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劇薬
処方箋医薬品注)
コンピューター断層撮影による冠動脈造影における高心拍数時の冠動脈描出能の改善
ランジオロール塩酸塩として、1回0.125mg/kgを1分間で静脈内投与する。
体重
投与量
30kg
3.0mL
70kg
7.0mL
40kg
4.0mL
80kg
8.0mL
50kg
5.0mL
90kg
9.0mL
60kg
6.0mL
100kg
10.0mL
心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。
気管支筋収縮作用により、痙攣症状の誘発、悪化を起こすおそれがある。本剤はβ1受容体選択的遮断剤であるが、弱いながらもβ2受容体遮断作用も有する。
低血糖症状としての頻脈等の交感神経系反応をマスクするおそれがある。
薬剤の代謝、排泄が影響を受けるおそれがある。
末梢血管の拡張を抑制し、症状が悪化するおそれがある。本剤はβ1受容体選択的遮断剤であるが、弱いながらもβ2受容体遮断作用も有する。
本剤投与により急激に血圧が上昇するおそれがある。,
薬剤の排泄が影響を受けるおそれがある。
薬剤の代謝、排泄が影響を受けるおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
十分に患者の状態を観察しながら投与すること。生理機能が低下していることが多く、本剤の作用が強く発現するおそれがある。
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
交感神経系の過剰の抑制をきたすおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
レセルピン等のカテコールアミン枯渇剤が投与されている時にβ遮断剤のカテコールアミン遮断作用が加わると交感神経活性が過度に低下するおそれがある。
血糖降下剤
低血糖症状(頻脈等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。
血糖値が低下するとカテコールアミンが副腎から分泌され、心拍数を増加させるが、心臓のβ1受容体が遮断されていると、心拍数の増加が起きず、頻脈のような低血糖症状がマスクされるおそれがある。
カルシウム拮抗剤
相互に作用が増強されるおそれがある。うっ血性心不全のおそれのある患者、洞房ブロック、房室ブロックのある患者では重度の低血圧、徐脈、心不全が発現するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
カルシウム拮抗剤とβ遮断剤は共に心収縮力や刺激伝導系の抑制作用、血圧低下作用を有するため、これらの薬剤との併用により作用が増強するおそれがある。
ジギタリス製剤
房室伝導時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
ジギタリス製剤とβ遮断剤は共に房室伝導時間の延長作用を有するため、これらの薬剤との併用により作用が増強するおそれがある。
クラスⅠ抗不整脈剤
クラスⅢ抗不整脈剤
過度の心機能抑制があらわれるおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
クラスⅠ抗不整脈剤及びクラスⅢ抗不整脈剤は刺激伝導系に対する抑制作用を有するので、これらの薬剤との併用で過度の心機能抑制作用が起こるおそれがある。
クロニジン
クロニジン投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇)を増強する可能性がある。冠動脈CT実施前の数日以内にクロニジンを投与中止した場合には、本剤の投与を慎重に行うこと。
クロニジンを投与されている患者でクロニジンを中止すると、血中カテコールアミンが上昇し、血圧上昇をきたす。β遮断剤を投与すると、カテコールアミンによるα刺激作用が優位になり、血管収縮がさらに増強されるおそれがある。
交感神経刺激剤
血管収縮により、血圧上昇をきたすことがあるので注意すること。
α、β刺激作用を有する薬剤の場合には、本剤により交感神経刺激剤のβ刺激作用が抑制され、α刺激作用が優位となり、血管収縮が起こるおそれがある。
コリンエステラーゼ阻害剤
本剤の代謝を阻害し、作用が増強及び作用時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
本剤はエステラーゼで代謝されるため、これらの薬剤との併用により本剤の作用が増強及び作用時間が延長するおそれがある。
1%以上
1%未満
皮 膚
発疹、蕁麻疹
循環器
血圧低下
消化器
悪心
呼吸器
鼻閉、くしゃみ
肝 臓
ALT上昇、AST上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇
腎 臓
クレアチニン上昇
その他
白血球増加、血小板減少、総蛋白減少、カリウム上昇
過度の血圧低下又は過度の徐脈をきたす。
直ちに本剤の投与を中止すること。更に、必要に応じて下記等の適切な処置を行うこと。血圧低下:輸液の投与等の処置を行う。更に、必要に応じて、昇圧剤を投与するが、交感神経刺激剤を用いる場合はα刺激作用が優位に発現することによる過度の昇圧に注意して投与すること。徐 脈:アトロピンを投与し、更に必要に応じてβ1刺激薬(ドブタミン等)や輸液等を投与する。
10mg/mLを超える濃度で投与すると、局所反応や皮膚壊死が発現するおそれがあるので、十分に注意すること。本剤は、1バイアル(ランジオロール塩酸塩12.5mg)を1.25mL以上の生理食塩液等で溶解すること。
健康成人6例に0.5、1.0、1.5及び2.0mg/kgで1分間静脈内投与注)すると、全血中濃度-時間曲線下面積(AUC0-∞)はそれぞれ14.2、28.3、43.5及び68.9μg・min/mLである。また、投与終了後の消失半減期(T1/2)は3.5~3.7分、全身クリアランス(CLtot)は31.1~38.0mL/min/kgである。1)
投与量(mg/kg)
AUC0-∞(μg・min/mL)
T1/2(min)
CLtot(mL/min/kg)
0.5
14.2± 4.8
3.5±0.6
38.0±10.3
1.0
28.3± 5.2
3.7±0.2
36.3± 6.5
1.5
43.5± 6.8
35.1± 4.6
2.0
68.9±19.6
3.7±0.3
31.1± 8.8
平均値±標準偏差
ヒト血清に対する蛋白結合率は1.5~7.0%である(in vitro、限外ろ過法)。2)
本剤はヒト肝臓及び血漿中で加水分解され、速やかに代謝される。肝代謝クリアランスは肝血流が律速と考えられ、全身クリアランスの約半分を占める。また、in vitroの血漿中代謝半減期は4.1分であり、血漿中での代謝の寄与も大きい。ヒト肝臓における主代謝酵素はカルボキシエステラーゼ、ヒト血漿中における主代謝酵素は擬コリンエステラーゼであると推定された。3)また、本剤及びその代謝物(カルボン酸体、安息香酸体)はヒトのチトクロームP450の分子種(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4)に対してほとんど阻害活性を示さなかった(in vitro)。3),
主排泄経路は尿であり、健康成人に0.5mg/kgで1分間静脈内投与注)したとき、投与後24時間までに未変化体が9.9%、カルボン酸体が65.4%排泄された。1)
肝障害患者6例(Child-Pugh分類A:5例、B:1例)及び健康成人6例に0.06mg/kg/minで1分間投与後、0.02mg/kg/minで60分間静脈内持続投与注)したとき、全血中濃度のCmax及びAUC0-∞はそれぞれ1.42及び1.44倍、肝障害患者で高く推移したが、T1/2は4.0分であり、健康成人と差がないことが示された。4)
Cmax(ng/mL)
C61min(ng/mL)
肝障害患者
942±140
866± 54
52.4±5.2
4.0±0.4
健康成人
665±119
641±125
36.3±3.6
4.0±1.5
注)本剤の承認された用法及び用量は、1回0.125mg/kgを1分間で静脈内投与である。
投与群
冠動脈描出能(診断可能な被験者の割合)
プラセボ群
25.9% (15/58例)
本剤群
63.6%*(35/55例)
*:p<0.05(χ2検定)
心拍数(回/分)
投与前
撮影時
30分後
プラセボ群(n=58)
79.1±9.2
73.7±11.8
72.0±8.2
本剤群(n=55)
78.3±10.1
62.6±7.8*
70.3±8.0
平均値±標準偏差 *:p<0.05(t検定:両側)
感度
100%(17/17)
100%(30/30)
特異度
98.0%(395/403)
98.6%(479/486)
陽性的中率
68.0%(17/25)
81.1%(30/37)
陰性的中率
100%(395/395)
100%(479/479)
カッコ内はセグメント数を示す。
38.2% (42/110例)
68.2%*(75/110例)
プラセボ群(n=127)
76.9±8.9
72.9±12.0
71.6±8.4
本剤群(n=129)
77.6±9.5
62.6±8.5*
70.1±8.4
非盲検一般臨床試験において、症状、理学的所見及び非侵襲的検査により虚血性心疾患が疑われ、冠動脈造影が必要で、冠動脈CT前の心拍数が70回/分以上、90回/分以下の患者を対象に、本剤0.125mg/kgを1分間で静脈内投与した。冠動脈CTにおける冠動脈描出能(冠動脈狭窄の程度が診断可能な被験者の割合)は56.0%(14/25例)であった。なお、本試験は16列CT機器の3機種を使用した成績である。また、安全性評価対象39例中に副作用(臨床検査値異常を含む)は認められなかった。7)
主に心臓に存在するβ1受容体に作用し、交感神経終末及び副腎髄質より遊離されるノルアドレナリン及びアドレナリンによる心拍数増加作用に拮抗することで徐拍作用を発現し、冠動脈CTにおける冠動脈描出能の改善効果を示す。
,
イソプロテレノール投与による心拍数増加に対して、ランジオロール塩酸塩の急速静脈内投与は用量に応じた心拍数増加抑制作用を示し、抑制作用の消失半減期は9分から12分である(イヌ)。一方、同モデルにおけるプロプラノロール塩酸塩の急速静脈内投与では、心拍数増加を投与62分後においても有意に抑制していた。10)
ランジオロール塩酸塩(Landiolol Hydrochloride)
[(S)-2,2-Dimethyl-1,3-dioxolan-4-yl]methyl 3-[4-[(S)-2-hydroxy-3-(2-morpholinocarbonylamino)ethylamino]propoxy]phenylpropionate monohydrochloride
C25H39N3O8・HCl
546.05
本品は白色の結晶性の粉末である。本品は水又はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。
約125℃
0.23(pH6.0、n-オクタノール/緩衝液)0.56(pH7.0、n-オクタノール/緩衝液)2.7 (pH8.0、n-オクタノール/緩衝液)
5バイアル[1バイアル×5]
1) 東 純一ほか:臨床医薬,2014;30:257-269
2) 恒川 健ほか:薬物動態,1997;12:31-41
3) 中出 進ほか:CYP分子種への影響(社内資料)
4) 高畑武功ほか:Drugs R D,2005;6:385-394
5) 小野薬品工業:後期第Ⅱ相二重盲検比較試験成績(社内資料;2011年7月1日承認、CTD 2.7.6.3)
6) 平野雅春ほか:Clin.Drug Investig.,2014;34:53-62
7) 平野雅春ほか:Drugs R D,2014;14:185-194
8) 榊原陵治ほか:β受容体に対するKi値(社内資料)
9) 代谷 務ほか:基礎と臨床,1997;31:2913-2923
10) 井尾敏朗ほか:β遮断作用の持続性(社内資料)
11) 村木克彦ほか:J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996;278:555-563
12) 代谷 務ほか:基礎と臨床,1997;31:2967-2975
小野薬品工業株式会社 くすり相談室
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