および栄養障害
低アルブミン血症(93.8%)、食欲減退(68.8%)
脱水、高尿酸血症、低血糖、高トリグリセリド血症、高血糖
肝胆道系障害
ALT増加(87.5%)、AST増加(81.3%)、GGT増加(81.3%)
血中ビリルビン増加
Al-P増加
腎および尿路障害
血中尿素増加(50.0%)
白血球尿、血中クレアチニン増加、蛋白尿
血尿
尿閉、尿量減少、尿路出血、腎出血
臨床検査
体重増加
ヘマトクリット増加、尿中ブドウ糖陽性
体重減少、心電図QT延長、アミラーゼ増加、リパーゼ増加、リンパ球数増加、尿中ケトン体陽性
呼吸器、胸郭および縦隔障害
低酸素症、発声障害
鼻出血、アレルギー性鼻炎、喘鳴、肺水腫
鼻漏、鼻閉、呼吸困難、口腔咽頭不快感、呼吸抑制、胸水、上気道の炎症、気道出血
皮膚および皮下組織障害
そう痒症、皮膚乾燥、発疹、湿疹
斑状丘疹状皮疹、多形紅斑、紅斑、全身性剥脱性皮膚炎、点状出血
皮脂欠乏性湿疹、水疱性皮膚炎、皮膚剥脱、汗疹、紫斑、剥脱性皮膚炎、皮膚腫脹
神経系障害
頭痛
熱性痙攣
横断性脊髄炎、振戦、末梢性感覚ニューロパチー、味覚異常、痙攣発作、末梢性ニューロパチー
その他
高血圧、心臓障害、心不全、挫傷、擦過傷、脾腫、心室性不整脈、不安、激越、不眠症、回転性めまい、聴覚障害、包茎、頻脈、出血、播種性血管内凝固
大量化学療法を含む集学的治療歴のある神経芽腫患者注3) に、フィルグラスチム及びテセロイキンとの併用下で本剤17.5mg/m2を第1サイクルの第4~7日目に静脈内投与したときの血漿中濃度推移及びPKパラメータは以下のとおりであった5) 。
n
Cmax(μg/mL)
tmax注4)(h)
AUC0-24h(μg・h/mL)
AUCinf(μg・h/mL)
t1/2(h)
CL(L/h)
Vz(L)
6
16.7±2.75
82.3(81.9, 83.4)
178±25.1
2,164±180注5)
66.4±8.43注5)
0.0237±0.00563注5)
2.27±0.580注5)
平均値±標準偏差
初回診断時に31歳未満の大量化学療法を含む集学的治療施行後に疾患進行が認められない高リスク群神経芽腫患者注6) 35例を対象として、本剤、フィルグラスチム及びテセロイキンの併用投与注7) (DIN/FIL/TEC群)と、本剤、sargramostim、aldesleukin及びisotretinoinの併用投与(米国レジメン群)の有効性及び安全性を検討する非盲検無作為化比較試験を実施した注8) 。主要評価項目である治験責任医師判定による2年無イベント生存率[95%信頼区間]は、DIN/FIL/TEC群で80.8[51.4~93.4]%、米国レジメン群で62.3[36.7~80.0]%であった。DIN/FIL/TEC群16例において、副作用が全例(100%)に認められた。主な副作用は、発熱16例(100%)、低アルブミン血症15例(93.8%)、ALT増加14例(87.5%)、GGT増加、嘔吐、好中球数減少、貧血、AST増加、顔面浮腫〔以上13例(81.3%)〕、血小板数減少、便秘〔以上12例(75.0%)〕、倦怠感、食欲減退〔以上11例(68.8%)〕、腹痛、疼痛〔以上10例(62.5%)〕、下痢9例(56.3%)、血中尿素増加、咳嗽〔以上8例(50.0%)〕であった(2019年9月6日データカットオフ)6) 。,,
ジヌツキシマブは、ヒトジシアロガングリオシド(GD)2に対する抗体であり、神経芽腫細胞等の細胞膜上に発現するGD2に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及び補体依存性細胞傷害(CDC)活性により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている1),7),8),9) 。
ジヌツキシマブは、in vitroにおいて、ヒト神経芽腫由来SMS-KCN、SMS-LHN及びLA-N-1細胞株に対して、ヒト末梢血単核球又は好中球存在下で増殖抑制作用を示した10) 。
ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)Dinutuximab(Genetical Recombination)
C6422H9982N1722O2008S48(タンパク質部分、4本鎖)H鎖:C2153H3335N567O668S18L鎖:C1058H1660N294O336S6
約150,000
ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)は、遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体であり、マウス抗ガングリオシドGD2モノクローナル抗体の可変部及びヒトIgG1の定常部からなる。ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)は、マウスミエローマ(Sp2/0)細胞により産生される。ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)は、443個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び220個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質である。
1バイアル(5mL)
1) Mujoo K, et al. Cancer Res. 1987;47(4), 1098-1104.
2) Yanagisawa M, et al. ASN NEURO. 2011;3(2), 69-74.
3) Xu J, et al. Cell Physiol Biochem. 2009;23(4-6), 415-424.
4) 社内資料:免疫原性(2021年6月23日承認、CTD 2.7.2.2.1.1.2.3)
5) 社内資料:国内第I/IIa相試験(試験番号:GD2-PI)(2021年6月23日承認、CTD 2.7.6.2)
6) 社内資料:国内第IIb相試験(試験番号:GD2-PII)(2021年6月23日承認、CTD 2.7.6.4)
7) Barker, et al. Cancer Res. 1991, 51(1), 144-149.
8) Kendra, K, et al. J Immunother. 1999, 22(5), 423-430.
9) Zeng, Y, et al. Mol Immunol. 2005, 42(11), 1311-1319.
10) Chen, R.L, et al. Cancer Immunol Immunother. 2000, 48(11), 603-612.
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