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劇薬
処方箋医薬品注)
レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善
本剤は、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩と併用する。通常、成人にはオピカポンとして25mgを1日1回、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩の投与前後及び食事の前後1時間以上あけて経口投与する。
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。,
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤を通過すること、COMT遺伝子を欠損させたマウスでは胎児死亡数の増加及び胎盤重量の減少が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(肝機能等)が低下している。
COMTにより代謝される薬剤
心拍数増加、不整脈、血圧変動があらわれるおそれがある。吸入を含めて投与経路にかかわらず注意すること。
カテコール基を有するこれらの薬剤はCOMTにより代謝されるが、本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害し、作用を増強させる可能性がある。
MAO-B阻害剤
血圧上昇等を起こすおそれがある。
これら薬剤のMAO-Bの選択的阻害効果が低下した場合、非選択的MAO阻害による危険性があるため、本剤との併用により、生理的なカテコールアミンの代謝が阻害される可能性がある。
鉄剤
同時に服用すると鉄剤及び本剤の効果が減弱する可能性がある。
本剤は消化管内で鉄とキレートを形成する可能性がある。
三環系・四環系抗うつ薬、ノルアドレナリン再取込み阻害薬、ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤
使用経験が限られており、血圧上昇等を起こすおそれがある。
これらの薬剤はノルアドレナリン取込み阻害作用あるいは放出促進作用を有する。本剤はノルアドレナリン等のカテコールアミンの代謝を阻害するため、併用によりノルアドレナリン等の作用を増強させる可能性がある。
キニジン
本剤の効果が減弱する可能性がある。
機序は不明であるが、併用により本剤の血中濃度が低下する。
このような症状があらわれた場合にはレボドパ含有製剤あるいは抗パーキンソン剤の減量、あるいはそれでもコントロール困難な場合は本剤の中止等の適切な処置を行うこと。
傾眠、前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合にはレボドパ含有製剤あるいは抗パーキンソン剤の減量、あるいはそれでもコントロール困難な場合は本剤の中止等の適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
精神・神経系障害
浮動性めまい、睡眠障害
不眠症、体位性めまい、ジストニア、頭痛、感覚鈍麻、うつ病、落ち着きのなさ、失神、パーキンソン病、味覚異常、悪夢、不安
異常な夢、運動過多
胃腸障害
便秘
悪心、口渇
腹部不快感、腹部膨満、腹痛、嘔吐、胃炎、大腸ポリープ、消化不良
心臓障害
動悸、頻脈
代謝及び栄養障害
食欲減退
脱水、血中トリグリセリド増加、高アルカリホスファターゼ血症
全身障害
発熱、異常感、浮腫
筋骨格系障害
関節痛、筋肉痛、四肢痛、筋痙縮、変形性脊椎症、筋骨格硬直
筋攣縮
血液障害
貧血、白血球減少
肝胆道系障害
肝機能障害、ALT増加
腎及び尿路障害
腎機能障害、着色尿、排尿困難、頻尿、血尿、膀胱炎
皮膚障害
発疹、湿疹、接触皮膚炎
血管障害
起立性低血圧、高血圧
低血圧、血圧変動
その他
体重減少、CK増加、転倒、挫傷
裂傷、呼吸困難、咽頭炎、肺炎、回転性めまい、創傷、足部白癬
耳閉、ドライアイ
ジスキネジア、浮動性めまい等が予想される。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
COMT阻害剤はレボドパ誘発性の起立性低血圧を増悪させるおそれがあるので、起立性低血圧を引き起こすおそれのある薬剤(α遮断剤、α・β遮断剤、交感神経末梢遮断剤等)を服用している場合には注意すること。
健康成人男性にオピカポンの錠剤25mg又は50mgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。1)
投与量(mg)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC0-24h(ng・hr/mL)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
T1/2(hr)
25(N=24)
970±212
2.00(1.00 – 5.00)
2480±586
2530±581※
0.729±0.173※
50(N=23)
2070±552
2.00(0.750 - 4.00)
5170±1520
5200±1530
1.42±0.664
平均値±標準偏差、Tmax:中央値(最小値―最大値)、※N=23
(注)本剤の承認された用法・用量は「通常、成人にはオピカポンとして25mg(錠)を1日1回、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩の投与前後及び食事の前後1時間以上あけて経口投与する。」である。
健康成人(13例)にオピカポンのカプセル25mgを空腹時に1日1回10日間反復経口投与したとき、反復投与による累積はほとんど認められず、累積係数は1.20であった。2)
健康成人男性(12例)にオピカポンの錠剤50mgを食後(標準食)に単回経口投与したとき、Cmax及びAUC0-∞は、空腹時に単回経口投与したときと比べて、それぞれ0.53倍及び0.57倍であった。3)(注)本剤の承認された用法・用量は「通常、成人にはオピカポンとして25mg(錠)を1日1回、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩の投与前後及び食事の前後1時間以上あけて経口投与する。」である。
日本人健康成人(24例)及び非日本人健康成人(27例)にそれぞれオピカポンの錠剤及びカプセル25mgを空腹時に単回経口投与したとき、日本人に錠剤を投与したときのCmax及びAUC0-tは、非日本人にカプセルを投与したときと比べて、2.23倍及び2.11倍高かった。また、日本人健康成人(23例)及び非日本人健康成人(84例)にそれぞれオピカポンの錠剤及びカプセル50mgを空腹時に単回経口投与したとき、日本人に錠剤を投与したときのCmax及びAUC0-tは、非日本人にカプセルを投与したときと比べて、2.57倍及び2.26倍高かった。4)(注)本剤の承認された一日用量は25mg(錠)である。また、海外では25mg及び50mg(カプセル)が承認され、推奨一日用量は50mgである。
オピカポンの血漿蛋白結合率は99.9%であり、血球への移行性は低かった。5)(in vitro)
オピカポンの代謝には、SULT(硫酸転移酵素)1A1、UGT(グルクロン酸転移酵素)1A7、UGT1A9、UGT1A1、UGT2B7、還元酵素、COMT及びCYP3A4が関与していると考えられた。6)(in vitro及びin vivo)
健康成人男性(7例)に14C-オピカポン100mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与した放射能量の70.4%が糞中に、5.3%が尿中に、20.5%が呼気中に排泄された。7)(外国人データ)健康成人男性(12例)に、オピカポンのカプセル800及び1,200mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与量の0.02~0.05%が尿中に排泄された。8)(外国人データ)(注)本剤の承認された一日用量は25mg(錠)である。また、海外では25mg及び50mg(カプセル)が承認され、推奨一日用量は50mgである。
中等度肝機能障害者(8例、Child-Pugh分類B)又は肝機能正常者(8例)にオピカポンのカプセル50mgを空腹時に単回経口投与したとき、肝機能正常者と比べて、中等度肝機能障害者のCmax及びAUC0-∞はそれぞれ1.89倍及び1.84倍であった。9)(外国人データ)なお、重度肝機能障害者(Child-Pugh分類C)における使用経験はない。,,(注)本剤の承認された一日用量は25mg(錠)である。また、海外では25mg及び50mg(カプセル)が承認され、推奨一日用量は50mgである。
健康成人(20例)にオピカポンのカプセルを反復経口投与後[オピカポンの負荷用量(475mg)を1日1回2日間反復経口投与後、オピカポン50mgを1日1回5日間反復経口投与]、オピカポンのカプセル50mgとCYP2C9の基質であるワルファリン25mgを併用投与したとき、ワルファリン単独投与時と比べて、S-ワルファリンのCmax及びAUC0-∞は1.01倍及び0.88倍であり、R-ワルファリンのCmax及びAUC0-∞は0.98倍及び0.87倍であった。11)(外国人データ)
健康成人(24例)にオピカポンのカプセル50mgの投与1時間後又は同時にラサギリン1mgを併用投与したとき、ラサギリン単独投与時と比べて、ラサギリンのCmaxは、1.00倍及び1.01倍、AUC0-∞は1.02倍及び1.02倍であった。12)(外国人データ)健康成人(25例)にラサギリン1mgの投与1時間前又は同時にオピカポンのカプセル50mgを併用投与したとき、オピカポン単独投与時と比べて、オピカポンのCmaxは、1.12倍及び1.00倍、AUC0-∞は1.07倍及び1.05倍であった。13)(外国人データ)
健康成人(18例)にオピカポンのカプセル50mgをキニジン600mgと併用投与したとき、オピカポン単独投与時と比べて、オピカポンのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ0.70倍及び0.69倍であった。14)(外国人データ)
健康成人男性(20例)にオピカポンの錠剤25mgを1日1回11日間就寝前反復経口投与する前後にレボドパ/カルビドパ100/10mgを1日3回経口投与したとき、オピカポン投与前と比べ、オピカポン投与後でのレボドパのAUC0-24hは1.51倍上昇した。1)(注)本剤の承認された一日用量は25mg(錠)である。また、海外では25mg及び50mg(カプセル)が承認され、推奨一日用量は50mgである。
レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩で治療中のwearing-off現象を有するパーキンソン病患者437例を対象とした二重盲検比較試験において、オピカポンの錠剤25mgを1日1回就寝前に14-15週間投与した際、プラセボと比較して、1日の症状日誌におけるOFF時間を有意に短縮した。15)国内第Ⅱ相試験の安全性評価対象428例中、215例(50.2%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用(2%以上)は、ジスキネジア74例(17.3%)、便秘24例(5.6%)、幻覚19例(4.4%)、起立性低血圧18例(4.2%)、体重減少16例(3.7%)、悪心15例(3.5%)、幻視12例(2.8%)、口渇9例(2.1%)、傾眠9例(2.1%)であった。(非盲検期を含む)
解析対象集団:FAS
プラセボN=147
オピカポン25mgN=143
LS Mean (SE)a)
-25.04 (12.77)
-69.72 (12.94)
[95%Cl]a)
[ -50.14, 0.06 ]
[ -95.16, -44.28 ]
LS Mean Difference (SE)a)
-44.68 (18.20)
[ -80.45, -8.91 ]
P値a) ,b)
p=0.0145*
a)投与群を因子とし、ベースライン値を共変量とした共分散分析を用いて推定した。14-15週間投与後の値が欠測の場合、LOCF法で最終時の値を補完した。b)*:p<0.05
レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩で治療中のwearing-off現象を有するパーキンソン病患者を対象とした二重盲検比較試験を完了した被験者のうち、391例が非盲検長期投与試験に移行した。オピカポンの錠剤50mgを1日1回就寝前に52週間投与した際の二重盲検期ベースラインからのOFF時間変化量(平均値(標準偏差))は、52週時点で-101.89分(170.84)であり、オピカポン長期投与時も効果が持続した。15)(注)本剤の承認された一日用量は25mg(錠)である。
本剤は、末梢で作用する長時間作用型COMT阻害剤であり、血中でのレボドパから3-O-メチルドパへの代謝を持続的に阻害し、レボドパの脳内移行を向上させる。
本剤は、遺伝子組み換えヒト可溶型COMTを阻害した。16)(in vitro)
本剤は、ラットへの経口投与により肝臓、腎臓及び赤血球のCOMTを阻害したが、脳のCOMTは阻害しなかった。17)本剤は、ヒト及びサルへの投与により赤血球のCOMTを持続的に阻害した。18),19)
本剤は、ラット及びサルへの経口投与により、レボドパ・ベンセラジド投与後の血漿中及び脳内レボドパ濃度を持続的に増加させた。17),20)
本剤は、1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(MPTP)誘発サルパーキンソン病モデルにおいてレボドパの運動症状改善作用を増強した。21)
オピカポン(Opicapone)
2,5-Dichloro-3-[5-(3,4-dihydroxy-5-nitrophenyl)-1,2,4-oxadiazol-3-yl]-4,6-dimethylpyridine N-oxide
C15H10Cl2N4O6
413.17
黄色の粉末である。ジメチルスルホキシド及びN-メチルピロリドンに溶けやすく、テトラヒドロフランに溶けにくい。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
30錠[10錠(PTP)×3]100錠[10錠(PTP)×10]100錠[瓶、バラ]
1) 小野薬品工業:国内臨床(ONO-2370-01)試験成績(社内資料:CTD2.7.6.4)
2) 小野薬品工業:海外臨床(BIA-91067-126)試験成績(社内資料:CTD2.7.6.15)
3) 小野薬品工業:国内臨床(ONO-2370-03)試験成績(社内資料:CTD2.7.6.1)
4) 小野薬品工業:国内外の臨床試験における薬物動態の評価(社内資料:CTD2.7.2.3.5.9)
5) 小野薬品工業:In vitro血漿蛋白結合及び血球移行性(社内資料:CTD2.6.4.4.2.1)
6) 小野薬品工業:In vitro及びin vivo代謝(社内資料:CTD2.6.4.5)
7) 小野薬品工業:海外マスバランス(BIA-91067-130)試験成績(社内資料:CTD2.7.6.12)
8) 小野薬品工業:海外臨床(BIA-91067-101)試験成績(社内資料:CTD2.7.6.9)
9) 小野薬品工業:肝機能障害者における海外臨床(BIA-91067-106)試験成績(社内資料:CTD2.7.6.14)
10) 小野薬品工業:トランスポーター基質検討(社内資料:CTD2.6.4.7.3.1)
11) 小野薬品工業:海外臨床(BIA-91067-127)試験成績(社内資料:CTD2.7.6.30)
12) 小野薬品工業:海外臨床(BIA-91067-112)試験成績(社内資料:CTD2.7.6.20)
13) 小野薬品工業:海外臨床(BIA-91067-113)試験成績(社内資料:CTD2.7.6.21)
14) 小野薬品工業:海外臨床(NBI-OPC-1707)試験成績(社内資料:CTD2.7.2.2.5.19)
15) 小野薬品工業:国内臨床(ONO-2370-02)試験成績(社内資料:CTD2.7.6.34)
16) 小野薬品工業:オピカポンのヒトCOMT阻害作用(社内資料:CTD2.6.2.2.1.1)
17) Bonifácio MJ. et al.:Br. J. Pharmacol.,2015:172:1739-1752
18) Kitajima T. et al.:Neuropharmacology,2018:143:282-288
19) Rocha JF. et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol.,2014:70:1059-1071
20) Bonifácio MJ. et al.:Neuropharmacology,2014:77:334-341
21) Bonifácio MJ. et al.:Eur. J. Pharmacol.,2021:892:173742-173751
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