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劇薬
処方箋医薬品注)
褐色細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善
本剤は、以下のいずれも満たす場合に使用すること。
通常、成人及び12歳以上の小児にはメチロシンとして1日500mgから経口投与を開始する。効果不十分な場合は、経過を十分に観察しながら3日間以上の間隔をおいて1日250mg又は500mgずつ漸増し、患者の尿中カテコールアミン量及び症状の十分な観察のもと、適宜増減する。ただし、1日最高用量は4,000mg、1回最高用量は1,000mg、投与間隔は4時間以上とし、1日500mgは1日2回、1日750mgは1日3回、1日1,000mg以上は1日4回に分割する。
本剤は主に腎臓で排泄されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。,
投与しないこと。使用経験がなく、本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。
,
**妊娠する可能性のある女性には、以下の内容を説明すること。
**妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、作用機序から胎児に影響を及ぼす可能性がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
降圧剤
血圧低下を起こすおそれがあるので、減量するなど注意すること。
相互に降圧作用を増強することがある。
アルコール(飲酒)
鎮静作用を増強するおそれがある。
相互に中枢神経抑制作用を増強するおそれがある。
中枢神経系抑制剤(睡眠剤、麻酔剤、鎮静剤等)
フェノチアジン系抗精神病薬
ハロペリドール
錐体外路障害を増強するおそれがある。
相互に錐体外路障害を増強するおそれがある。
不安、不眠症、うつ病(いずれも6.3%)、幻覚、失見当識、錯乱状態(いずれも頻度不明)等の精神障害があらわれることがある。
流涎、会話障害、開口障害、パーキンソニズム(いずれも頻度不明)、振戦、運動緩慢、表情減少(いずれも6.3%)等の錐体外路障害があらわれることがある。
下痢、軟便(いずれも6.3%)があらわれることがあり重症化する可能性がある。
本剤を成分とする結晶尿があらわれ、排尿障害、血尿(いずれも頻度不明)の症状があらわれることがある。結晶尿があらわれた場合には、十分な水分摂取を指示するとともに、本剤の減量、休薬又は投与中止等を考慮すること。
10%以上
10%未満
頻度不明
血液及びリンパ系障害
貧血
好酸球増加症、血小板減少症、血小板増加症
心臓障害
徐脈
胃腸障害
嘔吐
悪心、腹痛、唾液欠乏、口内乾燥
全身障害
発熱
末梢性浮腫
代謝及び栄養障害
食欲減退、アシドーシス、低カリウム血症
神経系障害
体位性めまい、浮動性めまい
過覚醒、頭痛
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
鼻閉、咽頭浮腫
皮膚及び皮下組織障害
蕁麻疹
血管障害
高血圧クリーゼ、起立性低血圧
その他
乳房腫脹、乳汁漏出症、勃起不全、射精不能
臨床検査
体重増加
血中CK増加、血中コレステロール増加、血中トリグリセリド増加、尿中蛋白陽性、血圧低下
AST増加
本剤のがん原性試験は実施されていない。
日本人の健康成人に本剤250、500又は1,000mgを空腹時単回経口投与注)したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す。250~1,000mgの投与量範囲においてTmax及びT1/2はいずれの投与量でも同程度であり、Cmax及びAUC0-∞は用量比未満の増加であった4)。
投与量
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC0-36hr(ng·hr/mL)
AUC0-∞(ng·hr/mL)
T1/2(hr)
CL/F(L/hr)
250mg(n=6)
11300±1610
1.25(0.667, 2.00)
57600±9170
60100±9930
8.71±0.797
4.26±0.680
500mg(n=6)
17100±2570
2.00(1.50, 3.00)
99300±9420
104000±10400
9.07±0.367
4.84±0.440
1000mg(n=6)
30700±4900
1.50(1.00, 2.00)
169000±32300
179000±35800
9.76±1.19
5.77±1.16
平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(最小値,最大値)
健康成人6例に本剤1,000mgを1日1回4日間空腹時反復経口投与注)したときの血漿中濃度は投与3日目までに定常状態に達した5)(外国人データ)。
日本人の正常腎機能(eGFR≧90mL/分)、軽度腎機能障害(eGFR≧60mL/分、<90mL/分)又は中等度腎機能障害(eGFR≧30mL/分、<60mL/分)を有する褐色細胞腫患者に本剤250mgを単回経口投与注)したときの薬物動態パラメータ、本剤投与1~3日目に1日500mg、4~6日目に1日1,000mg(正常腎機能及び軽度腎機能障害)又は1日750mg(中等度腎機能障害)を反復経口投与した後、7日目に250mgを投与したときの薬物動態パラメータを以下に示す6)。
腎機能
AUC4hr(ng·hr/mL)
250mg単回投与
正常(n=5)
6310±2140
1.00(0.667, 4.00)
13900±4600
軽度(n=6)
7500±2010
1.24(0.967, 1.97)
18500±6090
中等度(n=5)
7880±1730
1.47(1.00, 1.97)
21000±2490
反復投与後の250mg投与
正常(n=4)
10400±1230
1.00(0.700, 1.03)
26700±3920
軽度(n=5)
11500±1860
1.03(0.667, 2.58)
32400±6940
中等度(n=2)
10100, 14500
1.02, 3.00
34600, 44000
平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(最小値,最大値)(注) すべての被験者に朝投与として本剤250mgが経口投与された。2例のデータのみ得られたパラメータに関しては個別値を示した。
健康成人4例に本剤500mgを空腹及び食後条件下で単回経口投与したとき、空腹時投与と比較して食後投与でTmaxが約1時間遅延した。食後投与に対する空腹時投与の幾何平均値の比(90%信頼区間)は、Cmax、AUClast及びAUC0-∞でそれぞれ114.55(85.69~153.13)、102.34(84.42~124.06)及び98.23(87.62~110.13)%であった。食事の摂取は本剤の薬物動態に顕著な影響を及ぼさなかった5)(外国人データ) 。
メチロシン(150~1,500μmol/L)のヒト血漿中蛋白結合率は0.5~1.2%であった(in vitro)。
本剤はほとんど代謝を受けない7)。
日本人の健康成人18例に本剤を250~1,000mgの用量で単回経口投与注)したとき、投与後36時間までに投与量の73.9~91.2%が尿中に未変化体として排泄された4)。
日本人の腎機能障害男性又は腎機能正常男性に本剤250mgを空腹時単回経口投与注)したときの、腎機能正常男性に対する軽度腎機能障害男性及び中等度腎機能障害男性の薬物動態パラメータ(Cmax、AUC0-∞及びT1/2)の幾何平均値の比(90%信頼区間)を以下に示す。腎機能正常男性に比べて中等度腎機能障害男性では曝露量が上昇した4)。,,
n
Cmax(ng/mL)
AUC0-∞(ng·hr/mL)
T1/2(hr)
軽度/正常
6/6
0.90(0.66, 1.23)
1.00(0.82, 1.21)
1.04(0.95, 1.13)
中等度/正常
1.14(0.84, 1.55)
1.40(1.15, 1.70)
1.23(1.13, 1.34)
幾何平均値の比(90%信頼区間)
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人及び12歳以上の小児にはメチロシンとして1日500mgから経口投与を開始する。」である。
成人及び12歳以上の小児で、交感神経受容体遮断薬の治療の効果が不十分な褐色細胞腫患者16例を対象に、本剤を12週間又は手術実施の前日まで投与した。なお、本剤の投与開始時には全ての患者でα1遮断薬が投与されていた。主要評価項目である24時間蓄尿における尿中メタネフリン又はノルメタネフリンがベースラインから50%以上減少した患者割合は5/16例(31.3%)であり、その内訳は、慢性例として12週間投与した患者では3/13例(23.1%)、手術例として手術前日まで投与した患者では2/3例(66.7%)であった。12週間又は手術前日まで投与したときの尿中のメタネフリン、ノルメタネフリンのベースライン及び最終評価時の値、並びにベースラインからの変化率は以下のとおりであった。 また、安全性評価対象となった16例中16例(100%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、傾眠13例(81.3%)、鎮静2例(12.5%)、嘔吐2例(12.5%)、体重増加2例(12.5%)であった6),8)。
全例
慢性例
手術例
尿中メタネフリン(平均値±標準偏差、mg/日)
ベースライン
4.21±12.8(16例)
4.56±14.3(13例)
2.71±3.17(3例)
最終評価時
0.457±0.641(12例)
0.264±0.339(9例)
1.03±1.07(3例)
尿中メタネフリンの変化率(%)
平均値±標準偏差
-46.8±24.3(12例)
-47.0±25.8(9例)
-46.1±24.4(3例)
中央値
-52.4(12例)
-51.5(9例)
-54.9(3例)
最小~最大
-76.5~10.0
-64.8~-18.5
尿中ノルメタネフリン(平均値±標準偏差、mg/日)
16.4±29.9(16例)
19.9±32.4(13例)
1.02±0.701(3例)
9.38±22.3(12例)
12.3±25.4(9例)
0.477±0.282(3例)
尿中ノルメタネフリンの変化率(%)
-42.3±17.5(12例)
-39.1±17.6(9例)
-52.0±16.2(3例)
-40.3(12例)
-36.3(9例)
-60.3(3例)
-66.3~-18.3
-62.5~-33.3
なお、国内第Ⅰ/Ⅱ相試験における本剤の1日最高投与量は4,000mgまでとしたが、有効性の評価時点において1日投与量2,000mgを超えて投与した患者はいなかった。また、12ヵ月の継続投与において1日投与量2,500mgを超えて投与した患者はいなかった。,,
本剤は、カテコールアミンの生合成律速酵素であるチロシン水酸化酵素を阻害することで、生体内のカテコールアミン含量を減少させる9),10)。
メチロシンは、in vitro試験において、チロシン水酸化酵素を阻害した9)。
メチロシンは、ラット及びサルの中枢及び末梢組織において、カテコールアミン含量を減少させた。また、サルにおいて、尿中のカテコールアミン代謝物含量を減少させた10)。
メチロシンは、ラット及びイヌにおいて、間接型アドレナリン作動薬により誘発した血圧上昇を抑制した11)。
メチロシン(Metirosine)
(2S)-2-Amino-2-methyl-3-(4-hydroxyphenyl)propanoic acid
C10H13NO3
195.22
本品は白色~灰白色の結晶性の粉末であり、水、アセトン又はメタノールに極めて溶けにくく、クロロホルム又はベンゼンにほとんど溶けない。
無包装状態の本剤を高温・高湿度(30℃/75%)の条件下で保存したとき、外観変化が認められているので、開封後は高温、多湿を避けて保存すること。
*28カプセル[瓶、バラ]
1) Kuchel O. et al.:J. Lab. Clin. Med., 1990;115:449-453
2) Engelman K. et al.:Circulation Research, 1966;18:I-104-I-109
3) Pyörälä K. et al.:Ann. Med. Int. fenn., 1968;57:65-73
4) 小野薬品工業:国内第Ⅰ相試験成績(社内資料;2019年1月8日承認、CTD2.7.6.1)
5) 小野薬品工業:海外第Ⅰ相試験成績(社内資料;2019年1月8日承認、CTD2.7.6.2)
6) 小野薬品工業:国内第Ⅰ/Ⅱ相試験成績(社内資料;2019年1月8日承認、CTD2.7.6.3)
7) Engelman K. et al. : J. Clin. Invest., 1968;47:568-576
8) Naruse M. et al.:Endocr. J., 2018;65:359-371
9) 小野薬品工業:メチロシンのチロシン水酸化酵素阻害(社内資料;2019年1月8日承認、CTD2.6.2.2)
10) 小野薬品工業:メチロシンのin vivoカテコールアミン含量減少作用(社内資料;2019年1月8日承認、CTD2.6.2.2)
11) 小野薬品工業:メチロシンの循環器に対する作用(社内資料;2019年1月8日承認、CTD2.6.2.2)
小野薬品工業株式会社 くすり相談室
〒541-8564 大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号
電話 0120-626-190
小野薬品工業株式会社
大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号
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